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2019 ALDS Review:HOU vs TB

ア・リーグ西地区を制したヒューストン・アストロズの対戦相手はワイルドカードを制したタンパベイ・レイズとの組み合わせとなった。
Game1
TB 2-6 HOU
勝: ジャスティン・バーランダー(1-0)
負: テイラー・グラスノー(0-1)
アストロズの先発はジャスティン・バーランダー(RHP) 先頭バッターを四球で塁に出すも続く2番バッターを5-4-3の併殺打、3番バッターを見逃し三振と三者凡退の好スタート。4回までレイズ打線をノーヒットに抑える。5回表に5番ブランドン・ロウ(2B)に初ヒットを許すも後続3人を打ち取りこの回も無失点。結果7回まで投げて1安打8奪三振無失点の好投で試合を作った。
レイズの先発はテイラー・グラスノー(RHP) こちらも初回は三者凡退、2回は2アウト1.2塁、3回は2アウト満塁と得点圏にランナーを置くもあと一本を許さなかった。4回は三者凡退に抑えた。5回裏ランナー1塁で2番ホセ・アルトゥーベ(2B)にレフトへの先制ツーランホームランを打たれたところで降板となった。4回1/3 (77球) 奪三振5 失点2であった。
アストロズはこの回相手のエラーでもう2点を追加した。
七回裏には4番手オリバー・ドレイク(RHP)から5番ヨーダン・アルバレス(OF)、6番ユリ・グリエル(1B)の連続タイムリーツーベースでさらに2点追加して6点のリードとした。
レイズ打線の反撃は8回表この回から登板の2番手ライアン・プレスリー(RHP)から代打エリック・ソガード(2B)、1番オースティン・メドウズ(OF)の連続タイムリーツーベースで2点を返し4点差とする。
しかし後続は打ち取られ追加点が取れず。2-6でアストロズが初戦を勝利した。
Game2
TB 1-3 HOU
勝: ゲリット・コール(1-0)
負: ブレイク・スネル(0-1)
レイズは初戦4番DH起用だったヤンディ・ディアス(3B)が1番サード、出場が無かったアビサイル・ガルシア(OF)を5番ライトに起用するなどスタメンを変更。アストロズもカイル・タッカー(OF)がライト、マーティン・マルドナード(C)がキャッチャーにスタメン変更。
初回いきなりカルロス・コレア(SS)の好プレーで試合がスタート。
アストロズの先発はゲリット・コール(RHP) 初回は2三振、2回には三者連続三振と5回までに10個の三振を奪うなどレイズ打線を封じ込める。好投はこの後も続き8回表、6.7番を連続三振に抑えた。しかし後続バッターに二塁打、四球を出したところで交代。8回2/315奪三振無失点の好投で試合を作った。
レイズの先発はブレイク・スネル(LHP) 初回は三者凡退、2.3回はヒットなどでピンチを作るも後続を打ち取り無失点で抑え、前日同様投手戦となる。4回裏4番のアレックス・ブレグマン(3B)がレフトへのソロホームランで昨日同様アストロズがホームランで先制した。この後スネルは一人を打ち取ったところで交代となった。3回1/3奪三振5失点1であった。
7回はマーティン・マルドナード(C)のタイムリー、8回にはコレアのタイムリーで追加点を取り3-0とする。
レイズは9回表に前の回から投げているクローザーのロベルト・オスーナ(RHP)から満塁のチャンスを作り、5番アビサイル・ガルシア(OF)の内野ゴロの間に1点を返す。再び満塁としたが、代わったウィル・ハリス(RHP)を攻めきれず。3-1でアストロズが勝利し、
ALCSへ王手とした。
Weekly Report : Week-1,2

3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-1,2のキーワードは「開幕」「チャップマンフィルター」「アルバート・プホルス」だ。
・開幕
2019年シーズンが始まり、早くも3週間が経過した。現地開幕戦(3月28日)からも約2週間が経過している。今年は、2012年以来となる日本でのメジャーリーグ公式戦が行われ、イチローが開幕ロスター入りを果たしたこともあり、多くのファンが球場に足を運んだことだろう。
昨年、ボストン・レッドソックスがロサンゼルス・ドジャースを下し、2013年以来となるWS制覇を果たした。アメリカン・リーグ東地区の2枚看板であるニューヨーク・ヤンキースは、2009年を最後にWS制覇及びリーグ優勝を果たしておらず、地区4連覇を目指すレッドソックスとは大きく水をあけられている。それから、ドジャースは2年連続でWS進出を果たしたが、またもWS制覇に後一歩及ばなかった。
では、今年の注目の開幕戦を振り返りたい。
