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2016 Top 20 Prospects:サンディエゴ・パドレス

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本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。

 

  

1. マニュエル・マーゴ:OF
クレイグ・キンブレルとのトレードでBOS→SD。理想の1番CFタイプ。並外れたコンタクトセンスの持ち主でめったに三振を喫しない。A+&2Aでは打率.276、OPS.743、盗塁39の成績を残しフューチャーズゲームにも出場。20-80スケールで70評価を得るスピードを生かしたCF守備も魅力。

2. ハビアー・ゲラ:SS
ホゼ・イグレシアス(DET)と比較されるSSディフェンダー。未来のゴールドグラブ候補だ。打撃は粗削りながら1Aで打率.279、本塁打15、OPS.778。長打率.449はリーグ5位の好成績。K%=23.5%と三振が多いのが課題。

3. ハンター・レンフロー:OF
上質なパワー&強肩を兼ね備えたアスリート。大学ではスター選手としての地位を確立しドラフト全体13位指名。三振率23.7%とコンタクトに荒さを残すが、2A&3Aで20ホーマー&OPS.783。守備では平均以上のスピード&16補殺を記録した強肩を持ち併せる。ランドール・グリチャック(STL)タイプ。 

4. マイケル・ゲティズ:OF
マイク・トラウト(LAA)と比較されるアップサイドの持ち主。規格外のパワー&スピード&スローイングを示し、外野からの送球は100マイルを計測。1Aでは打率.231&三振率30.6%と対応に苦しんだが、スイングの形はアディソン・ラッセル(CHC)やクリント・フレイザー(CLE)と比較されるほど。 

5. ルディ・ギロン:SS
A.J.プレラーGMに才能を見出され18歳ながら1Aデビュー。すると初陣でいきなり6打数6安打の大活躍。96試合プレーして打率.285、本塁打9、OPS.742、盗塁15とGMの期待に応えてみせた。攻守にズバ抜けた潜在能力を示しており、グレイバー・トーレス(CHC)と比較される。

6. ホセ・ロンドン:SS
ヒューストン・ストリートのトレードでLAA→SD。堅実なグラブ捌きと正確な送球を習得しており、SSとしての守備力は少なくとも平均以上と見られている。一方のオフェンス面は平凡なパワー&スピードから物足りなさが残るが、コンパクトが取り柄の打撃は手首の強化にともない力強さを増している。

7. トラビス・ジャンコウスキー:OF
20-80スケールで70評価を得るスピードを攻守で発揮する。13年には71盗塁をマークし、今季は打率.335&OPS.838と打撃面でも向上を見せた。マイナー通算3ホーマーとパワーレスだが、メジャーでは34試合で2ホーマー。スピードに支えられたCF守備は広大なカバー範囲を誇る。

8. コリン・リア:RHP
2A&3Aで18先発して防御率1.95、K/9=7.1、BB/9=2.0とブレーク。メジャーでも6先発を任された。クセのないリラックスしたフォームから92-94マイルの沈む速球&カッター&カーブ。球威はやや物足りないがコマンドは安定しており、将来像はドリュー・ハッチソン(TOR)タイプのイニングイーターか。

9. オースティン・スミス:RHP
15年ドラフト2巡目指名。力みのない滑らかなフォームから放たれる90マイル前半の速球は、6-4/220たる体格から90マイル中盤をコンスタントに叩き出すようになると目される。カーブ&チェンジアップも落差に恵まれている。アスリート性の高さから制球も安定している。 

10. ローガン・アレン:LHP
当初は2~3巡目での指名が予想されていた逸材。大学進学の意志が強いことから8巡目までスリップも、$0.7MでBOS入り。80マイル中盤だったストレートは1年で94マイルまで成長。カーブ&スライダーも相応のクオリティ。尊敬する選手はジョン・レスター(CHC)。

