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Category Archives: Prospect Organizational Ranking

2017 Prospect Organizational Rankings 1-10

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1. ミルウォーキー・ブリュワーズ 前年比:7 総合評価:A

ドラフト、トレードで着実にプロスペクトを集め、それほど資金があるわけではないにも関わらず1位に躍り出ることができた。夏ではウィル・スミス(SF)、オフではタイラー・ソーンバーグ(BOS)のトレードでぼろ儲けすることができたのも大きい。野手投手ともにハイシーリング/ハイフロアーなタレントをまんべんなく有しており、ポジションもばらけているため文句のつけようがない。あえて苦言を呈するならジェイコブ・ノッティンガムが伸び悩んだことでCプロスペクトがいないところか。

2. アトランタ・ブレーブス 前年比:15 総合評価:A

卒業や放出が全くなく、プロスペクトをかき集められるだけかき集めればこれほどのランクアップも当然だろう。相変わらずハイシーリングでコントロールの悪いピッチングプロスペクトが多いがその中でもコルビー・アラードやマイク・ソローカなど洗練されたタレントが出始めているのは吉報。パワーに優れた野手プロスペクトの少なさが指摘されていたが、オースティン・ライリーの成長、トラビス・デメリ、アレックス・ジャクソンの獲得で徐々に解消されつつある。いざとなればジョーイ・ウエンツとカイル・マラーを野手に転向させるという荒業もあるのでこの点については必要以上に心配することはない。あとはどう考えても過剰気味なピッチングプロスペクトをそどう売りさばくか。これに失敗するとかき集めただけ無駄になってしまう。

3. ヒューストン・アストロズ 前年比:1 総合評価:A

アレックス・ブレグマンを始めとするタレントが卒業したが、以前として層の厚さはメジャーでも屈指。夏のトレード市場でプロスペクトを出し惜しみしたことも関係しているだろう。長身/球威/カーブの3つの要素を持つピッチングプロスペクトを好む傾向があり、昨年卒業したジョー・マスグローブ、現在1/2位を占めるフランシス・マーテス、デビッド・ポーリーノ、昨年のドラフト1巡目指名フォレスト・ウィットリーは正にそのタイプ。野手は15年ドラフト高卒組が若干伸び悩んでいるものの、代わりに低い指名順位だった大卒組が頭角を現してきた。インターナショナルFAでも積極的な姿勢を見せており、まだ安泰といってもいいだろう。

4. コロラド・ロッキーズ 前年比:→0 総合評価:A

ジョン・グレイ、デビッド・ダールの卒業、ライアン・マクマホンの伸び悩みとランクダウンの要素はあったが、ピッチングプロスペクトの充実、ブレンダン・ロジャースの存在があってランクを維持することができた。ロジャースの持っているポテンシャルは他の野手プロスペクトとは一線を画しており、大げさではなくトロイ・トゥロウィツキ(TOR)クラスの選手になれるだろう。ジェフ・ホフマンをはじめとする球威のあるボールが投げられるピッチングプロスペクトはクアーズを本拠地とするCOLにとってはなくてはならない。そういう意味では昨年のドラフトでコントロールに難を抱えるも100マイルの速球を投げることができるライリー・パイントを指名したのは正解だったと言える。

5. ロサンゼルス・ドジャース 前年比:4 総合評価:A-

コリー・シーガーを始めとするトッププロスペクトが大量に卒業/放出されたが、コディ・ベリンジャーの台頭やウォーカー・ビューラーの復帰などで最小限のランクダウンに留めている。ベリンジャー、アレックス・バードューゴの2人は既にAA以上をクリアしており、特にベリンジャーは昨シーズンのコリー・シーガーのような活躍を今シーズンするかもしれない。ウィリー・カルフーン以降のプロスペクトはインパクトに欠ける印象。16年ドラフトではジョーダン・シェフィールドを獲得するために他の指名順位でケチったが、シェフィールドがそこまでして獲得しなければならなかったタレントかというと疑問符がつく。それでもDJ ピーターズという掘り出し物をちゃっかり指名している点は流石の一言につきる。

6. フィラデルフィア・フィリーズ 前年比:→0 総合評価:A-

野手ではスラッガータイプの野手を数多く揃えている。特にリース・ホスキンズとディラン・カズンズは共に30HRをマークすることも可能な選手。下のクラスにもコーネリウス・ランドルフ、ホセ・プホルスらが控えている。打者有利なシティズンズ・パークを本拠地としているため打球を遠くに飛ばす能力がある野手を集めるのは間違った方針ではないだろう。投手陣ではシクスト・サンチェス、フランクリン・キロメを始めとするハイシーリングなタレントから、ニック・ピベッタ、ベン・ライブリーといったハイフロアーなタレントを有しており層は厚い。唯一残念なのは昨年のドラフトでジェイソン・グルームを指名できなかったこと。昨年のドラフト指名順ではBOS以前にグルームを指名して契約できたのはPHIだけだった。全体1位でミッキー・モニアックを指名したこと自体は大きなミスではないが、逃した魚はとてつもなく大きい。

