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2019 NLWC Review:MIL vs WSH

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後半戦展望:テキサス・レンジャーズ

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Category Archives: コラム

後半戦展望:セントルイス・カージナルス

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 現在、ナショナルリーグ中地区の首位はセントルイス・カーディナルスだ。この地区は、得失点差マイナスのミルウォーキー・ブリュワーズが勝ち越していたり、プラスのシンシナティ・レッズが負け越していたりする。また、2位のシカゴ・カブスとは得失点差だけならばそれほど差がないように見受けられるが、対左腕を取りこぼさないのがカーディナルスである。

 今期、ナショナルリーグ中地区の中で最も対左腕のwRC+が優れているのは、ブリュワーズの98である。次に96のカーディナルスだ。実際、ブリュワーズは23勝24敗と負け越してはいるものの、それほど苦にしていない。カーディナルスは15勝14敗で同地区唯一の勝ち越しである。

 それでは、カーディナルスの特徴的な野手をあげていこう。まず、コルテン・ウォン(2B)だ。今期、キャリアハイとなるOPS.799をマークしているが、打球速度はメジャー下位3%に入り、ハードヒットは下位6%だ。Barrel%はわずか2.6%だが、11本塁打をマークしている。同じく、打球速度やハードヒットの値が良くないが長打率のある選手として、ワシントン・ナショナルズのアダム・イートン(RF)がいる。

2019年の全打球結果 Baseball Savantより

 次に、ハリソン・ベイダー(CF)。スプリントスピードや外野の守備範囲はメジャー上位3%に入る実力だが、デクスター・ファウラー(CF)と出場機会を分け合っている。メジャー通算K%=28.0%(平均は21.6%)、BB%=9.0%(平均は8.3%)のアプローチやバッティングがネックではあるものの、捕球確率の低い打球に勇猛果敢に飛び込んでアウトにするダイナミックなフィールディングは、見る者を魅了している。

 そして、ヤディアー・モリーナ(C)の衰えは心配である。バッティングは当然のことながら、フィールディングにおいても衰えが見られる。Runs Extra Strikes(フレーミングによって防いだ、もしくは失ったであろう得失点)は昨年に続いてマイナスをマーク。但し、ポップタイムは依然としてメジャー平均を上回っている。いずれにせよ、キャリア最終盤にさしかかっている現実が浮かび上がってくる。

 モリーナを支えるのはマット・ウィータース(C)。ドラフト全体5位で指名されたエリート中のエリートだが、ポップタイムとフレーミング(メジャーワーストクラス)は共にメジャー平均を下回り、控えとしては信頼性に欠けるか。

 前年36本塁打のマット・カーペンター(3B)やポール・ゴールドシュミット(1B)等が好調な状態でPOに挑めば、強力な打線になるだろう。そうでないのであれば、POに進出するであろうナショナルリーグのチームの中では、打撃力が劣るといわざるを得ない。守備力は、DRS、UZR共にメジャー全体3位であり、堅実なフィールディングを誇っている。

 

後半戦展望:ミネソタ・ツインズ

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 シーズンの大半を首位で過ごし続けたツインズ。トレード戦線ではリリーフ投手を中心に補強を展開した。マイアミ・マーリンズからセルジオ・ロモ(RHP)とサンフランシスコジャイアンツからサム・ダイソン(RHP)を獲得した。ツインズはブルペンに若干の不安を残していて特にクローザーはシーズン前に補強したブレイク・パーカ(RHP)期待外れに終わったこともあり、的確な補強と言えるのではないか。

 ブルペンは4年目のテイラー・ロジャーズ(LHP)、トレバー・メイ(RHP)、タイラー・ダフィー(RHP)、無名の新人ライン・ハーパー(RHP)が充実のシーズンを送っていて、獲得した両投手もプレーオフ経験があり厚みは増した。しかしダイソンは加入早々プレーオフとは無縁のマーリンズ相手に打ち込まれ、直後にIL入りと不安な船出。10月の戦いを考慮するとブルペンの怪我人続出はなんとしてでも避けたいところだ。