- ニューヨーク・メッツ 対 ワシントン・ナショナルズ メッツ勝利
現役最強投手であるジェイコブ・デグロムとマックス・シャーザーの組み合わせ。この2人の対決は2017年4月27日(メッツが7対5で制している)以来、2度目だった。
シャーザーは初回、1、2番打者をアウトにするも、メッツにトレードで加入したロビンソン・カノに被弾して失点をするスタート。8回にもカノにタイムリーヒットを献上。全体的に見れば、7.2回2被安打12奪三振3与四球2失点というエースらしい投球内容だった。また、速球も平均95マイルと上々の出来だったが、打線の援護を受けられずデグロムに軍配が上がった。
一方、デグロムは6回5被安打10奪三振1与四球無失点と投球内容ではシャーザーに劣るものの、要所要所をきちんと締めるピッチング。球速も速球96マイル、スライダー91マイル、チェンジアップ89マイルと素晴らしい出来だった。カノは1-1から反対方向にHRを放ち、新天地で幸先の良いスタートを切ることに成功。
- ヒューストン・アストロズ 対 タンパベイ・レイズ アストロズ勝利
ジャスティン・バーランダーとブレイク・スネルによる新旧サイヤング賞対決となった。両者は16年、17年、18と3年連続で対戦機会があり、今年の開幕戦で4年連続となった。尚、過去の勝敗は2勝1敗でバーランダーの勝ち。(2勝共デトロイト・タイガース時代)
初回、トレードでレイズに加入したオースティン・メドウズに先制弾。しかし、3回にジョージ・スプリンガーが3ランHRを放ち、3対1と形勢逆転。バーランダーは打線の援護を受け、7回3被安打9奪三振1与四球1失点で開幕戦勝利を挙げた。通算11度目の開幕投手は、13年、17年に次ぐ3度目の開幕戦勝利となった。尚、速球の平均球速は94マイルを計測。2013年以降球速が低下し限界説が囁かれた男は、アストロズ移籍に伴って復活。今季も安定したピッチングを披露してくれるだろう。
一方、自身初の開幕のマウンドを託されたスネルは、3回に3失点で勢いを止められると、最終的に5点をアストロズに献上。6回6被安打3奪三振2与四球5失点という成績に終わった。速球は平均球速94マイルだったが、投球割合が3割を超えたカーブが痛打を浴びるシーンが目立った。2戦ではカーブの投球割合を減らし、スライダーとチェンジアップを増やして対応したが、3戦では再びカーブを増やした。幸い、3戦目ではカーブが効いて6回11奪三振無四球の好投に繋がった。修正力の高さは流石エースである。
2017 Top 100 Prospects

*レポートはチーム別リストを参照。
ランク | 選手名 | チーム名 | ポジション |
1 | ジェイソン・グルーム | BOS | LHP |
2 | アンドリュー・ベニンテンディ | BOS | OF |
3 | ブレンダン・ロジャース | COL | SS |
4 | ヨアン・モンカダ | CHW | 2B |
5 | ルーカス・ジオリト | CHW | RHP |
6 | ブレント・ハニーウェル | TB | RHP |
7 | イアン・ハップ | CHC | OF |
8 | コディ・ベリンジャー | LAD | 1B |
9 | ジョシュ・ヘイダー | MIL | LHP |
10 | エロイ・ヒメネス | CHC | OF |
11 | フランクリン・バレット | OAK | SS |
12 | ニック・センゼル | CIN | 3B |
13 | フランシス・マーテス | HOU | RHP |
14 | ラファエル・ディバース | BOS | 3B |
15 | アレックス・レイエス | STL | RHP |
16 |
ダンズビー・スワンソン | ATL | SS |
17 | ルイス・ブリンソン | MIL | OF |
18 | ホセ・デレオン | TB | RHP |
19 | クリント・フレイジャー | NYY | OF |
20 | エリック・フェッディ | WSH | RHP |
21 | コルビー・アラード | ATL | LHP |
22 | ビクター・ロブレス | WSH | OF |
23 | ウィリー・アダムス | TB | SS |
24 | ハンター・レンフロー | SD | OF |
25 | アレックス・バードューゴ | LAD | OF |
26 | オースティン・メドウズ | PIT | OF |
27 | タイラー・グラスノー | PIT | RHP |
28 | ハンター・ドージャー | KC | 3B |
29 | ジョシュ・ベル | PIT | 1B |
30 | レイナルド・ロペス | CHW | RHP |
31 | カイル・ルイス | SEA | OF |
