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2019 ALDS Review:NYY vs MIN

Aroldis Chapman

 

 

 

 

 

 

 

 ヤンキースが3連勝でツインズを下し、アメリカンリーグ優勝決定シリーズへ進出した。

GAME1 MIN 4-10 NYY

勝:トミー・ケインリー(RHP)

負:ザック・リッテル(RHP)

 

試合は初回にホルヘ・ポランコ(SS)のソロホームランでツインズが先制。さらに3回ネルソン・クルーズ(DH)のソロホームランで追加点を上げるも、その裏ヤンキースがエドウィン・エンカーナシオン(DH)のタイムリーとツインズのエラーの間に逆転。5回にポランコのタイムリーで追いつくもまたもやその裏すぐにヤンキースがグレイバー・トーレス(2B)のタイムリーで2点を勝ち越し。ツインズもその後1点は返したもののヤンキースは大量5点を追加し、ザック・ブリットン(LHP)ら強力ブルペン陣がツインズ打線を抑え込み、最後は守護神アロルディス・チャップマン(LHP)が締めヤンキースが勝利した。

 

GAME2 MIN 2-8 NYY

勝:田中将大(RHP)

負:ランディー・ドブナック(RHP)

 

試合は初回にエドウィン・エンカーナシオンのタイムリーでヤンキースが先制。そして3回にジャンカルロ・スタントン(OF)の犠牲フライに始まり、グレイバー・トーレスのタイムリー、そしてディディ・グレゴリウス(SS)の満塁ホームランが飛び出し、さらにブレット・ガードナー(OF)がダメ押しのタイムリーを放ち一挙7点を上げ試合を決めた。田中は5回1失点の好投を見せ、プレーオフでの強さを示した。

 

 

GAME1 NYY 5-1 MIN

勝:チャド・グリーン(RHP)

負:ジェイク・オドリッジ(RHP)

セーブ:アロルディス・チャップマン

 

試合は2回にグレイバー・トーレスのソロホームランでヤンキースが先制。続く3回にもブレット・ガードナーのタイムリーで2点目を上げる。しかしその後6回まで両チーム無得点で試合は硬直状態となるも7回ヤンキースがディディ・グレゴリウスのタイムリーで3点目を上げる。8回裏にツインズはエディ・ロサリオ(OF)のソロホームランで1点を返すも、ヤンキースが9回表にキャメロン・メイビン(OF)のソロホームランとグレゴリウスのタイムリーで2点を追加し、8回途中からマウンドに上がった守護神チャップマンが9回も締めヤンキースが勝利し、3連勝でリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。

 

 

シリーズの考察

 レギュラーシーズンのチーム本塁打数が307本で1位のツインズと僅か1本差の306本で2位のヤンキースとお互いホームランを売りとするチーム同士の対決となったこのシリーズは、ヤンキースの3連勝という結果で幕を閉じた。ヤンキースもツインズもレギュラーシーズンは100勝を超えチーム成績もほぼ同じであった2チームにここまでの明暗が分かれた原因は、ブルペンの質とプレーオフの経験の2つと考えられる。

 一つ目の大きな原因と考えられるブルペンの質について、ヤンキースのブルペンは絶対的なクローザーでありプレーオフ経験も豊富なアロルディス・チャップマンに加え、オリオールズのクローザーとして長く活躍していたザック・ブリットンと圧倒的に打者有利なクアーズフィールドを本拠地とするロッキーズで長く活躍していたアダム・オッタビーノ(RHP)の2人がセットアップを務めていた。一方ツインズはクローザーはメジャー4年目で毎年安定した成績を残してはいたもののクローザーは今年からで経験はまだ浅いテイラー・ロジャース(LHP)が努め、セットアップはセルジオ・ロモ(RHP)はプレーオフでの経験も豊富ではあるがやや落ち目であり、タイラー・ダフィー(RHP)やトレバー・メイ(RHP)といった投手はリリーフの経験も浅く今回がプレーオフ初登板という投手が努めていた。このようにブルペンの中心となる投手がヤンキースに比べツインズは特に経験といった面で劣っており、他のリリーフ登板した投手も含めてだが3試合とも先発投手が降板した後の失点が多くなってしまった原因はここにあると考えられる。

