Tag Archives: デビッド・ダール

Weekly Report: Week-17

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3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-17のキーワードは「アレックス・ディッカーソン」「トレイ・ターナー」「デビッド・ダール」だ。

 

  • ディッカーソン

ルビン・アップトンJr(TOR)のトレードを1番喜んでいるのは間違いなくこの男だろう。アレックス・ディッカーソン。サンディエゴ・パドレスの背番号1を背負った26歳のルーキーだ。

ディッカーソンは、アップトンのトレード話が加速した米国24日の試合から”代役”としてレフトで出場すると、そこからなんとパドレスのルーキー史上初となる4試合連続ホームラン。さらに27日の試合からは4番を任されている。

日本ハムファイターズでもプレーした現パドレス監督のアンディ・グリーンは、「バットスピードも良いし、アプローチも良い。どんどん良いバッターになっているよ」とディッカーソンを絶賛した。ディッカーソンは大手媒体のプロスペクトランキングでこそ目立たない存在だったが、マイナーで3年連続打率3割をクリア、通算でも打率.309をマークしている好打者だ。特に今シーズンは3Aで62試合出場して打率.382&本塁打10&OPS1.047と素晴らしい成績を残していた。

「記録を追いかけていくのは楽しいことだよ」とディッカーソン。チームは地区4位と沈んでいるが、2002年のテキサス・レンジャース(27試合)に次ぐ25試合連続ホームランという大記録を打ち立てた。大学時代の10年にはカンファレンスの三冠王、12年にはフロリダ・リーグ(A+)のMVP、13年と15年にはそれぞれイースタン・リーグ(2A)&パシフィック・コースト・リーグ(3A)の新人王に輝いた。そして今回の4試合連続ホームランと常に記録と共に野球人生を歩んできたディッカーソン。次に彼が打ち立てる記録は何だろうか?ディッカーソンのキャリアはまだ始まったばかりだ。

2016 Midseason TOP 50 Prospects

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*レポートはチーム別リストを参照。

2016 Midseason TOP 50 Prospects
ランク 名前 チーム ポジション
1 ヨアン・モンカダ BOS 2B
2 アレックス・ブレグマン HOU SS
3 アレックス・レイエス STL RHP
4 アンドリュー・ベニンテンディ BOS OF
5 フリオ・ウリアス LAD LHP
6 ルーカス・ジオリト WSH RHP
7 タイラー・グラスノー PIT RHP
8 クリント・フレーザー CLE OF
9 デビッド・ダール COL OF
10 J.P.クロフォード PHI SS
11 オースティン・メドウズ PIT OF
12 ビクター・ロブレス WSH OF
13 ブレンダン・ロジャース COL SS
14 オーランド・アルシア MIL SS
15 トレイ・ターナー WSH SS/2B
16 アンダーソン・エスピノーザ BOS RHP
17 アメド・ロザリオ NYM SS
18 ホゼ・べリオス MIN RHP
19 ウィリー・アダムス TB SS
20 ジョシュ・ヘイダー MIL LHP
21 フランクリン・バレット OAK SS
22 グレイバー・トーレス CHC SS
23 オジー・アルビース ATL SS
24 マニュエル・マーゴ SD OF
25 コディ・べリンジャー LAD 1B
26 ブレント・ホニーウェル TB RHP
27 アミーア・ギャレット CIN LHP
28 フランシス・マルテス HOU RHP
29 ジョー・マスグローブ HOU RHP
30 イアン・ハップ CHC 2B/OF
31 ダンズビー・スワンソン ATL SS
32 アーロン・ジャッジ NYY OF
33 エロイ・ヒメネス CHC OF
34 ハンター・レンフロー SD OF
35 ラウル・モンデシー KC SS
36 フィル・ビックフォード SF RHP
37 カイル・タッカー HOU OF
38 ブラッドリー・ジマー CLE OF
39 ホゼ・デレオン LAD RHP
40 ジェフ・ホフマン COL RHP
41 ゲリー・サンチェス NYY C
42 ニック・ウィリアムズ PHI OF
43 ヤディアー・アルバレス LAD RHP
44 アレックス・バードゥーゴ LAD OF
45 ジョーイ・ギャロ TEX 3B/OF
46 ショーン・リードフォーリー TOR RHP
47 ホルヘ・マテオ NYY SS
48 トレイ・マンシーニ BAL 1B
49 レイナルド・ロペス WSH RHP
50 クリス・パダック SD RHP

