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MLB 10-19 PLAYER RANKING 40-31

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2020年を迎え、今シーズンも開幕が迫ってきた。2020年代という新たな時代を迎える前に2010年代を彩ったスタープレイヤーの活躍をランキング形式で振り返ることにする。ランキングはFar East Divisionメンバーによる投票で選定を行った物で、10年代の活躍のみを考慮して選定を行った。今回は40位から31位を紹介する。

 

40位 スティーブン・ストラスバーグ (10- WSH)

ワシントン・ナショナルズのフランチャイズ史に残る投手。10年に鳴り物入りでデビューすると、10年代で112勝を挙げるなど、チームの中心投手として活躍した。怪我の多い選手で、大きすぎた期待からすると少々物足りないが、昨年は5年ぶりに200投球回をクリア、最多勝のタイトルに加え、フランチャイズ史上初のワールドチャンピョンに大きく貢献、自身もMVPを獲得するなど素晴らしいシーズンとなった。更に7年245Mの大型契約で残留も決定し、長くナショナルズでの活躍が見る事ができるだろう。

 

39位 イアン・キンズラー (10-13 TEX、14-17 DET、18 LAA,BOS、19- SD)

テキサス・レンジャースを中心に活躍した走攻守の三拍子揃った名二塁手。キャリアで2度30本塁打、30盗塁を達成したパワーと俊足に加え、ゴールドグラブ賞に2度輝いた守備力も兼ね備え、10、11年と2年連続でワールドシリーズ進出を果たしたレンジャースの黄金期を支えた。18年にはボストン・レッドソックスの一員としてワールドシリーズ制覇も経験したが、怪我もあり、昨年は活躍が出来ず、オフに引退を発表した。

 

38位 アンソニー・リゾ (11 SD、12- CHC)

堅実な打撃と守備を武器に活躍したシカゴ・カブスの中心選手。獲得タイトルはないが、怪我での離脱もなく、毎年安定した活躍を見せ、チームの欠かせない選手として、16年にはチームを実に108年ぶりとなるワールドシリーズ制覇に導いた。守備では16年に最も守備の優れた選手に送られるプラチナグラブを一塁手として初めて受賞するなど、その守備力はMLBでも有数の実力を誇る。

 

37位 タイラー・クリッパード (10-14 WSH、15 OAK,NYM、16 ARI,NYY、17 NYY CHW,HOU、18 TOR、19 CLE)

10年代で最多の702登板を記録した鉄腕。真上から投げ下ろす独特のフォームで投じられるMLB屈指のチェンジアップを武器に10年代だけで9球団を渡り歩いた。2月に35歳となったベテランで近年は成績も若干低下しているが、今シーズンからはミネソタ・ツインズでのプレーが決まっており、今後も10年代のような怪我のなく安定した活躍が出来れば、通算1000登板も達成できるかもしれない。

 

36位 フェリックス・ヘルナンデス (10-19 SEA)

2005年のデビューからシアトル・マリナーズ一筋で15年間投げ続けたマリナーズを代表する投手。2009年にその才能を本格的に開花させると、翌10年には24歳の若さでサイヤング賞に輝くなど、10年代前半は愛称である「キング」の名に相応しい支配的な投球を見せた。しかし、10年連続190投球回を達成した勤続疲労もあり、16年からは怪我が増え、球速も大幅に低下してしまった。個人成績に反してチームは負け越しが続き、全盛期にプレーオフに出場出来なかったのが残念でならない。

 

2019 ALDS Review:NYY vs MIN

Aroldis Chapman

 

 

 

 

 

 

 

 ヤンキースが3連勝でツインズを下し、アメリカンリーグ優勝決定シリーズへ進出した。

GAME1 MIN 4-10 NYY

勝:トミー・ケインリー(RHP)

負:ザック・リッテル(RHP)

 

試合は初回にホルヘ・ポランコ(SS)のソロホームランでツインズが先制。さらに3回ネルソン・クルーズ(DH)のソロホームランで追加点を上げるも、その裏ヤンキースがエドウィン・エンカーナシオン(DH)のタイムリーとツインズのエラーの間に逆転。5回にポランコのタイムリーで追いつくもまたもやその裏すぐにヤンキースがグレイバー・トーレス(2B)のタイムリーで2点を勝ち越し。ツインズもその後1点は返したもののヤンキースは大量5点を追加し、ザック・ブリットン(LHP)ら強力ブルペン陣がツインズ打線を抑え込み、最後は守護神アロルディス・チャップマン(LHP)が締めヤンキースが勝利した。

