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Weekly Report : Week-5

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好評発売中のプロスペクトハンドブック2019ですが、5月7日から書籍版を35%オフの1300円(送料別)で販売致します。Kindle版も約35%オフの1100円で販売しております。詳細は記事の最後に記載しています。
前年より盤石なタンパベイ・レイズ投手陣
Written by Tsubasa Komiyama
レイズは、現地時間5月3日現在、21勝11敗でアメリカン・リーグ東地区の首位に着けている。チーム打点は、ヤンキース、レッドソックスに次ぐ地区3位であるが、チーム失点は、122失点で2位のブルージェイズを突き放す100失点で1位である。
本拠地のPFや対戦相手にもよるものの、基盤の安定した投手力が地区首位を堅守していると捉えて問題ないだろう。
ところで、興味深いスタッツがある。チームの先発イニング数の合計だ。2018年レイズの先発イニング数合計は624回(1試合平均3.2回)でメジャー全体30位である。29位は805.1回(1試合平均4.2回)のエンゼルス、1位は993.2回(1試合平均6.1回)のインディアンスだ。2019年レイズの先発イニング数合計は145.1回(1試合平均4.1回)でメジャー全体29位である。30位は141.2回(1試合平均4.1回)のエンゼルスだ。順位としては30位から29位であるが、約アウト2つ分増えたと考えると大きな変化である。
年度 | 先発イニング数 | 試合平均 |
2018年 | 624回 | 3.2回 |
2019年 | 145.1回 | 4.1回 |
理由は、昨年クリス・アーチャー(RHP)の見返りの1人として獲得したタイラー・グラスノー(RHP)と、昨年オフにFA補強したチャーリー・モートン(RHP)がオープナーを用いない先発として起用されているからであろう。
昨年、レイズで20先発以上したのはブレイク・スネル(LHP)とライン・スタネック(RHP)の2人だが、スタネックはオープナー起用であるため、実質フルシーズン稼働した先発はスネルのみであった。
しかし、2019年はスネル、グラスノー、モートンの3人が20先発を超える見込みである。つまり、ブルペンの負担が軽減されることにより、オープナーの柔軟性や7回以降の粘り強さが得られるのではないだろうかと推測した。
さて、昨年、レイズがシーズン後半戦において目覚ましい戦績を挙げ、WC争いが白熱したことは記憶に新しい。
下の表は2018年タンパベイ・レイズの月間投手成績と、2018年メジャー平均の月間投手成績である。
メジャー平均は、シーズン終盤にK/9とBB/9が共に上昇している。K/BBは下がっているため、K/9の上昇よりBB/9の上昇の方が多いことが伺える。一方、レイズはもう少し早い段階、6月から7月にかけてK/9を上昇させ始め、7月から8月にかけてBB/9を下降させることにより、K/BBを上昇させている。
要因はオープナーの採用であると考えられる。オープナーの利点は大まかに2点である。
- 初回防御率の悪い先発投手の代わりに、リリーバーが先発することで初回防御率を改善出来る。
- 後続の本来の先発投手とオープナーであるリリーバーの利き手やピッチングスタイルを変えることで、後続の先発投手のポテンシャルを最大限発揮出来るようアシスト出来る。
今回は、具体的にオープナーに向いているピッチングスタイルには触れないが、昨年、レイズがオープナーを(現状において)最大限活かす術を見つけたと言える。それは夏場のメジャー平均とレイズの月間投手成績の差から考えられるだろう。
2018 Draft Review:シンシナティ・レッズ

いよいよ2019年が始まった。今年は日本での開幕戦や初めてのロンドンでの試合開催等楽しみな出来事がある。また当サイトFar East Divisionでは今年も3月にプロスペクトハンドブックの発売を予定している。
ハンドブックは各球団のトップ選手を紹介しているが、それとは別に昨年2018年のドラフトで上位指名を受けた選手のプロ1年目を終えた現段階での評価を見ていきたい。
そこで2018年MLBドラフトから各球団の上位指名選手10名+上位10名以降のうちから1人についてのスカウティングレポートを作成した(一部チームは10名を紹介していない)。プロスペクトハンドブックに掲載されていない選手も多いので、是非チェックしていただきたいと思う。
今回はレッズのドラフトを振り返る。年齢は2019年4月1日時点で掲載している。また選手の名前の所にBaseball referenceのリンクが貼ってあるので成績確認等の参考にして頂きたい。