 

Text by Haruki SAKURAI
写真:https://flic.kr/p/eaMBNc

2016 Futures Game Preview:アメリカ代表

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 アメリカでは現地時間10日にプロスペクトの祭典『フューチャーズゲーム』が開催される。今回はそれに先立ってロースター及び予想オーダーを紹介する。これを読んでおけば『フューチャーズゲーム』がより楽しめるはずだ。さらに観戦時に選手名鑑の代わりに使ってもらえれば幸いだ。

  • 予想オーダー

 

1.クリント・フレーザー(CLE):LF
随所に高いポテンシャルを見せる外野手。 昨シーズンはA+のリーグで最多安打と最多二塁打をマーク。16本塁打も2番目に多い数字だった。素晴らしいバットスピードにより長打を量産することが可能でまだまだパワーは伸びる余地を残している。ストライクゾーンをコントロールする能力が高く、高出塁率を残せるが、ブレーキングボールを空振りする場面が多く三振数は非常に多い。スピードツールも平均以上で年間20盗塁を狙えるレベル。CFを守れる能力を有しているがチームメートのブラッドリー・ジマーにCFを譲っているためRFとしての出場が多い。

2.デビッド・ダール(COL):CF
 将来の5ツールプレイヤー。内角も上手くさばけるヒッティングスキルは卓越しており、広角にラインドライブの打球を打つことができる。パワーもプラス評価を得ておりメジャーで20~25本塁打をマークすることが可能とも。積極的すぎて四球が少なく低出塁率なのがもったいない。スピードも平均以上で広いレンジをカバーすることができ、肩も強く、送球も正確なCF守備はゴールドグラブを狙えるレベル。如何に健康を保つかがカギ。

3.アレックス・ブレグマン(HOU):2B
昨ドラフト全体2位指名の攻撃型内野手。小柄ながらも力強いスイングでスタンドインの打球を量産する姿はダスティン・ペドロイア(BOS)を彷彿とさせる。かといって打撃は荒くなくBB/K=44/33をマークしアプローチにも優れている。 高校時代からアメリカ代表に選ばれ続けていることもあってメークアップの評価も高い。あえて不安を述べるとするなら守備位置をどうするかだけだが、それでも2B/SS/3Bいずれも平均程度に守れる能力を有している。

4.ハンター・レンフロー(SD):RF
不振から立ち直ったスラッガー。AA昇格以降不振が続いていたが左足を上げる動作を小さくすることでボールを最短距離で捉えられるようになり、打率を上げることに成功した。その犠牲としてパワーを全力で発揮することは難しくなったがそれでも平均以上のパワーを有しており今シーズンもここまで84試合で21本塁打をマークしている。昨シーズン16個、今シーズンもここまで13個アシストをマークしている肩にも注目したい。

5.ハンター・ドージャー(KC):3B
どん底から這い上がった2013年全体8位指名選手。2014年のAA昇格後 さっぱりと打てなくなり昨シーズンはAAで.213/.281/.349、12本塁打と周囲をがっかりさせる成績に終わり、かつてのトッププロスペクトもここまでと思われていた。しかし、今シーズン難所だったAAで.305/.400/.642と打ちまくり1ヶ月程度でAAAに昇格。AAAでも打棒は止まらずこれまでにないほどの好調を見せている。

