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2019 NLCS Review : STL vs WSH

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リーグ中部地区を制したセントルイス・カージナルスとワイルドカードから勝ち上がってきたワシントン・ナショナルズの組み合わせとなった今年のNLCS。勢いに乗る両チームの対戦はスウィープという一方的な展開で幕を閉じた。今回は「不安要素」という観点からこのシリーズを振り返る。

 

「ナショナルズの不安要素」

レギュラーシーズンの期間中ナショナルズの不安要素は常にブルペンだった。リリーフ防御率はメジャーワースト2位の5.68と非常に悪く、ブルペンで試合を落とすことも多かった。そのためナショナルズはポストシーズンに入ってからは強力な4枚の先発陣をリリーフ起用するなど信頼できる投手のみを繋いでの継投で勝ち上がってきた。そしてリリーフ防御率メジャー5位の3.88を誇るカージナルスとの対戦となった今シリーズ。ナショナルズは絶対にブルペン勝負に持ち込ませたくなかったはずだ。そんなナショナルズにとって「先発投手が長いイニングを投げること」、「先取点を取り、試合を有利に展開すること」、この2つを達成出来たことがNLCSの何よりの勝因だろう。ここからはこの観点から1試合単位で振り返る。

 まずはGame1。先発のアニバル・サンチェスが8回途中までノーヒットピッチングと完璧なピッチングを見せ、打線も2回に先取点を奪うなど理想的な展開で勝利を収めた。続くGame2でも先発のマックス・シャーザーが7回を1安打投球、打線も3回と早い段階でリードを奪った。

ホームに移ったナショナルズの勢いは加速し、Game3では打線が奮起。5回までに6得点とカージナルス先発のジャック・フラハティを攻略した。先発のスティーブン・ストラスバーグも7回を1失点に抑えるなどカージナルスに付け入る隙を与えなかった。Game4でも打線の勢いは止まらず、初回に6本のヒットを集め、7得点。先発のパトリック・コービンは5回4失点と本調子ではなかったが、初回のリードをブルペンが守り抜いた。

このようにナショナルズは全ての試合で先取点を奪ったことでビハインドの展開を一度も作らず、先発投手がGame4を除いて最低7回は投げ抜くなど、ブルペンに勝敗をゆだねるような展開には終始持ち込ませなかった。そして不安要素のはずだったリリーフもこのシリーズでは9イニングを投げ、打たれたヒットはわずか3本、1失点のみと完璧な内容で先発投手の活躍に応えた。このシリーズをスウィープで終わらせたナショナルズは先発投手陣を休息させることができ、更にリリーフも調子が上向くなど完璧な仕上がりでワールドシリーズを迎えることが出来そうだ。

 

2019 NLDS Review : ATL vs STL

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今年も遂にプレーオフのシーズンに突入した。今回はブレーブス対カージナルスが激突したナ・リーグの地区シリーズのレビューをお送りする。今回のコラムでは字数の関係等から敢えて各試合の詳細なレビューは省略する。その代わりに全体を通して、勝敗を分けたポイントに言及していきたい。最終的にカージナルスが第5戦で勝利を収め次のシリーズに進んだ。

 

まずは私がシリーズ開催前に考えていたこのシリーズの勝敗を分けそうなポイントを紹介したい。

 

初めはカージナルス側の視点で考えていきたい。カージナルスは混戦のナ・リーグ中地区を制した訳だが、その最大の立役者はジャック・フラハティだ。後半戦の防御率0.91はMLB全体で1位(70イニング以上投げた投手)で、一気にエースに成長した。シーズン最終戦でも7回無失点で見事にチームを地区優勝に導いている。

 

絶対的なエースがいる以上彼が投げる試合は、他の先発投手が投げる試合よりも勝てる確率が高い。さらに地区シリーズは最終第5戦までもつれた場合移動日が2日あるので、休養を取りやすい。そう考えれば、カージナルスとしてはフラハティの登板日である第2戦と第5戦は確実に取りたいところだ。裏を返せば、3勝のうち2勝をフラハティ登板日に確保できれば残り3試合のうち1試合で勝てば突破を決める事が出来る。

 

つまりフラハティ登板試合で確実に勝ち切る事と、その他の3試合では可能な限り勝利の確率を高める(そして最終的に勝つ)事がシリーズを突破する為に不可欠になるのではないかと見ていた。

 

一方のブレーブスとしても、フラハティ登板日が肝になる。現在絶好調のフラハティが登板する日で勝てなくても、それ以外の試合で勝てればシリーズ突破は可能。シリーズを突破する為に必要なものは先に3勝する事であり、必ずしもフラハティを攻略する必要はない。だから彼の登板日とそれ以外でメリハリをつけた選手(投手)起用が重要になると見ていた。