Tag Archives: ジョン・レスター
MLB 10-19 PLAYER RANKING 30-21

2020年を迎え、今シーズンも開幕が迫ってきた。2020年代という新たな時代を迎える前に2010年代を彩ったスタープレイヤーの活躍をランキング形式で振り返ることにする。ランキングはFar East Divisionメンバーによる投票で選定を行った物で、10年代の活躍のみを考慮して選定を行った。
30位 ライアン・ブラウン (10- MIL)
2007年のデビューから一線級の活躍を続けるミルウォーキー・ブルワーズを代表する5ツールプレイヤー。10年代は2度のトリプルスリー、11年にはチームを29年ぶりの地区優勝に導き、自身もMVPに輝いた。しかし当時から薬物検査で陽性反応が出ており、処分は受けていなかったが、13年には使用を認め、出場停止処分を受けたため、過去の栄光も偽りの記録として印象づけられてしまった。
29位 ホセ・バティスタ (10-17 TOR、18 ATL,NYM,PHI)
10年代前半のMLBを代表するパワーヒッター。10年に29歳と遅咲きながら54本塁打を記録、本塁打王に輝き、大ブレイクすると、そこから6年連続でオールスターに選出されるなどトロント・ブルージェイズの人気選手として一世を風靡した。16年以降は年齢により成績を落とし、18年は3チームを転々、18年9月を最後にメジャーの舞台からは遠ざかっている。
28位 ケンリー・ジャンセン (10- LAD)
MLB屈指のカッターを武器に強豪ロサンゼルス・ドジャースのクローザーとして君臨し続ける豪腕。デビューした10年からクローザーとして起用され、12年から本格的にクローザーに転向すると、10年代ではクレイグ・キンブレルに次ぐ、301セーブを記録した。10年代は大きな怪我も無く、安定感のある投球を披露したが、球速の低下に伴い、成績が悪化しており、20年代も変わらぬ活躍が出来るかは疑問が残る。
27位 コリー・クルーバー (11-19 CLE)
10年代に投手王国を築きあげたクリーブランド・インディアンズのエース。滅多に表情を変えないポーカーフェイスで豊富な変化球を制球良く投げ分け、14年からは5年連続で200投球回、200奪三振をクリア、14年と17年の2度のサイヤング賞に輝いた。ポストシーズンにも強く、16年のワールドシリーズではチームは敗退したが、自身は2勝を挙げるなど活躍を見せた。今シーズンからはテキサス・レンジャースでプレーする。
26位 フレディー・フリーマン (10- ATL)
チッパー・ジョーンズの引退以降、再建期もチームを引っ張ってきたアトランタ・ブレーブスの魂。不動の3番打者として勝負強い打撃を武器にチームを10年代で3度の地区優勝に導いた。しかし、ポストシーズンでは全て初戦敗退と結果を残せておらず、20年代はロナルド・アクーニャら若い選手が育ってきているチームを1995年以来の悲願のワールドシリーズ制覇に導きたい。
Weekly Report:Week-3

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今回から各部員のリレー形式で1週間のメジャーリーグを辿る。Week-3のキーワードは「クリス・セール」「ライアン・ヘルスリー」「ブルペンの不振が目立つブレーブスがキンブレル獲得に及び腰な2つの理由」「マイク・マイナー」「ブラッド・ケラー」「Kデービス契約延長」だ。
・クリス・セール
Written by Yu Kikuchi
昨年ワールドシリーズ王者のレッドソックスのエース、クリス・セール(LHP)が今シーズンここまで大きく苦しんでいる(ERA:8.50 04/16現在)。セールはオールスター7回、奪三振王2回を獲得するなど名実ともに球界を代表する投手である。今年の3月には5年$145Mで契約延長している。
ではなぜここまでの不調に苦しんでいるか筆者が分析してみた。
まずは今シーズンのセールの登板を振り返ろう。以下は今シーズンのGame Logである。
photo by mlb.com
開幕戦のvsSEA戦では3回7失点と大乱調。次のvsOAK戦では6回1失点とまずまずのピッチングをするも、奪った三振はわずか1つと本来のピッチングとは程遠かった。さらに次の2試合でも試合を作ることができず負け投手となっている。筆者はここまでの不調の原因はフォーシームと考えている。以下のデータを見て頂きたい。
フォーシームの平均球速は92.4mphと昨年より2.8mphも落ちている。その影響からか被打率は.524とかなり打たれていることがうかがえる。また、フォーシームの威力が落ちたことから伝家の宝刀のスライダーのK %も昨年の半分以下となっている。またWhiff %も軒並み落ちている。
*今シーズンのゲームごとのフォーシームの平均アベレージおよびMAX
3/28 92.3mph /94.5mph max
4/2 81.9mph/92mph max
4/9 91.8mph/94.7mph max
4/16 95.5mph/97.5mph max
以上のことからフォーシームのスピードダウンが不調の原因と考えた。
レッドソックスは4/18現在6勝13敗と地区最下位に沈み苦しいシーズンとなっている。先発陣が不調に陥っている(以下参照*)ことが原因と考えられる。同地区のレイズが好調でまた、故障者の多いヤンキースが踏ん張っているだけにこれ以上離されない為にはセールの復調が必要不可欠である。16日のNYY戦では負けはしたものの、平均球速が本来のスピードに近づいており、次回以降の登板に期待がもてそうだ。
*レッドソックスの先発投手陣(4/18現在)
クリス・セール(LHP) 0勝4敗 ERA8.50
デビット・プライス( LHP) 1勝1敗 ERA3.79
リック・ポーセロ(RHP) 0勝3敗 ERA11.12
ネイサン・イオバルディ(RHP) 0勝0敗 ERA6.00
エドゥアルド・ロドリゲス(RHP) 1勝2敗 ERA7.98
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Weekly Report :Week7

