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Weekly Report: Week 20

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3つのハイライトでメジャーリーグの1週間を辿る。Weekly-20のキーワードは「80勝」「代打逆転サヨナラ本塁打」「プレーオフ」だ。

 

・80勝

ストン・レッドソックスがメジャー最速で80勝に到達した。開幕から圧倒的な強さで勝利を重ねているレッドソックスだが、そのペースは2001年にシアトル・マリナーズが記録したシーズン116勝のメジャーリーグ記録にも迫る勢いである。ここではそんな今年のレッドソックスに関して分析する。

 まずは投手陣。先発陣は既に4人が二桁勝利を挙げており、特にエースのクリス・セールは防御率1点台と抜群の安定感で悲願となるサイヤング賞受賞の可能性も高い。そんな強力先発陣を支えるのがリリーフ陣。リリーフは現在メジャー全体4位となる防御率3.34を記録しており、リリーフが喫した敗北がメジャー最小のわずか9回と接戦にも強い事がうかがえる。クローザーのクレイグ・キンブレルは既に35セーブを挙げており、これで8年連続となる30セーブ、更に今シーズンは通算300セーブに到達するなど相変わらずの安定感を誇っている。

 次は打線。なんと言っても今シーズンのレッドソックスは強力打線だろう。ムーキー・ベッツとJ.D.マルティネスがMVP級の成績を残しており、注目が集まるが、ザンダー・ボガーツとアンドリュー・ベニンテンディの2人も忘れてはいけない。ボガーツは長打力が開花してキャリア最高となるシーズンを送っており、フルシーズン2年目となるベニンテンディも新人王投票2位となった昨シーズンから更に成長を見せ、不動の2番としてチームを支えている。2番に座るベニンテンディは1番のベッツと共に高い出塁率を誇り、マルティネス、ボガーツらがつとめる強力な中軸へ繋ぐチャンスメイクの役割を果たしており、チームとしては彼の成長は非常に大きなものと言えるだろう。

 今シーズン絶好調のレッドソックス。地区優勝はほぼ確実とも言えるだろう。トレードで獲得したイアン・キンズラーも復帰の目処が立っており、13年以来となるワールドチャンピョンに向け死角はない。

後半戦展望:ニューヨーク・ヤンキース

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 Ultimately all we want to do is win.(私達の最終目標は優勝だ)とアーロン・ブーン監督とブライアン・キャッシュマンGMが述べたのは記憶に新しい。今回は、最終目標を達成するためのトレードを行えたのかについて、ニューヨーク・ヤンキースを振り返りたい。

 

 ストン・レッドソックスとのゲーム差が緩やかに広がりつつあるが、ネイサン・イオバルディ(RHP)とイアン・キンズラー(2B)のみを補強したレッドソックスとは対照的に、ヤンキースは5件のトレードを成立させ4人の選手を獲得した。同地区の残り3球団はいずれも再建に舵を切った為、ここからはいよいよレッドソックスとの一騎打ちである。

 まず、AL2位の防御率3.12をマークしている救援陣に、ボルティモア・オリオールズからザック・ブリットン(LHP)を加えた。今季は故障で出遅れた為、オフにFAとなるものの評価を落としていた。見返りとして3人のプロスペクトを放出。
1. ディロン・テイト(RHP)
  三振能力とゴロを打たせる能力が特徴的なプロスペクトな24歳。
2. コディ・キャロル(RHP)
  高い三振能力で3Aで結果を残している25歳。MLB公式で15位にランクインしていた。
3. ジョシュ・ロジャース(LHP)
  先発左腕24歳。特筆すべきパフォーマンスではないが、問題があるわけでもない。
 3人ともメジャー昇格候補として見ることが出来るプロスペクトである。将来的にセットアッパーやローテーションの2~3番手を担うことは難しいが、オリオールズのプロスペクトの層を考えれば上々である。したがって、両球団が得をしたトレードと言えそうだ。

 スターターは、トロント・ブルージェイズからJ.A. ハップ(LHP)、ミネソタ・ツインズからランス・リン(RHP)をそれぞれ獲得。見返りとしてタイラー・オースティン(1B)がツインズに移籍。ソニー・グレイ(RHP)が不振でリリーフに配置転換される等ヤンキースはスターターに苦戦しており、今季初AS選出を果たしたハップには、PO進出という重要な役目を背負ってもらう必要があるだろう。それから、リリーフとしての起用を予定していたリンが先発登板してQSを記録するというサプライズがあった。

