Tag Archives: エイドリアン・ベルトレ

エイドリアン・ベルトレの21年間の軌跡を振り返る

Adrian Beltre

 

 

 

 

 

 

 2018年、1998年から21年間メジャーでプレーしたテキサス・レンジャーズのエイドリアン・ベルトレ(3B)が引退した。

 最後のシーズンとなった2018年は、自身19度目の100試合出場となる119試合に出場し、15本塁打を放つなどレギュラーとして出場。キャリアの初めから終わりまでチームの中心として活躍する実力をもち、一方でチームメートのエルビス・アンドラス(SS)との絡みなど、笑いも提供してきたメジャーを代表する選手が引退を決意した。今回は、エイドリアン・ベルトレのキャリアを振り返っていく。6月24日は、彼がメジャーデビューを果たした日である。

 

メジャーデビューまで

 エイドリアン・ベルトレは1979年4月7日にドミニカ共和国の首都サントドミンゴに生まれ、リセオ・マキシモ・ゴメス高校を卒業した後、1994年にドジャースと契約した。マイナーでは1996年シーズンからデビュー。いきなりAとA+で131試合に出場し26本塁打を放つなど結果を残す。翌年もA+で123試合に出場し、26本塁打、打率も.317と結果を残し、1998年AAで64試合に出場し13本塁打、打率.321、OPS.992と好成績を残した後、当時ドジャースのサードだったボビー・ボニーヤが故障し、まだメジャー昇格は早いという声もあったものの、当時のドジャースGM代行だったトミー・ラソーダの意向でメジャー昇格を果たし、1998年6月24日にメジャーデビューした。その試合で放った初ヒットが以下である。

 

ドジャース時代

 メジャー1年目は77試合に出場し、7本塁打、打率.215、OPS.648という成績に終わった。しかし、翌年は15本塁打、打率.275、OPS.780と大ブレイクとまではいかないものの、ドジャースのサードのレギュラーを掴んだ。

Season Team G HR AVG OBP SLG OPS wRC+ BB% K%
1998 Dodgers 77 7 .215 .278 .369 .648 75 6.5% 17.3%
1999 Dodgers 152 15 .275 .352 .428 .780 100 9.9% 17.1%
2000 Dodgers 138 20 .290 .360 .475 .835 116 9.7% 13.9%
2001 Dodgers 126 13 .265 .310 .411 .720 90 5.4% 15.9%
2002 Dodgers 159 21 .257 .303 .426 .729 94 5.8% 15.1%
2003 Dodgers 158 23 .240 .290 .424 .714 86 6.1% 16.9%
2004 Dodgers 156 48 .334 .388 .629 1.017 161 8.1% 13.2%

 守備面では、デビューから早々にエラー数を減らし、2003年にDRS+25を記録するなどサード守備の名手としてのベルトレは出来上がっていた。そして、オフにFAを迎える2004年、ベルトレにとってキャリア最高の年となる。シーズン開幕直後の4月6日に当時史上36人目となる25歳以下での100号本塁打を達成したのを皮切りに、リーグ1位となる48本塁打、リーグ4位の打率.334、リーグ5位のOPS1.017を記録する等大ブレイクした。そして、オフにマリナーズと5年6400万ドルで契約する。

Season Team Pos Inn DRS RngR ErrR UZR
2002 Dodgers 3B 1372.0 0 23.7 -1 21.7
2003 Dodgers 3B 1346.0 25 19.2 0.4 20.6
2004 Dodgers 3B 1340.1 22 17.0 7.6 25.9

 

マリナーズ時代

 移籍1年目となった2005年は19本塁打、OPS.716に終わり、守備でも前年のDRS+22から+8に下がるなど攻守で期待に応える活躍はできなかった。

Season Team G HR AVG OBP SLG OPS wRC+ BB% K%
2005 Mariners 156 19 .255 .303 .413 .716 90 5.8% 16.6%
2006 Mariners 156 25 .268 .328 .465 .792 106 6.9% 17.3%
2007 Mariners 149 26 .276 .319 .482 .802 110 5.9% 16.3%
2008 Mariners 143 25 .266 .327 .457 .784 106 8.2% 14.7%
2009 Mariners 111 8 .265 .304 .379 .683 81 4.0% 15.5%

