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動く投手コーチ~選手以上に盛んな投手コーチの移籍市場とその背景~

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このオフのFA市場は非常に静かだ。この文章を執筆している時点ではレッドソックスからFAとなったダグ・フィスターがレンジャーズと契約しただけで他の選手は噂すらほとんど聞こえてこない。しかし意外な移籍市場が盛り上がっていた。それは投手コーチである。このオフは投手コーチの移籍が相次いだ。

2018年に新しい投手コーチを起用するチームはなんと全30球団のうち3分の1を超える11チームである。長年レイズで敏腕投手コーチとして評判だったジム・ヒッキーはかつての同僚であるジョー・マッドンが監督を務めるカブスに移籍した。ナショナルズとカージナルスはまるでお互いの投手コーチを交換するように、それぞれデレック・リリクイストとマイク・マダックスを新たな投手コーチとして迎えた。メッツはインディアンスで投手コーチを務めたミッキー・キャラウェイを監督として招集した。確かにこのオフは投手コーチの移籍が多いようだ。

今回はどうしてこのオフにこれほど多くの投手コーチが移籍しているのかを考察して、その特徴や移籍の背景を考えていきたい。

2017 NLCS Review LAD vs CHC

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NLDS  : LAD 4-1 CHC

*Game部のリンクでゲームのRecapをチェック可。

Game1 LAD 5-2 CHC

勝;前田健太(1-0) 負;ヘクター・ロンドン(0-1) S;ケンリー・ジャンセン(1)

Game2 LAD 4-1 CHC

勝;ケンリー・ジャンセン(1-0) 負;ブライアン・ダンシング(0-1)

Game3 CHC 1-6 LAD

勝;ダルビッシュ有(1-0) 負;カイル・ヘンドリクス(0-1)

Game4 CHC 3-2 LAD

勝;ジェイク・アリエタ(1-0) 負;アレックス・ウッド(0-1) S;ウェイド・デービス(1)

Game5 LAD 11-1 CHC

勝;クレイトン・カーショウ(1-0) 負;ホセ・キンタナ(0-1)

 

年のNLCSは2年連続のワールドチャンピョンを目指すシカゴ・カブスとレギュラーシーズン103勝を記録し、NLDSではダイアモンドバックスをスウィープで下したロサンゼルス・ドジャースという昨年と同じ組み合わせ。この注目の組み合わせはNLDSの勢いそのままドジャースがカブスを難なく退け、去年の雪辱を果たした。

 

このシリーズの注目点とシリーズを通して活躍した選手をピックアップしていく。

 

注目点→ドジャースの総合力

このシリーズはNLDSと同様にドジャースの総合力の高さを見せつけられるようなシリーズとなった。ドジャースはチームの主力であるコーリー・シーガーが背中の怪我で離脱するなどシリーズ開幕前から不安の残るスタート。厳しい戦いになる事が予想されたが、離脱したシーガーの代わりにロスター入りしたチャーリー・カルバーソンを筆頭にチーム全体でシーガーの穴を埋め、勝利を重ねていった。シリーズ全体を通してシーガーの不在を感じせせられるような場面はなかったように思える。ここからは様々な面からドジャースの強さを分析していく。

まずは投手陣。投手陣はレギュラーシーズンでリーグトップの防御率を記録した前評判通りの活躍を見せた。先発陣は敗れた第4戦を除いた全ての試合で5回以上投げきり試合を作る活躍。リリーフ陣はポストシーズンからリリーフに転向している前田健太やクローザーのケンリー・ジャンセンを中心にシリーズを通して17イニングで被安打4、失点は0と完璧な内容で、カブス打線にまったく仕事をさせなかった。特に前田が回をまたいでの登板など慣れないリリーフで大車輪の活躍を見せたのはドジャースとしても大きかっただろう。一方のカブスのリリーフ陣は不調に陥り、先制しても終盤に失点を重ねてしまうなど敗因の一つとも言えるような状態であった。リリーフの優劣が勝敗に大きく影響する近年のポストシーズンを代表するようなシリーズであったように思える。

2017 NLDS:LAD vs ARI

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NLDS :  LAD3-0ARI

 

 *Game部のリンクでゲームのRecapをチェック可。

Game1 ARI5-9@LAD

勝:クレイトン・カーショウ(1-0) 負:タイワン・ウォーカー(0-1)

 

Game2 ARI5-8@LAD

勝:前田健太(1-0) 負:ロビー・レイ(0-1) S:ケンリー・ジャンセン

 

Game3 LAD3-1@ARI

勝:ダルビッシュ有(1-0) 負:ザック・グレインキー(0-1)  S:ケンリー・ジャンセン(2)

 

レギュラーシーズンで103勝をあげて勝率MLB1位になったドジャースとワイルドカードゲームでロッキーズを退けたダイヤモンドバックスの同地区対決となったNLDS。シーズンでの対戦ではダイヤモンドバックスが11勝8敗と勝ち越していたが、プレーオフではドジャースがダイヤモンドバックスを3連勝で破って次のステージに駒を進めた。このシリーズの注目点と活躍した選手を見ていこう。

 

注目点1 選手層の厚さの違い

このシリーズを見て感じたことは、ドジャースの選手層の厚さが凄まじいということだ。まず投手陣では、ドジャースではペドロ・バイエズがシーズンの途中までクローザーのケンリー・ジャンセンにつなぐまでのセットアッパーの役割を担っていた。しかしバイエズが9月に調子を大きく落としたため、クローザーのジャンセンに繋ぐまでどのような投手起用をするのか注目された。そこで抜擢されたのが、シーズンのほとんどを先発投手として過ごした前田健太だ。この配置転換が見事にハマり、4シームの球速はシーズン中には92マイルだったのが94.9マイルまで上昇。前田は2戦目に登板してダイヤモンドバックスの中軸を見事に抑え、続く第3戦も好投してチームを勝利に導いた。一方野手陣でドジャースの選手層の厚さを支えていたのはルーキーのオースティン・バーンズだろう。バーンズは怪物ベリンジャーに隠れた存在だったが、新人王資格を有する選手の今シーズンのWARランキングではナ・リーグ3位の実力者である。バーンズの最大のストロングポイントはキャッチャーとセカンドのポジションをこなせることだろう。これにより昨年までは控え捕手がカルロス・ルイーズだったキャッチャーとベテランのチェイス・アトリーとローガン・フォーサイスを併用していたセカンドの底上げができた。バーンズはBaseball Prospectus集計のフレーミングランキングでも6位につけるなど控えに置いておくには勿体無い選手で彼の登場で質の高いターンオーバーが実現できるようになった。

一方ダイヤモンドバックスはロングリリーフをこなすはずのランドール・デルガドが60日DLに入った影響もあり、投手陣のやりくりに苦戦していた。初戦に先発したタイワン・ウォーカーがドジャース打線につかまり1回を持たずに降板したのも痛かった。全体的にブルペンの質で負けていたダイヤモンドバックスが、先発投手が早い回で降板した際に長いイニングを消化できるデルガドを欠いたのはボディーブローのように効いていった。第3戦で調子が悪かったグレインキーを交代させず続投させたが、バーンズにHRを打たれたのはダイヤモンドバックス投手陣の運用が難しかったことをよく表していただろう。