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Weekly Report : Week-10

Craig Kimbrel, Christian Vazquez

 

 

 

 

 

 

 

Photo: http://bit.ly/2Z70TtE

 

 

カブスとキンブレルの契約の裏側 

Written by Yuichi Ando

昨年オフから長く続いた未契約期間を終えて、FAだったダラス・カイケルとクレイグ・キンブレルがそれぞれブレーブスとカブスとの契約に合意した。今回は特にキンブレルの契約の裏側に触れながら、今後の注目点を紹介していきたい。

 

昨年2018年はキンブレルにとって少し厳しいシーズンとなった。圧倒的な成績だった2017年からは全体的にスタッツが悪化した上に、プレーオフで打ち込まれワールドシリーズの胴上げ投手になれなかった。

 

しかしキンブレルは9年間のキャリアで7回もオールスターに選出されている実力派だ。だから彼は1億ドルを超える高額オファーを各球団に要求したが、ついに納得できるオファーを受けなかったのでシーズンが開幕しても浪人という形になっていた。

 

その後も今年はブルペンの防御率が先発投手の防御率より悪いという異常事態がありながらも各球団は契約に至らないままドラフトを迎えた。

 

各球団がドラフトまで契約に地団駄を踏んだ最大の要因はドラフトであった。キンブレルはクオリファイング・オファーを受けた選手であり、彼を獲得した球団は6月のドラフトで指名権の一部を奪われる。6月のドラフト後に契約すれば、このルールは適用されないからチームはドラフトが終わるのを待った。そして見事にドラフト最終日にキンブレルが契約に合意とのニュースが流れたのだ。

 

キンブレルは3年4300万ドルでカブスと契約した。彼には多くのチームが興味を示しており、ドジャース・メッツ・フィリーズらも契約の可能性はかなりあった。またツインズも2年契約を提示して対抗していて、古巣のブレーブスも興味を示したが多くのチームは1年契約を望み複数年を望んだキンブレルとの溝を埋められなかった。

 

そんな中で3年契約を提示したのが、カブスとレイズだった。最終的にはレイズの条件よりカブスの条件が良かった事で、キンブレルはカブスを選択した。カブスは贅沢税回避のために大型契約を抱えられない状態だったが、妻の不倫が発覚して制限リストに入ったベン・ゾブリストの今季の残り年俸$9Mが浮く事で契約が可能になった。ゾブリストの$9Mとキンブレルの今季年俸$10Mが相殺される形になっている。

*制限リストに登録された選手はその期間年俸を受け取れない。

 

カブスは昨年クローザーを務めたブランドン・モローが右肘の故障で開幕から故障者リストに入っていて、今年はここまでクローザーを固定できていない。

10イニング以上投げているリリーバーは9人いるが、ブランドン・キンツラーとスティーブ・シシェック以外の7人は防御率が4点台以上と苦しんでいる。さらにブルペン全体のK/9は 8.99でナ・リーグ12位と支配力に欠ける状態が続いていた。このような状況がキンブレル獲得を後押ししたのは間違いない。キンブレル加入でこれまで落としてきた接戦を勝ちきれるようになれば、カブスが混戦のナ・リーグ中地区で抜け出す可能性も一気に上がるだろう。