2019 NLDS Review : WSH VS LAD

            ナショナルズが通算成績3勝2敗でドジャースを下し、ナショナルリーグ優勝決定シリーズへ駒を進めた。   Game 1 WSH 0 More »

2019 ALWC Review:TB vs OAK

             総年俸の低い球団対決として注目されたこの試合はレイズが勝利した。 TB 5 – 1 OAK    レイズの先発は More »

2019 NLWC Review:MIL vs WSH

             2019年のポストシーズン開幕戦として現地時間10月1日にワシトン・ナショナルズとミルウォーキー・ブルワーズがワシントンD.Cで対戦し More »

後半戦展望:テキサス・レンジャーズ

             シーズン開幕前は昨シーズンの最下位から大きな補強もなく、今シーズンも苦戦が予想されていた。しかしながら、ここまでオールスター前は48勝 More »

夢へのスタート地点が人によって違うということ―ジミー・ガバーンとCJ エイブラムスの場合―

             アイダホ・フォールズ・チューカーズ(KC傘下)にジミー・ガーバン(2B)という選手が所属している。1996年11月11日生まれの22歳 More »

 

トレード・デッドラインを振り返って

26856749837_a05b6f503c_z

 

 

 

 

 

 

 シンシナティ・レッズ

 ニューヨーク・メッツ同様に来季を見据えたトレードとして、オークランド・アスレチックにタナー・ロアーク(RHP)を放出。見返りとしてジェームソン・ハンナ(CF)を獲得。今オフFAのスターターを放出してもレッズのローテーションは強固である上、アスレチックスにしてみれば貴重なセンターラインのプロスペクトとは言え、メジャークラスのスターターを獲得することは急務であった。

 

 後述するスクーター・ジェネット(SS)の放出により、来季の内野編成にニック・センゼル(CF)が加わる見込みが高まった。今年の1月にレッズの編成について記事を書いたが、今オフの動向も面白そうなチームである。

 

 サンフランシスコ・ジャイアンツ

 ミルウォーキー・ブリュワーズからマウリシオ・デュボン(SS)を獲得。既にAAAに到達しているプロスペクトだ。ジャイアンツはソガードの獲得を目論んでいたため、その代わりと言える。見返りとしてドリュー・ポメランツ(LHP)とレイ・ブラック(RHP)を獲得。ブリュワーズは野手より投手を重視していることを感じさせるトレードとなった。

 

 シンシナティ・レッズからスクーター・ジェネット(2B)を獲得。見返りは金銭。レッズにしてみれば、今オフFAであるものの契約延長交渉が上手くいっていなかった上、ニック・センゼル(CF)がいるため痛手ではなく、ジャイアンツは実績ある2Bを獲得することに成功。

 アトランタ・ブレーブスからトリスタン・ベック(RHP)とダン・ウィンクラー(RHP)を獲得。見返りとしてマーク・メランソン(RHP)を放出。ウィンクラーは前年69登板と来季以降出場機会を伸ばす見込みが高く、ブレーブスにしてみれば、メランソン獲得でWS制覇に一歩近付けたか。

ブレーブスは、くわえてデトロイト・タイガースからシェーン・グリーン(RHP)を獲得している。こちらが本命のトレードと言えるだろう。

 

 マディソン・バンガーナー(RHP)を放出出来なかったが、ベテランリリーバーを売却することは出来た。ジャイアンツの場合、黄金期に結んだ数々の長期契約に縛られた編成であるため、大胆に再建期に踏み出すよりは、スタープレイヤーを起用して集客率を落とさない方がベターなのかもしれない。

 

 トレードを振り返って

 ザック・グレインキー(RHP)の移籍はインパクトが大きかったが、8月中のトレードを禁止された悪影響を否めなかった。

 要因は他にもあるが、来季以降を見据えて選手を出し渋る球団が目立った。

 ただ、0か100のようなチーム編成が多い現在のMLBにおいて、更地ではないが地区優勝を果たす編成でもない状態が戻ってきたと考えれば、悪いことばかりではない。しかし、その状態がベターかどうかは同地区のチーム編成に影響を受けてくる。群雄割拠のNL中地区では良いだろうが、玉石混合のNL西地区で同じことはしない方が良いと考える。NL東地区も然りである。

 出し渋った要因として、選手の価値が多様化していることも挙げられる。

 本塁打数が多ければ良い選手か、肩が強ければ良い選手か、防御率が多ければ良い選手か、球速が速ければ良い選手か。昔はそうであった。だが、現代は否と言える。適切な打球角度や速度、守備位置から捕球位置に至るまでのルート等、投手であれば、打たれる打球の傾向や球の回転量や変化の仕方等、結果に至る過程が詳細に明らかにされるからである。昔は、計算式は分からず、答えのみがあった。それが、計算式が公開され始め、中には誰でも計算して求められる答えも出てきた。

 しかし、これから活躍するか否かは結局誰にも分からない。価値が多様化したからこそ未来予測はより難しくなり、リスクヘッジの重要性が向上。その結果として出し渋る今回のTDLに繋がったのではないだろうか。無論、それは悪いことではなく、良いことである。だが、リスクを恐れすぎては勝者になることはないだろう。

 

 結局、ミネソタ・ツインズは大きく動くことはなかった。コアとなるべく野手は長期契約を結んでおり、来季以降も勝負を仕掛けることが可能であるため、堅実な選択である。

 オークランド・アスレチックスはタナー・ロアーク(RHP)を獲得したものの、昨オフの始動の遅さに起因する投手層の薄さを十分にカバー出来なかったのではないだろうか。十分ではないのであれば、ロアーク獲得のためにプロスペクトを放出する必要はなく、若干中途半端な動きとなった。しかしながら、ツインズ同様に来季以降も勝負は可能であり、結果論だが、アストロズがグレインキーを獲得したため、大きく動いた方が損だったかもしれない。

 NL東地区は、勝ち越している3球団が勢いを緩ませないトレードを敢行。ニューヨーク・メッツは来季以降を見据えてはいるものの、安定性に欠けた編成でこの3球団と互角に渡り合うのは難しく、マーカス・ストローマン(RHP)を獲得せずにノア・シンダーガード(RHP)を放出すべきだった。

 また、タンパベイ・レイズの今シーズン通した補強が印象強い。選手を放出するタイミングや保有年数等を他球団以上に気にかけなければならない球団の1つであり、TDLにおけるメジャークラスの投手陣や外野手のプロスペクトの入れ替えは手際良いものだった。

 NL中地区は、ベストではなくベターを意識した補強が多かった。ハイリスク・ハイリターンよりローリスク・ローリターンなトレードか。その中で、シンシナティ・レッズのトレバー・バウアー(RHP)獲得は衝撃的だった。バウアーは来オフFAとなるため、20年に自信があると言うことだろうか。

 NL西地区は、代走のスペシャリストや控え野手等、保険に重点を置いたロサンゼルス・ドジャースの補強が、どのような成果を挙げるのか興味深い。サンフランシスコ・ジャイアンツとアリゾナ・ダイヤモンドバックスの動きは想定より小さいものだった。ザック・グレインキー(RHP)を放出したダイヤモンドバックスはさておき、ジャイアンツはwin nowともrebuildingとも言い難い状況。サンディエゴ・パドレスは、筆者の予想ではあるものの、ノア・シンダーガード(RHP)獲得を見据えて先日のトレードに介入したと考えている。だが、テイラー・トランメル(OF)を獲得するために多くの血を流しただけになった。

 

Written by Tsubasa Komiyama

Photo link https://flic.kr/p/GVeS3Z

1 2 3

コメントを残す