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Weekly Report: Week-21

- マット・ムーア
「あと、一人」。ここで涙を飲んだ投手は少なくない。
サンフランシスコ・ジャイアンツにシーズン途中で加入した左腕もその一人となってしまった。
8月25日、敵地で行われた西地区首位対決・ドジャース戦。シーズン序盤の好調ぶりはどこへやら、ずるずると負けが込む間にドジャースに首位を逆転されてしまっていたジャイアンツ。前日までにジャイアンツは4連敗を喫しており、この試合を負けるとドジャースにスイープを食らうことになってしまう、絶対に負けられない一戦となっていた。
対戦相手のロス・ストリップリングからジョー・パニックの2ラン本塁打などで3点を先制すると、ムーアはドジャース打線を次々と手玉にとっていく。途中3つのフォアボールを出しながらも、8回まで119球を投げ無安打無失点。首位対決、しかも敵地でノーヒットノーランとなれば、これ以上ない弾みがつく。監督のブルース・ボーチーはムーアに確認を取り、9回のマウンドへ送り出す。
9回裏、ノーヒッターの予感がさらに強くなった。先頭打者のキケ・ヘルナンデスへのカウント1-2からの4球目、センターに弾き返された球をデナード・スパンがファインプレイでアウトにした。「ノーヒッター、もしくはパーフェクト・ゲームには野手のファインプレイがつきもの」とはよく言われる。今回も例に漏れずファインプレイが飛び出し、いよいよあと2人。次のハウィー・ケンドリックも7球かかりつつも打ち取った。決まった――そう思われた。
しかし、ドジャースにはこの男がいた。新人王候補筆頭、兄にはマリナーズで活躍中のカイルを持つコーリー・シーガーである。何の因果か、この日は彼のボブルヘッド・デー。9回2アウト、あと1人で彼に回ってきたのである。ライバルにホームでノーヒッターを食らうなどという屈辱的なことはあってはならない。ドジャー・スタジアムのファンの願いは彼に託された。
ムーアが投じた133球目であった。内角のストレート。バットの根元に当たり、詰まった当たりのフライがライトへ。しかし、詰まりすぎたのだ。ライトに途中から入ったゴルキス・ヘルナンデスの必死のチャージも空しく、打球はポトリと彼の前へ。ノーヒッターを逃したムーアはここでお役御免、敵地のファンからも拍手を受けながらダグアウトに下がっていった。
しかし、ムーアの好投がチームに良い影響を与えたことは間違いないだろう。ここから9月の前半までは敵地でのカブス3連戦を除きいずれも下位に沈むチームとの試合が続く。勝ち星をしっかりと稼ぎ、ドジャースに食らいつきたい。シーズン最終3連戦はなんとホームでドジャースを迎えることになっている。この前に優勝を決められ西地区王者として乗り込まれるのも癪だし、ましてやこの3連戦でドジャースの優勝が決まるなんてまっぴら御免だろう。
宿敵ロサンゼルスを倒す為に。そしてなにより、「偶数年の栄冠」をもたらす為に。ムーアの投球には、サンフランシスコの思いが詰まっている。
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