Tag Archives: ジェイコブ・デグロム

Weekly Report:Week-24

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3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-24のキーワードは「T.J.リベラ」「A.J.プレラーGM」「シーズンアウト」だ。

  • リベラ

地時間13日、ナショナルズパークで行われたニューヨーク・メッツ対ワシントン・ナショナルズの試合は9回までメッツがリードしていたが、クローザーのジェリース・ファミリア(RHP)がホゼ・レイエス(3B)のエラーななどで同点に追いつかれ延長へと入った。

延長10回1アウト、ランナーなしの場面で打席に入ったのはルーキーのT.J.リベラ(2B)。マウンドにはナショナルズのクローザーのマーク・メランコン(RHP)。0-2と追い込まれた後に投げられた3球目のカットボールをリベラが振りぬくと打球はぐんぐんと伸びていきレフトスタンドへと。メランコンがナショナルズ移籍後初めて打たれた本塁打は、リベラにとってはメジャー初本塁打であり、メッツにとっては試合を決める本塁打であった。

リベラは今年で27歳とかなり遅咲きである。幼い頃から打つことが好きで、テニスボールを壁に向かってバットで打つという遊びもよくやっていた。2011年、大学在籍時、ドラフトクラスだったにも関わらずリベラはどこからもドラフトで指名されず、ドラフト外でメッツと契約した。全く期待されていない0からのスタートとなった。

それでも持ち前のヒッティングスキルでマイナーではほとんどのクラスで打率.300以上をマークしていた。コンパクトなスイングとボールに対する反応の速さは本物だったのだ。

そして苦節5年、今シーズンの8月10日に念願のメジャー昇格を果たす。同日にメジャー初出場となると、早速メジャー初ヒットをマークした。その後、AAAとメジャーを行ったり来たりとなっていたが、試合に出ればヒットを打ち、しっかりと結果を残していた。

そして13日の試合を決めるメジャー初本塁打へと繋がっていった。この日のリベラはこの本塁打も含め3安打を放ち3打点をマークしていた。本当ならこの日はリベラは先発で試合に出るはずではなかった。ウィルマー・フローレス(IF)を故障で欠き、相手の先発はRHPのA.J.コールだったため普通は左打者のケリー・ジョンソンを2Bで先発させるところだったが、テリー・コリンズ監督はリベラの打撃を買ってリベラを2Bで先発させたのだった。

結果的にこの采配は大成功だった。先発を外されたケリー・ジョンソンでさえリベラについて「本当によくヒットを打てる奴だ」と別の試合の後に語っていたほどなので当然といえば当然だったのかもしれない。

メッツはこの試合でナショナルズの勝ったとはいえゲーム差は大きく地区優勝はかなり厳しい。それでもワイルドカードでのプレーオフ進出の可能性はあるので毎試合負けられない戦いが続く。リベラは故障者が相次ぐメッツの内野陣の救世主となれるかもしれない。幼い頃に打っていたテニスボールは硬球へと変わり、打った先にあるものは壁ではなくスタンドへと変わったのだ。

 

Weekly Report:Week-5

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3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-5のキーワードは「ホセ・ベリオス」「バートロ・コローン」「シカゴ」だ。

 

  • ホセ・べリオス

界を代表するトップ・プロスペクトがまたスター街道を歩み始めたのかもしれない。

米国時間5月2日、ミネソタ・ツインズのルーキーであるホセ・ベリオスがキャリア初勝利を挙げた。
この日、敵地でのヒューストン・アストロズ戦に登板したベリオスは、2回にプレストン・タッカーに一発を浴び先制されると、続く3回も2四球で一死一・二塁のピンチを招く。しかしここはエバン・ギャティスをダブルプレーに打ち取り切り抜けることに成功。

するとこの粘りのピッチングに打線が応えて3点を取り逆転に成功する。この日のベリオスは2被本塁打、5四球と不安定さをのぞかせるものの毎回の8奪三振(うち7つが空振り三振)を奪うなど5.1回2失点と粘りのピッチングを見せ中継ぎにバトンタッチ。その後、中継ぎ陣は零封リレーでツインズは6-2で勝利。ベリオスは見事に初勝利を挙げたのだった。昨シーズンのサイヤング賞投手であるダラス・カイケルに投げ勝ったことは彼にとっても大きな自信となったことだろう。

 

 