 

GAME2 MIN 2-8 NYY

勝:田中将大(RHP)

負:ランディー・ドブナック(RHP)

 

試合は初回にエドウィン・エンカーナシオンのタイムリーでヤンキースが先制。そして3回にジャンカルロ・スタントン(OF)の犠牲フライに始まり、グレイバー・トーレスのタイムリー、そしてディディ・グレゴリウス(SS)の満塁ホームランが飛び出し、さらにブレット・ガードナー(OF)がダメ押しのタイムリーを放ち一挙7点を上げ試合を決めた。田中は5回1失点の好投を見せ、プレーオフでの強さを示した。

 

 

GAME1 NYY 5-1 MIN

勝:チャド・グリーン(RHP)

負:ジェイク・オドリッジ(RHP)

セーブ:アロルディス・チャップマン

 

試合は2回にグレイバー・トーレスのソロホームランでヤンキースが先制。続く3回にもブレット・ガードナーのタイムリーで2点目を上げる。しかしその後6回まで両チーム無得点で試合は硬直状態となるも7回ヤンキースがディディ・グレゴリウスのタイムリーで3点目を上げる。8回裏にツインズはエディ・ロサリオ(OF)のソロホームランで1点を返すも、ヤンキースが9回表にキャメロン・メイビン(OF)のソロホームランとグレゴリウスのタイムリーで2点を追加し、8回途中からマウンドに上がった守護神チャップマンが9回も締めヤンキースが勝利し、3連勝でリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。

 

 

シリーズの考察

 レギュラーシーズンのチーム本塁打数が307本で1位のツインズと僅か1本差の306本で2位のヤンキースとお互いホームランを売りとするチーム同士の対決となったこのシリーズは、ヤンキースの3連勝という結果で幕を閉じた。ヤンキースもツインズもレギュラーシーズンは100勝を超えチーム成績もほぼ同じであった2チームにここまでの明暗が分かれた原因は、ブルペンの質とプレーオフの経験の2つと考えられる。

 一つ目の大きな原因と考えられるブルペンの質について、ヤンキースのブルペンは絶対的なクローザーでありプレーオフ経験も豊富なアロルディス・チャップマンに加え、オリオールズのクローザーとして長く活躍していたザック・ブリットンと圧倒的に打者有利なクアーズフィールドを本拠地とするロッキーズで長く活躍していたアダム・オッタビーノ(RHP)の2人がセットアップを務めていた。一方ツインズはクローザーはメジャー4年目で毎年安定した成績を残してはいたもののクローザーは今年からで経験はまだ浅いテイラー・ロジャース(LHP)が努め、セットアップはセルジオ・ロモ(RHP)はプレーオフでの経験も豊富ではあるがやや落ち目であり、タイラー・ダフィー(RHP)やトレバー・メイ(RHP)といった投手はリリーフの経験も浅く今回がプレーオフ初登板という投手が努めていた。このようにブルペンの中心となる投手がヤンキースに比べツインズは特に経験といった面で劣っており、他のリリーフ登板した投手も含めてだが3試合とも先発投手が降板した後の失点が多くなってしまった原因はここにあると考えられる。

2つ目の大きな原因と考えられるプレーオフの経験は主に野手に言え、ヤンキースはブレット・ガードナーやエドウィン・エンカーナシオンといったプレーオフ経験豊富なベテランに加え、主力のほとんどが2017年と2018年のプレーオフに出場しており、プレーオフの戦い方を知ったチームであった。一方ツインズは今季マーウィン・ゴンザレス(UT)とネルソン・クルーズといったベテランを獲得したものの、ほとんどの野手は昨年のワイルドカードゲームしか経験しておらず、プレーオフの戦い方をチーム全体としてあまり知らなかった部分が大きな差になったと考えられる。

 

 ヤンキースはアストロズに惜しくも敗れたが、戦力整っており経験も豊富なチームであるため来季以降もワールドシリーズ進出を十分目指せるだろう。一方ツインズも今年の経験を活かし、来季以降さらなるステップアップは見込めるだろう。