2017 Top 100 Prospects

*レポートはチーム別リストを参照。
ランク | 選手名 | チーム名 | ポジション |
1 | ジェイソン・グルーム | BOS | LHP |
2 | アンドリュー・ベニンテンディ | BOS | OF |
3 | ブレンダン・ロジャース | COL | SS |
4 | ヨアン・モンカダ | CHW | 2B |
5 | ルーカス・ジオリト | CHW | RHP |
6 | ブレント・ハニーウェル | TB | RHP |
7 | イアン・ハップ | CHC | OF |
8 | コディ・ベリンジャー | LAD | 1B |
9 | ジョシュ・ヘイダー | MIL | LHP |
10 | エロイ・ヒメネス | CHC | OF |
11 | フランクリン・バレット | OAK | SS |
12 | ニック・センゼル | CIN | 3B |
13 | フランシス・マーテス | HOU | RHP |
14 | ラファエル・ディバース | BOS | 3B |
15 | アレックス・レイエス | STL | RHP |
16 |
ダンズビー・スワンソン | ATL | SS |
17 | ルイス・ブリンソン | MIL | OF |
18 | ホセ・デレオン | TB | RHP |
19 | クリント・フレイジャー | NYY | OF |
20 | エリック・フェッディ | WSH | RHP |
21 | コルビー・アラード | ATL | LHP |
22 | ビクター・ロブレス | WSH | OF |
23 | ウィリー・アダムス | TB | SS |
24 | ハンター・レンフロー | SD | OF |
25 | アレックス・バードューゴ | LAD | OF |
26 | オースティン・メドウズ | PIT | OF |
27 | タイラー・グラスノー | PIT | RHP |
28 | ハンター・ドージャー | KC | 3B |
29 | ジョシュ・ベル | PIT | 1B |
30 | レイナルド・ロペス | CHW | RHP |
31 | カイル・ルイス | SEA | OF |
32 | ジェフ・ホフマン | COL | RHP |
33 | マット・チャップマン | OAK | 3B |
34 | ドミニク・スミス | NYM | 1B |
35 | アーロン・ジャッジ | NYY | OF |
36 | ブラッドリー・ジマー | CLE | OF |
37 | ヤディアー・アルバレス | LAD | RHP |
38 | ショーン・リードフォーリー | TOR | RHP |
39 | フランシスコ・メヒア | CLE | C |
40 | デビッド・ポリーノ | HOU | RHP |
41 | タイラー・オニール | SEA | OF |
42 | A.J.パク | OAK | LHP |
43 | ブレイク・ラザフォード | NYY | OF |
44 | ウォーカー・ビューラー | LAD | RHP |
45 | ザック・コリンズ | CHW | C/1B |
46 | ヨハンダー・メンデス | TEX | LHP |
47 | スティーブン・ゴンザルベス | MIN | LHP |
48 | カイル・タッカー | HOU | OF |
49 | ホルヘ・アルファロ | PHI | C |
50 | ヘルマン・マーキス | COL | RHP |
51 | アンダーソン・エスピノーザ | SD | RHP |
52 | アミーア・ギャレット | CIN | LHP |
53 | アリスティーディス・アキーノ | CIN | OF |
54 | デズモンド・リンジー | NYM | OF |
55 | ショーン・ニューカム | ATL | LHP |
56 | オースティン・ライリー | ATL | 3B |
57 | カル・クオントリル | SD | RHP |
58 | ライリー・パイント | COL | RHP |
59 | アメド・ロサリオ | NYM | SS |
60 | グレイバー・トーレス | NYY | SS |
61 | シクスト・サンチェス | PHI | RHP |
62 | イーサン・ディアズ | MIL | SS |
63 | コリー・レイ | MIL | OF |
64 |
ロバート・スティーブンソン |
CIN | RHP |
65 | ウィリー・カルフーン | LAD | 2B |
66 | リース・ホスキンズ | PHI | 1B |
67 | ハリソン・ベイダー | STL | OF |
68 | オジー・アルビース | ATL | 2B |
69 | ラウディ・テレズ | TOR | 1B |
70 | トレバー・クリフトン | CHC | RHP |
