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遊撃手が注目を集める2019 International Amateur FAについて

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 MLB公式による2019~20年度の国際アマチュアフリーエージェント選手トップ30が発表された。

 

 今年度の国際アマチュアフリーエージェント選手トップ30をMLB公式が発表した。

 これは海外の優秀なアマチュア選手をMLB各球団が獲得する手段の一つである。近年は中南米系のメジャーリーガーの存在感が高まりつつあり、その手段の重要性は増してきている。最近ではトッププロスペクトとして颯爽とデビューを果たしたブラディミール・ゲレーロjr(TOR)、フェルナンド・タティースjr(SD)、ロナルド・アクーニャjr(ATL)、フアン・ソト(WSH)、イーロイ・ヒメネス(CWS)そして大谷翔平(LAA)といった面々がこのルートを通じて球団に獲得されていることからも、球団の戦力アップにおける重大さが伺えると思う。

 

 

 さて、今回発表されたランキングだが、上記の円グラフの通り、最多がSSで13人、その次がOFの9人と続いている。過去3年の平均と比較したら分かるように、全体的には今年も似たようなポジション比率となっている。野手の比率が高くなるのは、タレントが野手に固まる中南米選手が多いことから当然といえる。SSが不自然に多いのは、他のポジションと比較した場合のSSの難度の高さから、SSを守れることをアピールすることで、球団からの評価を上積みしようという選手側の考えが読み取れる。

 

 例年と異なる点は、今年度は投手の質が全体的に低いということだ。上記の過去3年の平均を見れば分かる通り、トップ10には平均して2~3人投手が入るのが通年である。だが、今年は初登場すら16位となっている。逆に考えれば、野手の質が高いと言い換えることもできるかもしれないが、2年前は大谷、3年前にはエイドリアン・モレホン(SD)といった選手がそれぞれ1位、3位にランクインしていたことを考えると、少々寂しいかもしれない。

 

 これらの選手のほとんどには既にどの球団が関心を持っているかが記載されており、最多はSDの4人となっている。マイナー、MLBレベル共に若き才能の宝庫であるSDだが、今後も人材集めを怠る気は毛頭ないようだ。その4人の中で個人的に注目しているのが、22位のレギナルド・プレシアド(SS)。パナマ出身の彼は、6フィート4インチという遊撃手には珍しいほどの大柄ながら走攻守兼ね備えており、ロマンを感じさせる。

 また、2人いる捕手のどちらもCHCがフロントランナーとなっていることも興味深い。スター捕手ウィルソン・コントレラスの後釜としては、トッププロスペクトである20歳のミゲル・アマヤが控えているが、さらにその後釜となる選手の獲得を模索しているのかもしれない。

 

 そして、関心を持つ球団の記載がない選手の1人である、7位ランクインのイディ・カッペだが、彼のインスタグラムの自己紹介文にはマイアミ・マーリンズ所属の一文があり(現在は変更済)、すでにMIAが接触している可能性がある(ちなみにサイト記載の写真でもMIA帽を被っている。ただファンなだけかもしれないが)。キューバ出身16歳の彼は、同年代だったころのデレク・ジーター(元NYY)、カルロス・コレア(HOU)と比較される右投右打の大型遊撃手。MIAが他にコンタクトを取っているとみられる2選手も共に遊撃手であり、もし3選手の獲得に成功したならば、内野手プロスペクトに欠けるMIAにとっては、再建の大きな一歩となるかもしれない。

 ただ、彼はまだ各球団と契約を結べる許可が下りておらず、契約可能になるのは2020~21年度からかもしれないということをここに付け加えておく。

 

 これらのランキングはあくまで現時点のもので、将来の成功を約束するものでは決してないことは過去のランキングを見れば明らかである。エイドリアン・ロンドンや、成功間違いなしだったはずのケビン・マイタン(LAA)の意外な苦戦を想起して頂ければすぐに理解できる。しかし、先ほど挙げたメジャーで華やぐ若手スターのうち、アクーニャ以外はトップ30に入っており、当初から評価の高かった選手である。期待値の高さを示すには十分であろう(ちなみに、ランキングの成功例を示すと、2015~16年度などは中々壮観である。逆に2012~13、2014~15などは失敗例といえる)。

 彼らの内何人がメジャーの舞台で活躍するかが、今から楽しみである。契約可能となる期間は、7月2日がスタートとなっている。

 

Written by Yoshihiro Ueda

Photo link https://flic.kr/p/2dZYQaD

Weekly Report : Week-7

Albert Pujols

 

 

 

 

 

 

 

 Photo link https://flic.kr/p/cmAsKq

 

 

今週のプロスペクト

―ウラディミール・ゲレーロ Jr.だけではない。メジャーの若手選手たち―

Written by Kazuki Sugihara

 先日、ウラディミール・ゲレーロ Jr.(TOR)が2ホーマーの活躍を見せたが、ほかにも数多くのプロスペクトたちがメジャーデビューを果たした。今回は、そんなプロスペクトたちの活躍をダイジェスト形式で紹介していく。

