トレバー・バウアーが絡んだ三角トレード

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トレード・デッドラインを振り返って

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トレードデッドラインが間近に迫る中、一足早く動き出したGM達。

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タイラー・スカッグスに捧ぐノーヒット・ノーラン

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2019年MLBオールスター

               今年のオールスターは節目となる90回目だ。7月9日にクリーブランド・インディアンスの本拠地であるプログレッシブ・フィール More »

 

Category Archives: コラム

トレバー・バウアーが絡んだ三角トレード

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 今年のMLBのトレードデッドラインはルールの変更か、それともプロスペクト重視のトレンドを受けてか例年に増して膠着していたが、期限まで24時間を切ったところで大型トレードが発表された。

 

CIN獲得

・トレバー・バウアー(CLEより加入)

 

CLE獲得

・ヤシエル・プイグ(CINより加入)

・スコット・モス(〃)

・フランミル・レイエス(SDより加入)

・ローガン・アレン(〃)

・ビクター・ノバ(〃)

 

SD獲得

・テイラー・トランメル(CINより加入)

 

 CINはバウアー(RHP)1人の獲得となった。今シーズンのPS進出が難しいことには変わりないが、飛躍の1年といえるほど善戦したCINにとって、来年以降にPS争いをするビジョンはもうはっきりと見えているはずだ。そんな中、今年だけでなく本格的にPS進出を見据えた動きをするであろう来年も保有できるバウアーをローテーションに加えることができるのは大きい。また今シーズンは昨年ほどの出来でないバウアーを、球界屈指の投手陣を作り上げたCINコーチ陣がどう指導するのかも楽しみである。

 懸念はバウアーが来年でFAとなってしまうことと、トッププロスペクトのトランメルを放出してしまったことだろうか。CINプロスペクトはグリーン(RHP)のTJ手術を筆頭に今季は伸び悩みの1年となっており、トランメルが抜けることでさらに層が薄くなることは否定できない。ただ、後のトレードで彼と同タイプのOFであるジェイムソン・ハナをOAKから獲得することに成功しており、ダメージを最小限に抑えている。

 

昨年のドラフト2巡目指名。選球眼もよくコンタクトに優れている。ラインドライブ性の打球を放ち、二塁打を量産するタイプ。最大のツールはスピード。

弱点はアームの弱さだが、それを補う打球判断の良さとスピードを持ち合わせているため、センターとしてプレーを続けられそうだ。身体能力に秀でた素材型。

Far East Division Prospect Handbook 2019より引用。(筆者が一部編集)

 

 バウアーについては昨オフからトレードの噂が尽きなかったが、ついに放出が実現することとなった。

 CLEにとっては年俸調停で高額になると見込まれ、ペイロールを圧迫するであろうバウアーを今の内に出来るだけ高く売っておきたいという算段だったと思われるが、レンタルながら後半戦好調のプイグ(OF)、今季不調ながら既にMLBデビュー済みでありトッププロスペクトでもあるアレン(LHP)、打低のペトコパークも何のそのといった強打者レイエス(OF)といったところにとどまらず、ワークホースタイプの投手であるモス(LHP)とR級ながら打棒が魅力のノバ(IF)といった有望株2人まで獲得することができた。レイエスとアレンは現在最低年俸な上、それぞれ2025年以降まで保有可能である。

 年俸のかかるバウアーで安くコントロールできる戦力のレイエス、アレンを手に入れたことで負担を軽減し、なおかつ、長期的な戦力の底上げに成功したといえる。さらに傘下の補充まで同時に行えたのであるから、CLEとしてはしてやったりのトレードではないだろうか。

 

トレード・デッドラインを振り返って

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 トレード期限が終わった。今年から8月中のトレードは禁止されており、ウェーバーを通過した選手をトレードすることは出来ない。

 前回の記事を執筆してから、クリーブランド・インディアンスがヤシエル・プイグ(OF)とフランミル・レイエス(OF)等を獲得する三角トレードを実施した。こちらに関する記事は近日公開予定だ。

 

  1. 同地区AL中地区ミネソタ・ツインズの動き
  2. AL東地区タンパベイ・レイズの動き
  3. AL西地区ヒューストン・アストロズの動き
  4. NL東地区ニューヨーク・メッツの動き
  5. NL中地区地区優勝争い
  6. NL西地区サンフランシスコ・ジャイアンツの動き

 

 この6点が大雑把に気になる点だった。

 

 ミネソタ・ツインズ

 サンフランシスコ・ジャイアンツからサム・ダイソン(RHP)を獲得。見返りとして40人枠外の選手を3人放出した。ジャイアンツはリリーバーを放出し、二遊間を守れる野手を重点的に補強した。

 

