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その後はレスターとミラーから代わったコディ・アレンが無失点に抑え3点差のまま推移するが、8回裏レスターが2アウトからランナーを出したところでカブスベンチはクローザーのアロルディス・チャップマンを投入。ところがチャップマンは球速はそこそこ出るもののいつものようにボールにキレがなくブランドン・ガイヤーにタイムリーを打たれ2点差に。

ここで打席入るのはデービス。今日は守備で何度かマズい判断をしていただけに、何とか名誉挽回をしたいデービスは追い込まれてもファールで食らいつく。そして7球目、97マイルの低めの速球を振りぬくとボールはレフトスタンドへと一直線。歓声で揺れるプログレッシブフィールドをゆっくりとデービスが1周し遂に同点にとなった

9回表この試合点を取られた直後に取り返しているカブスは四球のランナーを相手のミスなどで3塁に進めると打席にはバエズ。ランナーが3塁に進んだ時には既にフルカウントとなっていたがここでカブスベンチはスクイズの指令をだす。しかし、突然のバント指令にバエズは答えることができず、なんとかバットをボールに当てるもファールゾーンに転がり3バント失敗。この時点で2アウト。

打席にはこの試合本塁打を含む3安打のファウラー。ファウラーが放った打球はセンターに抜けるかと思われたが、あらかじめ二遊間を詰めていたリンドーアが打球を捕り1塁に送球してアウトに。カブスは千載一遇の勝ち越しのチャンスを逃してしまう。

9回裏も続投となったチャップマンもこの回は無失点に抑えワールドチャンピオンを決める戦いは延長へと入る。そして10回表を始めようかというところで雨が強く降りだし、グラウンドにはタープが敷かれ一時中断。束の間の休息が選手達に与えられた。そして、カブスのダグアウトでは今シーズン不調にあえいでいるジェイソン・ヘイワードが今シーズン最大のファインプレーを行った。

ヘイワードは「僕はここにいる全員が大好きだ。ここまで一緒にプレーできたことを誇りに思う。皆、鏡を見てみろ。どれだけ自分がこの舞台にやって来るまでチームに貢献してきたか思い出せ。これからどうなるか、これからどうしていけばいいか分からないけど、グラウンドに出るんだ、そして勝つんだ」とブライアンとが後に「最高だった」と振り返る演説を行った。この演説で8回にクローザーのチャップマンが打たれて同点に追いつかれ意気消沈気味だったチームは再び活気づいた。

降雨中断から再開された10回表、9回の途中からマウンドに上がっていたブライアン・ショウが先頭のシュワバーにヒットを打たれる。ここで代走にロベルト・アルモラjrが送られるとブライアントの打球は大きなセンターフライ。この打球でアルモラjrがタッチアップを決める好判断を見せ1アウト2塁。次ぐリゾは敬遠で1、2塁となると、打席にはベン・ゾブリスト。打てば2年連続ワールドチャンピオンにぐっと近づく場面。ゾブリストがショウの外角のカットボールを上手く流すと、3Bを守るホセ・ラミレスのすぐ脇を抜けていき勝ち越しとなるタイムリーに。

ショウは次の打者にもタイムリーを打たれたところで降板。1アウト満塁の場面でトレバー・バウアーに後を託した。バウアーが何とか後続を打ち取るも10回表終了時点で2点差。そして、10回裏のマウンドにはチャップマンに代わりカール・エドワーズjrが上がった。

10回裏、2アウトとなり万事休すかと思われたが四球で出たガイヤーが盗塁で2塁にまで進むと続くデービスがセンター前にタイムリーを放ち1点差に。ここでカブスは大事を取って投手をエドワーズからマイク・モンゴメリーに交代する。打者はマイケル・マルティネス。本塁打が出れば逆転サヨナラワールドチャンピオンという場面。しかし、マルティネスの打った打球は3Bのブライアントの正面に。そつなく捕球し、ボールを1塁に送球。

このプレーで3アウト、試合終了となりシカゴ・カブスが108年ぶり3回目のワールドチャンピオンに輝いた。

ワールドシリーズのMVPに輝いたのはシリーズ前半、他の打者が苦しむ中1人調子落とさず、この試合10回表に勝ち越しとなるタイムリーを放ったゾブリストとなった。ゾブリストは「ボクシングのヘビー級の戦いのようだった。やられたらやり返すの繰り返しの中、皆が気持ちを全面に押し出して戦っていた。インディアンスも全く諦めなかった中で、僕たちが優勝して108年の時を経てトロフィーを掲げることができるなんて信じられない」とコメント。両チームとも常に総力戦で戦ってきたこのシリーズを言い表しているコメントと言える。

カブスのジョー・マッドン監督は「カブスに関わっている人全員にとって素晴らしい瞬間になった。そして、これからも前進し続けなければならない。チームには若い選手が多く、これからさらによくなっていく時間はたっぷりとある。そして今や我々を束縛するものもネガティブな話題もない」と話し、ワールドチャンピオンになった喜びを噛みしめつつも、既に来シーズン以降のことを見据えていた。

カブスはワールドチャンピオンになったことでヤギの呪いもスティーブ・バートマンにまつわる出来事も、過去の遺物として鼻で笑うことができるようになった。今カブスには新たな可能性で満ち溢れている。マッドン監督が言うように若く、チームはこれからよりよくなっていくだろう。獲得するのに108年かかったワールドチャンピオンのリングを最短期間で再び手にすることも不可能ではないだろう。

一方で惜しくも敗退してしまったインディアンスは中3日で回していたローテーションのツケが最後の最後で回ってきた展開となってしまった。フランコーナ監督は「皆全力を尽くして戦った」とコメント。シーズン開幕から主力選手の故障に悩まされ、シーズン終盤にも主力選手に故障が相次ぐなど非常に苦しいやりくりとなった中で精一杯戦った選手を褒めた。

ジェイソン・キプニスも「この場所に戻って来る」と決意を新たにした。

インディアンスはカブスがワールドチャンピオンになったことで現在メジャーで最もワールドチャンピオンから遠ざかっているチームになってしまった。それでも悲観することはない。故障者が続出する中でこれほどの戦いができるチームはそうそう他にはない。キプニスが言ったように再びワールドシリーズの舞台に戻って来るのはそう遠い話ではないだろう。

現地時間2016年4月3日から始まった長い今シーズンも今日で終了。これほどまでに熱戦が続いたワールドシリーズはそうそう見れないのではないだろうか。全ての試合が今シーズンのハイライトとして相応しい試合だった。明日からは再び長いオフシーズンが始まる。現地時間2017年4月2日の開幕戦まで首を長くして待つこととしよう。

 

Text by Ookaya Ryota
写真: https://flic.kr/p/NEEZtC

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