THE PORTRAIT:コール・デブリース

De Vries

ミネソタ大3年時の2006年に、コール・デブリースは防御率2.42&72奪三振でリーグトップの値を記録した。しかし傑出した内容でありながら、そしてメジャーリーグでは例年1500人程がドラフトで指名されるにも関わらず、デブリースは2006年時のドラフトで全てのチームのリストから漏れた。結果的にはその年8月よりアマチュアFAとしてミネソタ・ツインズとの契約に合意する形でプロとしてのキャリアを辿り始めたが、明らかにコール・デブリースはアンダードッグであった。

アマチュアFAたる立ち位置からもメジャーの舞台でのブレイクを果たした素材はマイク・アダムスやブランドン・ビーチー等多彩に揃うが、彼らはいずれもマイナーで鮮烈な内容を披露した共通項が存在する。しかし簡潔な話をすれば、デブリースはマイナー時の内容も目立つモノでは無かった。2008年にはA+で10勝&防御率2.98をマークするも、翌年2Aで防御率4.84、K/BBも1.96と平凡な内容で終えると、2010年以降はリリーフメインの起用法へとシフトされてしまう。2010年は48登板中43試合、2011年は45登板で43試合リリーフとして傘下で扱われ、2010年に至っては防御率も5.79。3Aまで歩を進めていたが、デブリーズのキャリアは傑出したモノでは無く、『ベースボール・アメリカ』誌でも1度も傘下のプロスペクトとして扱われることは無かった。

しかし2012年にデブリースのキャリアはにわかに風向きが変わる。3Aで先発ローテーションを任されると、この年12度の先発で70.0イニング、1.6を記録したBB/9に相まってK/BBが5.00の高い値をマーク。5月24日にはシカゴ・ホワイトソックス戦でメジャーデビューを果たし5.0イニングで96球、自責点3で抑える内容を披露した。その後も16度の先発含め17試合で登板を果たし、87.2イニングを経験。ここ数年崩れが伺えるツインズ先発ローテーションにおいて、今シーズン80イニング以上を投げた選手で唯一のK/BB3点以上を記録したデブリースは、ドラフト時のアンダードッグ評から一躍にして期待の新星へと自らの立ち位置を高めたのだった。

マイナー通算のK/BBは2.68に止まるが、デブリースの持ち味は全てのボールを安定したコマンドで操ることが出来る部分にある。90マイル前後の4シームとスライダー。カーブとチェンジアップを織り交ぜる内容は傑出した側面も無く、地味なピッチングであると評するに尽きる。しかし自ら自滅することが無い安定感は評価に値する上に、高目の4シームで打者を捻じ伏せるシーンも散見される部分はデブリースの特徴であろう。最速でも93マイルに止まる右腕であるが、1言で技巧派と表現するには複雑な要素を兼ね備えた素材であると言える。

純粋なパワー面ではアドバンテージを持たないデブリース。彼にとって70マイル前半のカーブは重要なアクセントである。大きな弧を描く訳では無いが、緩急を作り出す上で大きな影響を持っているボールだ。4シーム主体でフライの割合も高いが、要所をストレートで押すことが出来る場面は明らかにカーブによって作り出されている。驚くべきボールでは無いが、スライダーも上質な部類である。空振りを奪うよりもバットの芯を外す上で意味のあるボールだ。

凄さは無いが、まとまりのあるスタイルを誇る。1985年生まれで既に27歳。大幅な向上が望める年齢では無いが、堅実なローテーション下位として注目したい存在だ。16度の先発で彼が5イニングを投げ切れなかった試合は僅かに2度のみである。監督であるロン・ガーデンハイヤーを含め、誰しもがデブリーズが持つ粘り強さを評価している。

左右では右打者に対しての方がOPSは悪く、それぞれ.773/.690である。しかしK/BB等の面を考慮すれば攻め手に苦慮しているのは左打者に対してであり、その上ではチェンジアップの向上が課題となろう。よりチェンジアップの比重を増やすプロセスを経て、左右共に安定したカウントを維持することが出来るようになるはずだ。

ミネソタで生まれ育ったデブリース。メジャーの舞台で一定の証明を終えた今、次なるステージはミネアポリスのカルト・ヒーローだ。地味ながらも堅実な存在。まさしくツインズらしい素材では無かろうか。

 

Text by Koichi MIYAZAKI
写真:http://www.flickr.com/photos/courtney_silvia/7658648404/


One Response to THE PORTRAIT:コール・デブリース

  1. ルーキー企画をアップしました。ツインズのルーキー右腕であるコール・デブリースを取り上げました。 #mlbjp
    http://t.co/ZXaI1OxL

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