7.  サンディエゴ・パドレス 前年比:↗↗16 総合評価:A-

トレードでのプロスペクト獲得に加え、ドラフトでは2巡目終了までに5個の指名権を使い優秀なタレントの確保に余念がなかった。さらにはインターナショナルFAではエイドリアン・モレホン、ホルヘ・オナと高評価の2人を獲得、その後も手を休めることなくインターナショナルFAで金を使い込み続けた。マイナー組織を充実させようとする心意気は本物で、もし全体24位までジェイソン・グルームが残っていれば$5Mという法外な価格で契約する密約が交わされていた。ただ、まだ下のクラスでプレーしている選手が多く、今後つまずいて一気に評価を下げてしまう可能性があるプロスペクトが多い。AA以上をクリアしているめぼしいタレントがハンター・レンフローとマニュエル・マーゴットの2人のみ。いかに高いポテンシャルを持つ選手達をメジャーまで昇格させるかが重要となってくる。

8. ニューヨーク・ヤンキース 前年比:1 総合評価:B+

昨年よりもマイナーのクオリティが上がったが、他チームはそれ以上であるためランクダウンとなってしまった。OFが上位3位を占めており、3人とも打力はクリーンアップを打てるほどのものがある。投手陣は優秀なハイフロアーのタレントが多いが、アルベルト・アブレイユ、ドミンゴ・アセベドなど速球派もしっかりとキープしている。AFLで大ブレークしたグレイバー・トーレスはレギュラーシーズンでも同じような打撃を続けられるかに注目したい。スピードがあっても盗塁成功率が低かったり、SSから3B/OF転向が囁かれていたりと打撃で結果を残す必要が出始めている。同地区のBOSよりも下地はしっかりとしており、BOSのような大放出がなければ後数年は安泰だろう。

9. ボストン・レッドソックス 前年比:6 総合評価:B+

ヨアン・モンカダを始めとして数多くのプロスペクトを放出したが、アンドリュー・ベニンテンディとジェイソン・グルームの存在はそれ以上に大きい。昨年のドラフトではグルーム以外にもボビー・ダルベックら実力のある選手を指名しており、簡単には潤沢なマイナー組織が弱体かすることはない。とはいえ、ブライアン・ジョンソンやマイケル・チャビスの伸び悩みやなどもあり万全というわけでもない。タイラー・ソーンバーグ1人を取るために必要以上にプロスペクトを放出しており、心配な点がところどころに見受けられる。豊富な資金の使い道を誤らないようにしなければならない。

10. タンパベイ・レイズ 前年比:1 総合評価:B

ドラフトで獲得したプロスペクト達の順調な成長に加え、トレードでホセ・デレオンを獲得しランクアップ。各クラスに注目すべきタレントがおりバランスもいい。これでジャスティン・オコナーやニック・シウフォ、クリス・ベッツなどのCプロスペクト達が好成績を残していたらさらに評価を上げることができただろう。Cプロスペクトの苦戦が続く中、ブレット・サリバンを3BからCに転向させたり、ヨナ・ハイムを獲得したりと策を講じている。ハイシーリング、ハイフロアー共にバランスよく取る傾向が見られ、どちらもまずまず成功している。

 

Text by Ookaya Ryota
写真: https://flic.kr/p/ed8rdn

2017 Prospect Organizational Rankings 11-20

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11. シカゴ・ホワイトソックス 前年比:↗↗13 総合評価:B

ランクアップしたものの、あれだけのトレードをしていおいてTop10に入れたくなるほどどマイナー組織が魅力的ではないというのは若干問題があるだろう。Top100には6人送り込んだものの、どのチームよりも上位と下位の差が大きく全体として見ると手放しで褒められるものではない。心配なのはチームの方針なのか無理に早期昇格をさせる点。まだ、下のクラスをクリアできていない選手を早く昇格させ、実力不足が祟ってつまずくという現象が多く見られる。昨シーズンの犠牲者はカーソン・フルマー。明らかにメジャーで投げられるような成績、実力ではなかったにも関わらずデビューさせ、散々な成績に終わってからマイナーに送り返すということがあった。マイケル・コペックで同じ轍を踏まないようにしてほしいところ。今シーズンに卒業するであろう3人が3位までを占めており、彼らの卒業後に彼ら以上のタレントが出てくるとは考えにくく今が天井と見た方がいいだろう。