11. ルイス・ペルドモ:RHP
『ルール5ドラフト』でSTLから加入。10年に契約時に86-88マイルだった速球は最速97マイルにまで成長。決め球のスライダーも鋭く切れる。1A&A+では126.2回/118K/37BB/防御率3.98。将来的には先発を任せたいところだが、ロースター編成上来季はリリーフを務めることになるだろう。 

12. エネル・デロサントス:RHP
ホワキン・ベノワとのトレードでSEAから移籍。14年7月に契約し、今季プロデビュー。90マイル前半の速球を武器にR&A-で13先発して防御率3.47、K/9=10.2、BB/9=2.6。6-3/170たる細身の体格からアップサイドを期待される。コマンドの安定が課題。 

13. ジャバリ・ブラッシュ:OF
『ルール5ドラフト』でOAKから指名されたのち、ヨンダー・アロンソのトレードの後日指名選手としてSD入り。パワーポテンシャル。2A&3Aで116試合プレーして32ホーマー&OPS.946。特に3Aでは56試合/22ホーマーとよく打った。三振の多さが目につくが、キャリア6年での四球率は13.3%と高水準。

14. ディネルソン・ラメット:RHP
22歳だが14年7月に契約したばかり。6-4/187たる体格はポテンシャルを秘めており、ストレートはすでに90マイル中盤まで達している。スライダーはセカンドピッチとして及第点もチェンジアップ&コマンドが不完全で、リリーフ向きとも。1Aでは105.1回/120K/44BB/防御率2.99。 

15.  アレックス・デッカーソン:OF/1B
傑出したツールは持たないもバランスのとれたミドルヒッター。スムーズなスイングからフィールド全体に打ち分け、3Aで打率.307、本塁打12、OPS.877をマーク。外野と1Bをこなすことができ、クリント・ロビンソン(WSH)のようなベンチバットになるだろう。

16. ジェーコブ・ニックス:RHP
14年ドラフトでアストロズと契約合意も、ブレイディ・エイケン(現CLE)の契約不成立の煽りを受けて契約破綻に。6-4/220たる投手として理想的な体格から最速95マイルのパワフルな速球を投げ込む。一方で変化球&コマンドに課題を抱える。リリースポイントが安定しない。

17. フェルナンド・ペレス:2B
ヒッティングセンスに富んでおり、パワーとアベレージを両立したバッターになり得る。スムーズなスイングの持ち主もA+で10ホーマー&OPS.643と足踏み。守備では俊敏性に欠け、肩も強いことから3B向きとの声も多い。打席でのアプローチ改善に取り組みたい。

18. コリー・マゾーニ:RHP
マイナー通算K/BB=3.52と毎年安定したパフォーマンスを続ける26歳。今季はリリーフ転向を経て球速は常時94-95マイルを叩き出すようになり、最速で97マイルをマーク。3AではK/9=12.2&被打率.197とパワフルさが増した。 スライダー&スプリットを扱うことができ、コマンドもリリーフ投手としては優秀。

19. ホゼ・トーレス:LHP
ドリュー・ポメランツとのトレードでOAK→SD。最速96マイルのストレートを武器とする救援左腕。昨季A+で残した防御率2.56、K/9=9.8、BB/9=2.8、K/BB=3.50はいずれもキャリアハイ。コマンドの向上がブレークに繋がった。

20. カルロス・アサへ:2B/3B
クレイグ・キンブレルのトレードでBOS→SD。小柄ながらヒットセンス&選球眼に優れる。昨季は2AでOPS.708&本塁打8&四球率9.8%。対左OPS.596と左投手の対応に課題を残す。2B守備は平均以下の評価に止まる。
 

Plus One Prospect
カイル・ロイド:RHP
伝家の宝刀スプリットを武器にマイナー通算307イニングでK/9=10.2をマーク。球速は90マイル前半で安定しており、スプリットはコマンドを含めて精度が高い。今季はA+で137.1回/139K/41BB/防御率4.72と昨季より成績を落としたが、リリーフ時はK/BB=6.0と支配力が増していた。

