Weekly Report :Week7

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・マット・ハービー

んなに美しい物語でもいつか終わりは来る。MLBでもまた新たに大きな物語が終わりを告げた。

それはニューヨークを舞台にしたマット・ハービーという主人公がチームのエースとして奮闘するお話しだ。全盛期は華やかな盛り上がりを見せたこの物語も残念ながら、最後はあっけなく終わってしまった。

 

ハービーは2010年のドラフトで全体7位指名を受けてメッツに加わった。高校時代からプロスペクトとして見なされていて当時はリック・ポーセロ(現BOS)やマディソン・バムガーナー(現SF)と同じくらい高く評価されていた。ハービーもエンゼルスから指名を受けたが、契約金の折り合いが付かずにノースカロライナ大学に進学した。大学1年目と2年目は制球が悪かったけれど、3年目に大きく評価を伸ばして全体7位の名誉を勝ち取った。プロ入り後はマイナーの階段を駆け上がり、MLBに昇格した。

 

彼の名前が一躍有名になったのは2013年前半の支配的な投球だろう。特に印象深いのは5月7日のホワイトソックス戦だ。9回を無失点12三振と好投した事はもちろん、鼻血を出しながら投げていた事が印象深い。その後彼は地元シティフィールドで開催されたオールスター戦のNL先発投手に選ばれた。彼の活躍にニューヨーカーは歓喜して、2009年以降遠ざかっていた勝率5割超えそしてPO進出へと導く救世主だと持て囃された。

 

しかしハービーの成功は長続きせず、8月24日のタイガース戦を最後に彼はトミージョン手術を受ける事になった。2014年は全休で、2015年は完全復活を遂げた。チームも久々のプレーオフで躍進を続けて、ワールドシリーズに進出した。ある意味ではこのワールドシリーズこそがハービーとメッツにとっての不幸の始まりだったのかもしれない。ワールドシリーズ第5戦にハービーは先発したが、この試合の前にロイヤルズは既に王手をかけていた。ハービーはその試合で好投する。8回を無失点と支配的な投球を披露した。9回は投手交代が濃厚だったが、彼はマウンドに向かった。その結果は残酷だった。メッツは9回表に同点に追いつかれて、最終的に逆転負けを喫してロイヤルズがワールドチャンピオンに輝いた。

 

2016年以降のハービーは贔屓目に見ても、かつてのハービーではなかった。速球の球速は低下の一途を辿り、成績は下降線だった。さらに不味かったのは不祥事の数々だ。昨年はシーズン途中にチームの夜間外出禁止令を破った事もあって3試合の出場停止処分をチームから受けている。今季も4月29日からのパドレス3連戦の前日の夜にロサンゼルスで遊んでいた事が明らかになっている。さらにブルペン転向後のある日は、試合後の取材を拒否した事で印象を悪くしていた。

 

今週メッツからレッズへのトレードが正式に成立して彼は大都会ニューヨークからシンシナティに引っ越す事になった。シンシナティの人口は約30万人だ。これは日本の都市と比較するならば、福島市や久留米市と同じ規模だ。今までのように華やかな生活からは距離を置く事になるかもしれない。しかしこれを機に再びコンディションを整えて、またMLBの世界で輝くハービーが戻る事に期待したい。

 Text by : Yuichi Ando

Photo :https://www.flickr.com/photos/slgc/8006479788/

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