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2016 Playoff Preview:ワシントン・ナショナルズ

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 現地時間9月24日、ナショナル・リーグ東地区のワシントン・ナショナルズがピッツバーグ・パイレーツを下し2年ぶりの地区優勝を果たした。同じく2年ぶりとなるプレーオフを戦うナショナルズの長所と短所を見ていきたい。

 

 まずは長所から見ていこう。

「トレイ・ターナー

チームの長所に選手を1人、しかも、ルーキーを挙げるべきではないかもしれないが、それほどの実力や勢いというものが今のターナーにはある。昨シーズンのメジャー昇格から今シーズンは少し間を置いて6月に昇格した若きスーパースターは今やチームの核になりつつある。

打撃、守備、走塁という野球の全ての側面でこれほどのインパクトを残せる選手はそう多くない。打てばハイアベレージを残し、長打も量産。守っては本職ではないため慣れていないはずのCFでスーパーキャッチを披露。走っては多くの盗塁を決め、次の塁を果敢に狙い三塁打を生み出す。これほどの能力を持ったルーキーの登場はマイク・トラウト以来の衝撃と言っていいだろう。プレーオフでは試合の展開を変えることが重要だ。これなら勝てるとチームの士気を上げるプレーが必要になる。そういったプレーをどの場面においても見せることができるのがターナーという選手だ。

場数を踏んでいないプレーオフ未経験のルーキーに期待を抱きすぎてはいけないが、ターナーほどの能力を持っている選手にはどうしても期待がかかってしまう。その理由が故障者の続出だ。今ナショナルズは中心選手の故障者が相次いでいる。程度の差こそあれ少なからずプレーオフに影響を与えることになる。ターナーは長所であるとともにナショナルズの希望の星でもある。ターナーが持っている能力を存分に発揮すればチームの起爆剤となりプレーオフを勝ち進むカギになることは間違いない。

 

「控え野手」

ナショナルズは控え野手が実に豊富である。もちろん、アンソニー・レンドンやダニエル・マーフィーらのレギュラー野手も素晴らしい成績を残していることは間違いない。ここで主張したいのは普通ならばレギュラー野手と控え野手の実力差は大きく、控え野手が出場すると一気にそのポジションがウィークポイントになるのだが、ナショナルズはそうではないということだ。

スティーブン・ドリューやホセ・ロバトン、クリス・ハイジーという経験豊富な選手から、ウィルマー・ディフォー、ペドロ・セベリーノといったルーキーも控えにしておくにはもったいない成績を残してきている。ドリューはここ数年続いていた低打率から抜け出しOPSも.800以上をマーク。2B/3B/SSの3つのポジションをこなし各ポジションの選手の負担を軽くすることにも一役買っている。ハイジーは低打率ながらも、少ない出場機会で自慢のパワーを発揮し153打席で9本塁打をマーク。守備も悪くなく、DRSも-1に留めている。ディフォー、セベリーノらもルーキーにしては上出来の成績を残しており、この2人が守るポジションで故障者が出たためプレーオフでの出場機会も少なくはないかもしれない。

 

「投手陣」

ナショナルズは投手陣そのものが強みだ。先発、ローテーション共にかなりの層の厚さを誇っている。先発とリリーフの防御率はどちらもナショナル・リーグで2位の数字を残している。先発ではナショナル・リーグ最多投球回のエースであるマックス・シャーザーに、防御率で同8位につけているタナー・ロアーク、故障から復帰したジョー・ロスの3人の能力は高く、相手を圧倒する投球ができる。

また、ジオ・ゴンザレスも長い回を投げることができていないが、頭数に入れておいても悪くない投手だ。いざとなればルーキーのレイナルド・ロペスを先発させるというオプションもある。ロペスはレギュラーシーズンで先発として防御率5点台とあまりいい結果を残せておらず、リリーフとしてロースター入りする見込みだが、先発でイニング以上の三振を奪相手を圧倒した試合もありスポットで先発する可能性はあるだろう。

