2017 Trade Deadline ~躍進チームそれぞれの判断

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 ②ロッキーズの場合

ロッキーズはフィリーズからリリーフのパット・ニシェク(RHP)とレンジャーズからジョナサン・ルクロイ(C)を獲得した。どちらもDバックスと同様にPO進出を狙った補強である。ロッキーズにとって大きな意味がありそうなのはニシェクの獲得だろう。シーズン前半をフィリーズで過ごしたベテランのニシェクはチームで唯一のオールスターに選出されるなど大活躍を見せていた。ロッキーズでは、カムバック賞候補にも挙げられているグレッグ・ホランド(RHP)に繋ぐためのセットアッパーとしての役割を担っている。ロッキーズはMLB全体でセーブ数が1位のホランドを擁しながらもチーム全体のリリーフ陣の防御率が課題として挙げられていた。実際にニシェック加入前までのホランドの防御率が1.72だった一方彼以外のリリーフの防御率は6.28と課題は明白だった。まさに適材適所の選手を獲得できたと言えそうだ。一方のフィリーズが獲得したのは内野手のホゼ・ゴメスと右投手のJDハンマー、同じく右投手のアレハンドロ・レケーナだ。いずれもAクラスレベルでプレーする選手だが、3AなどよりもAの層が薄いフィリーズにとってはいい補強だろう。ゴメスはロッキーズ傘下で今シーズンOPS.811を記録するなど打撃面とメイクアップの評価が高い。しかし、守備の評価が芳しくなくMLBではユーティリティープレイヤーになるだろうと評価されている。ハンマーは2016年に入団した眼鏡が印象的なリリーフ投手で今季は防御率2.25WHIP0.96などブレイクしている。K/BBが約5と投球内容も素晴らしい。一方のレケーナは先発投手であり、こちらも今シーズン成績を向上させた選手であり将来が楽しみだ。

 

③ブルワーズの場合

ブルワーズは昨年のオフに獲得したエリック・テームズ(1B)やエリック・ソガード(2B)、トラビス・ショウ(3B)の活躍が光り、昨年の王者カブスに5.5ゲーム差をつけてオールスター前には首位に立った。ただし、ホームとアウェーでの防御率の差がリーグ1位と安定感のないザック・デービス(RHP)や4月は 防御率3.38とまずまずだったが、6月の防御率が5点台近くに落ちたマット・ガーザ(RHP)が先発ローテーションに入っていたためその実力に懐疑的な識者も多かった。さらに後半戦開幕前日の13日にライバルのカブスがホワイトソックスからホセ・キンタナ(LHP)を獲得した。その効果もあってかカブスは7月に調子をあげて、実際に7月26日にブルワーズはカブスに5月27日以来初めて首位の座を奪われた。ブルワーズにもダルビッシュ有(RHP)やソニー・グレイ(RHP)獲得の噂が浮上していた。しかし、実際にはアンソニー・スウォーザック(RHP)とジェレミー・ジェフレス(RHP)をそれぞれホワイトソックスとレンジャーズから獲得するにとどまった。確かに今シーズンのブルワーズは小さくない驚きを提供しているが、本来はまだ再建中のチームである。また、今シーズンの前半線はカブスの躓きとカージナルスの不振で首位を走ったが、ブルワーズの本来のチーム力はこの2チームに見劣りするものだ。グレイやダルビッシュの獲得に乗り出せば、確実にマイナーの層は薄くなっただろう。さらに、今シーズンはワイルドカード争いのレベルが高く現実的には地区優勝する以外ではプレーオフ進出は厳しい状況だった。ブルワーズのスターンズGMは今シーズンのプレーオフ進出を狙うか、来年意向を見据えた動きをするかで難しい状況に立たされていたといえよう。最終的に課題の1つだったブルペンを補強したことでチーム力の底上げに成功した一方取引相手からの要求が高くなるダルビッシュなどのエリート選手の獲得を避けてマイナー組織を弱体化させなかった。最終的にブルワーズが今シーズンプレーオフに進出できるかはわからないが、仮に進出できなくてもチームの将来に大きなダメージを与えない素晴らしい補強だったと言えるだろう。

 

Text by Yuichi Ando
写真:https://flic.kr/p/H2WbPp

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