 

Written by Akiyuki Suzuki

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2019 ALCS Review:NYY vs HOU

Carlos Correa, Jose Altuve

 

 

 

 

 

 

 

 2019年のALCSは、ミネソタ・ツインズをスウィープで下したニューヨーク・ヤンキースと、第5戦でタンパベイ・レイズを下したヒューストン・アストロズの組み合わせとなった。

 シーズンを通しての両球団のポイントとWSへの展望を述べている。

 ・シリーズの概要及びWSの展望

 ここからは各試合終了後に振り返っている。

 ・Game 1 「田中将大」,「グレイバー・トーレス」,「ブルペン運用」

 ・Game 2 「物量戦」,「ファウルチップ」,「カルロス・コレア」

 ・Game 3 「ルイス・セベリーノ」,「ゲリット・コール」,「ハードヒット」

 ・Game 4 「本塁打」,「CC サバシア」,「リリーバー」

 ・Game 5 「DJ ラメイヒュー」,「ホームで消耗させられなかったヤンキース」,「ブルペンデーに繋げたアストロズ」

 ・Game 6 「ブルペンデー」,「低打率を出塁率でカバーしたアストロズ打線」,「窮地を救ったジョシュ・レディック」

 

 シリーズの概要及びWSの展望

 

 両球団共に、DSからCSに進出して打線の打撃成績が低下する中で、ヤンキースよりも少ない三振数で、ヤンキースよりも多く四球数を稼いだアストロズ打線が印象的だった。ルーク・ボイト(1B)やマイク・フォード(1B)、クリント・フレイジャー(OF)、(CSに出場は果たしたが)ジャンカルロ・スタントン(OF)等を欠いているにも拘わらず、ヤンキースが長打力でアピールせざるを得なかったのは痛い。一方、アレックス・ブレグマン(3B)やユリ・グリエル(1B)等に思ったようにヒットが出ない中で、出塁率を高めつつ要所要所で本塁打を打てたアストロズ打線は驚異的だった。下位打線にマーティン・マルドナード(C)やジョシュ・レディック(OF)を起用出来たのも上位打線が得点を重ねやすいようになっていたからだろう。とはいえ、CSのチーム本塁打と打点はヤンキースが上回っており、ヤンキースにも勝算はあったが、ホーム3連戦で2敗を喫したのは痛かった。第6戦、7戦を連勝するのは難しく、第5戦で王手をかけておきたかったが、ハードヒットは出るが安打や得点の伸び悩む打線が苦しむに終わった。

 

 投手陣を見た時、アストロズはバーランダーとコールで3、4勝を見込めるのに対し、ヤンキースはイニングイーターを欠いており、ブルペンの物量戦で乗り切るしかなかった。NLCSを目覚ましい躍進で突破したナショナルズにも言えることだが、やはり長いイニングを投げられる投手がいないとPOは難しい。シーズン中の疲労が蓄積しているブルペンが、POで100%のベストコンディションを発揮するのは難しいからだ。アダム・オッタビーノ(RHP)は、その最たる例だろう。ただ、ヤンキースはDSでスウィープしたアドバンテージがあり、ALCSが始まった段階ではイーブンだったはずだ。アドバンテージが失われたのはヤンキースタジアムに移動してからの3連戦だろう。第6戦のブルペンデーに入るまでにブルペンはかなり疲弊していた筈である。一方のアストロズは、バーランダーとコールのおかげである程度ブルペンの温存が出来ていた。9回裏にアルトゥーベが本塁打を打たなかったとしても、延長戦に入れば分があるのはアストロズに思えたし、第7戦セベリーノの後を継いだブルペンがどこまで粘れたのかは分からない。個人的に、第4戦落としてしまったのがターニングポイントに思える。

 