スティーブン・ストラスバーグが故障でディビジョンシリーズでは投げない可能性が高い中でこれほどの先発投手がいるのは心強い。

リリーフも30イニング以上投げて防御率が2点台である投手が6人いるため小刻みな継投策が可能。また、ジョナサン・パペルボンとオリバー・ペレスが不調だったため安定感のなかったクローザーとシチュエーショナルレフティーのポジションを、途中加入となったマーク・メランコンとマーク・ゼプチンスキーの2人でカバーすることができたので死角がなくなった。

 

2016 Top 10 Prospects by Position

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*ポジションはC・1B・2B・3B・SS・OF・RHP・LHP
*レポートはチーム別トップ20リストを参照

 

 

  • C
ランク 選手名 チーム
1 ゲリー・サンチェス NYY
2 ウィルソン・コントレラス CHC
3 トム・マーフィー COL
4 ジェーコブ・ノッティンガム MIL
5 リース・マグワイア PIT
6 ドム・ヌネス COL
7 ホルヘ・アルファロ PHI
8 チャンス・シスコ BAL
9 エリアス・ディアズ PIT
10 カイル・ファーマー LAD

 

  • 1B/DH
ランク 選手名 チーム
1 A.J.リード HOU
2 ジョシュ・ベル PIT
3 ドミニック・スミス NYM
4 コディ・べリンジャー LAD
5 ジョシュ・ネイラー MIA
6 ボビー・ブラッドリー CLE
7 ジェーク・バウアーズ TB
8 マット・オルソン OAK
9 ライアン・オハーン KC
10 バルビーノ・フエンマヨール KC

 

  • 2B
ランク 選手名 チーム
1 ヨアン・モンカダ BOS
2 アレックス・ブレグマン HOU
3 ホセ・ペラザ CIN
4 アレックス・ブランディーノ CIN
5 アレン・ハンソン PIT
6 フォレスト・ウォール COL
7 ロブ・レフスナイダー NYY
8 マイカ・ジョンソン CWS
9 ウィルマー・ディフォー WSH
10 トニー・ケンプ HOU

 

  • 3B
ランク 選手名 チーム
1 ラファエル・ディバース BOS
2 ジョーイ・ギャロ TEX
3 ライアン・マクマホン COL
4 ハイマー・キャンデレリオ CHC
5 ブランドン・ドルーリー ARI
6 コリン・モラン HOU
7 エクトル・オリベラ ATL
8 ケブライアン・ヘイズ PIT
9 エリック・ジャギエロ CIN
10 オースティン・ライリー ATL

 

  • SS
ランク 選手名 チーム
1 コリー・シーガー LAD
2 J.P.クロフォード PHI
3 オーランド・アルシア MIL
4 トレイ・ターナー WSH
5 フランクリン・バレット OAK
6 ラウル・モンデシー KC
7 ダンスビー・スワンソン ATL
8 グレイバー・トーレス CHC
9 ホルヘ・マテオ NYY
10 ウィリー・アダムス TB

 

  • OF
ランク 選手名 チーム
1 バイロン・バクストン MIN
2 アンドリュー・ベニンテンディ BOS
3 ノマー・マザーラ TEX
4 オースティン・メドウズ PIT
5 ルイス・ブリンソン TEX
6 ブラッドリー・ジマー CLE
7 ニック・ウィリアムズ PHI
8 アーロン・ジャッジ NYY
9 クリント・フレーザー CLE
10 マックス・ケプラー MIN

 

  • RHP
ランク 選手名 チーム
1 ルーカス・ジオリト WSH
2 ホゼ・べリオス MIN
3 アレックス・レイエス STL
4 タイラー・グラスノー PIT
5 アンダーソン・エスピノーザ BOS
6 ホゼ・デレオン LAD
7 ジョン・グレー COL
8 フランシス・マルテス HOU
9 ロバート・スティーブンソン CIN
10 ブレント・ハニーウェル TB
  • LHP 
ランク 選手名 チーム
1 フリオ・ユリアス LAD
2 スティーブン・マッツ NYM
3 ブレーク・スネル TB
4 ショーン・ニューカム ATL
5 コディ・リード CIN
6 ショーン・マナエア OAK
7 タイラー・ジェイ MIN
8 アミーア・ギャレット CIN
9 ジョシュ・ヘイダー MIL
10 ティム・クーニー STL