 マリナーズ時代のベルトレは、2007年5月に負傷し、左手親指の靭帯が切れた状態で出場を続け、2008年オフまで手術をしなかった。左手の故障を治して迎えたマリナーズとの契約最終年となる2009年は、メジャー2年目の1999年以降初めて規定打席に届かず、DRS+20と攻守は相変わらずだったものの、8本塁打、OPS.683とキャリア最低クラスのシーズンに終わった。オフにFAとなり、当時30歳と本来ならば大型契約を得られたはずだが、2009年の成績があまりにも悪かったためそれが難しく、代理人のスコット・ボラスは、1年契約を結んで好成績を残した後に大型契約を勝ち取る策を考え、その結果、レッドソックスと1年900万ドルで契約した。

Season Team Pos Inn DRS RngR ErrR UZR
2005 Mariners 3B 1325.2 8 7.7 1.9 8.9
2006 Mariners 3B 1358.0 19 16.6 1.7 18.5
2007 Mariners 3B 1279.1 4 -1.9 0.8 -1.1
2008 Mariners 3B 1208.1 27 10.2 0.8 11.7
2009 Mariners 3B 988.1 20 13.7 -1 13.9

 

レッドソックス時代

 そして臨んだ2010年は、28本塁打、打率.321、OPS.919と2004年に次ぐ好成績を残し、守備でもDRS+20と好守を見せた。そして、この年、球団初のリーグ優勝を果たし、初のワールドチャンピオンにあと1歩届かなかったレンジャーズとオプション含め最大6年9600万ドルという大型契約を結んだ。

Season Team G HR AVG OBP SLG OPS wRC+ BB% K%
2010 Red Sox 154 28 .321 .365 .553 .919 140 6.2% 12.8%
Season Team Pos Inn DRS RngR ErrR UZR
2010 Red Sox 3B 1342.2 20 9.5 0.1 10.4

 

Weekly Report: Week6

15008290618_0abb6b3204_z

 

 

 

 

 

 

 

 

3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-6のキーワードは「ノーヒットノーラン」「アルバート・プホルス」「ルイス・セベリーノ」だ。

・ノーヒットノーラン

地4日、ロサンゼルス・ドジャースはサンディエゴ・パドレスとのメキシコシリーズ第1戦で継投によるノーヒットノーランを達成した。継投によるノーヒットノーランは球団史上初、ドジャースとしては2014年のクレイトン・カーショー以来23回目のものとなった。MLB全体としては、継投によるノーヒットノーランは2014年のフィリーズ以来の記録となっている。(コール・ハメルズ、ジェイク・ディークマン、ケン・ジャイルズ、ジョナサン・パペルボンの4人による継投)

 この日先発したのはドジャースのトッププロスペクトであるウォーカー・ビューラー。トミージョン手術を受け、コンディションが心配されていたが見事に復活。90マイル中盤~後半の力強いフォーシームとツーシームを軸にスライダー、カーブを織り交ぜる投球スタイルで相手を捻じ伏せる。この日は6イニングを投げ、四球3、奪三振8とパドレス打線を寄せ付けなかった。ウォーカーは今シーズン3先発で2勝、投げたイニングこそ少ないが、防御率1.13、K/9=10.69と申し分ない成績を残している。

 ビューラーの後にマウンドに上がったのはトニー・シングラーニ。昨シーズン途中、シンシナティ・レッズから移籍してきた左腕である。この日は1イニングを投げ、四球を2つ出したが後続をしっかりと抑えた。

 8回に3人目としてマウンドに上がったのはイーミ・ガルシア。ドジャース生え抜きの右腕で2015年には59試合に登板している。2016年シーズンからはトミージョン手術や膝の手術などで長期離脱を経験した。彼にとっては復活を期すシーズンとなっている。この日は1イニング打者3人を完璧に抑え、役割を果たした。

 最終回にマウンドに上がったのはアダム・リベラローテ。2014年にレイズからトレードで移籍してきた左腕。度重なる故障でメジャーを行ったり来たりするシーズンが続いている。リベラローテも1イニングを投げ、2奪三振と危なげないピッチングで退けた。

 

 以上、ドジャースは4人の継投で5つの四球を記録したが、13個の三振を奪い、ノーヒットノーランを達成した。しかし、コーリー・シーガーはトミージョン手術で今季絶望、エース、クレイトン・カーショーもDL入りと開幕早々苦しい局面を迎えている。絶好調アリゾナ・ダイヤモンドバックスを筆頭に実力のあるチームがひしめく中で、ドジャースの奮起に期待したいところだ。

2018 Team Preview :テキサス・レンジャース

471782819_1241ec127d_z

 

 

 

 

 

 

 

 

本拠地:グローブライフパークインアーリントン

 

他の球場と大きさを比較する→http://yakyujo.com/ml01/

 

