The Truth -日本人メジャーリーガーを辿る-:ダルビッシュ有

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日本人メジャーリーガーの実像を追うシリーズ型のこのコラム。第7回は、日本が生んだ最高のアームであるダルビッシュ有を取り上げる。

 

 

  •  締め括り -可能性の証明-

テキサス・レンジャーズは2012年を屈辱的な締め括りを持って終えた。少なくともシーズン終盤の凋落により、彼らはオークランド・アスレチックスが辿った奇跡のストーリーを止めることが出来なかった。そして惨めな程に揺るがない優位を示したボルティモア・オリオールズとのマッチアップ -レンジャーズの相手はジョー・ソーンダースであった- を持ってしても、レンジャーズは敗れ去った。彼らはそれまでサンドバッグの如く打ち続けたソーンダースのツーシームを平凡なゴロとしてのみしか対応出来なかった。 

アメリカン・リーグの覇者として名声を示していたレンジャーズという1つのチームは、たった1ヶ月ばかりのパフォーマンスにより、1年間で2度に渡りミラクルを演出した見事なまでの「引き立て役」と化した。イージーなミス。パワフルな打線も迫力を欠いた。そして、その象徴がジョシュ・ハミルトンだったことは言うまでも無い。

一方で、特にレンジャーズを間近で追い続けた何人かが、惨めな幕切れの中に曖昧ながらも希望を見出していたことも触れなければならない。曰く、レンジャーズがオリオールズに敗れたワンゲーム・プレーオフの試合は、2013年における眩い光を放つモノであった。曰く、それはレンジャーズがクリフ・リーを失った後からの不毛なエースの発掘作業を終えた日であった。

そのスポットライトの主がダルビッシュ有であることは言うまでも無い。合計$100Mを上回る金額を支払い、日本から呼び寄せたタレントは、テキサス・レンジャーズが辿った163試合目にして、自らに秘められたエースとしての可能性を証明したのだ。

5~8月にかけて、ダルビッシュの防御率は4.15を下回ることも無く、K/BBも6月の2.67がトップたる平凡なパフォーマンスに終始していた。しかし9月に入り、メカニクスを調整した結果彼のピッチングは劇的な変化を示す。コマンドが改善され、カッターを主体にゾーンを積極的に攻める内容を実現させた影響が、この間の防御率2.21、一躍5.57 -36.2イニング/39奪三振/7四球- までに向上を果たしたK/BBに表れている。

そして163試合目にして、ダルビッシュは6.2イニングで7個の三振を奪い、そしてメジャーリーガーとして、初めて四球を喫すること無くピッチングを締め括った。3点こそは失った。しかし開幕から示していた支配的な側面と、まとまりの融合。その正体は定かでは無く、曖昧なモノであった。しかし紛れも無い。2012年を終える直前にして、ダルビッシュは日本時代からの鮮烈なパフォーマンスに相応しいだけの輝きを放った。

そして2013年の開幕から間も無くして、曖昧な希望は輪郭をはっきりと示した。

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One Response to The Truth -日本人メジャーリーガーを辿る-:ダルビッシュ有

  1. 8.2IP/14K/0BB/1H。2013年シーズンを素晴らしいスタートで飾ったダルビッシュ有を取り上げたコラムです。 #mlbjp
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