6.ライオン・ヒーリー(OAK):1B
今シーズン絶好調のヒッティングプロスペクト。以前からヒッティングの評価は高かったが、昨シーズンまで長打の少なさと粗いアプローチによる低出塁率がネックとなっていた。しかし、今シーズンは長打が増え相手から怖がられるようになったため、それに伴い四球も微増し出塁率も若干改善された。225ポンド(102kg)の大男であるためスピードツールは皆無だが毎年三塁打を記録している。

7.ディラン・カズンズ(PHI):DH
高校時にアメリカン・フットボールでディフェンシブエンドを務めていたパワーモンスター。今シーズンAAで84試合に出場し23本塁打を放っており今回のアメリカ代表の中でトップのパワーポテンシャルを持っていると言ってもいいだろう。昨シーズンからアプローチを変更し四球が増えたがそれに伴い三振も激増した。235ポンド(106kg)の体格と肩の弱さから守備位置はLFに限られている。

8.チャンス・シスコ(BAL):C
守備での成長が著しい攻撃型捕手。2桁本塁打を打つパワーはないが野手のいない場所へと打球を落とすヒッティングスキルは本物。 選球眼もよく四球を数多く選べるためマイナー通算での出塁率は.400を超える。ドラフト時は評価の低かった守備だが年々改善してきており、送球は平均レベルにこなせるようになっている。平均以上は望めないが捕手を諦めなければいけないほど下手ではない。

9.ダンスビー・スワンソン(ATL):SS
昨年のドラフトで全体1位指名を受けた走攻守そろった将来のオールスター常連選手。パワーは平均以下だが無駄のないスイングと投球に対する理解の深さからヒットを量産する。将来は高打率、高出塁率が望めるだろう。スピードも20盗塁を狙えるレベル。SS守備ではレンジ、ハンドリング共にハイレベルで、肩も強いため長くSSに留まることができる。

P.ジェフ・ホフマン(COL):RHP
ドラフトイヤーにトミー・ジョン手術を受け長くリハビリを行っていたが昨シーズン途中に復帰。手術前に比べると3マイルほど球速が落ちたがそれでも90マイル中盤を出すことができる。バットを粉砕する威力を持つツーシームが最大の武器で、このボールを使ってゴロを打たせるピッチングスタイル。 カーブ、チェンジアップもクオリティが高くタイミングを外し空振りを奪うことができる。細かいコマンドには欠けるがストライクを取ることに苦労はしない。昨シーズン奪三振の少なさが不安視されていたが今シーズンはここまでイニング以上の奪三振数をマークしている。

 

2016 Top 100 Prospects

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*レポートはチーム別リストを参照。

 

2016 Top 100 Prospects
ランク 名前 チーム ポジション
1 コリー・シーガー LAD SS
2 ルーカス・ジオリト WSH RHP
3 フリオ・ユリアス LAD LHP
4 バイロン・バクストン MIN OF
5 J.P.クロフォード PHI SS
6 オーランド・アルシア MIL SS
7 ヨアン・モンカダ BOS 2B
8 A.J. リード HOU 1B
9 トレイ・ターナー WSH SS
10 アンドリュー・べニンテンディ  BOS OF
11 スティーブン・マッツ NYM LHP
12 ホゼ・べリオス MIN RHP
13 ブレーク・スネル TB LHP
14 アレックス・レイエス STL RHP
15 タイラー・グラスノー PIT RHP
16 フランクリン・バレット OAK SS/OF
17 ノマー・マザーラ TEX OF
18 アンダーソン・エスピノーザ BOS RHP
19 フランシス・マルテス HOU RHP
20 オースティン・メドウズ PIT OF
21 ラファエル・ディバース BOS 3B
22 ホゼ・デレオン LAD RHP
23 ラウル・モンデシー KC SS
24 ジョーイ・ギャロ TEX 3B/OF
25 ルイス・ブリンソン TEX OF
26 ゲリー・サンチェス NYY C
27 ブラッドリー・ジマー CLE OF
28 ニック・ウィリアムズ PHI OF
29 ダンスビー・スワンソン ATL SS
30 ジョン・グレー COL RHP
31 ロバート・スティーブンソン CIN RHP
32 アーロン・ジャッジ NYY OF
33 クリント・フレイザー

