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Weekly Report:Week-7

3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-7のキーワードは「アダム・ジョーンズ」「マイルストーン」「ナ・リーグ西地区」だ。
・アダム・ジョーンズ
今月の初めに人種差別騒動で話題をもたらしたアダム・ジョーンズが、今週は明るい話題を提供してくれた。
5月22日、ツインズをホームに迎えて行われた一戦。ジョーンズは2回にカイル・ギブソンのスライダーをとらえ、3ランホームランを放った。この一発は、通算569HRを誇るチームOBのラファエル・パルメイロの持つオリオールパークアットカムデンヤーズでの通算HR記録を塗り替える本拠地通算125本目のホームランとなった。
アダム・ジョーンズは2003年ドラフトの1巡目でマリナーズに指名され、遊撃手としてプロ入り。外野手転向を経て2006年にメジャーデビューを果たすと、2008年のシーズン前に現在もオリオールズのローテーション投手として活躍するクリス・ティルマン、NPBでも活躍したキャム・ミコライオらとともにオリオールズにトレード移籍した。
オリオールズ移籍後は、メジャーに定着。昨年までの在籍9年間で6回149試合以上に出場するタフネスさと通算233本(オリオールズ在籍時に限ると230本)のホームランを放つパワー、ゴールドグラブ賞4回の守備力を武器としたリーグを代表する外野手へと成長した。また、2013年と2017年のWBCにアメリカ代表として出場。2017年はデビッド・ライト(NYM)の跡を継ぎ、新・キャプテンアメリカとしてアメリカ悲願の初優勝に貢献した。
今後もオリオールズの中心選手としての彼の活躍に期待したい。
2017 Team Preview:ミネソタ・ツインズ

*40人ロースターはリンクより参照
*SP横*マークはローテーション候補の意味を示す。
- 本拠地:ターゲット・フィールド
レフト | 103.3M |
センター | 123.1M |
ライト | 100M |
フェンス高さ | 2.4~7M |
安打 | 106.4 |
ツーベース | 108.1 |
スリーベース | 103.1 |
HR | 101.4 |
得点 | 104.4 |
- 予想オーダー
1.ブライアン・ドージャー:2B
昨年大ブレークした二塁手。ア・リーグの二塁手としてはシーズン最多本塁打の42本をマークした。本塁打以外のスタッツもOPS.886、18盗塁をマークし、チームの中心的な役割を担った。2018年までの4年20M$の格安の契約から、トレードの噂も絶えず、オフシーズンにはドジャースとのトレードが成立間近との報道もあったが、条件面で合意出来ず破談となった。
2.ホルヘ・ポランコ:SS
2009年にインターナショナルFAでツインズに入団。着々とマイナーの階段を上っていき、2014年にメジャーデビュー。2014年、2015年はそれぞれ5試合、4試合の出場にとどまったが、昨シーズンは8月からショートのレギュラーに定着、69試合に出場し打率.282、OPS.757という成績を残した。最大の魅力は攻撃面で将来的には20盗塁&20ホーマーも可能との評価もある。
3.ジョー・マウアー:1B
MVP1回、シルバースラッガー5回受賞、オールスター6回選出と輝かしい成績を残したが、ここ数年は怪我の影響もあり不調に陥っている地元出身のスター。2013年までのポジションは主にキャッチャーであったが、やはりこれも怪我に影響もあり、2015年からはファーストに専念している。33歳と老け込むにはまだ早く、完全復活に期待がかかる。
4.ミゲル・サノー:3B
2015年にメジャーデビューしたチーム期待の有望株。デビューした年は、18本塁打、OPS.916と好成績を残した。昨年は本塁打数こと25本と増えたものも、打率は.269から.236へ、三振数は119から178と大幅に悪化してしまった。クリス・カーターのような大型扇風機のようになるか、リーグ屈指のパワーヒッターになるか、分かれ目の年になりそうだ。
5.マックス・ケプラー:RF
数少ないドイツ出身のメジャーリーガー。2014年まではAクラスで打率.264となかなか芽が出なかったが、2015年シーズンにAAクラスで打率.322とブレーク、メジャーの切符をつかんだ。2013年からマイナー通算本塁打数が24本であったが、昨年は113試合の出場にとどまりながら17本塁打とパワーが開花。左投手が極端に苦手で、対右投手のOPSが.792に対し、対左投手は.595。左投手の攻略が今後の躍進のカギになる。
6.ケニース・バルガス:1B