12. シンシナティ・レッズ 前年比;2 総合評価:B

NYM同様ホセ・ペラザが抜けた以外は大きな変わりはないが、他チームの台頭、15年ドラフト組の伸び悩みが響き若干のランクダウンとなった。それでもピッチングプロスペクトを中心に優秀なタレントが多いことには変わりなく、今後トレードで大放出などしない限り大幅なランクダウンはないだろう。TEXほどではないがハイシーリングなタレントを好む傾向が強く、投手はコントロールが壊滅的であっても球速が早ければ躊躇なく獲得している。野手に関してはハイシーリング、ハイフロアーをバランスよく獲得している。ジェイ・ブルース、アロルディス・チャップマンのトレードは失敗気味だったが、昨オフはダン・ストレイリーでルイス・カスティーヨを獲得し見事にエビで鯛を釣っていた。

13. ニューヨーク・メッツ 前年比:6 総合評価:B

スティーブン・マッツが抜けた以外は主な顔ぶれは変わらないが、それぞれが好成績を残し順調に成長したことでランクアップすることになった。ピッチングプロスペクトが上位を占めていた数年前から一転して現在は野手プロスペクトが上位を多く占めている。かといってピッチングプロスペクトが枯渇しているのかと言われればそうではなく、上のクラスから下のクラスまでまんべんなくタレントが揃っている。あえて苦言を呈するとするならパワーヒッターが不足気味なところか。それでも、デズモンド・リンジーが徐々に力をつけてきているため必要以上に心配することはないだろう。

14. クリーブランド・インディアンズ 前年比1 総合評価:B-

タイラー・ネキンの卒業、クリント・フレイジャー、ジャスタス・シェフィールドの放出があったが、代わりにフランシスコ・メヒア、トリスタン・マッケンジーらの台頭がありクオリティの低下を最小限に防げた。トレードで獲得したプロスペクトよりもドラフトで指名したプロスペクトが圧倒的に多く、ドラフト戦略の上手さが際立っている。チームの方針が明確にマイナー組織に現れており、野手では四球の多さ、投手ではコントロールのよさが重視されている。そのためハイフロアーなタレントが多く、メジャーに近いレベルまで早く昇格できるだろう。一方で、パワーレスな野手陣と球威のなさが顕著な投手陣が今後の課題となってくるだろう。16年ドラフトで野手の方はハイシーリングな打力のあるタレントを上位で指名し、ある程度の改善が図られた。今年のドラフトではどんな戦略で来るのか楽しみにしておきたい。

15. シカゴ・カブス 前年比:→0 総合評価:B-

多くのプロスペクトが卒業/放出されたが、残ったプロスペクト達の台頭でランクを維持することができた。イアン・ハップ、エロイ・ヒメネスの2人は共にチームの顔となることができるレベルの選手でこの2人の存在は特に大きい。ピッチングプロスペクトではデュエン・アンダーウッドが伸び悩んだが、トレバー・クリフトンやディラン・シーズらの台頭があり事なきを得ている。ただ、16年ドラフトでは低い指名順位からでしか指名できなかったためここに来て供給不足が不安材料として顔を覗かせている。メジャーのチームは最低でもあと5年は優勝争いに加わることになるため、トレードやインターナショナルFAで上手くやりくりしていく必要がある。

16 セントルイス・カージナルス 前年比:4 総合評価:B-

上位のプロスペクトは昨年とそれほど大きな変化はなく、評価もそれほど変わらなかったが他チームのマイナー組織が充実してきたため相対的にランキングダウンとなってしまった。ピッチングプロスペクトは質、量ともに豊富で球速が速く、球威のあるタレントが多い。一方で野手プロスペクトは枯渇気味。ハリソン・ベイダー以外は打力に問題があるタレントが多く、守備力の高いタレントを集めている傾向が出ている。それだけ昨シーズン全休となってしまったニック・プラマーにかかる期待は大きい。メンタルで問題を抱えていると言われるデルビン・ペレスを上手く育成できるかという点にも注目していきたい。

17. オークランド・アスレチックス 前年比:3 総合評価:C+

じわじわとマイナー組織が充実しつつある。AA以上でそれなりの成績を残しているプロスペクトが多く、今シーズンは卒業ラッシュになるだろう。また、ブルース・マックスウェルのように一度成績が伸び悩み評価が落ちたものの、昨シーズン好成績を残し再びTop20入りする選手も多かった。問題は卒業ラッシュの後だろう。前述した通りAA以上で成績を残したプロスペクトは多いが、A+以下ではタレント不足となっている。また、OFのプロスペクトも枯渇しており、OFが広いO.coコロシアムを本拠地にしているにも関わらずOFの優秀なタレントを供給できずFAやトレードで賄う形になっている。一方で先発投手のプロスペクトは供給過多となっており、あぶれたディロン・オバートン(現SEA)をDFAせざるを得ない状況を作ってしまった。このアンバランスさを上手く解消できれば改善されつつある傾向を続けることができるだろう。オーナーが変わり、昨年のインターナショナルFAではかなりの金額を費やした。今後もプロスペクトに金をかけ続けるのか見ものである。