広さ
レフト 101.2m
センター 121.9m
ライト 99.1m
フェンス高さ

2.4~4.3m

パークファクター *平均100
安打 110.0
ツーベース 105.2
スリーベース 181.3
HR 104.9
得点 115.6

 

1, デライノ・デシールズ(CF)

高い走力を武器に昨シーズンも29盗塁を記録。16年は打率.209、OPS=.588と大不振に苦しんだが、昨シーズンは打率.269、OPS=.714と復活を果たした。俊足を活かしたセンター守備でも高い評価を得ており、打撃で更に成長し、1番に定着したい。

2, エルビス・アンドルス(SS)

昨シーズン長打力が大幅開花し、デビューから8年間で35本塁打しか放っていなかったが、昨シーズンだけで20本塁打を放った。打点、OPSなどでも自己ベストを更新し、キャリア最高のシーズンとなった。9年連続で20盗塁をクリアしている俊足も相変わらずで今シーズンも主軸として期待。

3, ノマー・マザーラ(RF)

メジャーデビューから2年連続で20本塁打、昨シーズンは100打点もクリアするなど成長を続けている22歳。スピードが皆無で守備の評価が低いことや左投手を大の苦手としているなど課題ははっきりしているが、まだまだ若く改善に期待したい。

4, エイドリアン・ベルトレ(3B)

4月で39歳を迎える大ベテラン。しかし衰えはまだまだ見えず、故障こそあったが昨シーズンも打率3割をクリア、OPSも.915と一流であり続けている。3000本安打も達成するなど将来の殿堂入りの可能性は非常に高い。

5, ジョーイ・ギャロ(1B)

遂にベールを脱いだパワーモンスター。三振の多さも評判通りで、昨シーズンの196三振はアーロン・ジャッジ(NYY)の208三振に次いでメジャー2位の多さ。今後も昨シーズンのような成績を残し続け、アダム・ダンのようなキャリアを送っていくだろう。

6, 秋信守(DH)

故障に苦しんだ16年から復活し、149試合に出場。22本塁打に、13年以来となる二桁盗塁を記録するなどまだまだやれることを証明した。35歳を迎えたベテランだが、選球眼の良さパンチ力などに衰えは見えず、今シーズンも一定の成績は期待できる。一方で守備は心配な点だらけで主にDHとしての起用となるだろう。

7, ルーグネット・オドーア(2B)

今シーズンでメジャー5年目を迎えるがまだ24歳と非常に若い。昨シーズンは2年連続となる30本塁打越えを果たしたが、低打率&選球眼の無さから出塁率はわずか.252と苦しみ、OPSも.649とレギュラー失格クラス。今シーズンはその粗っぽい打撃を少しでも改善させたい。

8, ロビンソン・チリーノス(C)

年々打撃成績を伸ばしている捕手。昨シーズンはわずか88試合の出場ながら17本塁打、打率.255に対し、出塁率.360と選球眼の良さも見せた。盗塁阻止率は25%と高くはないが14年には40%を記録しており、今シーズンは数字の向上に期待したい。

9, ライアン・ルア(LF)

ブレイクした16年から一転、昨シーズンは打撃成績を大きく落とし、レギュラー獲得には至らなかった。今シーズンも主にバックアップとしての起用が予想されるが少ないチャンスを活かしてレギュラー獲得に近づきたい。マイナーでは30本塁打越えを記録した事があるなどパンチ力はある。

2017MLBオールスター予想 FED部員が決める現在のMLBで熱い選手は誰なのか?

9784166122_8f64553489_z

 

 

 

 

  

現地時間7月11日に第88回「メジャーリーグ・オールスターゲーム」が開催される。年に1回の真夏の祭典の今回の舞台はアメリカ国内でも有数の華やかな都市マイアミである。きらびやかな雰囲気に包まれるであろう今回のオールスター。そこで今年も我らがFar East Division内でオールスター投票を実施し、誰がオールスターにふさわしいかを決定した。9人のライター達から厚く支持されたのは誰か見ていこう。

 

 

 

・ナショナル・リーグ

まずは今回のオールスターゲームをホームとして戦うナショナル・リーグを見ていこう。

C  バスター・ポージー(SF)

1B ライアン・ジマーマン(WAS)

2B ダニエル・マーフィー(WAS)

3B ジェイク・ラム(ARI)

SS ザック・コザート(CIN)

OF ブライス・ハーパー(WAS)

OF チャーリー・ブラックモン(COL)

OF マーセル・オスーナ(MIA)

 