昨年の開幕時はマイナースタートだったものも、マイナーで打席でのアプローチに取り組んだことからメジャー昇格の切符をつかんだ。50試合前後の少ないサンプルではあるが、出塁率は.277から.333へと改善。スイッチヒッターではあるが、対左投手はなんとOPS1.262をマークした。初めてメジャーでフルシーズンを過ごすと思われる今シーズンどこまで成績を残せるか注目である。
7.ジェイソン・カストロ:C
FAでヒューストン・アストロズから3年24.5M$で加入。2013年に打率.276、OPS.835をマークしオールスターに選出されたがそれ以降は打撃は低迷、3年連続で打率.230を切っている。打撃では貢献できなくても守備には定評があり、新天地で元ドラフト1巡目指名の価値を発揮できるか。
8.エディー・ロサリオ:LF
2015年にメジャーデビューし、122試合に出場、打率.267、OPS.748という成績を残して昨シーズンはブレークの年かと思われたが、不調に陥り、2015年シーズンよりも30試合少ない92試合の出場にとどまった。超積極的打法で、2年間214試合に出場し、なんと四球数はわずか27。アプローチの改善ができればもう少し成績が伸びるかもしれない。
9.バイロン・バクストン:CF
2012年ドラフト全体2位指名の期待の有望株。5ツールが揃っているプレーヤーで、将来の球界を担っていく逸材との評価もある。298打席で118三振と打撃の粗さは気になるが、昨年から出場試合数は46試合から92試合へと倍増し、今年は飛躍の年になるかもしれない。
Look Back 2011 BA Prospect Ranking 41~50

MLBを語るに際して決して忘れることのできないプロスペクト。見事に期待に応えてスタープレーヤーへと成長を遂げる選手もいれば、メジャーの舞台に辿り着くことすらなく消えていく選手も少なくない。一昨年、昨年と好評をいただいた当コラムだが、今年は趣向を変え、2011年版のBaseball America発表のプロスペクトランキングTOP100から上位50名を取り上げてその軌跡を振り返るとともに、2016年の成績をもとにした5年後のランキングも掲載したので合わせてお楽しみいただきたい。なお、今回は2011年版ランキングから41~50位を取り上げる。
2011 BAランキングと独自に作成した2016 FEDランキングの比較
順位 | 2011 Baseball America | 2016 Far East Division | 変動 | ||
1 | ブライス・ハーパー | WSH | マイク・トラウト | LAA | ↗1 |
2 | マイク・トラウト | LAA | クリス・セール | BOS | ↗↗18 |
3 | ヘスス・モンテロ | NYY | ザック・ブリットン | BAL | ↗↗25 |
4 | ドモニク・ブラウン | PHI | マニー・マチャド | BAL | ↗↗10 |
5 | フリオ・テヘラン | ATL | アロルディス・チャップマン | NYY | ↗2 |
6 | ジェレミー・ヘリクソン | TB | フレディ・フリーマン | ATL | ↗↗11 |
7 | アロルディス・チャップマン | CIN | フリオ・テヘラン | ATL | ↘2 |
8 | エリック・ホズマー | KC | ブランドン・ベルト | SF | ↗↗15 |
9 | マイク・ムスタカス | KC | ブライス・ハーパー | WSH | ↘8 |
10 | ウィル・マイヤーズ | KC | ゲイリー・サンチェス | NYY | ↗↗20 |
11 | ジェームソン・タヤン | PIT | ウィル・マイヤーズ | SD | ↘1 |
12 | ダスティン・アクリー | SEA | ビリー・ハミルトン | CIN | ↗↗38 |
13 | シェルビー・ミラー | STL | ジェレミー・ヘリクソン | PHI | ↘7 |
14 | マニー・マチャド | BAL | クリス・アーチャー | TB | ↗↗13 |
15 | マット・ムーア | TB | デリン・ベタンセス | NYY | ↗↗28 |
16 | マイケル・ピネダ | SEA | エリック・ホズマー | KC | ↘8 |
17 | フレディ・フリーマン | ATL | ジェームソン・タヤン | PIT | ↘6 |
18 | ジョン・ラム | KC | マット・ムーア | SF | ↘3 |
19 | マイク・モンゴメリー | KC | マイク・モンゴメリー | CHC | →0 |
20 | クリス・セール | CWS | ディー・ゴードン | MIA | ↗6 |
21 | ジェイコブ・ターナー | DET | マーティン・ペレス | TEX | ↗3 |
22 | デズモンド・ジェニングス | TB | マイク・ムスタカス | KC | ↘↘13 |