 ツインズは今回のトレードはブルペンがメインで先発投手や野手の目立った補強には動かなかった。野手は歴史的ハイペースでホームランを量産していて特に生え抜きの若手マックス・ケプラー(RF)、ホルヘ・ポランコ(SS)等と新加入組のネルソン・クルーズ(DH)、CJ・クロン等が見事にマッチしている。先発投手はホセ・ベリオス(RHP)とジェイク・オドリッジ(RHP)を中心に奮闘している。

 地区優勝さらにその先のプレーオフを勝ち抜くためにツインズはブルペン投手2人を獲得したが、先発陣の層の薄さは否めない。もちろん若く才能に溢れた選手がメジャーにもマイナーにも多くいるので長期的な視野を持ってでの補強は理解できる。だがマディソン・バムガーナーなどのエース級(LHP)は無理でもマーカス・ストローマン(RHP)やザック・ウィーラー(RHP)などの先発2〜3番手クラスの投手ならツインズのファーム組織を考慮しても獲得は不可能ではなかったはずだ。

 地区優勝筆頭候補ではあるがプレーオフではアストロズやヤンキースなどの重量級打線は避けて通れない。課題も散見する

1 層が薄いだけに先発投手がどれだけ試合を作れるか

2 また今季のツインズのオフェンスは長打力はあるが機動力が全くと言っていいほど使わないのもネックなところ。

3 そして最大の懸念はやはり選手のコンディションであろう。本来中心となって活躍してなければならないミゲル・サノー(3B)やバイロン・バクストン(CF)は怪我が多く、ネルソン・クルーズ(DH)も年齢を考えるといつ成績が落ちても不思議ではない。

 これらのいくつかのハードルを乗り越えた先に28年振りのワールドチャンピオンが待っている。

 

※9月3日に執筆された記事です。

 

Text by Eiji Kato

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後半戦展望:ワシントン・ナショナルズ

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 ブライス・ハーパー(RF)の流出から開幕したナショナルズ の2019年シーズン。序盤戦は低空飛行で一時期借金は二桁まで膨らんだ。しかしオールスター前後での大型連勝などもあり何とか優勝争い、ワイルドカード争いに踏みとどまっている。

 個々人ではFAで加入のブライアン・ドージャー(2B)の不振は痛いが、アンソニー・レンドン(3B)や2年目のホアン・ソト(LF)の活躍は光る。また怪我に見舞われたトレイ・ターナ(SS)も復帰後はまずまずの活躍を見せ、期待のビクター・ロブレス(CF)も出塁率の低さなど課題もあるがフルシーズン1年目としては及第点レベルであろう。

 問題は投手陣でここ数年来の悩みとしてブルペン整備が挙げられる。クローザーのショーン・ドゥーリトル(LHP)まで繋ぐ投手に不安が募る。もちろんフロントも分かっていてシーズン前に手術明けのトレバー・ローゼンタル(RHP)やトニー・シップ(LHP)などの経験豊富なリリーフ投手を獲得し、手は打った。しかし両投手とも本来の姿からは程遠いピッチング内容でシーズン途中でリリースとなった。

 そこでトレードでマリナーズからロエニス・ウリアス(LHP)、同じくマリナーズからハンター・ストリックランド(RHP)、ブルージェイズからダニエル・ハドソン(RHP)、またアスレティクスをリリースされていたベテランのフェルナンド・ロドニー(RHP)も獲得した。シェーン・グリーン(RHP)やケン・ジャイルズ(RHP)といった今回のトレード期間中の目玉選手は獲得できなかったが、マイナーの充実度を考慮すればそれなりに評価できるトレード戦術ではなかろうか。