CLE

OF

34 ショーン・ニューカム

ATL

LHP
35 グレイバー・トーレス CHC SS
36 ホルヘ・マテオ NYY SS
37 マックス・ケプラー MIN OF/1B
38 アンソニー・アルフォード TOR OF
39 コディ・リード CIN LHP
40 ビクター・ロブレス WSH OF
41 ブレンダン・ロジャース  COL SS
42 マニュエル・マーゴ  SD OF
43 ブレント・ハニーウェル TB RHP
44 イアン・ハップ CHC OF/2B
45 ウィリー・アダムス TB SS
46 アレックス・ブレグマン HOU SS/2B
47 ジェシー・ウィンカー  CIN OF
48 ホルヘ・ロペス   MIL RHP
49 ショーン・マナエア OAK LHP
50 ホセ・ペラザ CIN 2B/3B
51 ジョシュ・ベル PIT 1B/OF
52 ティム・アンダーソン CWS SS
53 デビッド・ダール COL OF
54 カーソン・フルマー  CWS RHP
55 ブレット・フィリップス MIL OF
56 ジェーク・トンプソン PHI RHP
57 ハビアー・ゲラ SD SS
58 ウィルソン・コントレラス CHC C
59 ジェフ・ホフマン COL RHP
60 オズハイノ・アルビース ATL SS
61 ライアン・マクマホン COL 3B
62 マイケル・フルマー DET RHP
63 ドミニック・スミス NYM 1B
64 アレックス・バードューゴ LAD OF
65 トレント・クラーク MIL OF
66 ジョー・マスグローブ HOU RHP
67 フランクリン・キロメ PHI RHP
68 コディ・べリンジャー LAD 1B
69 カイル・ジマー KC RHP
70 ハンター・レンフロー SD OF
71 ニック・ゴードン MIN SS
72 デュエン・アンダーウッド CHC RHP
73 ジャック・フラハティ MIN LHP
74 ビリー・マッキニー CHC OF
75 タイラー・ジェイ STL RHP
76 アメド・ロザリオ NYM SS
77 マイケル・コペック BOS RHP
78 アミーア・ギャレット CIN LHP
79 ダズ・キャメロン  HOU OF
80 アーロン・ブレアー   ATL RHP
81 アレックス・ブランディーノ CIN SS/2B
82 カイル・タッカー HOU OF
83 フランセリス・モンタス  CWS RHP
84 クリスチャン・アローヨ SF SS/3B
85 ジョシュ・ヘイダー  MIL LHP
86 ディロン・テイト TEX RHP
87 アレン・ハンソン PIT 2B/SS
87 ティム・クーニー  STL LHP
89 アレックス・ジャクソン SEA OF
90 ロブ・カミンスキー CLE LHP
91 ディラン・バンディ BAL RHP
92 スペンサー・アダムス CWS RHP
93 エドウィン・ディアズ  SEA RHP
94 フォレスト・ウォール COL 2B
95 ハイマー・キャンデレリオ CHC 3B
96 トム・マーフィー COL C
97 ジェーコブ・ノッティンガム MIL C/1B
98 デビッド・ポリーノ HOU RHP
99 レイナルド・ロペス WSH RHP
100 ジョシュ・ネイラー MIA 1B

 

To Watch Prospects For Next Top 100 
ランク 名前                チーム ポジション
1 ヨマー・レイエス BAL 3B
2 ウィルカーマン・ガルシア NYY SS
3 ドム・ヌネス COL C
4 ルシウス・フォックス SF SS
5 ルイズ・ゴハラ SEA LHP
6 タイラー・オニール SEA OF
7 アントニオ・センザテラ COL RHP
8 デビン・ウィリアムズ MIL RHP
9 ルイス・アレクサンダー・バサベ BOS OF
10 スティーブン・ゴンサルべス MIN LHP