2つ目の大きな原因と考えられるプレーオフの経験は主に野手に言え、ヤンキースはブレット・ガードナーやエドウィン・エンカーナシオンといったプレーオフ経験豊富なベテランに加え、主力のほとんどが2017年と2018年のプレーオフに出場しており、プレーオフの戦い方を知ったチームであった。一方ツインズは今季マーウィン・ゴンザレス(UT)とネルソン・クルーズといったベテランを獲得したものの、ほとんどの野手は昨年のワイルドカードゲームしか経験しておらず、プレーオフの戦い方をチーム全体としてあまり知らなかった部分が大きな差になったと考えられる。

 

 ヤンキースはアストロズに惜しくも敗れたが、戦力整っており経験も豊富なチームであるため来季以降もワールドシリーズ進出を十分目指せるだろう。一方ツインズも今年の経験を活かし、来季以降さらなるステップアップは見込めるだろう。

 

Written by Akiyuki Suzuki

Photo link https://flic.kr/p/REvtn4

後半戦展望:ニューヨーク・ヤンキース

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 Ultimately all we want to do is win.(私達の最終目標は優勝だ)とアーロン・ブーン監督とブライアン・キャッシュマンGMが述べたのは記憶に新しい。今回は、最終目標を達成するためのトレードを行えたのかについて、ニューヨーク・ヤンキースを振り返りたい。

 

 ストン・レッドソックスとのゲーム差が緩やかに広がりつつあるが、ネイサン・イオバルディ(RHP)とイアン・キンズラー(2B)のみを補強したレッドソックスとは対照的に、ヤンキースは5件のトレードを成立させ4人の選手を獲得した。同地区の残り3球団はいずれも再建に舵を切った為、ここからはいよいよレッドソックスとの一騎打ちである。

 まず、AL2位の防御率3.12をマークしている救援陣に、ボルティモア・オリオールズからザック・ブリットン(LHP)を加えた。今季は故障で出遅れた為、オフにFAとなるものの評価を落としていた。見返りとして3人のプロスペクトを放出。
1. ディロン・テイト(RHP)
  三振能力とゴロを打たせる能力が特徴的なプロスペクトな24歳。
2. コディ・キャロル(RHP)
  高い三振能力で3Aで結果を残している25歳。MLB公式で15位にランクインしていた。
3. ジョシュ・ロジャース(LHP)
  先発左腕24歳。特筆すべきパフォーマンスではないが、問題があるわけでもない。
 3人ともメジャー昇格候補として見ることが出来るプロスペクトである。将来的にセットアッパーやローテーションの2~3番手を担うことは難しいが、オリオールズのプロスペクトの層を考えれば上々である。したがって、両球団が得をしたトレードと言えそうだ。

 スターターは、トロント・ブルージェイズからJ.A. ハップ(LHP)、ミネソタ・ツインズからランス・リン(RHP)をそれぞれ獲得。見返りとしてタイラー・オースティン(1B)がツインズに移籍。ソニー・グレイ(RHP)が不振でリリーフに配置転換される等ヤンキースはスターターに苦戦しており、今季初AS選出を果たしたハップには、PO進出という重要な役目を背負ってもらう必要があるだろう。それから、リリーフとしての起用を予定していたリンが先発登板してQSを記録するというサプライズがあった。

 AL2位の571得点をマークしている野手陣は、現在アーロン・ジャッジ(RF)とゲイリー・サンチェス(C)が故障で離脱中である。AL1位の600得点をマークしているレッドソックスも故障者続出中である。
 セントルイス・カージナルスからルーク・ボイト(1B)を獲得。ピンチヒッターとして期待は出来るが、チームの勝敗を大きく変える力は持ち合わせていない。

