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2016 Trade Deadline~大物2選手を獲得したTEX~

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様々な思惑が飛び交った今年のトレードデッドライン。今回は今年のデッドラインの目玉だった2選手を獲得したTEXについて振り返っていく。

 

7/26 TEX⇔ATL
ATL→TEX ルーカス・ハレル+ダリオ・アルバレス
TEX→ATL トラビス・デメリ

先発ローテーションに不安を抱えていたTEXが補強として選んだのはハレルだった。このトレードが決まる前から先発投手獲得について様々な噂が飛び交っていたが、先日のBOSの記事でも指摘したようにフリオ・テヘランやリッチ・ヒルなどの実力のある先発投手はチームが出さないと決めたか、故障持ちかのどちらかであり、市場には先発4/5番手クラスの成績の先発投手しか出回らなかった。

TEXの先発ローテーションのうち開幕から投げ続けていたのはコール・ハメルズとマーティン・ペレスだけで、コルビー・ルイスとデレク・ホランドは故障が長引き、グリフィンも一時故障離脱という有様。チチ・ゴンザレスやニック・マルチネスをマイナーから昇格させて先発させたり、カイル・ローシュをマイナー契約で獲得したりと様々な試みがなされるがいずれも不発。ダルビッシュ有がトミー・ジョン手術から復帰していなければ目も当てられない状況になっていただろう。

ハレル獲得も様々な試みの1つと言っていいだろう。ハレルはATLで5試合に先発し防御率3.38とまずまずの成績を残していたが、K/BB=21/12と投球内容はイマイチ。ハレルは元々コントロールが悪すぎてメジャーで貰い手がなかったためKBOにまでプレー機会を求めて旅立った経験のある投手。好投していたとはいえ5試合だけで、ハレルの能力を考えるとTEXでも好投を続けるとは考えにくい。

しかし、それでもTEXは構わなかったのだろう。ダメで元々、成功すればそれでよし、失敗だったとしても元がマイナー契約であるためサラリーは格安。低リスクで先発ローテーションの穴埋めを試みることができるのだ。結果は2試合に先発した後に故障し15日間DL入りとなった。TEXとしては最低でも5試合に先発させて結論を出したかったところだが、故障者を埋めるために獲得した投手がすぐさま故障することは予想できなかっただろう。

もう1人のアルバレスは27歳のLHP。リリーフとしてATLに16試合に登板し防御率3.00をマークしていた。高い奪三振能力が魅力でリリーフにはうってつけのタイプだ。アルバレスの魅力は貴重な左の中継ぎということもあるが保有期間の長さだろう。TEXは今シーズン終了後5年間アルバレスを保有することができる。なかなかメジャーでの登板機会に恵まれないアルバレスだがマイナーでの成績は悪くなく使ってみる価値はありそうだ。

ハレルとアルバレスの両投手に対して見返りとして放出したのはデメリ1人だけだ。両投手ともそれほど実績がなく実力もまずまずなので、デメリ1人ですんだのだろう。デメリはA+でプレーする21歳のIF。打撃は非常に粗く、K%も30%を優に超えるがその分パワーは本物でトレード前の時点で25本塁打をマークしている。TEXとしては打撃の粗いIFはジョーイ・ギャロ1人で十分なのでタイプの被るデメリを大事に取っておく必要はなかったのだろう。

ATLとしては現状非力な野手プロスペクトが多く、パワーの評価が高いデメリをタダ同然で獲得した2人と交換できるのなら悪くないだろう。

 

Weekly Report: Week-20

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3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-20のキーワードは「ホセ・アルトゥーベ」「ホームラン」「ホセ・フェルナンデス」だ。

 

  • アルトゥーベ

月、イチローがメジャー通算3000本安打を達成したが今週はそれに続くべくイチローと同じヒットメーカーである若武者がその背中を追ってメジャー通算1000本安打を達成した。

アルトゥーベは現地時間の816日のカージナルス戦に3番セカンドでスタメン出場。アストロズは初回、アレックス・ブレグマンの2ランで同点に追いつくとアルトゥーベもレフトにヒットを放ち畳みかける。

さらに1点リードして迎えた4回裏の攻撃。23塁のチャンスでアルトゥーベの第3打席が回ってくる。ここでライトへのクリーンヒットでリードを2点に広げるとともに自身の通算1000本安打に王手をかける。続く第4打席は凡退し、1000本安打を前に足踏みするかと思われた9回裏の第5打席。カージナルスのクローザーであるオ・スンファンの直球をとらえレフト前ヒットを放ち通算1000本安打を達成した。

 

彼の1000本安打で特筆すべき点は何といっても達成するスピードであろう。

出場768試合での通算1000本安打到達は現役選手ではイチローの696試合に次ぐ驚異的なスピードなのである。

2011年にメジャーデビューを果たしたアルトゥーベは2年目の2012年は147試合だったものの、2013年からは昨年まで4年連続して150試合以上に出場し続けている。そして2014年に打率.341で首位打者、56盗塁で盗塁王を獲得し俊足のアベレージヒッターとして名を上げる。ちなみにこの年は最多安打にも輝き、イチロー以来となる首位打者、盗塁王、最多安打の同時獲得を果たした。