 だがこれ以外にもナショナルズ には不安が付きまとう。先発投手陣だ。なかでも球界のエースと呼び声が高いマックス・シャーザー(RHP)が背中の張りで今季既にIL入り2度を数える。支配的な投球を長く続けてきた皺寄せかもしれない。幸いにもシャーザーの怪我は長期離脱をしなければならないレベルでは無いこと。もとより先発投手陣は質と量どちらもレベルは高いので怪我以外はそこまで心配はいらないと思う。

 優勝争いやワイルドーカード争いが激化する8月にきてナショナルズ の打線が火を噴き始めた。現地12日のレッズ戦からの13試合の内7点以上あげた試合は10試合に及ぶ。地区優勝はギリギリであるがまだ望みはあり、ワイルドーカード争いでもトップである。

 9月はマーリンズとの3連戦があるが、それ以外の対戦は全て勝率5割以上のチームが相手である。厳しい戦いではあるが首位ブレーブスとは7試合を残しており、逆転のチャンスは十分にある。8月中のブルワーズやカブスとのカードで勝ち越しており、その勢いで9月の試合に望みたい。

 ハーパーが在籍中は球団もファンもハーパーがいる間にワールドチャンピオンとの思いは強かった。だがその夢を実現する前にハーパーが抜け今年のオフにはレンドンがFAとなる。もし彼がチームを去ることになるとナショナルズ は向こう数年はしばらくポストシーズン進出が遠のく可能性がある。そのようなことを考えると悪くともリーグ優勝決定シリーズまでは進出したいところだ。

 

※9月3日に執筆された記事です。

 

Text by Eiji Kato

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トレバー・バウアーが絡んだ三角トレード

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 今年のMLBのトレードデッドラインはルールの変更か、それともプロスペクト重視のトレンドを受けてか例年に増して膠着していたが、期限まで24時間を切ったところで大型トレードが発表された。

 

CIN獲得

・トレバー・バウアー(CLEより加入)

 

CLE獲得

・ヤシエル・プイグ(CINより加入)

・スコット・モス(〃)

・フランミル・レイエス(SDより加入)

・ローガン・アレン(〃)

・ビクター・ノバ(〃)

 

SD獲得

・テイラー・トランメル(CINより加入)

 

 CINはバウアー(RHP)1人の獲得となった。今シーズンのPS進出が難しいことには変わりないが、飛躍の1年といえるほど善戦したCINにとって、来年以降にPS争いをするビジョンはもうはっきりと見えているはずだ。そんな中、今年だけでなく本格的にPS進出を見据えた動きをするであろう来年も保有できるバウアーをローテーションに加えることができるのは大きい。また今シーズンは昨年ほどの出来でないバウアーを、球界屈指の投手陣を作り上げたCINコーチ陣がどう指導するのかも楽しみである。

 懸念はバウアーが来年でFAとなってしまうことと、トッププロスペクトのトランメルを放出してしまったことだろうか。CINプロスペクトはグリーン(RHP)のTJ手術を筆頭に今季は伸び悩みの1年となっており、トランメルが抜けることでさらに層が薄くなることは否定できない。ただ、後のトレードで彼と同タイプのOFであるジェイムソン・ハナをOAKから獲得することに成功しており、ダメージを最小限に抑えている。

 

昨年のドラフト2巡目指名。選球眼もよくコンタクトに優れている。ラインドライブ性の打球を放ち、二塁打を量産するタイプ。最大のツールはスピード。

弱点はアームの弱さだが、それを補う打球判断の良さとスピードを持ち合わせているため、センターとしてプレーを続けられそうだ。身体能力に秀でた素材型。

Far East Division Prospect Handbook 2019より引用。(筆者が一部編集)

 

