MLBを取り巻くメディアの変化~映像メディアの進化と活字メディアの挽回策~

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昨年の夏にMLBに関して衝撃のニュースが飛び込んできました。それは選手の移籍に関することでもなく、選手のゴシップネタでもありません。FOXSportsがMLBの報道に関してビデオ事業に専念することを決めたことです。そして何よりも大きな驚きを与えたのがFOXSportsで2005年から記者として活動していたケン・ローゼンタール記者が書き手としての仕事を失ったことです(その後もFoxの試合中継などでのコメンテーターの仕事は続けています)。今更説明するまでもないかもしれませんが、ローゼンタール記者はTwitterのフォロワー数が100万人近くいて有名選手の移籍情報などを1番に伝えることも多いMLBをカバーしている記者の中でも中心人物の一人です。そんな人物が書き手としての立場を失ったのです。今回の記事ではその背景には何があるのかとこれからMLBを取り巻くメディアがどう変化するかを考察していきたいと思います。

本格的にインターネットが普及し始めてからおよそ20年が経ちました。現在ではインターネットなしには、生活が成り立たないレベルにまで浸透しています。インターネットの普及は我々日本人のMLBファンのMLB観戦の方法をも劇的に変化させました。インターネットが普及する以前にはMLBの試合を見ようとすれば、テレビやラジオに頼るしかありませんでした。しかしテレビやラジオは全30球団をカバーしていたわけではありません。それが現在ではどうでしょうか。有料サービスであるMLBTVに加入すれば、いつでも好きな時に好きな試合を見ることができるのです。飛行機に12時間近く乗らないと着くことができないロサンゼルスの試合を東京で高画質で楽しむことができるのです。それだけではありません。TwitterやFacebookなどのSNSを利用すれば、選手のプライベートの様子や最新の移籍情報を瞬時に大量に楽しむことができるのです。英語が堪能な方であれば、現地の新聞のオンライン版から情報を得ることもできます。記者でもない一般人が、日本から遠く離れたアメリカの地方紙の記事を読むことができるというのは、まさにインターネットのおかげと言えるでしょう。

つまり現在のMLBでは、試合だけでなくSNSでの情報収集や選手のプライベートを垣間見るなど娯楽の種類と数がインターネット浸透以前と比較して圧倒的に増加しているのです。これは言葉を換えると、1つ1つの娯楽にファンがかける時間は減少しているということです。2015年の7月には試合中に自身がトレードされると報道されたことがきっかけでウィルマー・フローレス(NYM)が涙を流すという出来事がありました。これは実際には誤報でしたが、SNSは非常に盛り上がりました。これは現在のMLBでは試合以外にもエンターテイメントが潜んでいることと、時にはそれが試合以上に盛り上がる可能性があることを表す好事例です。

ここまで、インターネットが本格普及したことで起こった2つの変化についてまとめてきました。1つ目は高速通信が可能になったことで、日本にいても好きな時に高画質で試合を楽しめるということでした。2つ目は高速通信が可能になったことで、野球の試合以上にSNSが盛り上がったりすることが出てきて1つ1つの娯楽にファンがかける時間が減っていることでした。以下ではこの2つの変化が活字メディアの衰退にどのようにして繋がっていくのかを見ていきます。

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