 

Text by Haruki SAKURAI
写真:https://flic.kr/p/iNxfz1

 

 

2016 Top 20 Prospects:タンパベイ・レイズ

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本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。 

 

 1. ブレーク・スネル:LHP
開幕から46イニング連続無失点のマイナー記録を樹立すると15勝4敗、防御率1.41、K/9=10.9の活躍で、『BA』のマイナー最優秀選手に選出された。90マイル中盤の沈む速球&スライダー&チェンジアップでゴロ&Kの山を築く。

2. ブレント・ハニーウェル:RHP
プロに入ってから進化し続けるエースポテンシャル。球速は97マイルに達し、自慢のスクリューボールも精度が増した。無駄のないメカニックからコマンドも安定しており、打者を恐れずにゾーンで勝負できるタイプ。1A&A+で24先発して防御率3.18&K/BB=4.8。

3. ウィリー・アダムス:SS
14年夏にデビット・プライスとのトレードでDET→TB。20歳ながら高い潜在能力を示しており、深いカウントまで持っていくアプローチや手首の強さから平均以上のバッターになり得る。SSの守備では強肩を披露する。A+で106試合プレーしてOPS.721は高水準も、三振率27%は懸念材料。

4. ギャレット・ウィットリー:OF
15年ドラフトクラス最高のアスリート。ドラフト前には全体1位候補にも挙がったが、13位指名でTB入り。 R&A-では打率.174、OPS.604と低調なプロスタートも、まだ野球歴が浅く、加えて持ち前の身体能力の高さからあまり問題にされていない。

5. テイラー・グリエリ:RHP
トミージョン手術から見事カムバック。20登板(18先発)して防御率1.85、K/BB=3.8。90マイル前半のシンカー&ハイクオリティなカーブ&平均レベルのチェンジアップを低めにコマンドよく投げ込む。GO/AO=2.72&HR/9=0.2とゴロアウトの多さも魅力。 

6. マイキー・マトック:OF
3Aでは98試合/OPS.670も、メジャー昇格後は41試合/OPS.970/本塁打9と期待以上の素晴らしい活躍。走攻守とツールを備え、特にスピードは平均以上。CF守備では広大なカバー範囲を披露し、LF&RFをこなすバータリティも見せる。

7. ジェーコブ・ファリア:RHP
A+&2Aで25登板(23先発)して17勝4敗、防御率1.89、K/9=9.6と大ブレーク。ハイレベルなコマンドを土台にピッチングを組み立てるグラウンドボーラー。90マイル前半のよく沈む速球&スライダー&チェンジアップを丹念に低めに集める。

8. ジェーク・バウアーズ:1B
ウィル・マイヤーズとのトレードでSD→TB。19歳にしてA+&2Aでは打率.272、11本塁打、OPS.760。コンパクトなスイングにパワーを兼ね備える。アプローチにも長け74K/50BB。1Bのディフェンスはアスレチックで高い評価を得る。ダリック・バートン(元OAK)やヨンダー・アロンゾ(OAK)t比較される。

9. ダニエル・ロバートソン:SS/2B
オフェンシブなSSになり得る。2Aで78試合出場して.274/.363/.415/.778の好成績。シャープなストロークでアプローチにも優れ58K/36BB。4ホーマーも、鋭いスイングからパワー向上が見込まれる。SSとしてはスピードに欠け、2Bや3Bに移ることになる可能性も。 

10. ケーシー・ギレスピー:1B
マーク・ティシェラ(NYY)やランス・バークマン(元TEX)と比較される強打のスイッチヒッター。 2014年ドラフトクラスではカレッジナンバーワン打者と呼ばれ、ヒッティングツールとパワーポテンシャルを兼ね備える。R&A&A+では打率.253、OPS.815、本塁打17。