 バウアーについては昨オフからトレードの噂が尽きなかったが、ついに放出が実現することとなった。

 CLEにとっては年俸調停で高額になると見込まれ、ペイロールを圧迫するであろうバウアーを今の内に出来るだけ高く売っておきたいという算段だったと思われるが、レンタルながら後半戦好調のプイグ(OF)、今季不調ながら既にMLBデビュー済みでありトッププロスペクトでもあるアレン(LHP)、打低のペトコパークも何のそのといった強打者レイエス(OF)といったところにとどまらず、ワークホースタイプの投手であるモス(LHP)とR級ながら打棒が魅力のノバ(IF)といった有望株2人まで獲得することができた。レイエスとアレンは現在最低年俸な上、それぞれ2025年以降まで保有可能である。

 年俸のかかるバウアーで安くコントロールできる戦力のレイエス、アレンを手に入れたことで負担を軽減し、なおかつ、長期的な戦力の底上げに成功したといえる。さらに傘下の補充まで同時に行えたのであるから、CLEとしてはしてやったりのトレードではないだろうか。

 

トレード・デッドラインを振り返って

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 トレード期限が終わった。今年から8月中のトレードは禁止されており、ウェーバーを通過した選手をトレードすることは出来ない。

 前回の記事を執筆してから、クリーブランド・インディアンスがヤシエル・プイグ(OF)とフランミル・レイエス(OF)等を獲得する三角トレードを実施した。こちらに関する記事は近日公開予定だ。

 

  1. 同地区AL中地区ミネソタ・ツインズの動き
  2. AL東地区タンパベイ・レイズの動き
  3. AL西地区ヒューストン・アストロズの動き
  4. NL東地区ニューヨーク・メッツの動き
  5. NL中地区地区優勝争い
  6. NL西地区サンフランシスコ・ジャイアンツの動き

 

 この6点が大雑把に気になる点だった。

 

 ミネソタ・ツインズ

 サンフランシスコ・ジャイアンツからサム・ダイソン(RHP)を獲得。見返りとして40人枠外の選手を3人放出した。ジャイアンツはリリーバーを放出し、二遊間を守れる野手を重点的に補強した。

 

 野手陣を補強し、投手陣の復帰を待つインディアンス。投手陣を補強し、強力打線の好調を保ちたいツインズ。AL中地区はここ数年で1番の盛り上がりを見せているはずだ。デトロイト・タイガースはメジャークラスの選手を放出し、見返りを多数獲得。カンザスシティ・ロイヤルズとシカゴ・ホワイトソックスは動きが少なかった印象だ。

 

 タンパベイ・レイズ

 先日、エリック・ソガード(2B)を獲得した。今季打撃好調であり、3B、SS、OFを守ることが出来るため、重宝されるだろう。

 ミルウォーキー・ブリュワーズからヘスス・アギラー(1B)を獲得。故障者が続出しているため、内野のデプスを強化しつつ、プラトーン起用により柔軟な対応が出来るようになった。見返りとして放出したのはジェイク・ファリア(RHP)。スターターとして起用可能なリリーバーであり、悪くない選手だ。ブリュワーズからしてみれば、今季不調の一塁専を放出し、ブルペンを補充することが出来た。

 

 マイアミ・マーリンズからニック・アンダーソン(RHP)とトレバー・リチャーズ(RHP)を獲得。見返りとしてライン・スタネック(RHP)とヘスス・サンチェス(OF)を放出。40人枠内の投手を多数放出する一方で、補充も欠かさず、マーリンズにしてみれば若い外野手のプロスペクトを獲得することが出来た。

 ロサンゼルス・ドジャースからニコ・ハルサイザー(OF)を獲得。見返りとしてアダム・コラレック(LHP)を放出。余剰な投手を放出しつつサンチェスの代わりとなる外野手のプロスペクトを獲得。ドジャースにしてみれば、外野手のプロスペクトは足りているため層を厚くしてWSに備えた。

 

 同地区のニューヨーク・ヤンキースとボストン・レッドソックスは十分な補強を行えないまま期限を終えた。トロント・ブルージェイズが大量に主力を放出した今、AL東地区の地区優勝にもっとも近いのはレイズかもしれない。