 

 括すると、レッドソックスはエースのクリス・セール(LHP)を欠いている(8月12日に10日間DLから復帰)ものの、2001年にシアトル・マリナーズが達成したシーズン116勝に並ぶかのような勢いで勝ち続けている。今季のトレード市場は大物先発投手が少なく致し方ないとはいえ、野手については良い選手が散見されたため、積極的に補強することは出来ただろう。しかしながらWC安全圏に留まれる補強をしたと考えれば悪い補強ではなかったと言えるだろう。

 

Text by Tsubasa Komiyama

Photo link https://flic.kr/p/27DsFzv

2017 Team Preview:ボルティモア・オリオールズ

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*40人ロースターはリンクより

*SP横*マークはローテーション候補の意

 

・本拠地:オリオールパーク・アット・カムデンヤーズ

他の野球場と大きさを比較する→http://yakyujo.com/ml18/ml18a.png

 

広さ
レフト 101.5m
センター 121.9m
ライト 96.9m
フェンス高さ 2.1~7.6m
パークファクター平均*100
安打 96.7
ツーベース 83.4
スリーベース 84.6
HR 100.9
得点 95.3

 

◦予想オーダー

1.アダム・ジョーンズ CF
昨季は主にリードオフマンを務めるも、典型的なフリースインガーであるため、出塁率は高くない。コンスタントに試合に出場し続ける頑丈さと6年連続で25ホーマーを記録するパワーが持ち味。今年はWBC2次ラウンドのドミニカ共和国戦で同僚であるマチャドのHR性の当たりを好捕するなど、新・キャプテンアメリカとしてアメリカ悲願の初優勝に貢献。

2.ジョナサン・スコープ 2B
1
番のジョーンズと同じようにパワーが持ち味のフリースインガー。昨季は自身初となる20本の大台を超えるなど、最近のトレンドである「強打の二塁手」像に違わぬ成績を残した。守備は平均的で、肩の強さがセールスポイント。実兄のシャーロンもオリオールズ傘下に所属しており、兄弟が同じメジャーリーグの舞台で活躍することを期待したい。

3.マニー・マチャド 3B
メジャー屈指の三塁手に君臨する「A-ROD2世」。昨季はキャリアハイとなる打率.294/37/96打点/OPS.876を記録。打撃と同様に守備も一級品で、2度ゴールドグラブ賞に輝いている。また、三塁だけでなく遊撃での出場も見込まれる。かつては30-30が期待されていたが、昨季は盗塁数0に終わった。今年もMVP争いに加わり、チームを引っ張っていきたい。

4.クリス・デービス 1B
昨年、大型契約の1年目としては物足りない成績に終わったチームの主砲。OPS100ポイント以上も下落。HRや打点も軒並み数を減らすものの、三振は相変わらず多く、リーグ最多三振だった。しかし、近年は隔年で好成績を残す傾向にあり、13年はHRと打点の二冠、15年は自身2度目のHR王に輝いたので、今季も好成績が期待される。

5.マーク・トランボ DH
トレードでチームに加入すると、自身初そしてオリオールズからは4年連続となる本塁打王に輝いた。満を持して、FAになったものの市場評価は高くなく、オリオールズと33750万ドルで再契約した。彼もまた超がつくほどのフリースインガーであり、通算での出塁率は.303しかない。かつて、エンゼルス時代とマリナーズ時代の2度、ディポートGMにトレード放出されている。

6.セス・スミス RF
ヨバニ・ガヤードとのトレードで移籍してきた高出塁率が魅力の外野手。昨季は対右投手に対しては16HROPS.782も対左投手には0HR OPS.476と明らかに差があるため、ジョーイ・リカードやクレイグ・ジェントリーとのプラトーン起用が見込まれる。打順は自身やスコープらの調子によっては、2番や5番、7番など流動的な使われ方をするかもしれない。