3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-7のキーワードは「ジェームズ・パクストン」「スティーブン・ピスコッティ」「マット・ハービー」だ。
・ジェームズ・パクストン
現地時間5月8日に今季3度目のノーヒットノーランがありました。達成したのはマリナーズの左のエースであるジェームズ・パクストンです。ノーヒッターは既にショーン・マナエアとドジャース投手陣によって達成されています。今回はパクストンのノーヒッターに関連する様々な記録を紹介したいと思います。
・マリナーズの投手によるノーヒッターは2015年にオリオールズ戦で達成した岩隈久志以来で6例目です。アウェイゲームでマリナーズの投手がノーヒッターを達成したのは、パクストンが初めてとなりました。過去に達成しているのは、ランディ・ジョンソンや”キング”フェリックス・ヘルナンデスらチームの伝説が並びます。
・今回のノーヒッターで、今年達成されたノーヒッターはアメリカ、メキシコ、カナダと3国で達成されたことになります。もちろんこれは史上初の出来事です。野球のグローバル市場での人気獲得を狙っているMLB機構としては、話題を呼ぶノーヒッターが様々な国で達成されるのは喜ばしいことだと言えるでしょう。また来年はシーズンの試合をロンドンで開催することが正式に決まりました。
・パクストンはカナダ出身ですが、カナダ出身選手によるノーヒッターはディック・ファウラー以来2人目となります。またパクストンは2010年にマリナーズに入団していますが、実はその前年2009年には今回の対戦相手であるブルージェイズにドラフトで指名されています。
・ノーヒッターを達成されたブルージェイズは今回で5回ノーヒッターを達成されたことになります。今回の前は7年前に当時タイガースのジャスティン・バーランダーが達成しています。
・実は今回の試合と同じ日に完全試合の可能性があった試合がありました。ナショナルズvsパドレス戦でナショナルズ先発ジェレミー・ヘリクソンが6回まで完全試合を続けていました。ナショナルズはヘリクソンの好調もあって5月に入って絶好調。さらに開幕から欠場が続いているダニエル・マーフィーが戻れば勢いは加速するでしょう。
Weekly Report:Week-3

3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-3のキーワードは「アフリカ人メジャーリーガー」 「アルバート・プホルス」 「ナショナルズ打線」だ。
・アフリカ人メジャーリーガー
メジャーリーグ界に新たな歴史が刻まれた。現地時間の26日、ピッツバーグ・パイレーツのギフト・ンゴペがアフリカ生まれの選手として初めてメジャーデビューを果たしたのである。ンゴペは試合途中からセカンドのポジションに入ると4回に初打席ではカブスのエースであるレスターのボールをセンターにはじき返し初打席で初ヒットを記録した。その後も打ち続け、30日の試合終了時点で打率.500を記録するなど素晴らしいスタートを切っている。
しかし彼の野球人生は決して順調なものではなかった。ンゴペは南アフリカ出身で彼の母がグラウンドキーパーとして働いていた野球チームの近くで生まれた事も影響し野球を始める。2008年、彼の才能にパイレーツが目を付け、彼のアメリカでの野球人生が始まった。持ち前の身体能力から守備や走塁でアピールしたが、荒削りな部分が多くなかなか結果が残せず苦しんでいた。2015年に初めてAAAに昇格しメジャーデビューの期待が高まったがなかなか声が掛からず、今回の昇格まで契約した2008年からは実に9年もの年月が経過していた。このような苦労もあったからだろう、初ヒットを放った際には塁上でホッとしたしたような表情をしていたように感じる。
試合後のインタビューでは「今日の出来事は自分だけでなくアフリカ全体にとって特別なこと、16億人(アフリカ大陸の総人口)の中で初めての人になったことは驚くべき事だ。」と語った。WBCの開催などもあり、メジャーリーグでは近年急速に国際化が進んでいる。ドラフト指名を今までの3カ国に絞らず、世界中に広げるインターナショナルドラフトなども噂される現在、今回のンゴペのデビューは今後のメジャーリーグにとっても大きな出来事になるかもしれない。
2017 Team Preview:シカゴ・カブス