32 | ジェフ・ホフマン | COL | RHP |
33 | マット・チャップマン | OAK | 3B |
34 | ドミニク・スミス | NYM | 1B |
35 | アーロン・ジャッジ | NYY | OF |
36 | ブラッドリー・ジマー | CLE | OF |
37 | ヤディアー・アルバレス | LAD | RHP |
38 | ショーン・リードフォーリー | TOR | RHP |
39 | フランシスコ・メヒア | CLE | C |
40 | デビッド・ポリーノ | HOU | RHP |
41 | タイラー・オニール | SEA | OF |
42 | A.J.パク | OAK | LHP |
43 | ブレイク・ラザフォード | NYY | OF |
44 | ウォーカー・ビューラー | LAD | RHP |
45 | ザック・コリンズ | CHW | C/1B |
46 | ヨハンダー・メンデス | TEX | LHP |
47 | スティーブン・ゴンザルベス | MIN | LHP |
48 | カイル・タッカー | HOU | OF |
49 | ホルヘ・アルファロ | PHI | C |
50 | ヘルマン・マーキス | COL | RHP |
51 | アンダーソン・エスピノーザ | SD | RHP |
52 | アミーア・ギャレット | CIN | LHP |
53 | アリスティーディス・アキーノ | CIN | OF |
54 | デズモンド・リンジー | NYM | OF |
55 | ショーン・ニューカム | ATL | LHP |
56 | オースティン・ライリー | ATL | 3B |
57 | カル・クオントリル | SD | RHP |
58 | ライリー・パイント | COL | RHP |
59 | アメド・ロサリオ | NYM | SS |
60 | グレイバー・トーレス | NYY | SS |
61 | シクスト・サンチェス | PHI | RHP |
62 | イーサン・ディアズ | MIL | SS |
63 | コリー・レイ | MIL | OF |
64 |
ロバート・スティーブンソン |
CIN | RHP |
65 | ウィリー・カルフーン | LAD | 2B |
66 | リース・ホスキンズ | PHI | 1B |
67 | ハリソン・ベイダー | STL | OF |
68 | オジー・アルビース | ATL | 2B |
69 | ラウディ・テレズ | TOR | 1B |
70 | トレバー・クリフトン | CHC | RHP |
71 | ルーク・ウィーバー | STL | RHP |
72 | ボビー・ブラッドリー | CLE | 1B |
73 | マイク・ソローカ | ATL | RHP |
74 | トリスタン・マッケンジー | CLE | RHP |
75 | レイメル・タピア | COL | OF |
76 | フランクリン・キロメ | PHI | RHP |
77 | カーソン・フルマー | CHW | RHP |
78 | アルバート・アルモラ | CHC | OF |
79 | ジャレル・コットン | OAK | RHP |
80 | マニュエル・マーゴット | SD | OF |
81 | ケビン・マイタン | ATL | SS |
82 | ブライアン・レイノルズ | SF | OF |
83 | フォレスト・ウィットリー | HOU | RHP |
84 | T.J.ゾイク | TOR | RHP |
85 | ディラン・カズンズ | PHI | OF |
86 | ジェシー・ウィンカー | CIN | OF |
87 | タイラー・ビーディ | SF | RHP |
88 | シェド・ロング | CIN | 2B |
89 | ドミンゴ・アセベド | NYY | RHP |
90 | トラビス・デメリ | ATL | 2B |
91 | ダニエル・ゴセット | OAK | RHP |
92 | ディラン・シーズ | CHC | RHP |
93 | ジョン・ハリス | TOR | RHP |
94 | クリスチャン・スチュワート | DET | OF |
95 | ブラディミール・ゲレーロJr | TOR | 3B |
96 | J.P.クロフォード | PHI | SS |
97 | コディ・セドロック | BAL | RHP |
98 | ジェイマー・キャンデラリオ | CHC | 3B |
99 | マイケル・コペック | CHW | RHP |
100 | フランクリン・ペレス | HOU | RHP |
Text by Ookaya Ryota