 

Text by Haruki SAKURAI
写真:https://flic.kr/p/cR9RD5

2016 Top 20 Prospects:ワシントン・ナショナルズ

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本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。

 

 

1. ルーカス・ジオリト:RHP
エースポテンシャル。100マイルのストレート&カーブ&チェンジアップはいずれもハイクオリティで打者を圧倒する。A+では117回/131K/37BB/防御率3.15と支配的な内容。6-6/255たる体格の扱いも十分で、コマンドも安定している。フューチャーズゲームでは先発の大役を任された。

2. トレイ・ターナー:SS
ウィル・マイヤーズを絡めた三角トレードでSD→WSH。20-80スケールで80評価を得るスピードツールを武器にダイナミックなリードオフマンになりうる。2A&3Aでは打率.322、本塁打8、盗塁29と結果を出しメジャーでも27試合に出場。SSを守れるだけのツールの持ち主だが、2Bに移るプランも。

3. ビクター・ロブレス:OF
プレミアム級のファイブツールプレーヤーになり得る原石。打撃ではアプローチに優れ、パワーも体重の増加とともに付いてくるだろう。R&A-では61試合で打率.352、本塁打4、OPS.952、盗塁24と目立ったパフォーマンス。スピード&肩を備えたCF守備もダイナミック。

4. レイナルド・ロペス:RHP
昨季彗星のごとくあらわれたパワーアーム。100マイルに達するストレート&プラスのカーブでパワフルに攻める。速球派投手としてはコマンドが安定している点が高く評価されており、立ち投げのメカニックは角度を生み出す。A+では99回/94K/28BB/防御率4.09。

5. ウィルマー・ディフォー:2B
ホゼ・レイエス(COL)と比べられる小柄なスピードスター。両打席でコンパクトなスイングを披露しA+&2Aで打率.286、本塁打5、OPS.738、盗塁30。一方で92K/20BBと見極めに苦労した。ディフェンスでは肩とスピードが卓抜。ハードワーカーとしても知られ、コーチからの評価も高い。 

6. エリック・フェッディ:RHP
14年ドラフト全体18位。ドラフト前の5月にトミージョン手術。今年6月に復帰すると14先発して防御率3.38、K/BB=3.67と順調な回復ぶりをアピール。ストレートは90マイル中盤を計測するなど球威も戻っている。スライダーはゴロ&Kを生み出せるアウトピッチ。ブライス・ハーパーとは高校のチームメイト。 

7. A.J.コール:RHP
メジャーで3登板も、自慢のストレートは最速93マイル止まり。完成度の高さに評価を得ており、22にして3Aで105.2回/76K/34BB/防御率3.15と安定した投球内容。変化球のクオリティが平凡なため三振数の少なさが目立つ。ローテーション入りを目指していきたい。 

8. ペドロ・セベリーノ:C
バッティングは平凡もハイレベルなディフェンスで高い評価を得る。キャノンアームの持ち主で、ブロッキング&フレーミングにも優れる。課題の打撃は2AでOPS.619も、9月にはメジャーデビューも経験。リーダーシップを持ち合わせ、投手陣からの信頼も厚い。

9. オースティン・ヴォス:RHP
コマンド&パワーのパッケージ。93マイルの威力あるツーシームを主体にストライクゾーンを自在に操るピッチング。課題であったスライダー&チェンジアップも向上を辿る。2Aでは157.1回/148K/40BB/防御率2.97。投球術にも長け、イニングイーターとして期待される。 

10. オズバルド・アブレウ:SS/2B
攻守のポテンシャルはレギュラーSSクラス。昨季OPS.584と課題になっていた打撃は1Aで打率.274、OPS.769、本塁打6、盗塁30とブレーク。89K/50BBとアプローチに優れ、二塁打35本とギャップを抜くパワーも両立。キャリア盗塁成功率67.9%とスピードの扱いを磨く必要がある。 