23 | ブランドン・ベルト | SF | ブレット・ロウリー | CWS | ↗↗17 |
24 | マーティン・ペレス | TEX | マイケル・ピネダ | NYY | ↘8 |
25 | ロニー・チゼンホール | CLE | ランドール・デルガド | ARI | ↗↗11 |
26 | ディー・ゴードン | LAD | ロニー・チゼンホール | CLE | ↘1 |
27 | クリス・アーチャー | TB | トラビス・ダーノウ | NYM | ↗9 |
28 | ザック・ブリットン | BAL | カイル・ギブソン | MIN | ↗6 |
29 | カイル・ドレイベック | TOR | アーロン・ヒックス | NYY | ↗↗16 |
30 | ゲイリー・サンチェス | NYY | デズモンド・ジェニングス | TB | ↘8 |
31 | ケイシー・ケリー | SD | シェルビー・ミラー | ARI | ↘↘18 |
32 | タイラー・マツェック | COL | ジョーダン・ライルズ | COL | ↗↗10 |
33 | ジャロッド・パーカー | ARI | ジョン・ラム | CIN | ↘↘15 |
34 | カイル・ギブソン | MIN | ジェイコブ・ターナー | CWS | ↘↘13 |
35 | ランドール・デルガド | ATL | ダスティン・アクリー | NYY | ↘↘23 |
36 | トラビス・ダーノウ | TOR | ケイシー・ケリー | ATL | ↘5 |
37 | マイク・マイナー | ATL | ヘスス・モンテロ | BAL | ↘↘34 |
38 | ブレット・ジャクソン | CHC | ジョナサン・シングルトン | HOU | ↗1 |
39 | ジョナサン・シングルトン | PHI | ウィリン・ロザリオ | 韓国 | ↗↗10 |
40 | ブレット・ロウリー | TOR | ドモニク・ブラウン | TOR | ↘↘36 |
41 | マニー・バニュエロス | NYY | カイル・ドレイベック | ARI | ↘↘12 |
42 | ジョーダン・ライルズ | HOU | トニー・サンチェス | LAA | ↗4 |
43 | デリン・ベタンセス | NYY | マイク・マイナー | KC | ↘6 |
44 | ヘンリー・メヒア | NYM | マニー・バニュエロス | ATL | ↘3 |
45 | アーロン・ヒックス | MIN | タイラー・マツェック | COL | ↘↘13 |
46 | トニー・サンチェス | PIT | トレイ・マクナット | SD | ↗2 |
47 | アレックス・ホワイト | CLE | ジャロッド・パーカー | OAK | ↘↘14 |
48 | トレイ・マクナット | CHC | アレックス・ホワイト | 無所属 | ↘1 |
49 | ウィリン・ロザリオ | COL | ブレット・ジャクソン | 無所属 | ↘↘11 |
50 | ビリー・ハミルトン | CIN | ヘンリー・メヒア | 追放 | ↘6 |
※2016年球団に所属しており、かつシーズン終了後FAの選手は2016年にプレーした球団を記載
2016 Team Preview:ミネソタ・ツインズ

*40人ロースターはリンクより参照
*SP横*マークはローテーション候補の意味を示す。
- 本拠地:ターゲット・フィールド
レフト | 103.3M |
センター | 123.1M |
ライト | 100M |
フェンス高さ | 2.4~7M |
安打 | 103.9 |
ツーベース | 97.9 |
スリーベース | 81.6 |
HR | 105.8 |
得点 | 99.4 |
- 予想オーダー
1.ブライアン・ドージャー:2B
2Bとして両リーグ最多、自己最多の28HRをマークしたスラッガー。MLBでは4年間で打率.230〜.240台と確実性には欠けるものの、年々本塁打は増加傾向にある。14年に89四球/129三振だったのが、15年に61四球/148三振と悪化してしまったのが懸念される。
2.ジョー・マウアー:1B
ミネソタ出身、ツインズ一筋、MVP1度、首位打者3度、ゴールドグラブ賞3度、シルバースラッガー賞3度と輝かしい実績を残したフランテャイズプレーヤーだが、現在は大型契約を結んだ当初の「球界屈指の打てる捕手」の面影は全くなく、今や平均以下の1Bとなってしまった。度重なる怪我と脳震盪の影響で打撃に影響が出ているとされる。15年は自己最低の打率.265、出塁率.338に自己最多の112三振と不振に歯止めがきかず、18年まで年平均23Mの契約はチームにとって悩みの種となっている。
3.ミゲル・サノー:RF
