Big Stake For Freshman. 第6回「MLBプロスペクト」

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  • 今回のテーマは「プロスペクト」! 

こんにちは!メジャーリーグ入門コラム6本目となる今作、担当者が再度チェンジしてお送りするは「プロスペクト」の紹介です。

「えー、プロスペクト…?マイナーリーガーはちょっと…」とか口にしてしまった方もいるでしょう。「実はメジャーリーグに占めるプロスペクトたる存在は結構大きいんだよ!」という話を、まずは下のトレードを例にしようと思います。

2012年12月9日、カンザスシティ・ロイヤルズとタンパベイ・レイズでこんなトレードが成立しました。当時は大きく取り上げられましたねー。

 

* KC→TB
ウィル・マイヤーズ(OF)
ジェーク・オドリッツィ(RHP)
マイク・モンゴメリー(LHP)
パトリック・レオナード(1B/3B) 

* TB→KC
 ジェームズ・シールズ(RHP)
ウェード・デービス(RHP)

 

このトレード、ザックリ言えば「目の前の勝利⇔将来への投資」たる内容のトレードでした。これ以前にも似たような試みのトレードは過去にもありましたが、中でもコイツはインパクトがずば抜けたモノだったのです。

他の選手も(私の中では)そこそこビッグネームなのですが、トレードの中心人物は2007~2012年まで2ケタ勝利&200IPをクリアした正統派エースのシールズと、2012年に2A‐3Aで37ホーマーを打ち、『ベースボール・アメリカ』誌選出の「マイナーリーガー・オフ・ザ・イヤー」に輝いた若いタレントのマイヤーズ。シールズの代わりに若いアームにチャンスを与えることでサラリーを削りたいレイズと、一向にメドが立たないエースの座を埋めてくれる存在を欲していたロイヤルズのニーズが合致したことで成立しました。

下はシールズの2013年ハイライト。

こちらはマイヤーズです。

「今」強力なエースであるシールズと、「これから」強力な打者に成り得るだろうマイヤーズ。このトレードは、まさしく昨今のメジャーリーグのトレンド ‐将来を犠牲に目の前の勝利を買うこと‐ を象徴しています。

ESPNのキース・ロー(『マネーボール』にも出ていますね!)のようにマイヤーズを出したロイヤルズをコキ下ろしたライターもいました(「GMもクビがちらつくと焦るよね」というコメントを残し、デイトン・ムーアGMがブチ切れる一幕もありました)が、1年以上が経ち多くのコメントを振り返ると、このトレードは「釣り合いが取れている」と見る向きが多いです。

当時の"MLB Trade Rumors"の記事を見ると、以下のようなコメントが見られます。

 

* デトロイト・タイガースにとってシールズのロイヤルズ入りは不都合なモノ
* あるGM曰く「マイヤーズは大きなインパクトをもたらさないだろう」し「どちらが良いと言えるトレードでも無い」
* プロチームのスカウト6人は、このトレードはWin-Winである
* マイヤーズ以外の3人が余計だったが、対価としては正当なモノじゃないか?

 

これってNPBを主にチェックしてきた人からすれば、なかなかビックリな評価ですよね?1軍での実績0の若手で、リーグを代表するレベルのエースを手に入れられる。こんな話、日本で聞けば「美味しいですわ!」ってなるのが自然です。詳細こそ別モノですが、2013年シーズン内に「大谷翔平(日本ハム)⇔田中将大(楽天)」なーんてトレードが成立したら、やっぱり田中を得られる方が嬉しいですよね?(この例はちょっと物議を醸しそうでもありますが…)

このような日本とアメリカでの反応、この間で存在している相違こそが「プロスペクト」です。上のコメントは、貧しき者が勝ち上がる手段として、アメリカ全体で「今と未来のトレードオフ」が正当に評価されている証であり、「プロスペクト」はその媒介を行っています。

プロスペクトは「貧しき者が多くを得るための貨幣」という意味合いだけでは無いのですが、1つの例としてプロスペクトがメジャーリーグで大切にされていることを垣間見てもらえれば、このページの役目はそれでOKです。

あっ、ちなみにこのトレードはどうなったかと言うと、2013年シーズンが終了した時点ではWin-Winになった、と言えそうです!

シールズの加入でローテーションが安定したロイヤルズは2003年以来となる80勝以上をマークし、マイヤーズは2013年のROYに輝きました。互いが互いのニーズに響く結果を得ることが出来、両者共に美味しさを味わう結果になった以上、この評価は妥当なモノでは無いでしょうか?

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