写真: https://flic.kr/p/N1CRAP
2017 Top 10 Prospects by Position

*ポジションはC・1B・2B・3B・SS・OF・RHP・LHP
*レポートはチーム別トップ20リストを参照
- C
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | フランシスコ・メヒア | CLE |
2 | ザック・コリンズ | CHW |
3 | ホルヘ・アルファロ | PHI |
4 | カーソン・ケリー | STL |
5 | チャンス・シスコ | BAL |
6 | トム・マーフィー | COL |
7 | ギャレット・スタッブス | HOU |
8 | クリス・オーキー | CIN |
9 | ベン・ローベット | MIN |
10 | ブルース・マックスウェル | OAK |
- 1B
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | コディ・ベリンジャー | LAD |
2 | ジョシュ・ベル | PIT |
3 | ドミニク・スミス | NYM |
4 | リース・ホスキンズ | PHI |
5 | ラウディ・テレズ | TOR |
6 | ボビー・ブラッドリー | CLE |
7 | ケイシー・ギレスピー | TB |
8 | ライアン・オハーン | KC |
9 | マット・タイス | LAA |
10 | ダン・ボーゲルバック | SEA |
- 2B
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | ヨアン・モンカダ | CHW |
2 | ウィリー・カルフーン | LAD |
3 | オジー・アルビース | ATL |
4 | シェド・ロング | CIN |
5 | トラビス・デメリ | ATL |
6 | アンディ・イバニェス | TEX |
7 | ルイス・ウリアス | SD |
8 | アレン・ハンソン | PIT |
9 | マックス・シュロック | OAK |
10 | ホルヘ・マテオ | NYY |
- 3B
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | ニック・センゼル | CIN |
2 | ラファエル・ディバース | BOS |
3 | ハンター・ドージャー | KC |
4 | マット・チャップマン | OAK |
5 | オースティン・ライリー | ATL |
6 | ブラディミール・ゲレーロJr | TOR |
7 | ジェイマー・キャンデラリオ | CHC |
8 | ボビー・ダルベック | BOS |
9 | ケブライアン・ヘイズ | PIT |
10 | ジョシュ・ロウ | TB |
- SS
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | ブレンダン・ロジャース | COL |
2 | フランクリン・バレット | OAK |
3 | ダンズビー・スワンソン | ATL |
4 | ウィリー・アダムス | TB |
5 | アメド・ロサリオ | NYM |
6 | グレイバー・トーレス | NYY |
7 | イーサン・ディアズ | MIL |
8 | ケビン・マイタン | ATL |
9 | J.P.クロフォード | PHI |
10 | フェルナンド・タティスJr | SD |
- OF
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | アンドリュー・ベニンテンディ | BOS |
2 | イアン・ハップ | CHC |
3 | エロイ・ヒメネス | CHC |
4 | ルイス・ブリンソン | MIL |
5 | クリント・フレイジャー | NYY |
6 | ビクター・ロブレス | WSH |
7 | ハンター・レンフロー | SD |
8 | アレックス・バードューゴ | LAD |
9 | オースティン・メドウズ | PIT |
10 | カイル・ルイス | SEA |
- RHP
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | ルーカス・ジオリト | RHP |
2 | ブレント・ハニーウェル | TB |
3 | フランシス・マーテス | HOU |
4 | アレックス・レイエス | STL |
5 | ホセ・デレオン | TB |
6 | エリック・フェッディ | WSH |
7 | タイラー・グラスノー | PIT |
8 | レイナルド・ロペス | CHW |