18. トロント・ブルージェイズ 前年比;9 総合評価:C+

トップ100に5人を送り込んだが、この5人以降は小粒な選手が多い。アンソニー・アルフォードやリカルド・ウレーニャ、ボー・ビシェッテあたりがしっかりと成績を残し始めるとさらならランキング上昇が見込めるだろう。ブラディミール・ゲレーロJrは出世株で、待望の生え抜き野手のスーパースターとなるかもしれない。投手陣はゴロ系の投手を多く揃えており、方針がしっかりと定まっているのが見てとれる。

19. ワシントン・ナショナルズ 前年比:↘↘13 総合評価:C+

トレイ・ターナー、ウィルマー・ディフォの卒業に加えトレードでのルーカス・ジオリト、レイナルド・ロペスの放出があっては大幅なランクダウンを避けられないのはしかたないことだろう。それでもエリック・フェッディ、ビクター・ロブレスらの上位4人は素晴らしいタレント。ヘスス・ルザルドやフアン・ソトなどのスケールの大きいハイシーリングなタレントが下のクラスでプレーしており、再び潤沢なマイナー組織を築く下地は揃っている。また、アンドリュー・スティーブンソンやニック・バンクスらハイフロアーなタレントが控えている点も心強い。インターナショナルFAでも多額の金をつぎ込み新たなタレント発掘に余念がない。唯一の懸念材料はメジャーのチームが強いため夏のトレードでプロスペクトが駒となって出ていくことだろう。

20. ピッツバーグ・パイレーツ 前年比;↘↘10 総合評価;C+

ジャイムソン・ターヤンが卒業した以外は大きな動きがなかったが、それが問題となった。昨年盛んだったインターナショナルFAでもあまり動かず、相対的に他のチームに比べて評価が下がってしまった。オースティン・メドウズ、タイラー・グラスノー、ジョシュ・ベルのTop100入りをはたした上位3人はメジャーにも近く、実力のあるタレントだが以降のプロスペクトのクオリティはイマイチ。投手は球威のある速球を投げるタレントが多く、今後ランキングを上昇させる原動力となるかもしれないが、野手は非力でスケールの小さいタレントが多く評価を上げられない要因となった。上位3人が今シーズン中に卒業する可能性が高く、下のクラスでに望な選手が多くないため、一気にマイナー組織の弱体化が進んでしまう可能性が高い。

 

Text by Ookaya Ryota
写真: https://flic.kr/p/a9hyNs

2017 Prospect Organizational Rankings 21-30

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21.ミネソタ・ツインズ 前年比:7  総合評価:C+

シーズン中のトレードによるプロスペクト獲得やドラフトなどで充実しつつあるが、バイロン・バクストンとホセ・ベリオスという2人のトッププロスペクトが卒業したことはそれ以上にマイナーのクオリティを下げることになった。また、獲得したプロスペクトが小粒であること、ドラフトが高卒選手で評価が定まっていないこともマイナスの要因だろう。ニック・ゴードンが打撃、守備ともに伸び悩んでいる点も見過ごすことはできない。だが、LHPを中心に課題だったピッチングプロスペクトが育ってきており、ドラフトで獲得した高卒選手が期待通りの成長を見せれば再びランキングは上昇することになるため、今が底だと考えてもいいだろう。

22. テキサス・レンジャーズ 前年比:6 総合評価:C

ジョーイ・ギャロとノマー・マザラの卒業に加え、夏のトレードでの大放出を経てこの位置に留まっているのは逆に立派。相変わらずインターナショナルFAでもドラフトでも投手野手関係なくハイシーリング、ハイリスクなタレントを好んで獲得しているため評価が定まるまでは上昇は見込めないだろう。その分、評価が定まってからは一気にランキングを駆け上がる可能性も秘めている。気になるタレントはマイケル・マチュエラ。故障さえなければチームのランキンで1位だったとしてもおかしくない投手。今後の躍進に期待したい。

23. シアトル・マリナーズ 前年比:4 総合評価:C

カイル・ルイス、タイラー・オニールの2人だけでここまで順位を上げることができたと言っても過言ではない。それほどこの2人の持っている実力というのは高い。だが、それ以降のプロスペクトの質がガクっと落ちてしまう。オフに獲得したプロスペクトも小粒な選手ばかり。ダン・ボーゲルバック、ミッチ・ハニガーは今シーズン、メジャーでそれなりに使える選手ではあるがチームの中心選手とまでにはならないだろう。ハイフロアーな投手が多く、どの選手も似たり寄ったりというところ。リリーフプロスペクトはチアゴ・ビエイラを始めとして楽しみな選手が多く評価は高いが、所詮はリリーフプロスペクトなので全体的な評価上昇には繋がりにくい。