パワーが魅力のドミニカ出身22歳。昨シーズンにメジャーデビューを果たすと、80試合で.269/.385/.530&18HRと爆発。ルーキーながら打席では威圧感が漂っていた。課題は三振の多さで、279打席で119三振とかなりのハイペースで三振を喫していた。また、パク・ビョンホの加入に伴いマイナーでも未経験のRFへコンバート。守備での不安が打撃にも影響することは避けたい。
4.トレバー・プルーフ:3B
12年以来の20HR以上となる22HRをマーク。.244/.307/.435とスラッシュラインは例年通りだった。3B守備は14年と比べるとDRS+6から-1、UZRは6.7から1.7と悪化してしまった。29歳と年齢的にもピークを迎える頃で、もう一段階上の存在になりたい。
5.エディー・ロザリオ:LF
昨シーズンはルーキーながら.267/.289/.459&13HR&11盗塁と結果を残した。初打席初本塁打、メジャー最多の15三塁打などインパクトも強かった。DRS+11、 UZR+7.4と守備でも貢献した。課題は積極的なアプローチのため四球が少なく、15四球/118三振に終わったことだ。まだ24歳、1つずつ改善していきたい。
6.パク・ビョンホ:DH
ポスティングに12.85Mを費やし、4年12Mの契約でKBOのネクセン・ヒーローズから加入した韓国の大砲。KBO史上初の2年連続50HR、歴代史上最多のシーズン146打点、4年連続本塁打&打点の二冠王ともはやKBOでは敵なしの状態だった。昨シーズンは.343/.436/.714&53HR&146打点。有望株のミゲル・サノーを外野にコンバートさせてまで起用することから期待がうかがえる。問題視されているのは三振の多さ。
7.エデュアルド・エスコバー:SS
シーズン途中からSSに定着。.262/.309/.445&12HRと初の2桁本塁打を記録するなど好調だった。DRS+2、UZR+2.6と、どちらもプラスを記録。両打ちという利点も生かしてチームに貢献したい。
8.カート・スズキ:C
ハワイ出身の日系3世。昨シーズンは131試合に出場したもののOPS.610&5HR、DRS-9と打撃でも守備でも低調な成績に終わってしまった。左腕には漢字で「鈴木」のタトゥーが入っている。
9.バイロン・バクストン:CF
昨シーズンにメジャーデビューしたルーキー。走攻守そろったトッププロスペクトとして期待され、スピードと守備ではメジャーでも十分通用することは証明済み。課題は打撃で、.209/.250/.326&2HRと苦しんだ。特に左投手に対してOPS.318とさっぱり打てなかった。打撃さえ改善させれば新人王の有力候補であることは間違いない。
American Leauge Award Forecast 2016 ~読者版~

先日、FED部員が選ぶア・リーグのアワード予想の記事を公開した後Twitter上でも読者向けにアンケートを取った。今回はその結果をまとめて見てみよう。
MVP
あなたの選ぶア・リーグMVPは誰?(「その他」を選択された場合は、選手名と共にリプライを頂けるとありがたいです。)
— Far East Division (@FarEastDivision) 2016年2月25日
まずはMVPの予想から。FED部員の予想と同じく、マイク・トラウトが48%という得票率で1位に輝いた。2012年から去年までMVP級の活躍を見せ続けてきた活躍はファンの印象に強く残っているのだろう。今シーズンは新人王を取って以来、減り続けている盗塁を増やすと意気込んでおり、フィールド上を所せましと駆け巡る姿を見られるかもしれない。
次に票を集めたのはジョシュ・ドナルドソンだ。FED部員の予想では票を集められなかったが、今回は28%と1/4以上の票を集めた。昨シーズンのMVPであることや、所属するトロント・ブルージェイズが今シーズンもコンテンダーとして勝ち進みそうであることがドナルドソンへと投票する理由になったのかもしれない。
FED部員にはトラウトの次に人気だったカルロス・コレアは13%と前述の2人と差をつけられる形となった。まだ、2年目ということもあり昨シーズンのような成績を残せるかということに疑問を持つ人が多かったのかもしれない。
上記3人以外でMVPに推す声があったのは、今シーズンで引退することを表明しているボストン・レッドソックスのスラッガーのデイビッド・オルティス、同じくレッドソックスの期待の若手ムーキー・ベッツ、今オフ補強を進めたシカゴ・ホワイトソックスの中心選手であるアダム・イートン、コレアと二遊間を組むヒューストン・アストロズのホセ・アルトゥーベの4人だった。
オルティスは昨シーズンも37本塁打をマークしており、長打力はまだまだ健在。30本塁打以上をクリアしてチームがプレーオフに進出すればMVPという有終の美を飾ることができるかもしれない。