05/12デビュー コービン・マーティン(HOU) MLB公式球団ランキング4位

 コービン・マーティンがレンジャース戦で先発デビューした。この日は速球、変化球、コントロールのどれも安定しており、中でも速球は冴えわたっていた。平均95.7mph、最速97.7mphを記録し、その日投じた80球中50球を速球が占めていた。そこにキレキレのチェンジアップ、カーブも混ぜることで打者を翻弄し圧倒した。5回1/3を投げ2失点9奪三振の好投でメジャー初先発初勝利を飾った。

 

05/14デビュー ニッキー・ロペス(KC) MLB公式球団ランキング8位

 今週デビューしたプロスペクトの中では間違いなくニッキー・ロペスが一番注目を浴びただろう。レンジャース戦を2番ショートでスタメンデビューを果たすと、7回の第4打席でレフト前タイムリーヒットを放ち、初ヒット初打点を記録した。しかしそれだけではない。その後の3試合もヒットを放ち、デビューから計4試合で、16打数6安打3四球、打率.375、OPS1.036と絶好調。ロペスは、コンタクトスキルの高さとアプローチの良さに定評のある選手で四球を多く選べる。ちなみにこの日、ゲレーロ Jr.が一試合2本塁打を記録した。

 

05/15デビュー ショーン・アンダーソン(SF) MLB公式球団ランキング4位

 この日ブルージェイズ戦で先発デビューしたショーン・アンダーソンは予想を上回る活躍をした。投手としては、武器であるスライダーが冴えわたり、5回2失点5奪三振の活躍をみせた。一方、打者としては2回にプロ初打席に立つと、いきなり右中間を破るツーベースヒット、次の打席でもヒットを放ち2安打を記録した。アンダーソンは、打撃に定評のあるマディソン・バムガーナーとスプリングトレーニングで一緒に打撃練習を行ったのが良かったのかも、とインタビューで振り返っている。

 

05/17デビュー ブレンダン・ロジャース(COL)  MLB公式球団ランキング1位(全体10位)

 全体10位のプロスペクト、ブレンダン・ロジャースが遂にメジャーデビューを果たした。フィリーズ戦に7番セカンドでスタメンデビューするも、この日はノーヒット。しかし第4打席で内野手のフィルダースチョイスで初打点を記録した。なかなか二塁手の穴が埋まらないロッキーズにとってはロジャースの今後の活躍を切に願っているだろう。

※動画は翌日のもの。

 

2016 Top 20 Prospects:トロント・ブルージェイズ

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本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。 

 

 

1. アンソニー・アルフォード:OF
アメフトとの二刀流を続けていたアスリートだが、今季より野球一本に専念。107試合に出場して打率.298、本塁打4、OPS.820、盗塁27の好成績を残し、潜在能力の高さを見せつけた。 将来有望なファイブツール候補も、大学講内で銃乱射事件を起こすなど素行面に不安を抱える。

2. ブラディミール・ゲレーロ Jr:OF/3B
通算449ホーマーのウラディミール・ゲレーロの息子。 『BA』のインターナショナルFAランキング1位の大物で、契約金$3.9MでTOR入り。父と瓜二つのような豪快なスイングからショーケースでは柵越えを連発。父ウラディミールもTwitterで「俺の息子のスイングを見てくれ」と動画をシェアする溺愛っぷり。

3. ローディ・テレズ:1B
ドラフト30巡目指名の掘り出し物。6-4/220たる大柄な体格にプラスプラスのパワーポテンシャルを秘める。20歳にしてストライクゾーン&フィールド全体の扱いは向上を辿る。1A&A+でOPS.801&14ホーマー。AFLで共にプレーしたクリス・ボスティック(WSH)は「あのパワーはギャロ(TEX)級だよ」と絶賛。

4. ショーン・リードフォーリー:RHP
最速98マイルの浮き上がるようなストレートを武器に1A&A+で25先発、防御率4.22、K/9=11.7とパワフルさを発揮。一方足の踏み出しが安定せずBB/9=6.3と制球に苦しんだ。制球が安定すればスライダー&チェンジアップもより有効に使えるようになり、投球の幅が広がるはずだ。

5. ジョン・ハリス:RHP
15年ドラフト全体29位指名。TORは12年にも33巡目で指名しており、 念願の獲得となった。今春にブレークした右腕で、92-94マイルの沈む速球は6-3/160たる細身の体格からさらなる球速アップが期待できる。プロではコマンドが安定せず防御率6.75、BB/9=5.2と苦しんだ。

6. マックス・ペンテコスト:C
故障により全休。アスレチックかつ走攻守のバランスに優れるキャッチャー。ヒットツールは平均以上でラインドライブ性の打球を量産する。守備ではブロッキング&レシービングに改善点があるも、持ち前のアスリート性からあまり問題にされていない。 

7. リカルド・ウレーニャ:SS
アスリート性に優れ、SSとして平均以上のディフェンダーになり得る。肩&守備範囲はいずれも平均以上で動きも滑らか。パワーレスと見られていた打撃では16ホーマーをマークし、開花の兆し。一方で110K/16BBとアプローチは改善の必要アリ。