24. カンザスシティ・ロイヤルズ 前年比:6 総合評価:C

トップ100入りしたのはハンター・ドージャーだけだが、ライアン・オハーン、マット・ストラムの2人はトップ100に入っていてもおかしくないタレント。この3人に加えジョシュ・ストゥーモント、チェイス・バロットらの存在があり、ラウル・モンデシーの卒業とブバ・スターリングの伸び悩み、カイル・ジマーの故障があってもこれまでの評価低下に留まることができた。ドラフトではA.J.パケット、カリル・リーというドラフト前の評価が過小気味だった2人を上手く指名。メイブリス・ビロリア、セウリー・マティアスなどハイシーリングなタレント共々クラスが上がるごとに評価も上がる可能性が高いタレントが控えており、今後のランキング上昇に期待できる。それだけにアシュ・ラッセルとノーラン・ワトソンの15年ドラフト組が早い段階でつまずいていることが悔やまれる。

25. サンフランシスコ・ジャイアンツ 前年比:4 総合評価:C-

夏のトレードでアダルベルト・メヒア、フィル・ビックフォードらトッププロスペクトを放出。タイラー・ビーディが徐々に成長しつつあり、ドラフトでは低い指名順位からだったにも関わらずブライアン・レイノルズを始めとしてヒース・クインらそれなりのタレントを獲得できたが、それだけでは抜けたプロスペクトの穴埋めはできず、元々それほど評価の高くなかったマイナー組織の評価を上げることはできないだろう。野手ではクリスチャン・アローヨがSSからフェードアウトしつつあるのが痛いところ。ヒッティングがモノにならなければ使いどころに困る選手となってしまうので、案外ハイリスクなタレントかもしれない。現在は先発だが、後々リリーフに回る可能性が高い投手が多く全体としての評価が上げられない理由の1つとなった。

26. ボルティモア・オリオールズ 前年比:→0 総合評価:C-

ディラン・バンディとマイク・ライトの卒業、ヨマー・レイエスの伸び悩みなどがランキングが下位のまま動かない要因となっているが何よりもハンター・ハービーの故障が痛かった。19歳にして既に2度めのシーズン全休というハービーにはあと2年は大きな期待はできないだろう。チャンス・シスコの台頭やドラフトで獲得したコディ・セドロックやキーガン・エイキン、オースティン・ヘイズらの好調なプロデビュー、ルール5ドラフトでのプロスペクト補強など明るい話題も少なくはないが、ピッチングプロスペクトのコントロールの悪さや、ハイシーリングなタレントの欠如、二遊間の人材難などの明確な課題があることは否めない。ここ数年勝率が5割以上のためドラフトで思い切った底上げができていない点はもどかしいところ。

27. ロサンゼルス・エンゼルス 前年比:3 総合評価:C-

トップ100入りは1人もいなかったがマット・タイスはそれに準ずる能力を持つ選手。15年ドラフトはジャーメイ・ジョーンズ以外は不発気味だが、16年ドラフトは当たり年と言ってもよく、ブランドン・マーシュを始め、トロイ・モンゴメリーやクリス・ロドリゲスら野手投手共に面白いタレントを獲得することができた。だが、それでもマイナーのクオリティを一気に上げるというわけにはいかず未だに厳しい状況であることには変わりない。IFはどこも人材難でまともなタレントがいない。メジャーのチームはマイク・トラウトがチームにいる限り勝ちにいく姿勢を崩すわけにはいかなさそうなので、ドラフトでは16年のように上手く立ち回らないとマイナー組織の改善は見られないだろう。

28. デトロイト・タイガース 前年比:3 総合評価:D

マイケル・フルマーが卒業し、14年ドラフト1巡目指名のデレク・ヒルが低迷し続け、ドラフトでも低い順位からでしか指名できなかったためランキングが下がるのは仕方ないだろう。上のクラスのプロスペクトはハイフロアーなタレントが多いため、メジャーに昇格することはできるかもしれないが成績は期待できないだろう。クリスチャン・スチュワートも主力になるようなタイプではない。ボウ・バローズ、マット・マニングらドラフト1巡目のRHPに期待したいところだが、ジャスティン・バーランダー以降RHPのドラフト1巡目はほとんど失敗しており、育成能力に疑問符もつく。あえて明るいニュースを挙げるとするなら、ジョー・ヒメネスが今シーズン、クローザーに定着するかもしれないという点か。

29. アリゾナ・ダイヤモンドバックス 前年比:7 総合評価:D

アーチー・ブラッドリーらの卒業がありマイナー組織はやせ細って行ったが、ドラフトでは低い指名順位のため大物を指名できず、夏のトレードでは動かずと対策を打てなかった。既存の選手が順調に成長してくれればというところだったが、アレックス・ヤング、ピーター・オブライエン(オフに放出)らが伸び悩み、期待の大きかったインターナショナルFA組のヨアン・ロペスは精神面で問題を抱え野球に集中できずと踏んだり蹴ったり。さらに、スプリングトレーニングではソクラテス・ブリトーが小指を骨折と泣きっ面に蜂。アンソニー・バンダ、テイラー・クラークらが順調に成長していたことだけが一服の清涼剤となった。