 守備では外野陣のファインプレーの多いシリーズだった。特に、レディックが第6戦の6回に見せたファインプレーはシリーズ1のプレーだと思う。レディックは本塁打もマークしており、WSで伏兵として貢献しそうだ。そのままWSの展望に入ると、アストロズとナショナルズは共に先発がチームの勝敗を左右するチームだ。バーランダーとコール、シャーザーとストラスバーグという絶対的な二枚看板を有している。ナショナルズは、パトリック・コービン(LHP)アニバル・サンチェス(RHP)も頼もしく、ザック・グレインキー(RHP)がナショナルズ打線に捕まれば分があるのはナショナルズか。ただ、POでのナショナルズの投手起用法は命を削るようなものであり、バーランダーとコールでブルペンを休ませつつ、ブルペンデーをする余裕があるアストロズに分があるとも言える。打線は、明らかにナショナルズ打線の方が好調であり勢いがある。だが、2017年にWSを制したアストロズも負けておらず、クリーンアップに長打が出れば、1番から6番まで恐ろしい打線になる。

 アストロズが4勝3敗で制すると思っている。初戦、シャーザー対コールをアストロズが制し、第2戦、ストラスバーグ対バーランダーもアストロズが制し、拮抗して迎えた第7戦で制覇するというものである。ナショナルズ打線よりもアストロズ打線の方が本塁打が出ており、初戦はシャーザーから大量得点をマークしたい。第2戦は何とも言いがたいが、WSのプレッシャーになれているバーランダーとストラスバーグでバーランダーに分があるという見立て。ナショナルズ投手陣は強力だが、CSやシーズン中のように走者を増やして本塁打で効率よく得点していけば倒せるだろう。また、第7戦までもつれる長期戦になれば、おそらく先にほころぶのはナショナルズだろう。逆に、ナショナルズ打線の勢いに押されて第5戦くらいでナショナルズが制する可能性も想像出来る。何はともあれ、アストロズはWS全7試合を使って4勝する意識で挑んでいけば勝てるだろう。また、そのための場数を踏んでいるチームである。

 

Written by Tsubasa Komiyama

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Weekly Report : Week-11

Toronto Blue Jays, Baltimore Orioles

 

 

 

 

 

 

 

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昨年のエドウィン・エンカーナシオンが絡んだ三角トレード及び今回のトレードについて

Written by Tsubasa Komiyama

 現地時間6月15日、現在AL本塁打王であるエドウィン・エンカーナシオン(DH)が、シアトル・マリナーズからニューヨーク・ヤンキースにトレードで移籍を果たした。昨年オフ、三角トレードで移籍をした36歳のベテランスラッガーのトレードに関わった球団の選手起用を振り返りつつ、今回のトレードに触れたい。

 

クリーブランド・インディアンス

 2018年、インディアンスでDHとして最多出場をマークしたのはエンカーナシオン(115試合)だ。昨年オフ、彼をトレードで放出するにあたり、タンパベイ・レイズからジェイク・バウアーズ(LF)、マリナーズからカルロス・サンタナ(1B)をそれぞれ獲得した。スタメンのヨンダー・アロンソ(1B)がFA移籍したため、現在両名は一塁とDHで起用されている。インディアンスは現在AL中地区2位とミネソタ・ツインズの背中を追う状態が続いているものの、エンカーナシオンがいた所で大きく状況は変わらなかっただろう。

 

タンパベイ・レイズ

 先述したトレードにおいて、インディアンスからヤンディー・ディアス(3B)を獲得。AAAでは卓越したアプローチを示し、2017-18年と2年連続100打席以上の機会を与えられるもオフにトレード。レイズ加入後は現地時間6月15日現在10本塁打をマークし、レギュラー三塁手に定着している。一塁はジーマン・チョイ(1B/DH)とブランドン・ラウ(2B/1B)が起用されており、外野はピッツバーグ・パイレーツからトレードで獲得したオースティン・メドウズ(RF)が活躍。三角トレードにおいてマリナーズに金銭を送っているものの、若い三塁手の獲得に成功しつつバウアーズが腐る前に放出する等、上手い立ち回りだ。

 

シアトル・マリナーズ

 昨年オフにサンタナを獲得したことで注目を集めたものの、実際に2019年を任せた一塁手はエンカーナシオンだった。2018年はライオン・ヒーリー(1B)が一塁を守ったが、今季は先の通りエンカーナシオンに起用変更。DHにはダニエル・ボーゲルバック(1B)がおり、現地時間6月15日現在17本塁打と期待に応える活躍を見せている。そのため、ヒーリーは主に三塁で起用されていたがカイル・シーガー(3B)が復帰。端的に言えば編成がまごついていたように思える。ヒーリーは10日間IL入りしており、復帰してもOPS.744と打撃でアピールするには物足りないが、編成の自由度は向上したのではないだろうか。

