Tag Archives: ダスティン・ペドロイア
Weekly Report:Week-25

3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-25のキーワードは「ボストン・レッドソックス」「地区優勝」「ホセ・フェルナンデス」だ。
・レッドソックス
ボストン・レッドソックスの勢いが止まらない。
レッドソックスは目下11連勝中であり、世界一に輝いた2013年以来の地区優勝に向けて一丸となっている。この連勝が始まる前、レッドソックスは地区首位に立っていたものの2位のトロント・ブルージェイズとは1ゲーム差、3位のボルティモア・オリオールズとは2ゲーム差、4位のニューヨーク・ヤンキースとは4ゲーム差という混戦の中から脱せずにいた。しかし、この11連勝を経て2位のブルージェイズに5.5ゲーム差をつけマジックナンバーを2にまで減らすなど地区優勝目前のところまできた。
今シーズンのレッドソックスの強みはなんといっても打線である。
最も躍進したのはセンターからライトへ転向したムーキー・ベッツであろう。今季は自身初の200安打を達成。さらには打率.321、31本塁打、109打点、26盗塁、OPS.905と主軸として申し分のない成績を残している。残り試合の活躍次第ではトリプルスリーの達成も夢ではない。
また、今シーズン限りでの引退を表明しているデビッド・オルティスも引退年とは思えない成績を残している。OPS1.039はメジャートップであり自身5度目の3割30本100打点クリアを確実なものとしている。そのほかにも200安打を射程圏内にとらえているダスティン・ペドロイアや100打点をクリアしているハンリー・ラミレス、100得点を記録しているザンダー・ボガーツ、デビューイヤーながらOPS.893を記録して来シーズン以降のレギュラー定着が期待されるアンドリュー・ベニンテンディなど豊富なタレントが揃っている。
投手陣に目を向けてみるとエースとして期待されたデビッド・プライスが218イニングを投げ17勝8敗、222奪三振とイニング、勝利、三振を稼げる投手として十分なピッチングを披露しているほか、昨年不振に喘いでいたリック・ポーセロが覚醒。217イニングを消化し、22勝4敗で防御率はリーグ3位とサイヤング賞候補としても名前が上がるまでになった。
中継ぎ陣も守護神のクレイグ・キンブレルはセーブ成功率93.8%、上原浩治はここにきて13試合連続無失点、ブラッド・ジーグラーは移籍後29試合で防御率1点台を記録するなど安定している。
投打で軸がしっかりしているレッドソックスは10連勝を飾った9月24日に地区優勝よりも一足早くプレーオフ進出を決めた。ビッグパピの長い旅路の終わりにはどんな結末が待っているのだろうか。このチームからはまだまだ目が離せなさそうだ。
2016 Team Preview:ボストン・レッドソックス

*40人ロースターはリンクより参照
*SP横*マークはローテーション候補の意味を示す
- 本拠地:フェンウェイパーク
レフト | 94.5m |
センター | 118.9m |
ライト | 92m |
フェンス高さ | 0.9~11.3m |
安打 | 110.3 |
ツーベース | 128.1 |
スリーベース | 103.1 |
HR | 97.1 |
得点 | 119.1 |
- 予想オーダー
1. ムーキー・ベッツ:RF
外野転向をきっかけに出場機会を掴むと一気にブレーク。145試合に出場して打率.291、本塁打18、盗塁21をマークし、チームトップのfWAR4.8を叩き出した。また不慣れなはずの外野守備でも美技を連発しDRS+10をマーク。特にシーズン最後の1か月を打率.358、OPS.998と最高の形で締めくくっており、今季は開幕からフル回転が期待される。ボウリングが特技でオフにはパーフェクトゲームも達成。
2. ダスティン・ペドロイア:2B
チームの看板選手も昨季は故障に泣かされ、93試合の出場に終わった。それでも打率.291、本塁打12、OPS,797と成績自体は悪くなかった。 しかし、2盗塁&DRS-3はメジャー定着後最悪の数字で、故障の影響&加齢による劣化が心配される。BOSで100ホーマー&100盗塁を達成しているのは元三冠王のマイク・ヤストレムスキーとペドロイアの2人だけ。
3. ザンダー・ボガーツ:SS
メジャー3年目のシーズンでついに覚醒。156試合に出場し打率.320、本塁打7、盗塁10の活躍でシルバースラッガー賞を受賞。ブレークのきっかけは仕掛けを早くしてコンパクトな打撃を心掛けたことで、本塁打&四球数は減少したが、23.2%→15.4%に三振率が大幅に改善され逆方向への打球が増えるなどフィールド全体を扱うことができるようになった。 守備でも成長著しくDRSを-7から±0に改善した。
4. デービッド・オルティズ:DH
キャリア20年目を機に今季限りでの引退を表明している大ベテラン。昨季は打率.273、本塁打37、打点108と3年連続で30ホーマー&100打点をクリアするなど39歳を迎えても衰える様子は一切なし。ラストイヤーについては「俺はまだ飢えてるんだ。ワールドチャンピオンのためにできることは何でもする。この1年を気晴らしにするつもりはないよ。」とコメント。
5. ハンリー・ラミレス:1B
4年$88Mの大型契約でBOS入りも、移籍初年度は攻守に散々なシーズンに。3~4月は21試合で10ホーマー&OPS.999と気を吐いたが、その後は故障などもあり大不振。キャリアワーストとなるfWAR-1.8を記録し、チームに全く貢献できなかった。特にコンバートされたLF守備では打球処理に苦しみDRS-19、UZR/150-31.9とボロボロだった。今季は1B転向で心機一転を図りたい。
6. パブロ・サンドバル:3B
5年$95MでBOS入りも、移籍初年度はラミレス同様キャリア最悪のシーズンを辿った。メジャー定着を果たした09年以降最悪となる打率&出塁率&長打率&OPS&本塁打数&四球率&三振率をマークし、fWAR-2.0は規定打席到達者ではメジャーワーストの数字だった。守備でもDRS-11、UZR-16.9と大幅に悪化。春季キャンプでは、たるみきったボディを披露し地元紙から批判を浴びた。
7. ルスネイ・カスティーヨ:LF
キューバ出身で、14年に7年$72.5Mの契約を結びBOS入り。抜群のスピードとシュアな打撃をウリとしているが、ルーキーイヤーとなった昨シーズンは80試合で打率.253、本塁打5、盗塁4、OPS.647と少し物足りない結果に。四球率4.5%とフリースインガーであり、足を生かすためにも選球眼を磨いていきたいところだ。外野守備での動きはぎこちないが、DRS+15、UZR+10.4と大健闘。
8. ブレーク・スワイハート:C
昨季メジャーデビューを果たすと一気に正捕手の座を掴んだ若手有望株。滑らかなスイングから広角に打ち分ける典型的なナチュラルヒッターで、8月以降は打率.359と完全にメジャーに適応。一方でスイッチヒッターながら左投手の対応に苦しんでいるためクリスチャン・バスケスやライアン・ハニガンらとプラトーンの起用が予想される。総合格闘技の大ファン。
9. ジャッキー・ブラッドリーJr:CF
高い身体能力に支えられたゴールドグラブ級の外野守備が最大の魅力。昨季は10ホーマー&OPS.832と課題の打撃でも覚醒の兆しを見せた。しかし三振率27.1%と確実性に不安があり、今年も昨年同様の成績が残せるかは疑問。自慢の守備ではDRS+8、UZR+10.1と相変わらずの素晴らしい内容。引退後はスポーツ用品店を営みたいと考えている。