30. マイアミ・マーリンズ 前年比:1 前年比;D-

開幕前からただでさえ貧弱なマイナー組織を夏のトレードでさらに貧弱に、オフのトレードでこれ以上ないほど貧弱にさせた。16年ドラフトではブラクストン・ギャレットを獲得することができたが、ギャレット1人ではマイナー組織全体の立て直しには物足りないのは言わずもがな。上のクラスのタレントは小粒な選手が多く、昇格したところで使い物になるかは怪しいところ。14年ドラフト1巡目の期待が大きかったタイラー・コレックがプロ入り後不調を極めた後、16年にトミー・ジョン手術と最悪なプロ生活を送っている。コレックを含めタイロン・ゲレーロ、ドリュー・ステッケンライダーら100マイル近くの速球をを投げることができる投手が多く在籍しているので彼らの躍進に期待したい。

 

Text by Ookaya Ryota
写真; https://flic.kr/p/cxxNcd

2016 Prospect Organizational Rankings 1-10

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1. ロサンゼルス・ドジャース 前年比:↗3 総合評価:A

豊富な資金力で集めたインターナショナル選手、経験豊富なスカウト陣が発掘したドラフト選手のバランスがよくとれたインパクト&バランスを兼ね備えたマイナー組織となっている。コリー・シーガー、フリオ・ユリアス、ホゼ・デレオンのチームトップ3は30球団全体で見てもトッププロスペクト。また、昨年から今年にかけて獲得した前田健太、ヤイセル・シエラ、ヤディエル・アルバレス、ユスニエル・ディアズはいずれも契約金$15M以上。さらに組織のマイナー全チームに専任コックをつけて有機野菜を使用した食事を提供したり、食育の指導を行ったりするなどマイナー組織のスケールが卓抜している。

2. ヒューストン・アストロズ 前年比:↗7 総合評価:A

カルロス・コレアがプロスペクトから卒業したが、暗黒期の間にドラフトやトレードで獲得した選手が順調に育ってきている。特に光るのはスカウティングの巧さで、トレードで獲得したフランシス・マルテス、デビッド・ポリーノ、ジョー・マスグローブはいずれも『ベースボール・アメリカ』の2016年度版のトップ100プロスペクト入りを果たすなどトレードで獲得時と比べて、大きく評価を上げている。上位から下位までバリエーションに富んだプロスペクトが揃うのが特徴と言える。

3. ボストン・レッドソックス 前年比:→0 総合評価:A

ドジャースと似たスケールの大きいマイナーを誇る。$63Mを費やして獲得したヨアン・モンカダをはじめ、ラファエル・ディバースやアンダーソン・エスピノーザなど中南米選手の台頭が光る。クレイグ・キンブレルのトレードで上位プロスペクトを放出してしまったが、層の厚さは相変わらず。デイブ・ドンブロースキーGMはプロスペクトの放出を惜しまない姿勢を取っており、今後この豊富なプロスペクト達をどう扱っていくか注目だ。

4. コロラド・ロッキーズ 前年比:↗5 総合評価:A-

投打のバランスが非常に良い。投手ではジョン・グレーとカイル・フリーランド、野手ではライアン・マクマホンやデビッド・ダールなど、近年の成績低迷期にドラフトで獲得した選手が順調に育ってきている。またホゼ・レイエスのトレードではジェフ・ホフマン、ミゲル・カストロとメジャーに近い投手の補強に成功。本拠地球場が極端に投手不利なため、なかなかFAで投手を呼び込むのは難しい。自前でどれだけ投手を育成できるかがチームの将来を左右するだろう。

5. フィラデルフィア・フィリーズ 前年比:↗↗22 総合評価:A-

急速な再建を見せている。メジャーではマイケル・フランコとアーロン・ノラが素晴らしいデビューを飾り、再建の柱として期待される。マイナーにはトッププロスペクトであるJ.P.クロフォードがジミー・ロリンズの後継者として期待されている。コール・ハメルズとケン・ジャイルスを放出し、見返りとして計7名のプロスペクトの獲得にも成功した。また、中南米選手の育成にも力を入れており、フランクリン・キロメやアドニス・メディーナらが急成長を見せており、数年後が楽しみだ。

6. ワシントンナショナルズ 前年比:↗6 総合評価:B+

勝利モードのチーム状況にありながら、堅固なマイナー組織をキープしている。ルーカス・ジオリトやトレイ・ターナーら上位クラスのプロスペクトを保持しており、イアン・デズモンドやジョーダン・ジマーマンの抜けた穴を感じさせない。中位クラスのプロスペクトに物足りなさはあるものの、使い勝手の良いバリエーション豊富な選手を多く取り揃えている。また、近年はインターナショナルFAに力を入れており、ドラフトで上位指名権を得られない分をカバーしている。