 野手陣を補強し、投手陣の復帰を待つインディアンス。投手陣を補強し、強力打線の好調を保ちたいツインズ。AL中地区はここ数年で1番の盛り上がりを見せているはずだ。デトロイト・タイガースはメジャークラスの選手を放出し、見返りを多数獲得。カンザスシティ・ロイヤルズとシカゴ・ホワイトソックスは動きが少なかった印象だ。

 

 タンパベイ・レイズ

 先日、エリック・ソガード(2B)を獲得した。今季打撃好調であり、3B、SS、OFを守ることが出来るため、重宝されるだろう。

 ミルウォーキー・ブリュワーズからヘスス・アギラー(1B)を獲得。故障者が続出しているため、内野のデプスを強化しつつ、プラトーン起用により柔軟な対応が出来るようになった。見返りとして放出したのはジェイク・ファリア(RHP)。スターターとして起用可能なリリーバーであり、悪くない選手だ。ブリュワーズからしてみれば、今季不調の一塁専を放出し、ブルペンを補充することが出来た。

 

 マイアミ・マーリンズからニック・アンダーソン(RHP)とトレバー・リチャーズ(RHP)を獲得。見返りとしてライン・スタネック(RHP)とヘスス・サンチェス(OF)を放出。40人枠内の投手を多数放出する一方で、補充も欠かさず、マーリンズにしてみれば若い外野手のプロスペクトを獲得することが出来た。

 ロサンゼルス・ドジャースからニコ・ハルサイザー(OF)を獲得。見返りとしてアダム・コラレック(LHP)を放出。余剰な投手を放出しつつサンチェスの代わりとなる外野手のプロスペクトを獲得。ドジャースにしてみれば、外野手のプロスペクトは足りているため層を厚くしてWSに備えた。

 

 同地区のニューヨーク・ヤンキースとボストン・レッドソックスは十分な補強を行えないまま期限を終えた。トロント・ブルージェイズが大量に主力を放出した今、AL東地区の地区優勝にもっとも近いのはレイズかもしれない。

 

トレードデッドラインが間近に迫る中、一足早く動き出したGM達。

Eric Sogard

 

 

 

 

 

 

 ミネソタ・ツインズは、ここ2週間程、トレードを控えた行動を行っていた。

 この間、40人枠から外した投手は5人である。マット・マギル(RHP)をマリナーズに、マイク・モリン(RHP)をフィリーズに、そしてアダルベルト・メヒア(LHP)をエンゼルスに、それぞれ放出。ベテランのカルロス・トーレス(RHP)とブレイク・パーカー(RHP)はDFAで外した。代わりに、ジョナサン・チェシャー(RHP)とコディ・スタシャク(RHP)とメジャー契約を結び、スタシャクはメジャーデビューを果たした。これに、トレードで獲得したセルジオ・ロモ(RHP)を加えた計3人の投手が新たに40人枠入りを果たした。

 

 ジェレミー・ブライヒ(LHP)は32歳のベテランリリーバー。昨年アスレチックスでメジャーデビューを果たしている。

 

  ロモの今季のサラリーは$2.5Mとなっている。38試合に登板し、37.2回,K/9=7.88,BB/9=3.11,防御率3.58,17セーブを記録している。再建中のマーリンズを支え、PO進出を目指すチーム入りを果たすことが出来た。テイラー・ロジャース(LHP)等一部のリリーバーによって支えられている状態だったため、今回のトレードにより接戦が続いた際の選択肢をより柔軟にすることだろう。

 クリス・バリモント(RHP)は2018年ドラフト組のスターター。今季はA,A+で19試合に先発し、105.1回,K/9=10.42,BB/9=3.16,防御率3.16を記録している。レウィン・ディアス(1B)は22歳のドミニカン。今季はA+,AAで340打数19本塁打.294/.336/.553を記録している。

 マーリンズとしては、最初から来年度の構想に入っていないリリーバーを放出することが出来、ツインズは強打の野手は不足していないため、最低限の対価でトレードが出来たのではないだろうか。とはいえ、ツインズは更に1人、後日指名交換選手を獲得することが出来る。その選手次第でトレードの評価は変わりそうだ。

 

 ブライアン・ナバレト(C)は24歳の捕手。ナバレトは守備力が売りの控え捕手タイプ。

 

 次ページではタンパベイ・レイズを取り上げている。

 

タイラー・スカッグスに捧ぐノーヒット・ノーラン

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 現地時間7月12日、ロサンゼルス・エンゼルスの選手達は、タイラー・スカッグスの背番号だった45とSKAGGSが記されたユニフォームをまとって試合に望んだ。彼の死後初めての本拠地での開催試合だった。

