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スタントンがヤンキースへトレード、ジャッジと本塁打王コンビを結成へ

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日本時間の9日、遂にマイアミ・マーリンズのジャンカルロ・スタントンがトレードされた。移籍先はニューヨーク・ヤンキース。これによりアーロン・ジャッジとのホームラン王コンビが誕生した。

流れを振り返ると次のようになる。当初、スタントンの獲得レースはセントルイス・カージナルス、サンフランシスコ・ジャイアンツの2チームが一歩リードと見られており、大筋で合意の段階にまで達していた。しかし、スタントンは自身の持つトレード拒否権を行使し、ヒューストン・アストロズ、シカゴ・カブス、ロサンゼルス・ドジャース、そしてヤンキースの4チーム以外のチームへのトレードは認めない方針を固めた。振り出しに戻ったかに見えたスタントンのトレードだったが、事態は急速に進展する。ヤンキースが本腰を入れてスタントンにアプローチしたのだ。去年からコンタクトを取っていたという噂もあり、一気に現実味を帯びた。ドジャースもアプローチしていたが、エイドリアン・ゴンザレス、スコット・カズミア、ブランドン・マッカーシーのうちいずれかの選手を含めようとしていたため、破談となった。結果としてマーリンズは最優先事項であるサラリーダンプをしつつ、質の高いプロスペクトが得られるヤンキースをトレード相手として選んだ。

トレードの内容は次の通りになる。

ヤンキース獲得

・ジャンカルロ・スタントン(20年オフオプトアウト可)

・3000万ドル(スタントンがオプトアウトしなかった場合マーリンズから支払われる)

マーリンズ獲得

・スターリン・カストロ(19年オフFA)

・ホルヘ・グズマン(RHP/21)

・ホゼ・ディバース(SS/18)

グズマンはチーム内プロスペクトランキング9位のパワーピッチャー。ディバースはレッドソックスのラファエル・ディバースの従兄弟にあたる遊撃手。

 

 

これまでスタントンのトレード成立までの過程、内容を振り返ってきた。その年のMVPがトレードされたのはアレックス・ロドリゲス以来で、またしてもヤンキースが獲得した。賛否両論あるが、このトレードはチャンス・アダムス、クリント・フレイジャーらのトッププロスペクトを保護しつつ、スタントン程の選手を獲得出来たヤンキースの勝ちと言って良いだろう。一方マーリンズは負債を少しでも減らすため、またしても自チームの看板をトレードする形となってしまった。クリスチャン・イェリッチ、マーセル・オスーナもトレードする可能性もあり、今後の動きに注目する必要があるだろう。

 

Text by Ryoto Nobe

 

写真:https://www.flickr.com/photos/cornfarmer/28624960726/

Weekly Report:Week-23

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3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-23のキーワードは「トレイ・ターナー」「ブライアン・ドージャー」「リッチ・ヒル」だ。

  •  ターナー

本では広島カープが25年ぶりとなるリーグ優勝を決めた。その原動力となったのが、 緒方孝市監督に「神っている」と言わしめた鈴木誠也だ。鈴木は走攻守3拍子揃った選手で、ここまで打率.333、本塁打26、盗塁16と素晴らしい活躍を披露している。

今、海を越えたメジャーリーグで「神っている」と形容するにふさわしいのは、トレイ・ターナー(WSH)しかいないだろう。

ターナーは鈴木と同じくプロ入り時には遊撃を守っていたが、現在は外野に回ってブレークイヤーを辿っている。また、赤いユニフォームのチームでプレーする右投げ右打ちの若手選手という共通点も興味深い。

ターナーは「スピードレーサー」との異名を持つ俊足が武器の選手で、シュアな打撃と合わせて大学時代から有望視されていた。14年のドラフトで1巡目指名を受けると、以降マイナーでは4年連続で打率3割をクリアしている。今季は3Aで81試合に出場し、打率.302&盗塁25の活躍でメジャー昇格を果たすと、不調のベン・リビアに代わって「1番センター」のレギュラーを奪い取った。