7. ニューヨーク・ヤンキース 前年比:↗7 総合評価:B+

豊富な資金力を生かした国際色豊かなマイナー組織を保持している。ルイス・セベリーノとグレッグ・バードがプロスペクトを卒業したが、アーロン・ジャッジやゲリー・サンチェス、ロブ・レフスナイダーら即戦力選手はまだ残っている。さらにドミニカ系の若く、まだ階級の低いリーグでプレーしているプロスペクトが多いため、今年から来年にかけて一気にドジャースやレッドソックスのようなスター候補予備軍のマイナーになっているかもしれない。先に挙げた即戦力プロスペクトを抜けた後にドミニカ系の選手がいかに育つかがチームの未来を左右するだろう。

8. ミルウォーキー・ブルワーズ 前年比:↗↗18 総合評価:B+

フィリーズと同様に急速な再建を進めている。カルロス・ゴメスやクリス・デービス、ジーン・セグラらを放出し、見返りにプロスペクトを大幅に補充。昨年度よりも順位を18位も上げてみせた。ドラフトではジェーク・ゲートウッドやモンテ・ハリソンなどハイリスクハイリターンな高校生選手を多く指名しており、またそのほとんどが現段階ではマイナーで苦しんでいる。彼らの中から何人かがモノになれば一気に面白くなるだろう。

9. ピッツバーグ・パイレーツ 前年比:↘2 総合評価: 

順位としては2つ落ちたが、選手の顔ぶれはほとんど変わっておらずブルワーズ&フィリーズが上がっただけと考えるべきだろう。2年連続でワイルドカードに出場するなど強豪チームの仲間入りを果たしたが、今後はドラフト上位指名権が狙えなくなる上に主力選手のFAも近づいてくるので戦力のキープが課題になってくるだろう。ギフト・ンゴペやハロルド・ラミレスなど、近年は南アフリカやコロンビアなどから世界各地のプロスペクトを集めるようになっている。

10. シンシナティ・レッズ 前年比:↗8 総合評価:B

ピッチングプロスペクトに人材が集中しているのが特徴。昨夏から今オフにかけてジョニー・クエト、トッド・フレイザー、アロディス・チャップマンを放出し再建に向けた歩みを進めている。ホセ・ペラザはブランドン・フィリップスの後継者として無難にレギュラーを任せられる選手だろう。また、ロバート・スティーブンソンとジェシー・ウィンカーはメジャーに近い所まで成長しており、昇格となればインパクトを生み出す存在となるだろう。豊富なピッチングプロスペクトをどう扱っていくか目が離せない。

 

Text by Haruki SAKURAI
写真:https://flic.kr/p/az3mbL

2016 Prospect Organizational Rankings 11-20

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11. タンパベイ・レイズ 前年比:↗4 総合評価:B

ブレーク・スネルやウィリー・アダムスなど『ベースボール・アメリカ』のトップ100に4人を輩出した上位層もさることながら、その脇を固める中間、下位層の充実が魅力。投打のバランスもよく、実用性の高いマイナー組織と呼べるだろう。高卒選手が他球団に比べ多く、FEDトップ20のうち11名が高卒選手。トッププロスペクトであるブレーク・スネルは16年中の昇格が予想され、クリス・アーチャーやジェーク・オドリッジと並ぶ未来のエース候補として期待がかかる。

12. セントルイス・カージナルス 前年比:↘6 総合評価:B-

カレッジ選手偏重のドラフトが功を奏し、常勝球団をキープしている。過去にはマット・カーペンターやアレン・クレイグらカレッジ野手をドラフト下位で指名し成功した実績があり、15年に指名したカレッジ出身のポール・ディジョンとハリソン・ベイダーは順調なプロデビューを飾った。投手もティム・クーニーやルーク・ウィーバー、マルコ・ゴンザレスなど完成度の高い即戦力が控える。また、近年はドラフト上位指名権の不足を補うため、インターナショナルFAにも力を入れている。トッププロスペクトのアレックス・レイエスを除くとインパクトに欠けるが、堅実で計算高いマイナー組織と言える。

13. クリーブランド・インディアンズ 前年比:↗4 総合評価:B-

自前の生え抜き選手がコツコツと育ってきている。FEDトップ20のうち19人が生え抜き選手で、中でもブラッドリー・ジマーやクリント・フレイザー、ジャスタス・シェフィールドとドラフト1位選手が順調に成績を残しており、15年はブレイディ・エイケン(全体17位)、トリストン・マッケンジー(全体42位)、フアン・ヒルマン(全体59位)とドラフト前から評価の高かった3投手の指名に成功。フランシスコ・リンドーアやコリー・クルーバーらを投打の柱として黄金時代を築いていきたいところだ。