また、昨年まで2年連続でシーズン200本安打を達成。今シーズンも現地816日終了時点で170本の安打を記録するなど3年連続のシーズン200本安打に向けて視界は良好である。そして、彼は身長が5フィート6インチ(168センチ)と非常に小柄であるのだが今シーズンはパワーの面においても進化を見せている。現地816日終了時点ですでにキャリアハイとなるホームラン、打点をマークしている。さらにOPSもキャリアハイとなるペースである。

アルトゥーベ自身もゆくゆくは2000本、3000本と安打を積み重ねてゆく選手となるであろう。ヒューストンの小さな大打者に敬意を表するとともにこれからの栄光に胸を膨らませたい。

 

2016 Trade Deadline~インディアンスの独壇場だったアメリカン・リーグ中地区~

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様々な思惑が飛び交った今年のトレードデッドライン。今回はアメリカン・リーグ中地区で唯一コンテンダーとしてトレードを仕掛けにいったCLEについて振り返っていく。

7/31 CLE⇔NYY
NYY→CLE アンドリュー・ミラー
CLE→NYY クリント・フレーザー+ジャスタス・シェフィールド+ベン・ヘラー+J.P.フェイレイセン

現在メジャーでトップクラスのリリーバーであるミラーを獲得することができたのはCLEにとって間違いなくプラスである。過去2年間で133試合に登板し防御率2.03、K/9=14.7、BB/9=2.7。この2年間でミラーに負けず劣らずの成績を残しているのはデリン・ベタンセス、アロルディス・チャップマン、ウェイド・デービスの3人くらいである。

CLEのブルペンはダン・オテロ、コディ・アレン以外のリリーバーがイマイチ信用に欠け、そのうえ故障者も多いという状況だったのでミラーの加入は願ってもなかっただろう。2018年まで毎年$9Mを支払う必要があるが、ミラーの能力を考えると妥当な金額。CLEはスモールマーケットな球団ではあるが、主力選手の多くと複数年契約をそれほど高くない金額で結んでおり、ミラーのサラリーで首が回らなくなるというわけではない。

一方のNYYはこのトレードの時点で既にアロルディス・チャップマンを放出しており、選手を売る立場であった。勝率は5割を超えているものの、ワイルドカード争いからは少し遠ざかっていたため下手に勝負に出てプロスペクトを放出するよりも、現状ある程度戦える戦力を維持しつつ来シーズン以降に備えるという選択をしていた。今回のトレードもその一環だったのだろう。

NYYはチャップマン、ミラーが抜けた措置として来シーズンも保有可能なタイラー・クリッパードをトレードで獲得しており、一応最低限の戦力は整えてある。クリッパードではミラーの代わりは務まらないが、他の防御率が軒並み5点台のリリーバーに比べれば幾分か信頼できるだろう。

NYYが見返りとして受け取った4人のプロスペクトは安定感抜群だったセットアッパーを放出するのにふさわしいと言えるだろう。この4人の中での最大の目玉はフレーザーだ。パワー&スピードに長けるOFで、先月行われたフューチャーズゲームにも選出されていた。どの媒体でも上位にランクインしているトッププロスペクトである。

フレイザーに次いで評価が高いのがシェフィールドだ。常に剛速球を投げるわけではないが、90マイル前半の沈む速球とカーブのコンビネーションに高い評価を得ているLHPだ。若干コントロールに難があるが、今シーズンは先発としてA+で好成績を残している。フレーザーとシェフィールドは2013年と2014年のドラフト1巡目指名選手ということもあって持っている実力はそれ相応に高く、さらにその実力を遺憾なく発揮することができている。

この2人のトッププロスペクトに加えヘラーとフェイレイセンの両リリーフプロスペクトも獲得している。ヘラーはAAAで、フェイレイセンはAAで好投しており、ヘラーは今シーズン中の昇格もありうるだろう。現在弱体化しているNYYブルペンの救世主となるかもしれない。

NYYとしてはチャップマンのトレードと同様に4人のプロスペクトを獲得することに成功。しかも、そのうち2人はトップ100にもランクインしているトッププロスペクトと言うことなしだろう。また、フレイザー、ヘラーは現在AAAでプレーしているため、近いうちにメジャー昇格も望めるのは現在それほど悪くない戦力を有するNYYにとっては朗報である。先日昇格したアーロン・ジャッジや打撃好調のゲイリー・サンチェスらとフレーザーがクリーンアップを打つ日もそう遠くはないかもしれない。

CLEはリリーバー1人に対し4人を放出したが今シーズンはワールドチャンピオンを目指すまたとないチャンスであり、潤沢なマイナー組織を生かすなら今しかないということだろう。フレーザー、シェフィールドの将来主力になりそうな2人の放出は痛いが、同じポジションにはブラッドリー・ジマーやブレイディ・エイケンなど両名に負けないほどの実力を持ったプロスペクトがいる。少々の大盤振る舞いをしたとはいえマイナーがスカスカな状態になることはない。