 エンゼルスの先発はテイラー・コール(RHP)。いわゆるオープナーである。2回無安打無四球2奪三振の好投を見せ、後続をフェリックス・ペーニャ(RHP)に託した。5月26日以降、登板した全ての試合で失点を喫しているペーニャだったが、この日は7回無安打1与四球6奪三振の好投で継投ノーノーを達成した。ペーニャはスカッグス同様にカーブを得意とする投手であり、マリナーズ打線につけ入る隙を与えない完璧なピッチングだった。

 尚、エンゼルスが継投ノーノーを達成するのは1991年7月13日以来だった。

 スキャッグスは1991年7月13日生まれの投手。2009年にエンゼルスにドラフト指名されてサンタモニカ高校からプロ入り。生まれも育ちもカリフォルニア一筋だったが、翌年7月のトレードでアリゾナ・ダイヤモンドバックスに移籍。2011年、12年に2年連続でフューチャーズゲームに選出され、トレバー・バウアー(RHP)と共に期待を集め、2012年8月22日、ダイヤモンドバックスでメジャーデビューを果たす。2013年オフ、トレードでエンゼルスに復帰し、今年はチームトップの7勝をマークしていた。

 試合終了後、マウンドに集まったエンゼルスの選手達は次々にユニフォームを脱いでマウンドの周辺に置いた。また、打撃コーチのジェレミー・リード氏の考案で、ファンが描いたスカッグスの肖像画が中央に飾られた。

 彼と同期のマイク・トラウト(CF)はこの試合で先制弾を放ち、同志の追悼試合を飾った。オールスターゲームでも45番を着用したことから、彼に対する思いの強さが伺える。それから、今季から三塁手に挑戦しているマット・サイス(1B)にファインプレーが飛び出し、オープナーのコールの完璧な立ち上がりも良かった。後半戦に向けて明るい内容の多い試合だったと言える。

 昨年12月、エンゼルスからFAとなっていたルイス・バルブエナが交通事故(強盗犯が故意に設置した岩に車が衝突。強盗犯はその後逮捕されている)で33歳という若さで亡くなった。2009年には、ニック・エイデンハートが、初勝利の直後に交通事故により22歳で亡くなった。相手は何度も有罪判決を受けているドライバーであり、その日も無免許かつ飲酒運転だった。

 野球選手の突然の死は、私達を暗い奥底に閉じ込めてしまうような衝撃がある。深い悲しみに囚われ、彼が生きていたならと思わずにはいられない。だが、エイデンハートが亡くなった時、同僚だったトリー・ハンター(OF)はこう述べている。

 “ここにいる多くの者は家族の誰かを失ったことはない。今回起きたことは残念だ。でも、これが人生の一部であり現実だ。毎日、朝起きた時や仕事に行く前、子供達や家族にキスをするのはこのためだ”

For the Angels, a promising young arm arrives — and then is lost

 現実に起きてしまったことは、もう戻らない不可逆なものである。私達野球ファンは、少しずつでも現実を受け止めて前を見つめなければならない。選手達、監督、家族。それぞれがそれぞれの方法、速度で前を見つめて生きていくように。

 

Written by Tsubasa Komiyama

Photo link https://flic.kr/p/JcRnwb

2019年MLBオールスター

Hyun-Jin Ryu

 

 

 

 

 

 

 

 今年のオールスターは節目となる90回目だ。7月9日にクリーブランド・インディアンスの本拠地であるプログレッシブ・フィールドで行われる。クリーブランドでオールスターが開催されるのは史上最多の6回目であり、プログレッシブ・フィールドでは1997年以来2度目、球場開設25周年とこちらも節目である。

  All-Stars Starters
  American League National League
C ゲイリー・サンチェス(NYY) ウィルソン・コントレラス(CHC)
1B カルロス・サンタナ(CLE) フレディー・フリーマン(ATL)
2B DJ ルメイヒュー(NYY) ケーテル・マルテ(ARI)
3B アレックス・ブレグマン(HOU) ノーラン・アレナド(COL)
SS ホルヘ・ポランコ(MIN) ハビアー・バイエス(CHC)
OF マイク・トラウト(LAA) クリスチャン・イエリッチ(MIL)
OF ジョージ・スプリンガー(HOU) コディ・ベリンジャー(LAD)
OF マイケル・ブラントリー(HOU) ロナルド・アクーニャ Jr.(ATL)
DH J.D. マルティネス(BOS)  

 

 本コラムでは、「アメリカン・リーグ」、「ナショナル・リーグ」、「ホームランダービー」、「SiriusXM All-Star Futures Game 要注目選手」について触れている。

Written by Tsubasa Komiyama and Yu Ohkura

Photo link https://flic.kr/p/ecTugh