ここで彼の経歴を振り返っていきたい。彼は1994年生まれの21歳(5月27日に誕生日を迎え22歳に)。2012年のドラフトでプエルトリコ出身の投手としては史上最高となる1巡目、全体32位でツインズに入団。13年の第3回WBCではチーム最年少でプエルトリコ代表入り。また14、15年と2年連続でフューチャーズゲームのスターターを務めあげ、マイナーで2年連続2桁勝利、防御率2点台の好成績を残すなど輝かしい実績を残してきた。今シーズンは新人王候補に挙げられるも、デビュー戦のクリーブランド・インディアンズ戦は4回5失点で敗戦。今回、見事に前回登板の雪辱を果たす勝利となったわけだ。

彼は常時90マイル半ばを計測するフォーシーム、カーブ、チェンジアップのコンビネーションで打者を抑える術を心得ている。そして2年連続でBB/9が2.5を切るなど本来は非常に優れたコントロールも兼ね備えている。

昨年、地区2位と健闘し、今季の躍進が期待されるも5月8日現在で地区最下位に沈むツインズ。そんなチームを救うには、この男のさらなる成長が不可欠だ。

 

2015 World Series Review:Game-2

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*Game部のリンクでゲームのRecapをチェック可

Game2: NYM 1-7 KC

勝:クエト(1-0) 負:ディグローム(0-1)

レックス・リオスは語る。「俺たちはニューヨークで遠慮なくなれることを分かってるんだ。それはトロントでも、ヒューストンでも。どこに行こうと関係なく、俺たちは遠慮なくなれる」――彼の意味することは、今日のゲームで一目瞭然だ。

  • ディグロームの苦戦

ェイコブ・ディグロームが決して平凡な投手であったわけではない。低めに決まる良質なコマンドと95マイルの豪速球のコンビネーションは、投手の王道を往くスタイル。今シーズンは14勝を果たし、205Kを奪う活躍でニューヨーク・メッツの進撃を支えた。

どんなに調子が悪くとも、メジャーで先発した試合では「三振を奪えない」ことがなかったディグロームだったが、この大舞台で見せたロイヤルズのオフェンスは、彼の上をいくものだった。それは彼のキャリア上初めて「直球で三振が奪えない」屈辱と共に。

打者を圧倒してきた95マイル超の速球は、いとも簡単にファウルで粘られる。逆転後3点差にまで広げられる一打を放ったマイク・ムスタカス(3B)の打席はそれが象徴的であり、苦肉の策として投じた変化球がダニエル・マーフィー(2B)の横を通り抜けてしまうシーンでは、ディグロームの表情は明らかに苦しんでいた。

彼がわずか2年の中で成長を遂げているのは各球種の球速から見ても分かる。速球は1マイル近く(93→94)、スライダーに関しては86マイルから89マイルにまで向上するなど、彼が本格的にメジャー屈指のピッチャーであることに対して異論はないはずだ。それでも、ロイヤルズが彼を打ち崩したことは、明らかに打線のオフェンス力が彼を圧倒していたことに起因するだろう。

出典:http://baseballsavant.com/p.php?id=594798&type=pitcher&year=

 

  • 打点マシーン→エリック・ホズマー。

いが止まらないロイヤルズ打線の中で「アンストッパブル」なプレイヤーと言えば、やはりアルシデス・エスコバー。ここまでのポストシーズンで、打率は.364とリードオフとして最高の働きを見せているALCSでのMVP男は止まることなく出塁を続け、ホームを踏むことだけを見据えている。

だが打線の核となっているのは、エリック・ホズマー、彼ではないだろうか?

2015年のポストシーズンだけで、現在15RBIをマーク。あと1打点でアルバート・プホルス(STL:2011年)やバリー・ボンズ(SF:2002年)に並ぶハイペースで打点を稼いでいるのだ。この試合でも勝ち越しとなる2点タイムリーを放ち、勝利の流れを一気に引き寄せた。

HRを量産するタイプではなく、どちらかと言えばスプレーヒッターに近いホズマーは、実際15年ポストシーズンでのOPSそのものは.566と良い数値ではない。それでも試合の流れを呼び寄せる打撃を見せる彼をどうするか、両チームともに考える必要がある。

冒頭のように、ロイヤルズは「遠慮のない」というマインドを持って試合に臨んでいる。それは3戦目からシティ・フィールドへと戦場を映しても変わらないだろう。ヒューストンやトロントの敵地であっても爆走する青い暴走車両は、ニューヨークでもそのブレーキを止めることなくスイープしてしまうのか?「ミラクル・メッツ」は果たして起きるのだろうか?

Text by Kazuya ISHIBASHI
写真: https://flic.kr/p/sv7tmw