7.ウェリントン・カスティーヨ C
マット・ウィーターズの後任として入団した強打の捕手。ここ3年で所属球団は4球団目となる。特に左投手相手にはOPS.868と強さを見せる。肝心の守備に関してはフレーミングやリードの評価は芳しくないものの、DRS+7を記録。新チームに加入したばかりであるのに、WBCに出場。チームの投手陣との意思の疎通が不足していないか不安なところである。

8.J.J.ハーディ SS
かつて5度も20本塁打を記録するなど強打の遊撃手として鳴らしていた選手。一昨年から故障に悩まされ、打撃不振に陥っていた。現在では、かつてのようなパワーは見込めないが、堅実な守備は未だに高いレベルを維持している。今年、不甲斐ない姿を見せるようだと、マチャドにショートのレギュラーの座を奪われてしまうかもしれない。

9.キム・ヒョンス LF
昨季は、スプリングトレーニングでさっぱり打てないにもかかわらず、契約を盾に開幕マイナーを拒否すると、開幕後は持ち前の巧打でチームに貢献した。しかし、左投手相手にはほとんど起用されなかったので、今季は左投手からも打って完全なるレギュラーに定着したい。昨季のような打撃を披露することができれば、1番や2番といった上位の打順で出場する姿が見られるかもしれない。

Look Back 2011 BA Prospect Ranking 41~50

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MLBを語るに際して決して忘れることのできないプロスペクト。見事に期待に応えてスタープレーヤーへと成長を遂げる選手もいれば、メジャーの舞台に辿り着くことすらなく消えていく選手も少なくない。一昨年、昨年と好評をいただいた当コラムだが、今年は趣向を変え、2011年版のBaseball America発表のプロスペクトランキングTOP100から上位50名を取り上げてその軌跡を振り返るとともに、2016年の成績をもとにした5年後のランキングも掲載したので合わせてお楽しみいただきたい。なお、今回は2011年版ランキングから41~50位を取り上げる。

 