9 | ジェフ・ホフマン | COL |
10 | ヤディアー・アルバレス | LAD |
- LHP
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | ジェイソン・グルーム | BOS |
2 | ジョシュ・ヘイダー | MIL |
3 | コルビー・アラード | ATL |
4 | A.J.パク | OAK |
5 | ヨハンダー・メンデス | TEX |
6 | スティーブン・ゴンザルベス | MIN |
7 | アミーア・ギャレット | CIN |
8 | ショーン・ニューカム | ATL |
9 | マット・ストラム | KC |
10 | トーマス・サプーキ | NYM |
Text by Ookaya Ryota
写真: https://flic.kr/p/FBaU79
2017 Top 20 Prospects:ピッツバーグ・パイレーツ

本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。
1. オースティン・メドウズ:OF
高いヒッティングスキルに高評価を得る。スイングは下半身と上半身のバランスがしっかりと取れており、無駄がなく、ボールまで最短距離でバットが出せている。ストライクゾーンの見極めもよく、三振は非常に少ない。徐々に筋肉をつけてきており、平均以上のパワーを発揮するのではないかという声もある。スピードはあるが、肩が弱いため将来は現在守っているCFからLFに移ることになるだろう。
2. タイラー・グラスノー:RHP
常時90マイル後半の速球を投げ込む剛腕。昨シーズンはAAAでストライクを取るのに苦労し、以前から指摘されていたチェンジアップのクオリティの低さを改善するどころかほとんど使わなかったが、それでも圧倒的な成績を残しメジャーデビューを果たした。メジャーでもAAAと同じ傾向にあり1年間ローテーションを守っていくのなら、この2点の改善は必須だろう。
3. ジョシュ・ベル:1B
打撃ではメドウズと負けず劣らずのものを持っている。ストライクゾーンの見極めに優れ、どの方向にもHRを打てるパワーを有しており、ハイアベレージを残すこともできる。問題は守備でOF守備が下手なので1Bに転向させたが、1Bも満足に守れていない。DHのないナショナル・リーグなので起用方法に頭を悩まされることになるだろう。
4. ケブライン・ヘイズ:3B
ボールに対する反応や、ブレーキングボールへの対応で高い能力を見せる。バットスピードが平均的だが、引っ張った時のパワーは悪くなくシーズン15HR程度ならマークできるだろう。守備では改善の余地がある部分は多いが、肩は非常に強いため将来は平均以上の3Bになれる可能性がある。
5. ウィル・クレイグ:3B
16年ドラフト全体22位指名。コンパクトなスイングでラインドライブを量産できる打撃が最大の武器。ストライクゾーンの見極めに優れており、昨シーズンは三振より四球の数が多かった。プロ入り後長打が減っており、木バットへの対応ができていないのではないかとの声もある。大柄な体格のためスピードは皆無で、守備の動きも悪い。肩は強いが、将来は1Bに回されることになるだろう。
6. ミッチ・ケラー:RHP
コントロールを乱し、四球を連発した一昨年から一転して昨シーズンはほとんど四球を出すことがなかった。最速97マイルの沈む速球とカーブのコンビネーション。カーブは曲がり落ちるアクションを見せ、速球と緩急をつけて空振りを奪うことができる。チェンジアップも投げるが改善の余地あり。マウンドの傾斜を上手く使ったデリバリーは力感がなく先発として投げ続けることができるだろう。
7. ユディ・ガルシア:RHP
90マイル中盤の速球で打者を圧倒することができる。最大の強みは終盤になっても球速が落ちないこと。スライダー、チェンジアップといったブレーキングボールはまだ不安定だが、スライダーは平均以上のボールになるポテンシャルがある。デリバリーは力感がなく、スムーズなので先発向き。今年で24歳だが、まだA以上で投げたことがなく早期昇格が待たれる。
8. テイラー・ハーン:LHP
最速100マイルをマークする速球が武器。この速球とキレのいいスライダーで大量に三振を奪う。デリバリーはモーションが大きいため故障のリスクが高い。また、3塁側へと体が流れるためコントロールを乱す原因となっている。先発として投げ続けられるかは微妙なところだが、リリーフに回ったとしても圧倒的な成績を残せるだろう。
9. スティーブン・ブラルト:LHP