14. ミネソタ・ツインズ 前年比:↘↘12 総合評価:B-

ミゲル・サノーがプロスペクトを卒業したが、バイロン・バクストン&ホゼ・べリオスとメジャー即戦力級のタレントが残っている。ただ、この2人が抜けるとインパクト不足は否めない。さらにバクストンを含め、コール・スチュワートやルイス・ソープなど健康面に不安を抱えている選手が多い。しかし前年より順位を大きく落としたが、これはメジャーの戦力になっていることの証明であり、サノーやエディ・ロサリオなど若きタレントらを中心に昨季のヒューストン・アストロズやシカゴ・カブスのような軌跡を辿るかもしれない。

15. シカゴ・カブス 前年比:↘↘14 総合評価:C+

クリス・ブライアントやアディソン・ラッセル、カイル・シュワバーら大物プロスペクトが抜け、この順位ダウンは仕方ないだろう。それでもマイナー組織は枯れたわけではない。ウィルソン・コントレラス、イアン・ハップ、ビリー・マッキニーはメジャーに近いところまで来ており次なるウェーブを起こし得る存在。投手陣は大物こそいないものの、近年のドラフトにより充実しつつある。また、インターナショナルFAに多額の資金を投じており、中でもグレイバー・トーレスとエロイ・ヒメネスは出世株。

16. テキサス・レンジャース 前年比:↘3 総合評価:C+

失敗を恐れないハイリスクハイリターン型のマイナー組織。コール・ハメルズのトレードでニック・ウィリアムズ、ジャレッド・アイコフ、ジェーク・トンプソン、アレク・アッシャーとトッププロスペクトを一挙に放出したが、未だに層の厚さは相変わらず。ジョーイ・ギャロ、ノマー・マザーラ、ルイス・ブリンソンのトップ3は非常に高い評価を得ており、インターナショナルFAで固めた豊富なプロスペクトが控える。トップ20に入りきらないほどの選手量は圧巻に尽きるが、堅実さに欠けることは否定できないだろう。結果が出るのはまだ数年先の話である。

17. アトランタ・ブレーブス 前年比:↗3 総合評価:C+

13年の地区優勝から2年あまりで再建モードに。『ベースボール・アメリカ』などではトップ級のマイナー組織として高評価を得ているが、当サイトではこの順位とした。ハイシーリングなプロスペクトを熱心に集めており、しかもその多くが投手に偏っている。ピッチングプロスペクトを中心に再建を進める方針は同地区のメッツと重なるものがあり、ジェーコブ・ディグロームやノア・シンダーガードのようなインパクトあるエース投手を輩出できればアトランタ王国の復活も近い。野手は次代のデレク・ジーターとも称されるダンスビー・スワンソンが最短で今季半ばにも昇格するだろうと言われている。

18. カンザスシティ・ロイヤルズ 前年比:↘2 総合評価:C+

2年連続で世界一を成し遂げるなど強豪球団の仲間入り。資金力に乏しいも、アレックス・ゴードンやマイク・ムスタカス、エリック・ホズマーらドラフト最上位で指名した選手を中心にのし上がってきた。しかし今後はドラフト上位指名権を得ることは難しく、組織の力が問われることになるだろう。近年はインターナショナルFAに力を入れており、ラウル・モンデシーはその中でも出世株だ。またドラフトでもハイシーリングな高卒選手を集めているおり、豊富な育成プランを背景に「原石を磨いていく」チーム方針がうかがえる。14&15年のドラフト1位指名のショーン・マナエアとブランドン・フィネガンはトレードの弾としてジョニー・クエトとベン・ゾブリストをもたらし、世界一に貢献したと言っても良いだろう。

19. ニューヨーク・メッツ 前年比:↘↘14 総合評価:C+

ノア・シンダーガードらを中心に30球団トップクラスのピッチングプロスペクトを高く買われてきた。しかし、彼らの卒業と昨夏のデッドラインディールを経てこの順位に落ち込んだのはリーグ優勝の対価としては仕方ないだろう。現在はSSプロスペクトの多さが際立っており、FEDトップ20にはアメド・ロザリオをはじめ5人が名を連ねている。さらに、昨年度のインターナショナルFAではSSプロスペクトのアンドレ・ヒメネスを$1.2M、グレゴリー・ゲレーロを$1.5Mで獲得。センターラインの強化に取り組んでいる。

20. オークランド・アスレチックス 前年比:↗1 総合評価:C

14年のデッドラインディールでトッププロスペクトのアディソン・ラッセルとビリー・マッキニーらを放出するなど一時は焼け野原になるかと思われたが、昨年のデッドラインディールで一気に潤いを取り戻した。スコット・カズミアー、ベン・ゾブリスト、タイラー・クリッパードを放出し見返りとしてプロスペクトの大幅拡充に成功。また、ジョシュ・ドナルドソンの見返りに得たフランクリン・バレット、ジェフ・サマージャの見返りに得たマーカス・セミエン、ゾブリストの見返りに得たショーン・マナエアなどトレードで獲得した若いタレントが軒並み急成長を遂げている。

 

Text by Haruki SAKURAI
写真:https://flic.kr/p/dVFVz8