特に8月は打率.357、OPS.937、盗塁11と素晴らしい成績を残し、月間最優秀新人にも選ばれた。シーズンでも52試合に出場して打率.345、本塁打8、盗塁21、OPS.925とマイナー時代を上回る活躍を見せている。ちなみに160試合に換算すると本塁打24、盗塁64、安打236というMVPも狙えるペースだ。

連日「神っている」活躍を見せているターナーだが、中でも現地9月9日の試合はターナーの独壇場となった。1点リードで迎えた7回にツーランホームランを放つと、その後同点に追い付かれて迎えた9回にはセンターにサヨナラホームラン。地区優勝へのマジックを14に減らした。この試合で自身初となるマルチホームランをマークするなどパワー面で成長を見せているターナー。「僕はホームランバッターではないけど、パワーが増しているのを実感しているよ。これは打撃フォームのおかげだね。スイングがよくなってボールを飛ばす力が増したんだ」と自己分析している。

前半戦は1番バッター&センターのOPSがいずれも両リーグワースト2位と悩まされてきたナショナルズだが、ターナーの台頭により「1番センター」の座は埋まった。一足先に優勝を決めた広島カープを追いかけて、トレイ・ターナーの全力疾走は止まらない。

 

Weekly Report: Week-1

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3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-1のキーワードは「トレバー・ストーリー」「ドジャースのルーキー先発投手」「ゲッツー崩し禁止ルール」だ。

 

  • トレバー・ストーリー

幕戦、ルーキーがいきなりホームランを放つ。これだけでも大きな話題になる。1試合に2本ならなおさらだ。

 彼はその程度では収まらなかった。開幕戦の2本の後も打ち続け、第3号第4号と立て続けにアーチを描き、なんとルーキーで開幕から3試合連続でのホームランを達成。第4号ホームランの後、コロラドの地元放送局のブースでは実況アナウンサーが「言葉にならない」と大絶賛。解説者までが「俺はシングルヒットが見たいよ!」とまで言い出す始末。コロラドのみならず全米にたった3試合でトレバー・ストーリーの名を轟かせた。

 

 

これだけでは終わらなかった。ホーム、クアーズ・フィールドに場所を移したSD戦、ストーリーはさらに2本のアーチをマイルハイの空に描く。開幕から4試合連続してのホームランはルーキーとしてはもちろんのこと史上初。

過去に達成した選手はウィリー・メイズ、ネルソン・クルーズ、クリス・デービスのたった3名と、そうそうたる面子がそろっている。彼もまた、こういった選手達のような大選手になっていくことだろう。

 

※追記:開幕5試合目は無安打だったものの、次の試合で第7号ホームランを放った。

 ストーリーは1992年11月15日にテキサス州アービングに生を受けると、そのまま地元のアービング高校に進学。高校では現在のポジションであるショートの他にもピッチャーとしてプレーしており、ストレートの球速は96マイル(154キロ)を記録する二刀流プレーヤーとして名を馳せた。

2011年ドラフト、ロッキーズは全体45位でストーリーを指名。これがロッキーズの2011ドラフト初指名となった。彼にはルイジアナ州立大のコミットメントがあったものの、進学はせずにロッキーズと契約。翌年にはA級サウス・アトランティック・リーグで打率.277、18本の成績でシーズン終了後に選ばれるリーグのオールスターに選出。当時のロッキーズには不動のショートであるトロイ・トゥロウィツキーがいたため、マイナーリーグではセカンドやサードでの出場機会も増え始めていた。

2015年はAA級からスタートし、7月1日にAAA級に昇格。この年、トゥロウィツキーはブルージェイズにトレードされ、ストーリーもAAとAAAの成績を合わせて出塁率.350、および20本塁打を記録し、フューチャーズ・ゲームに選出される。

そして今年、2016年、開幕前のホゼ・レイエスの逮捕劇などもあり、開幕レギュラーの座を勝ち取った。

 

 

彼のスター街道の物語はまだ始まったばかりだ。

この開幕4試合6本塁打だって、彼が残す壮大な歴史の中の最初の1ページに過ぎないのかもしれない。