投げるボールはこれといって特徴的なものはないが、優れたコマンドでコーナーを突き打者を打ち取っていく。速球は最速でも93マイルで、スライダー、チェンジアップも平均的なクオリティ。それでもデリバリーを崩さず、試合をしっかりと作る能力を有している。先発4/5番手としては優秀な部類に入るだろう。
10. ルイス・エスコバー:RHP
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球の球速は平凡だが、よく沈みゴロを打たせるには最適。また、今後体重つけていくことによって球速が上がる可能性もある。スライダー、チェンジアップともに速球と同じアームスピードで投げられ、キレもいいためどちらもアウトピッチとして空振りを奪うことができる。デリバリーは力感が強く、無駄な動きが多いためコントロールを乱すことがしばしばある。
11. ケビン・ニューマン:SS
ヒッティングスキル優れ、常にハイアベレージを残すことができる。ストライクゾーンの見極めもいいため出塁率も高い。昨シーズンはBB/K=43/36だった。その一方でパワーは全くと言っていいほどなく、シーズン5HRが関の山だろう。スピードは平均以上だが、レギュラーとしてSSを守れるほどの能力を持ち合わせてはおらず、将来は2Bに移ることになるだろう。
12. ニック・キンガム:RHP
15年にトミー・ジョン手術を受け、昨シーズン途中に復帰した大型投手。速球の球速は常時90マイル前半だが、しっかりとコマンドよく投げることができている。アウトピッチとして使うパワーカーブも打者のタイミングを外すのには有効なボール。チェンジアップのクオリティも悪くない。デリバリーも力感がなく、長い回を投げることができる。今シーズン中にはメジャーに昇格するだろう。
13. トラビス・マクグレガー:RHP
16年ドラフト2巡目指名。速球は常時90マイル前半だが、身長の割りに細身のため今後球速が上昇する可能性は高い。チェンジアップのクオリティは高く、速球と緩急をつけて空振りを奪うことができる。メークアップにも高い評価を得ている。
14. アレン・ハンソン:2B
コンタクトスキルに優れたスイッチヒッター。小柄でスイングもコンタクト重視のためパワーは平均以下。レギュラークラスの打力があるかは微妙なところ。スピードは平均以上だが、マイナーでの盗塁成功率は通算で70%とイマイチ。かつてはSSをメインに守っていたが、肩が弱く今は2Bを中心に内外野をこなしている。
15. トレバー・ウィリアムズ:RHP
90マイル前半のヘビーシンカーでゴロを量産するグラウンドボーラー。アウトピッチはスライダーで左打者に対して有効な武器。ストライクゾーンに集めるだけのコントロールは有しているが、細かいコマンドはないためメジャーでは甘く入ったボールをHRにされる場面が目立った。実力は先発5番手クラスか。
16. コール・タッカー:SS
昨シーズンは打撃に進歩がないまま終了となった元1巡目指名選手。A+で主にプレーするも打率は低空飛行を続け、長打もそれほど打たずに肩の故障で少ない出場試合数となった。スピードは平均以上で守備も光るものを見せているが、それだけではメジャーでプレーできるレベルにまで到達するのは難しいだろう。
17. エリアス・ディアズ:C
既にメジャーで試合にも出ている守備型C。ブロッキング、キャッチングなどに優れており、リリースも早いため平均的な肩の強さでもある程度の盗塁阻止能力を備えている。 打撃はコンタクトを重視しているが、引っ張り傾向が強いので打率は平凡。早打ちのため四球も少ない。総合的に見るとCとしては平均的な打力の持ち主。
18. ジョーダン・ラプロウ:OF
パワーポテンシャルとスピードに光るものを見せるタレント。昨シーズンは肩の故障で満足のいく成績を残せなかったが持っている能力は低くない。打率は低いが、ストライクゾーンの見極めは悪くなく三振も少ない。一昨年は3Bも守っていたが、昨シーズンから再びLFに専念している。
19. ブレイデン・オーグル:LHP
16年ドラフト4巡目指名。ハイシーリング&ハイリスクなタレント。速球の最速は96マイルに達し、今後もさらに速くなる可能性はある。大きく曲がるカーブも空振りを奪うには有効な球種。デリバリーは力感が強く、不安定なためコントロールが安定しない原因となっている。上手く育成できれば先発2/3番手クラスになれるかもしれない。
20. ゲイジ・ヒンス:RHP
現在の速球の最速は95マイルだが、今後さらに球速が上がる可能性はある。アウトピッチはカーブでキレがよく空振りを奪うことができる。チェンジアップは発展途上。昨シーズンは終盤に四球を連発し、ボールが高めに浮いてしまうことも多くなりシーズンを通して投げるスタミナが足りないとの声もある。
Text by Ookaya Ryota
写真:https://flic.kr/p/wKTmpr