 AL2位の571得点をマークしている野手陣は、現在アーロン・ジャッジ(RF)とゲイリー・サンチェス(C)が故障で離脱中である。AL1位の600得点をマークしているレッドソックスも故障者続出中である。
 セントルイス・カージナルスからルーク・ボイト(1B)を獲得。ピンチヒッターとして期待は出来るが、チームの勝敗を大きく変える力は持ち合わせていない。

 

 括すると、レッドソックスはエースのクリス・セール(LHP)を欠いている(8月12日に10日間DLから復帰)ものの、2001年にシアトル・マリナーズが達成したシーズン116勝に並ぶかのような勢いで勝ち続けている。今季のトレード市場は大物先発投手が少なく致し方ないとはいえ、野手については良い選手が散見されたため、積極的に補強することは出来ただろう。しかしながらWC安全圏に留まれる補強をしたと考えれば悪い補強ではなかったと言えるだろう。

 

Text by Tsubasa Komiyama

Photo link https://flic.kr/p/27DsFzv

なぜ彼らは負けるのか―MLBの戦力格差拡大を考察する―

New York Yankees at Baltimore Orioles April 24,  2011

 

 

 

 

 

 

 MLBの長いシーズンも折り返し地点に到達した。ア・リーグ東部地区に所属しているオリオールズの成績は23勝58敗と悲惨であった。このペースが続けば、彼らは今季116敗を喫する。これは1900年以降に限定すれば、歴代ワースト4位の成績である。しかもチームは主力のマニー・マチャドを放出する可能性を指摘されていて、そうなればもっと悪い成績を残すかもしれない。

 しかし本当に注目すべきなのは、オリオールズに限らず現在のMLBでは強いチームと弱いチームの戦力差が大きく拡大していることだろう。今回のコラムではどうして、このように戦力の格差が拡大しているかについて説明していきたいと思う。

 

 本稿は長くなったのでいくつかのパート分けを施した。以下参照してくださるとありがたい。

Part1戦力格差の拡大を示す数字を紹介

Part2戦力格差拡大の原因-カブスとアストロズの成功及びパドレスとホワイトソックスの失敗-

Part3負ければ負けるほど特をするMLBとヨーロッパサッカーのリーグ構造を比較→私からのMLBドラフトの改善案の提示

 

Part1

 戦力の格差が開いていることは私の主観ではなく、数字を見たうえで客観的に判断できる。以下は今季の6月末の段階での各地区の首位と最下位のゲーム差だ。

AL東 32.0

AL中 19.5

AL西 16.5

NL東 14.5

NL 中 13.5

NL 西 11.0

 各地区とも開幕3カ月で11.0ゲーム以上差以上が付いている。注目すべきはどの地区でもゲーム差が大きい事だ。ヤンキースとレッドソックスがしのぎを削っていた時代に東地区の他チームと大きな差が付いていた頃とは違うという事だ。シーズン折り返しの時点でこれだけの成績差が付くのだから、シーズンが終わる頃にはもっと差は拡大するだろう。

 戦力の格差が拡大しているもう1つの証拠がレギュラーシーズンに100以上の勝ち星をあげるチームの数だ。

 2010年代に入ってからシーズン100勝以上をあげたチームは2011年フィリーズと2015年カージナルス及び2016年カブスしかなかった。ところが昨年はこの100勝以上を記録したチームがインディアンス、アストロズ、ドジャースと同時に3つも誕生したのだ。今季はア・リーグのヤンキース、レッドソックス、アストロズ、マリナーズの4チームが100勝超えのペースを維持している。7年間で3チームしか達成していない偉業を今季は4チームが達成しようとしているのだから、それがどれだけ異常かよく分かるだろう。勝つチームがいれば、負けるチームも存在するわけだからそれだけ負けているチームも存在するのだ。

 球界で1番有名な代理人スコット・ボラスは去年のオフに勝つ気がないチームが存在すると批判していた。それはある意味的を得ていて、資金力に優れていないかつチームの戦力が整いきっていないチームの多く-レイズ、マーリンズ、パイレーツ、ロイヤルズら-は選手を売る側に回った。レイズとパイレーツは球界でも貴重なフランチャイズプレイヤーを放出した。マーリンズとロイヤルズも顔なじみの深い選手たちに別れを告げた。マーリンズは地区2位でシーズンを終えて、レイズは80勝を挙げている。にも関わらず彼らは2018年を前にしてプレーオフを積極的に狙うのではなく、主力を放出することを選択した。その理由は、戦力が整いきっていない段階でプレーオフを狙うよりも再建を完成させて将来の成功を狙う方が合理的だからだ。

 次項では戦力が整いきっていない段階でプレーオフを狙うために補強をしたチームと一度チームを完全解体したチームを比較してみよう。