8. コナー・グリーン:RHP
13年ドラフト7巡目指名の20歳。プロ入り後に20ポンドの増量に成功し、今季は1A&A+&2Aで26先発して12勝7敗、防御率3.54、K/BB=2.9とブレーク。 最速96マイルのストレート&チェンジアップでゾーンを攻める。カーブが磨かれればローテクラス。

9. ジャスティン・ミーズ:RHP
15年ドラフト3巡目指名。最速96マイルのストレート&スライダー。Rでは35.2回/19K/6BB/防御率1.01。 ボールにばらつきがあり、球速&コマンドいずれも安定しない。6-3/190たる体格は先発として及第点も、ストレート&スライダーを安定させ、チェンジアップ&コマンドを発達させる必要がある。

10. D.J.デービス:OF
12年ドラフト全体17位指名。プロ入り後、期待に応えられずにいたが、今季は成長を感じさせるシーズンとなった。1Aで129試合出場して打率.282、本塁打7、OPS.731、盗塁21。ベストツールのスピードはビリー・ハミルトン(CIN)と比較されるレベル。粗さを取り除きたい。 

11. ライアン・ボルキー:LHP
最速94マイルの力強いストレート&プラスのチェンジアップのコンビネーション。6-4/175たる体格からもアップサイドは高く、コマンドも安定しているためカーブ&スライダーが磨かれれば面白い素材だ。 今季は故障により3登板にとどまる。

12. エンジェル・ペルドモ:LHP
6-6/200たる体格から高いアップサイドを秘める。最速94マイルのストレートはさらなる向上が見込め、将来的にはコンスタントに90マイル中盤を叩き出すようになるだろうという評価。スライダー&チェンジアップはまずまずも、制球難は大きな課題。キャリア4年でK/9=10.5。 

13. ドワイト・スミス:OF
パワーレスながら素早いスイング&ストライクゾーンへの理解に定評があり、64K/47BBたる素晴らしいアプローチを披露。2AでもOPS.711&本塁打7と成績をキープした。 肩の弱さからLF向きとされ、AFLでは2Bにも挑戦した。

14. レジー・プルーイット:OF
15年ドラフト24巡目指名。バンダービルド大への進学を蹴ってTOR入り。一塁到達3.6秒の俊足が武器で、攻守でインパクトを生み出せる。バットコントロール&動体視力は十分も、スイングは改善の余地アリ。長い時間をかけて育てていきたい素材。

15. ジョー・ビアンギニ:RHP
 『ルール5ドラフト』でSF→TOR。2Aでは130.1回投げて防御率2.42&HR9=0.3をマークしたグランドボーラー。最速96マイルのシンカー&チェンジアップ&カーブのコンビネーションでコーナーを攻める。チームでは移籍したリアム・ヘンドリクスに代わってロングリリーフを務める?

16. ダン・ジャンセン:C
パワー&選球眼に秀でるCプロスペクト。20歳にしてプラスのバットスピードを示しており、15ホーマー級のパワーを秘めている。またゾーンへの理解も深くマイナー3年で54K/58BBとアプローチも優秀。捕手としての守備力も向上を辿る。 

17. マット・ディーン:1B
自己最多の123試合に出場し、キャリアハイの14ホーマー。打席での心構えが変わったことで、ラインドライブ性の打球が増加した。この先メジャーに上がるにはパワーツールをアピールしていきたい。高校ではSSを守っており、1B守備もアスレチック。

18. クリントン・ホロン:RHP
トミージョン手術明けのシーズンで12先発し58.2回/45K/22BB/防御率3.38。最速95マイルのパワフルなストレートに、ソリッドなスライダー&カーブ&チェンジアップを織り交ぜる。シーズン終盤にアンフェタミンの使用が発覚し、50試合の出場停止処分。

19. シェーン・ドウソン:LHP
肘&肩の故障を乗り越えブレーク。1A&A+で24登板(22先発)して15勝6敗、防御率3.03、K/BB=3.75の好成績をマークし、パンアメリカ大会のカナダ代表にも選出。カナダの金メダルに貢献した。球威は平凡も、チェンジアップ&カーブで緩急を生み出す。 

20. ミッチ・ネイ:3B
眠れる大砲は今年も起きず。荒々しいパワーポテンシャルを秘めるも、キャリア3年で14ホーマーは物足りない出来だ。打率.243、OPS.653はいずれもキャリアワーストの数字。強肩が魅力の3B守備は年々向上を辿るも、バットで存在感を示したいところ。

 

Plus One Prospect
トラビス・バーゲン:LHP
クロスファイヤーで右バッターの胸元を厳しく攻める。A-ではわずか5.1回のみも11Kを奪う印象的なパフォーマンス。ストレート&スライダー&チェンジアップと平均レベルの3球種を扱うことができ、上手く育てばスターターに残れるだろう。 

 

 Text by Haruki SAKURAI
写真: https://flic.kr/p/vBsHCh