 マリナーズは今回のトレードにあたって1対1のトレードをしている。エンカーナシオンの長打力は誰もが疑うことのない事実だが、36歳という年齢、起用に制限をもたせる一塁手であること等を考慮すれば妥当なトレードではないだろうか。また、保有年数の1年長いサンタナとエンカーナシオンをトレードしたことは、今回のこのトレードが既定路線であったことを示している。

 トレードデッドラインに迫れば迫るほど選手の価値は高まる一方で、待てば待つほど故障や不調(移籍後快調することはままあるが)等選手の価値を下げるリスクは多い。マリナーズはプロスペクトの宝庫というわけではないものの、近年のドラフト上位指名選手や、昨年オフにトレードで獲得したプロスペクト達は軒並み魅力的であり、リスクを背負ってでも彼のバリューが上がるのを待ったほうが良い状況ではないと判断したと考える。更に加えて言えば、エンカーナシオンの見返りにプロスペクト1人を獲得したトレードではなく、年俸を折半しベテランスラッガーを引き取ってもらったトレードという見方も出来る。現時点のチーム状況を鑑み、放出出来る内に既定路線のトレードを実施したに過ぎない。

 マリナーズが獲得したのはフアン・ゼン(RHP)という19歳の投手。以前両球団のトレードでマリナーズからヤンキースに移籍しており、再入団ということになる。6-1/155と細身ながらリズミカルなメカニクスから速球、カーブ、チェンジアップを投げ分ける。セカンドピッチとして秀でるのはチェンジアップであり、速球は現在90マイル台前半だが今後球速向上に期待したい。まだRが主戦場とはいえ、与四球で自滅せず、コンスタントに打ち取りながら三振を奪える堅実なスターター。A+あたりまではコマンド良く好成績を収められるのではないだろうか。昨今、サンディエゴ・パドレスのクリス・パダック(RHP)のように、チェンジアップの秀でたスターターの活躍が目覚ましい。もっとも、パタックとゼンでは球速やマネーピッチの質が異なるため、一概に比較は出来ない。

 

ニューヨーク・ヤンキース(加筆)

 ヤンキースの 他に数球団がエンカーナシオンに関心を示したと言われている。ここでは、エンカーナシオンをどこが何のために獲得したのかではなく、マリナーズがいかに年俸負担せず放出しようとしたか、昨年オフからエンカーナシオンのバリューが大きく低下していることの2点に重きを置いているため、争奪戦については具体的な言及をしない。

 ヤンキースは開幕から故障者が続出している。ブレット・ガードナー(LF)、アーロン・ヒックス(CF)、アーロン・ジャッジ(RF)、ジャンカルロ・スタントン(DH)が揃うことが理想であるものの、中々揃わないためにクリント・フレイジャー(OF)やキャメロン・メイビン(OF)が代役を担った。しかし、ケンドリス・モラレス(DH)や今回のエンカーナシオンの獲得から、外野手の穴埋めから強打者の穴埋めに移行していると考えられる。入団後、復調の兆しを見せることなくモラレスがIL入りしたため、次の強打者としてピックアップしたのがエンカーナシオンだ。年俸負担額を考えれば、故障者が復帰するまでの最低限の戦力としてではなく、地区首位をキープするために必要な戦力と捉えられていると考えられる。

 内野手はディディ・グレゴリウス(SS)が復帰。グレイバー・トーレス(2B)が好調と層は厚く、HRDでどのような活躍をするか期待されるルーク・ボイト(1B)がどこで起用されるにせよ、DJ ルメイヒュー(IF)がレギュラーからはじき出されるのは明白だ。だが、金銭的な都合はさておき、編成を考慮した時それはデメリットにはならない。ルメイヒューは様々なポジションで起用出来るため、スタメンの休養日を設けることが出来る。ボイトをDHにして一塁スタメン。トーレスを遊撃かベンチにして二塁スタメンといった具合である。それから、ジオ・ウルシェラ(3B)は現在好成績をキープしており、グレゴリウスやボイトのようにヤンキースに加入して一皮剥けた選手と言えなくもないが、成績が下降する可能性は低いとは言えない。つまり、選手の疲労や好不調に合わせた柔軟な起用が可能である。これは、ミゲル・アンドゥーハー(3B)やグレッグ・バード(1B)が故障する前のヤンキースがやろうとしていたことだ。エンカーナシオンの加入はそれを後押しすることが出来る。

