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2017 Trade Deadline ~躍進チームそれぞれの判断

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 今年のMLBは例年にも増してサプライズチームが多い印象を受ける。ナショナルリーグ中地区のブルワーズは、前半戦を終えた時点で昨年のワールドチャンピオンカブスよりも上の順位だった。また、西地区のダイヤモンドバックスとロッキーズはナ・リーグワイルドカード争いを大きくリードしておりこのまま行けばプレーオフ進出を果たしそうだ。今回の記事ではこれらのチームのトレードデッドラインについて見ていきたい。同じ躍進チームながら、この3チームが行ったトレードの方針は大きく異なるものであった。それではまず、ダイヤモンドバックスから見ていこう。

 

 ①ダイヤモンドバックスの場合

 ダイヤモンドバックス(以下Dバックス)は最終日以前に JDマルティネスをタイガースから獲得した。そして最終日にエンゼルスからリリーフ投手のデビッド・ヘルナンデス(RHP)とアスレチックスからアダム・ロザレス(SS)を獲得しロスターに加えた。いずれもチームの弱点を底上げする素晴らしい補強になりそうだが、特に注目したいのがJDマルティネス(OF)の獲得である。マルティネスは元々アストロズで育ったがタイガースに移籍した後に成績を伸ばした選手だ。今シーズンは故障で出遅れたが、復帰後はタイガースで OPS1.018を記録するなど例年以上に素晴らしいシーズンを送っていた。Dバックスが彼に一番期待しているのは対左投手の攻略だろう。昨年までは投手の左右に大きく成績が影響される選手ではなかったが今シーズンの彼の対左投手に対するOPSは驚異の1.436となっており非常に得意にしている。確かにLD%が対右投手より20%も高くなっていて運にも味方されている感じは否めない。しかし、Dバックス移籍後も対左投手の打率が4割を超えており、その実力は信用できるだろう。チームの主力打者のジェイク・ラム(3B)とデビッド・ペラルタ(OF)がそれぞれ対左投手OPS.605と.712と苦戦しているDバックスにとって大いに期待できる新戦力と言えそうだ。一方でタイガースが獲得したプロスペクトのうちルーゴはMLB公式チーム内14位、アルカンタラは23位の選手だ。ルーゴは元々ブルージェイズが獲得した選手で三振も四球も少ないタイプである。守備面では2016年に3Bに転向しており特に5ツールの中でも肩を評価されている選手だ。アルカンタラは昨年冬のウィンターリーグで素晴らしい成績を残した選手でルーゴとは違い、MLBでもショートとしてやっていけると評価されている。ただし、2人とも打撃が弱点でありその課題を克服できるかがMLBで活躍できるかの鍵になるだろう。

 

2016 Trade Deadline~大物2選手を獲得したTEX~

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様々な思惑が飛び交った今年のトレードデッドライン。今回は今年のデッドラインの目玉だった2選手を獲得したTEXについて振り返っていく。

 

7/26 TEX⇔ATL
ATL→TEX ルーカス・ハレル+ダリオ・アルバレス
TEX→ATL トラビス・デメリ

先発ローテーションに不安を抱えていたTEXが補強として選んだのはハレルだった。このトレードが決まる前から先発投手獲得について様々な噂が飛び交っていたが、先日のBOSの記事でも指摘したようにフリオ・テヘランやリッチ・ヒルなどの実力のある先発投手はチームが出さないと決めたか、故障持ちかのどちらかであり、市場には先発4/5番手クラスの成績の先発投手しか出回らなかった。

TEXの先発ローテーションのうち開幕から投げ続けていたのはコール・ハメルズとマーティン・ペレスだけで、コルビー・ルイスとデレク・ホランドは故障が長引き、グリフィンも一時故障離脱という有様。チチ・ゴンザレスやニック・マルチネスをマイナーから昇格させて先発させたり、カイル・ローシュをマイナー契約で獲得したりと様々な試みがなされるがいずれも不発。ダルビッシュ有がトミー・ジョン手術から復帰していなければ目も当てられない状況になっていただろう。

ハレル獲得も様々な試みの1つと言っていいだろう。ハレルはATLで5試合に先発し防御率3.38とまずまずの成績を残していたが、K/BB=21/12と投球内容はイマイチ。ハレルは元々コントロールが悪すぎてメジャーで貰い手がなかったためKBOにまでプレー機会を求めて旅立った経験のある投手。好投していたとはいえ5試合だけで、ハレルの能力を考えるとTEXでも好投を続けるとは考えにくい。

しかし、それでもTEXは構わなかったのだろう。ダメで元々、成功すればそれでよし、失敗だったとしても元がマイナー契約であるためサラリーは格安。低リスクで先発ローテーションの穴埋めを試みることができるのだ。結果は2試合に先発した後に故障し15日間DL入りとなった。TEXとしては最低でも5試合に先発させて結論を出したかったところだが、故障者を埋めるために獲得した投手がすぐさま故障することは予想できなかっただろう。

もう1人のアルバレスは27歳のLHP。リリーフとしてATLに16試合に登板し防御率3.00をマークしていた。高い奪三振能力が魅力でリリーフにはうってつけのタイプだ。アルバレスの魅力は貴重な左の中継ぎということもあるが保有期間の長さだろう。TEXは今シーズン終了後5年間アルバレスを保有することができる。なかなかメジャーでの登板機会に恵まれないアルバレスだがマイナーでの成績は悪くなく使ってみる価値はありそうだ。

ハレルとアルバレスの両投手に対して見返りとして放出したのはデメリ1人だけだ。両投手ともそれほど実績がなく実力もまずまずなので、デメリ1人ですんだのだろう。デメリはA+でプレーする21歳のIF。打撃は非常に粗く、K%も30%を優に超えるがその分パワーは本物でトレード前の時点で25本塁打をマークしている。TEXとしては打撃の粗いIFはジョーイ・ギャロ1人で十分なのでタイプの被るデメリを大事に取っておく必要はなかったのだろう。

ATLとしては現状非力な野手プロスペクトが多く、パワーの評価が高いデメリをタダ同然で獲得した2人と交換できるのなら悪くないだろう。