*40人ロースターはリンクより参照
*SP横*マークはローテーション候補の意味を示す
本拠地:リグレー・フィールド
レフト | 108.2m |
センター | 121.9m |
ライト | 107.6m |
フェンス高さ | 3.5~4.6m |
安打 | 92.8 |
ツーベース | 93.0 |
スリーベース | 104.5 |
HR | 81.9 |
得点 | 87.4 |
・予想オーダー
1.カイル・シュワーバー:LF
2016年は左膝靭帯の怪我によって2試合の出場にとどまったが、ワールドシリーズで復帰。守備はできなかったが代打や敵地でのDHとして打率.412&2打点を記録、チームを勢いづけワールドチャンピオンに大きく貢献した。走塁には期待できないが、スプリングトレーニングでは1番打者として多く出場。
2.クリス・ブライアント:3B
.292/.385/.554&39HR&102打点。文句なしの打撃成績でチームをワールドチャンピオンに導きMVPを獲得。新人王の翌年にMVP獲得はMLB史上4人目の快挙だった。前年に比べて単純に打率、本塁打、打点等が向上したことに加えて、課題と言われていた三振数は199→154に減少、16年にOPS.797&6HRと苦手だった対左投手もOPS1.060&14HRと完全に克服。さらに守備では3Bを中心に1B/3B/SS/LF/CF/RFと複数ポジションを守る器用さを見せる。盗塁数は8個ながら走塁の評価も高い。抜群のルックスに真面目な性格など非の打ち所がない次世代のスーパースターは2017年、更なる高みを目指す。
3. アンソニー・リゾー:1B
OPS.928&32HR、DRS+11。シルバースラッガー賞にゴールドグラブ賞&プラチナグラブ賞を獲得するなど、打撃でも守備でもチームを引っ張りMVP投票では4位に入った。怪我をせず離脱をしないことも大きな魅力。今季もブライアントと共に2年連続ワールドチャンピオンに向けて攻守の中心を担う。
4. ベン・ゾブリスト:2B
15年KC時代に続いて16年はカブスで2年連続のワールドチャンピオンに輝いた。ワールドシリーズ第7戦延長10回表には勝ち越しタイムリー二塁打を打ちワールドシリーズMVPも獲得。35歳となったが、16年も1B/2B/SS/LF/RFを守り持ち味のユーティリティーさは健在。打撃成績も安定しておりまだまだチームには欠かせない存在だ。
5. アディソン・ラッセル:SS
長打力が向上し21HRを記録。自慢の守備ではDRS+19はブランドン・クロフォード(SF)と並んでMLBトップタイ。UZRも+15.4と、22歳にしてSS守備は球界屈指のレベルを誇る。得点圏打率.251と平凡ながら前を打つ打者が軒並み出塁率が高かったことも原因か、95打点と打点を稼いだ。今季もブライアント、リゾー、ゾブリストらをホームに返す役割を果たしたい。
6. ジェイソン・ヘイワード:RF
8年1億8400万ドルの大型契約で入団するも、期待通りの守備を見せる一方で打撃は全くの期待外れだった。メインのRF守備はDRS+14、UZR+16.4、CF守備でもプラスの指標と相変わらずの堅守でチームに貢献。しかし打撃では自己最低のOPS.631&7HRと年俸に見合った成績は残せなかった。ただ、不振に苦しみながらも1年間外野を守り抜いた点や、ワールドシリーズ第7戦の雨天中断中にチームを鼓舞するなど精神面などでワールドチャンピオンに貢献したと言える。今季こそは打撃復活を期待したい。
7. ウィルソン・コントレラス:C
6月19日PIT戦でのMLB初打席初ホームランでの衝撃デビューから出場機会を増やし、今季は正捕手として期待される24歳。76試合でOPS.845&12HRと打撃で結果を残し、盗塁阻止率37.1%、DRS+1と守備面でも存在感を示した。デビット・ロスが引退し、攻守両面で正捕手として勝利に導きたい。
8. アルバート・アルモラJr.:CF
16年にMLBデビューを果たした22歳。不動の1番CFとして活躍したデクスター・ファウラーが同地区のライバルSTLへと移籍したため、CFのポジションを新加入のジョン・ジェイと争う。守備は既にMLBでも高いレベルにあることは昨年証明済みで、課題は打撃。将来は5ツールに加え、マイナー時代から高く評価されるリーダーシップも兼ね備えた6ツールプレーヤーになることが期待される。
9. 投
UT. ハビアー・バイエズ
予想開幕スタメンには入らなかったが、控えと言うにはもったいない存在。16年は打率.273&14HR&59打点をマーク。2BではDRS+11を記録、野手へのタッチは天才的なスピードを誇り、守備面でも欠かせない存在に。WBCでもプエルトリコ代表として経験を積んだ。2B/3B/SSを守れる点も含め、レギュラーの休養日や、ゾブリストやブライアントを外野に回してのスタメンでの出場機会は多くあるだろう。気持ちを前面に出したプレーでチームを盛り上げたい。