2011 BAランキングと独自に作成した2016 FEDランキングの比較

順位  2011 Baseball America  2016 Far East Division 変動
1 ブライス・ハーパー WSH マイク・トラウト LAA ↗1
2 マイク・トラウト LAA クリス・セール BOS ↗↗18
3 ヘスス・モンテロ NYY ザック・ブリットン BAL ↗↗25
4 ドモニク・ブラウン PHI マニー・マチャド BAL ↗↗10
5 フリオ・テヘラン ATL アロルディス・チャップマン NYY ↗2
6 ジェレミー・ヘリクソン TB フレディ・フリーマン ATL ↗↗11
7 アロルディス・チャップマン CIN フリオ・テヘラン ATL ↘2
8 エリック・ホズマー KC ブランドン・ベルト SF ↗↗15
9 マイク・ムスタカス KC ブライス・ハーパー WSH ↘8
10 ウィル・マイヤーズ KC ゲイリー・サンチェス NYY ↗↗20
11 ジェームソン・タヤン PIT ウィル・マイヤーズ SD ↘1
12 ダスティン・アクリー SEA ビリー・ハミルトン CIN ↗↗38
13 シェルビー・ミラー STL ジェレミー・ヘリクソン PHI ↘7
14 マニー・マチャド BAL クリス・アーチャー TB ↗↗13
15 マット・ムーア TB デリン・ベタンセス NYY ↗↗28
16 マイケル・ピネダ SEA エリック・ホズマー KC ↘8
17 フレディ・フリーマン ATL ジェームソン・タヤン PIT ↘6
18 ジョン・ラム KC マット・ムーア SF ↘3
19 マイク・モンゴメリー KC マイク・モンゴメリー CHC →0
20 クリス・セール CWS ディー・ゴードン MIA ↗6
21 ジェイコブ・ターナー DET マーティン・ペレス TEX ↗3
22 デズモンド・ジェニングス TB マイク・ムスタカス KC ↘↘13
23 ブランドン・ベルト SF ブレット・ロウリー CWS ↗↗17
24 マーティン・ペレス TEX マイケル・ピネダ NYY ↘8
25 ロニー・チゼンホール CLE ランドール・デルガド ARI ↗↗11
26 ディー・ゴードン LAD ロニー・チゼンホール CLE ↘1
27 クリス・アーチャー TB トラビス・ダーノウ NYM ↗9
28 ザック・ブリットン BAL カイル・ギブソン MIN ↗6
29 カイル・ドレイベック TOR アーロン・ヒックス NYY ↗↗16
30 ゲイリー・サンチェス NYY デズモンド・ジェニングス TB ↘8
31 ケイシー・ケリー SD シェルビー・ミラー ARI ↘↘18
32 タイラー・マツェック COL ジョーダン・ライルズ COL ↗↗10
33 ジャロッド・パーカー ARI ジョン・ラム CIN ↘↘15
34 カイル・ギブソン MIN ジェイコブ・ターナー CWS ↘↘13
35 ランドール・デルガド ATL ダスティン・アクリー NYY ↘↘23
36 トラビス・ダーノウ TOR ケイシー・ケリー ATL ↘5
37 マイク・マイナー ATL ヘスス・モンテロ BAL ↘↘34
38 ブレット・ジャクソン CHC ジョナサン・シングルトン HOU ↗1
39 ジョナサン・シングルトン PHI ウィリン・ロザリオ 韓国 ↗↗10
40 ブレット・ロウリー TOR ドモニク・ブラウン TOR ↘↘36
41 マニー・バニュエロス NYY カイル・ドレイベック ARI ↘↘12
42 ジョーダン・ライルズ HOU トニー・サンチェス LAA ↗4
43 デリン・ベタンセス NYY マイク・マイナー KC ↘6
44 ヘンリー・メヒア NYM マニー・バニュエロス ATL ↘3
45 アーロン・ヒックス MIN タイラー・マツェック COL ↘↘13
46 トニー・サンチェス PIT トレイ・マクナット SD ↗2
47 アレックス・ホワイト CLE ジャロッド・パーカー OAK ↘↘14
48 トレイ・マクナット CHC アレックス・ホワイト 無所属 ↘1
49 ウィリン・ロザリオ COL ブレット・ジャクソン 無所属 ↘↘11
50 ビリー・ハミルトン CIN ヘンリー・メヒア 追放 ↘6

※2016年球団に所属しており、かつシーズン終了後FAの選手は2016年にプレーした球団を記載

 

2016 ALWC Review

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現地時間10月4日。とうとうプレーオフが始まった。初戦はトロント・ブルージェイズ対ボルティモア・オリオールズの1ゲームワイルドカードだ。両者ともこのレギュラーシーズン最終試合までプレーオフに進出できるかどうかが分からないという状況で戦っていたためモチベーションは十分。逆に言えば、最後まで本気だったので共に最終試合でエースである投手を先発させてしまい、共に負ければ今シーズン終了となる試合で2番手以降の投手を使わなければならないといった状況にあった。同地区のライバル同士の争いにファンのボルテージも最高潮に達する1戦となった。

試合を振り返る前に、この2チームがどんなシーズンを送ったのかを簡潔にまとめてみよう。

 

  • トロント・ブルージェイズ

昨シーズン実に22年ぶりの地区優勝を果たしプレーオフにも進出したブルージェイズは、課題であった投手陣にテコ入れするためオフにはFAでJ.A.ハップをトレードでドリュー・ストーレンなどを獲得。リーグ1位の得点をマークした打撃陣を擁しシーズンへと向かって行った。