 このトレードがヤンキースにどのような恩恵をもたらすのかはまだ分からない。故障者が順調過ぎる程に復帰するのであれば飽和は免れないし、常に誰かしらレギュラークラスを欠くというのであれば、打線に厚みを増すことが出来るエンカーナシオンの獲得は正しい判断である。今季、誰にどれくらい出場機会を与えられるかの見積もりが難しい中で戦力の向上を狙うのであれば、見返りは少ない方が良い。多くの見返りより金銭負担を重視したマリナーズ。(選手の)見返りを少なくリスクヘッジがしたいために必然的にベテランをターゲットにしたヤンキース。両者の思惑が一致したのが今回のトレードだろう。

 

Weekly Report : Week-5

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前年より盤石なタンパベイ・レイズ投手陣

Written by Tsubasa Komiyama

 レイズは、現地時間5月3日現在、21勝11敗でアメリカン・リーグ東地区の首位に着けている。チーム打点は、ヤンキース、レッドソックスに次ぐ地区3位であるが、チーム失点は、122失点で2位のブルージェイズを突き放す100失点で1位である。

 本拠地のPFや対戦相手にもよるものの、基盤の安定した投手力が地区首位を堅守していると捉えて問題ないだろう。

 ところで、興味深いスタッツがある。チームの先発イニング数の合計だ。2018年レイズの先発イニング数合計は624回(1試合平均3.2回)でメジャー全体30位である。29位は805.1回(1試合平均4.2回)のエンゼルス、1位は993.2回(1試合平均6.1回)のインディアンスだ。2019年レイズの先発イニング数合計は145.1回(1試合平均4.1回)でメジャー全体29位である。30位は141.2回(1試合平均4.1回)のエンゼルスだ。順位としては30位から29位であるが、約アウト2つ分増えたと考えると大きな変化である。

年度 先発イニング数 試合平均
2018年 624回 3.2回
2019年 145.1回 4.1回

 

 

 理由は、昨年クリス・アーチャー(RHP)の見返りの1人として獲得したタイラー・グラスノー(RHP)と、昨年オフにFA補強したチャーリー・モートン(RHP)がオープナーを用いない先発として起用されているからであろう。

 昨年、レイズで20先発以上したのはブレイク・スネル(LHP)とライン・スタネック(RHP)の2人だが、スタネックはオープナー起用であるため、実質フルシーズン稼働した先発はスネルのみであった。

 しかし、2019年はスネル、グラスノー、モートンの3人が20先発を超える見込みである。つまり、ブルペンの負担が軽減されることにより、オープナーの柔軟性や7回以降の粘り強さが得られるのではないだろうかと推測した。

 

 さて、昨年、レイズがシーズン後半戦において目覚ましい戦績を挙げ、WC争いが白熱したことは記憶に新しい。

 下の表は2018年タンパベイ・レイズの月間投手成績と、2018年メジャー平均の月間投手成績である。

 

 メジャー平均は、シーズン終盤にK/9とBB/9が共に上昇している。K/BBは下がっているため、K/9の上昇よりBB/9の上昇の方が多いことが伺える。一方、レイズはもう少し早い段階、6月から7月にかけてK/9を上昇させ始め、7月から8月にかけてBB/9を下降させることにより、K/BBを上昇させている。

 要因はオープナーの採用であると考えられる。オープナーの利点は大まかに2点である。

  •  初回防御率の悪い先発投手の代わりに、リリーバーが先発することで初回防御率を改善出来る。
  • 後続の本来の先発投手とオープナーであるリリーバーの利き手やピッチングスタイルを変えることで、後続の先発投手のポテンシャルを最大限発揮出来るようアシスト出来る。

 

 今回は、具体的にオープナーに向いているピッチングスタイルには触れないが、昨年、レイズがオープナーを(現状において)最大限活かす術を見つけたと言える。それは夏場のメジャー平均とレイズの月間投手成績の差から考えられるだろう。