 

 

Text by Haruki SAKURAI
写真:https://flic.kr/p/yhnCKS

2016 Top 20 Prospects:コロラド・ロッキーズ

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本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。 

 

 

1. ジョン・グレー:RHP
13年ドラフト全体3位。今季はメジャーでも9先発。防御率は5.53と振るわなかったが、FIP3.63は高水準。98マイルのストレート&被打率.171のスライダーで攻めるパワーピッチング。オフにはダルビッシュ有(TEX)らを参考に新球カーブを習得。メカニクスの維持に苦しんでおりコマンドが不安定。 

2. ブレンダン・ロジャース:SS
15年ドラフト全体3位。トロイ・トゥロウィツキー(TOR)と比較される未来のスターSS候補。素早いスイングでフィールド全体に打球を打ち分け、パワーも向上が目される。スピード&肩&守備範囲は平均以上で、SSのポジションにとどまれる資質の持ち主。

3. デビッド・ダール:OF
バランスよくファイブツールを揃えたオールラウンダー。故障により79試合の出場に止まったが、2AでOPS.721&盗塁22とまずまずの内容。体格の成熟とともにパワーは向上が目されているが、81K/11BBを喫したアプローチは改善する必要がある。CF守備は強肩&スピードを兼備しており平均以上。

4. ジェフ・ホフマン:RHP
14年ドラフト全体9位。トロイ・トゥロウィツキーとのトレードでTORから移籍。ドラフト前にトミージョン手術を受け、今季はカムバックし20試合に先発。最速98マイルのストレート&パワーカーブのコンビネーション。A+&2Aでは104回/75K/27BB/防御率3.03。

5. ライアン・マクマホン:3B
ノーラン・アレナード2世。攻守でインパクトを生み出せるアスリート。3B守備はゴールドグラブクラスに成り得ると高い評価を受けており、バッティングも上質なスイングスピードからパワフルな打球を生み出す。A+では打率.300、本塁打18、OPS.892。三振率27.5%と見極めを磨く必要がある。 

6. フォレスト・ウォール:2B
ピュアヒッター。プラスのスイングスピードからハードなコンタクトを生み出し、体格に比したパワーも示す。スピード&走塁技術も上質でオフェンシブな2Bとして期待できる。守備では肩が弱く、フットワークも磨く必要がある。1AではOPS.806&盗塁25。  

7. トム・マーフィー:C
オフェンシブな司令塔候補。抜群のパワーを武器に2A&3Aで20ホーマー&OPS.804をマーク。メジャーでも11試合に出場し3ホーマーを放った。三振の多さは懸念材料だが、捕手としての守備は優秀で、スローイング&ブロッキングスキルは平均以上。リーダーシップも持ち併せている。

8. アントニオ・センザテラ:RHP
96マイルに達するハードシンカー&スプリッターを低めに集めるグランドボーラー。傘下No.1とも言われる抜群のコマンドの持ち主でキャリア4年でBB/9=2.0。今季は26先発して防御率2.51&K/BB=4.33。マイナーでは平均以下のカーブ&スライダーを磨いている。

9. ドム・ヌネス:C
高校3年の時にSS→C。 守備&走塁のアスレチックさはラッセル・マーティン(TOR)と、美しい打撃スイングはカルロス・ゴンザレス(COL)と比較されている。1Aでは13ホーマー&OPS.821。55K/53BBと成熟したアプローチを見せており、メイクアップの評価も高い。

10.  カイル・フリーランド:LHP
14年ドラフト全体8位。変則的なデリバリーから常時93マイルのストレート&プラスのスライダーのコンビネーションで打者を幻惑する。力みの入ったテイクバックからスタミナ面を不安視する声も多い。今季は故障により9先発にとどまったが、AFLでは25.1回/防御率2.84と復調をアピール。