11. リッチー・シェーファー:3B
12年ドラフト全体25位指名の大型三塁手。期待に反し、ここ2年は平凡なパフォーマンスも、今季は2A&3Aで26ホーマー&OPS.897をマーク。フューチャーズゲームにも選出された。3B守備は平均レベルも、看板選手のエバン・ロンゴリアがいることから1BかOFに回ることになりそうだ。

12. エイドリアン・ロンドン:SS
昨夏、自身16歳の誕生日に$2.95MでTBと契約。スターリン・カストロ(CHC)やハンリー・ラミレス(BOS)と比較される大型SS。バッティングではコンパクトかつパワフルなスイングを披露。ゲームに臨む姿勢でも高い評価を得る。守備では強肩の持ち主も、フットワークを学ぶ必要がある。 

13. チーウェイ・フー:RHP
台湾出身の21歳。ケビン・ジャプセンとのトレードでMIN→TB。90マイル前半のストレートに多彩な変化球を織り交ぜる。コマンドに優れ、ベストピッチのパームは打者を欺くのに有効だ。A+&3Aで21登板(20先発)して防御率3.22、K/BB=3.19。 

14. クリス・ベッツ:C
ブライアン・マキャン(NYY)とも比較される攻撃型捕手。 魅力的なパワー&強肩の持ち主で1巡目指名が予想されていたが、捕手としての守備力の不安&肩の故障から52位までスリップ。肩の治療のため、プロ1年目は試合出場なし。

15. ベントン・モス:RHP
身体能力や体格、球種の類似性からジェイク・オドリッジ(TB)と比較される。95マイルに達するストレート&鋭いカーブ&スプリッター&スライダーの4球種をレパートリーとして扱うことができる。A-では14登板(10先発)して防御率3.24、K/BB=6.60。

16. ライアン・ブレット:2B
5-9/180と小柄な体格ながらコンパクトなスイングでコンタクトを生み出す。今季は開幕から調子が上がらず打率.251、本塁打5、OPS.653と物足りない成績。 ベストツールであるスピードを武器にマイナー通算138盗塁。守備でも目立った守備範囲を披露。

17.  ジャスティン・オコナー:C
マイナー屈指のキャノンアームの持ち主でキャリアでの盗塁阻止率は46%。 まだまだ磨くべき点も多いがエリートなCになり得る。打撃では相応のパワーの持ち主も、フリースインガー。K%=29%、BB%=2.9%とアプローチが脆い。

18. ジョー・マッカーシー:OF
昨年のカレッジ・ワールドシリーズでは2014年ドラフト1巡目選手のデレク・フィッシャー(HOU)&マイク・パピ(CLE)らと共にバージニア大を準優勝に導いた。故障により5巡までスリップも打率.277、出塁率.362、盗塁18とまずまずのプロデビュー。 

19. ハイメ・シュルツ:RHP
5-10/200と小柄な体格も、90マイル中盤のキレのあるストレートを武器にK/9=11.2をマーク。セカンドピッチのカーブも平均以上のクオリティ。一方でBB/9=6.0とコマンドに乏しく、小柄な体格と併せてリリーフ向きとの見方が強い。

20. ライン・スタネック:RHP
プラスのアームスピードから繰り出される97マイルのストレート&プラスのスライダーのコンビネーション。 コマンドが平凡で、より高いレベルを目指すためにメカニクスを改善していく必要がある。 

Plus One Prospect
ジャスティン・ウィリアムズ:OF
6-2/210の大柄な体格を備える20歳。粗削りながら豪快なパワーヒッティングが武器。一方で90K/14BBと打席のアプローチを学んでいる段階で、コンタクトの粗さが目立つ。オフにはオーストラリアリーグでリーグトップのOPSを叩き出しチームの優勝に貢献。 

Text by Haruki SAKURAI
写真:https://flic.kr/p/vnZ62m