今回の投票でナ・リーグ唯一の満票選出となったのがナショナルズのブライス・ハーパー。2015年にMVPを受賞したが、昨年はまさかの不振に喘いだ怪童。しかし、今シーズンは見事に復活。外野手の常連組が不振や故障で苦しむ中、ナ・リーグ外野手の中で最高のOPSを記録し、誰もが納得の選出となった。

外野手の残り2枠は復活したマット・ケンプ(ATL)や好守のエンダー・インシアーテ(ATL)、チーム状況が悪いなかでブレイクしたマイケル・コンフォルト(NYM)も票を集めた。しかし、最終的には選手として一皮剥けた感の強いマーセル・オスーナ(MIA)と好調なチームを1番打者として引っ張るチャーリー・ブラックモン(COL)が選出された。

キャッチャーとセカンドはここ数年安定した活躍を続けているバスター・ポージー(SF)とダニエル・マーフィー(WAS)が順当に選出され、ショートは今シーズン打ちまくっているザック・コザート(CIN)が昨年の新人王コーリー・シーガー(LAD)を僅差で振り切った。

今回の投票で両リーグ合わせて最大の激戦区となったのが、ナ・リーグの1Bである。ポール・ゴールドシュミット(ARI)、アンソニー・リゾー(CHC)、ジョーイ・ボットー(CIN)、エリック・テームズ(MIL)を含めた5人に票が分散した。混戦を制したのは昨年極度の不振に喘ぎもう終わった選手と見なされながら今シーズン劇的な復活を遂げたライアン・ジマーマン(WAS)だった。今シーズン猛打を奮う彼がマイアミで暴れ回るのが今から待ちきれない。

最後に今回のアンケートで最大のサプライズとなったのは、ナ・リーグの3Bである。なんと昨年MVPのクリス・ブライアント(CHC)が1票しか獲得できず、WBCでの活躍も記憶に新しいノーラン・アレナド(COL)も敗れ去ったのだ。強力なライバルの2人に勝利したのは、昨年惜しくも最後の1人に届かなかったジェイク・ラム(ARI)である。昨シーズンのブレイクを今シーズンも継続して打点ランキングでは昨年の打点王アレナドを上回っている。文句なしの選出と言えよう。昨年惜しくも選ばれなかった舞台でどんな活躍を見せてくれるか楽しみである。

Weekly Report:Week-8

18102311695_8c763795fb_z

 

 

 

 

 

 

 

つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-8のキーワードは「600本塁打」「ノーヒットノーラン」「満塁ホームラン」だ。

 

・600本塁打

6月4日、エンジェル・スタジアム・オブ・アナハイムで行われたエンゼルスとツインズの試合、4回裏にエンゼルスのアルバート・プホルスがレフトスタンドへ放った今シーズン第9号となる満塁弾は、プホルスにとってMLBで放った600本目の節目となるアーチであった。

現在37歳、ドミニカ共和国出身のプホルスは2001年にカージナルスでMLBデビュー。広いスタンスの特徴的なフォームで1年目から打率.329&37本塁打&130打点と好成績を残すと、そこから10年連続で打率3割、30本塁打、100打点をクリアする圧倒的な打撃を見せ、間違いなく2000年代最高の選手の一人となった。そうして積み重ねたホームランもついに600本の大台へ乗った。長いMLBの歴史で、600本塁打をクリアしているのは今回のプホルスを含めわずか9人だけである。

ちなみに、2001年時点で600本塁打をクリアしていたのはわずか3人(ベーブ・ルース、ウィリー・メイズ、ハンク・アーロン)だけであった。そこから16年のうちに、バリー・ボンズ、アレックス・ロドリゲス、ケン・グリフィー・ジュニア、サミー・ソーサ、ジム・トーミ、そして今回のプホルスの6人が新たにこの大記録に到達している。さて、次にこの大台に乗る10人目はいつ現れるのだろうか。現役でプホルスに次ぐ通算本塁打を記録しているのは、現役最高打者の呼び声高いタイガースのミゲル・カブレラの451本だ。しかしそんなカブレラも現在34歳、打撃技術はまだまだ衰えを感じさせないものの、怪我が増えていることもあり達成は簡単ではないだろう。やはりプホルスを見ていてもわかるように、600本塁打を達成するには卓越した打撃技術に加え、試合に出続ける健康な体も必要不可欠だ。そういう意味では、25歳ながらすでに184HRを放っているマイク・トラウト(LAA)を筆頭にハーパー(WSH)、スタントン(MIA)、ブライアント(CHC)などの若い世代のパワーヒッターたちが怪我なくプレーし将来この記録を達成してくれることを願いたい。