トレードで獲得したストーレンを中心にリリーフ投手が試合を台無しにすることが多かったが、先発陣と打撃陣が奮闘し何とか勝ち越して夏場を迎えると、シーズン中のトレードでは昨シーズンのような派手なトレードはしなかったがホアキン・ベノワやジェイソン・グリリなど要所を抑えた選手獲得に成功。夏場以降一時期は首位に立ったもののボストン・レッドソックスの勢いに追いつくことができず最終戦にまでもつれこんだプレーオフ進出をかけた戦いを制しこの日を迎えた。

今シーズンのブルージェイズは先発投手が予想以上の働きを見せた。最優秀防御率のタイトルを獲得した若きエース、アーロン・サンチェスを筆頭にJ.A.ハップ、マルコ・エストラーダ、マーカス・ストローマンらが奮闘しリーグ1位の防御率をマークすることができた。イニング制限のため何試合か先発をスキップしたサンチェスだったが、最速98マイルのツーシームとキレのあるカーブで相手を圧倒する姿はまさしくエースと呼ぶにふさわしく、自慢のゴロを打たせて取るピッチングも健在だった。

シーズン途中で加入した投手も素晴らしい活躍を見せた。ホワキン・ベノワは7月後半からの加入となったが、移籍後は25試合で防御率0.38とブルペンに不安を抱えるブルージェイズの救世主となった。また、8月1日に加入したフランシスコ・リリアーノも8試合に先発し防御率2.66とピッツバーグ・パイレーツでは防御率5点台だった投手とは思えないピッチングを披露した。

打撃陣は昨シーズンよりも成績を落とす選手が多かったがそれでも20本塁打以上が6人を擁し、リーグ5位の得点をマークするなどなかなかの活躍。主砲のホセ・バティスタが不調や故障で離脱し満足に実力を発揮できない中でエドウィン・エンカーナシオンとジョシュ・ドナルドソンの2人が共に35本塁打以上、OPS.880以上と奮闘した。シーズン当初から弱点となっていた2Bも昨シーズンの故障から復帰となったデボン・トラビスが故障前と変わらない打撃を披露し弱点どころか強みとなった。昨シーズンと比べると若干スケールダウンとなったがそれでもどこからでも本塁打が出る恐るべき打線であることには間違いない。

 

ボルティモア・オリオールズ

オリオールズはブルージェイズを上回る本塁打数をマーク。チームの本塁打数はリーグ1位の253本塁打だった。47本塁打を放ち、本塁打王に輝いたマーク・トランボを始めとする打撃陣は圧巻。ブルージェイズと同じく20本塁打以上をマークした選手が6人した。しかし、本塁打数はリーグ1位だったが得点はそれほど伸びず、得点は同7位。

あまりにも本塁打に頼り過ぎた攻撃とリーグ10位の出塁率が響いた結果となった。早打ちな選手が非常に多くそれでハイアベレージを残せていれば問題ないのだが300打席以上をクリアした選手で打率.280をクリアしたのはキム・ヒョンスとマニー・マチャドだけ。出塁率.350以上になるとキム・ヒョンス1人だけだった。本塁打を多く打てるという特徴をイマイチ生かしきれなかった打撃陣と言うことができる。

投手陣は先発投手が防御率リーグワースト3位と崩壊気味な中でリリーフが健闘。リリーフはリーグ1位の防御率をたたき出し、脆弱な先発ローテーションを支えた。クローザーのザック・ブリットンは47SVをマークし失敗は0、防御率0.54と圧倒的な数字をマークし、今シーズンのアメリカン・リーグのサイヤング賞候補にも挙げられている。ブリットンの陰に隠れて名前が出てこないことが多いがブラッド・ブロックも71試合に登板し回跨ぎなどもこなしつつ防御率2.05とブリットンがいなければクローザーを任されていてもおかしくない成績を残した。その他マイケル・ギブンズやダレン・オデイ、ドニー・ハートらも好成績を収め先行逃げ切りという勝利の方程式を形作っていた。