11. ジャクソン・リーツ:C
『パーフェクトゲーム』MVP&U-18アメリカ代表。ジョナサン・ルクロイ(MIL)とも比較される攻撃型捕手。素早いスイングでライナー性の打球を量産し、選球眼も良い。今季は年上ぞろいのA-でプレーし打率.212と結果を出すことができなかった。Cのディフェンスはアスレチックで肩も強い。

12. アンダーソン・フランコ:3B
13年のインターナショナルFAではトップ級の評価を受けていた。14年には最年少でDSLをプレーしOPS.725をマーク。今季はRでプレーしOPS.734と高い潜在能力を見せつけている。打撃は大振りながらパワーに優れ、3B守備では強肩が武器。体格に比して機敏に動き、優秀なディフェンダーになれる。 

13. ドリュー・ワード:3B
6-4/210たる大柄な体格にパワーツール&ヒッティングセンスを兼ね備える。1年を通じてコンディションを保つことができずキャリア最低のOPS.686に終わった。三振を減らしていきたい。守備ではプラス評価の強肩がウリだが、機敏さに欠けており、将来的には1B/LFに回る可能性も。  

14. アンドリュー・スティーブンソン:OF
サム・フォルド(OAK)タイプのガッツ溢れる大学No.1CFディフェンダー。プラスのスピードに加え、素晴らしいルート取り&ジャンプ力を備えており、困難なフライも捕球してしまう。打撃はパワーレスながらR&1A&A-で打率.308&出塁率.363&盗塁13をマーク。 

15. テイラー・ハーン:LHP
15年ドラフト5巡目。6-6/215たる細身の体格から最速99マイルのストレートを投げ込む大型左腕。粗削りながらアップサイドの高さはダグ・ハリスGM補佐も絶賛。R&A-では11先発(12登板)して防御率3.56、K/9=8.4、BB/9=2.8をマーク。 

16. ホアン・ソト:OF
15年インターナショナルFA。球団最高額となる$1.5Mで契約。17にして滑らかなスイング&天性のタイミング取りを披露。スカウトたちからは平均以上の中距離ヒッターになれると絶賛されている。守備ではスピードに欠け、コーナー向きとされている。 

17. ラファエル・バティスタ:OF
スピードモンスター。14年には1Aトップの69盗塁を記録。今季はスライディングの際に指を痛め、シーズンの半分を棒に振ったが、66試合で打率.275&盗塁26。早打ちで四球の少なさがネック。CF守備では素晴らしい反応を示し、美技を連発している。 

18. レット・ワイズマン:OF
全体1位指名のダンズビー・スワンソン(ATL)やカーソン・フルマー(CWS)と同じく名門バンダービルド大でプレー。大学3年時にはスワンソンと並んでチーム最多タイの15ホーマーを放ったバッティングがウリ。A-で打率.248&三振率22.5%とコンタクトが不安定。外野守備は平均的。 

19. エドウィン・ローラ:SS
平均以上のスピードに支えられたSS守備は広大なカバー範囲を誇り、スカウト達を唸らせる。打撃では38試合/33K/6BBとアプローチを改善しハードなコンタクトを心掛けていきたい。ベストツールのスピードは平均以上もゲームの中では生かし切れていない。キャリア3年で26盗塁/10盗塁死。 

20. オースティン・ウィリアムズ:RHP
プロに入ってからは87-90マイルと大学時代よりも4-5マイルほど球速を落としているが、1A&A+&3Aで25先発して12勝8敗、防御率2.58、K/BB=3.21と素晴らしいパフォーマンス。スライダー&チェンジアップを織り交ぜる。メカニックを磨いて大学時代の球威を取り戻したい。

Plus One Prospect
コーダ・グローバー:RHP 
15年ドラフト8巡目。A-&1Aで19試合リリーフして防御率1.80、K/9=11.4、BB/9=0.6と支配的な内容。6フィート5の長身から94-97マイルの角度ある速球を投げ下ろす。 スライダーは不安定で平均以下とされるが、タイミングの取りづらい腕の振りでカバーしている。

 

Text by Haruki SAKURAI
写真:https://flic.kr/p/kZaDsr