11.  ミゲル・カストロ:RHP
20歳の若さで開幕ロースター入りして18登板。99マイルのストレート&チェンジアップ。強気で打者に向かっていく姿勢を買われており、クローザーとして推す声も多い。今季はコマンドに苦しみCOL移籍後はリリーフに回っているが、先発に戻すプランも。A+&3Aでは38.1回/38K/防御率2.82。

12. レイメル・タピア:OF
マイナー屈指のヒットマシーン。滑らかでリラックスしたスイングから巧みにコンタクトを生み出しA+では打率.305&OPS.800。悪球打ちの癖があり、105K/24BBとアプローチは荒い。積極走塁が身上で26盗塁を決めたが成功率は72%にとどまる。守備では外野3ポジションをこなす。 

13. トレバー・ストーリー:SS
プラスのバットスピードを備えており、パワフルなバッティングが持ち味。2A&3Aでは打率.279、本塁打20、OPS.863。ISO.235と長打力は申し分ないが、141Kを喫したコンタクト面は今後の課題。SSとしての守備にも不安を抱えており2Bや3Bとしてもプレー。

14. ヘルマン・マーキース:RHP
20歳にしてA+で26登板(23先発)、防御率3.56、K/BB=3.59、BB/9=1.9。90マイル前半~中盤のストレート&カーブのコンビネーションで積極的にゾーンを攻める。チェンジアップはまだ未発達も3球種をストライクゾーンに集めることができる。 6-1/185と体格は平凡。

15. ウェス・ロジャース:OF
スラッとした体格と抜群の跳躍力は生粋のCFとしてデクスター・ファウラー(CHC)と比較される。打球判断&スピードが飛び抜けており、広大なカバー範囲を示している。バッティングでは相応のスイングスピード&パワーを示しているが、変化球の対応を学ぶ必要がある。R&AではOPS.777&盗塁53。 

16. タイラー・ネビン:3B
15年ドラフト全体38位。父フィルは通算208ホーマーを放った球宴1度の三塁手。父同様に強打の三塁手として期待されており、パワーとアベレージを両立したバッターになり得る。守備では6-4/200たる大柄な体格に比して機敏に動きディフェンダーとしての素質も十分。

17. ライアン・カステラニ:RHP
威力抜群の93マイルのシンカーは6-4/190たる体格からさらなる向上の余地を残す。スライダー&チェンジアップはまだ発達段階だが、GO/AO=1.30とゴロを生み出すことはできている。BB/9=2.31と全体的に制球は安定しているが、細かいコマンドを磨いていく必要がある。

18. マイク・ニコラク:RHP
15年ドラフト全体27位。6-5/205と恵まれた体格とクオーターバックとしても活躍したアスリート性を兼ね備えるエーステンシャル。97マイルの速球&プラスのカーブ&平均レベルのチェンジアップのコンビネーションは威力抜群も、BB/9=16.3とコマンドが壊滅的。 

19. ヘズス・ティノコ:RHP
トロイ・トゥロウィツキーのトレードでTORから移籍。6-4/190の体格と20たる若さからアップサイドに期待がかかる。90マイル前半のシンカーは将来的にはコンスタントに95-96マイルを叩き出すと目されており、スライダー&チェンジアップが磨かれればグランドボーラーとしての地位を確立できるだろう。 

20. クリスチャン・アダムス:SS
堅実なSSディフェンダー。ルーティンプレーでのミスが少なく、スローイングも正確。一方でパワー&スピードに乏しくオフェンス面はインパクト不足。それでも3Aでは打率.311、本塁打11、OPS.800と自身の打撃がメジャーレベルであることを証明した。ユーティリティー向き。 

Plus One Prospect
サム・モール:LHP 
故障を転機にリリーフに回るとA+&2Aで68.1回/74K/16BB/防御率2.63とブレーク。94-96マイルのストレート&平均以上のスライダーでパワフルに攻める。クローザーとしてのポテンシャルは通算422セーブのビリー・ワグナー(元HOU)と比べられる。健康面が不安。

 

Text by Haruki SAKURAI
写真: https://flic.kr/p/u8cGmV