71 | ルーク・ウィーバー | STL | RHP |
72 | ボビー・ブラッドリー | CLE | 1B |
73 | マイク・ソローカ | ATL | RHP |
74 | トリスタン・マッケンジー | CLE | RHP |
75 | レイメル・タピア | COL | OF |
76 | フランクリン・キロメ | PHI | RHP |
77 | カーソン・フルマー | CHW | RHP |
78 | アルバート・アルモラ | CHC | OF |
79 | ジャレル・コットン | OAK | RHP |
80 | マニュエル・マーゴット | SD | OF |
81 | ケビン・マイタン | ATL | SS |
82 | ブライアン・レイノルズ | SF | OF |
83 | フォレスト・ウィットリー | HOU | RHP |
84 | T.J.ゾイク | TOR | RHP |
85 | ディラン・カズンズ | PHI | OF |
86 | ジェシー・ウィンカー | CIN | OF |
87 | タイラー・ビーディ | SF | RHP |
88 | シェド・ロング | CIN | 2B |
89 | ドミンゴ・アセベド | NYY | RHP |
90 | トラビス・デメリ | ATL | 2B |
91 | ダニエル・ゴセット | OAK | RHP |
92 | ディラン・シーズ | CHC | RHP |
93 | ジョン・ハリス | TOR | RHP |
94 | クリスチャン・スチュワート | DET | OF |
95 | ブラディミール・ゲレーロJr | TOR | 3B |
96 | J.P.クロフォード | PHI | SS |
97 | コディ・セドロック | BAL | RHP |
98 | ジェイマー・キャンデラリオ | CHC | 3B |
99 | マイケル・コペック | CHW | RHP |
100 | フランクリン・ペレス | HOU | RHP |
Text by Ookaya Ryota
写真: https://flic.kr/p/N1CRAP
2017 Top 10 Prospects by Position

*ポジションはC・1B・2B・3B・SS・OF・RHP・LHP
*レポートはチーム別トップ20リストを参照
- C
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | フランシスコ・メヒア | CLE |
2 | ザック・コリンズ | CHW |
3 | ホルヘ・アルファロ | PHI |
4 | カーソン・ケリー | STL |
5 | チャンス・シスコ | BAL |
6 | トム・マーフィー | COL |
7 | ギャレット・スタッブス | HOU |
8 | クリス・オーキー | CIN |
9 | ベン・ローベット | MIN |
10 | ブルース・マックスウェル | OAK |
- 1B
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | コディ・ベリンジャー | LAD |
2 | ジョシュ・ベル | PIT |
3 | ドミニク・スミス | NYM |
4 | リース・ホスキンズ | PHI |
5 | ラウディ・テレズ | TOR |
6 | ボビー・ブラッドリー | CLE |
7 | ケイシー・ギレスピー | TB |
8 | ライアン・オハーン | KC |
9 | マット・タイス | LAA |
10 | ダン・ボーゲルバック | SEA |
- 2B
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | ヨアン・モンカダ | CHW |
2 | ウィリー・カルフーン | LAD |
3 | オジー・アルビース | ATL |
4 | シェド・ロング | CIN |
5 | トラビス・デメリ | ATL |
6 | アンディ・イバニェス | TEX |
7 | ルイス・ウリアス | SD |
8 | アレン・ハンソン | PIT |
9 | マックス・シュロック | OAK |
10 | ホルヘ・マテオ | NYY |
- 3B
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | ニック・センゼル | CIN |
2 | ラファエル・ディバース | BOS |
3 | ハンター・ドージャー | KC |
4 | マット・チャップマン | OAK |
5 | オースティン・ライリー | ATL |
6 | ブラディミール・ゲレーロJr | TOR |
7 | ジェイマー・キャンデラリオ | CHC |
8 | ボビー・ダルベック | BOS |
9 | ケブライアン・ヘイズ | PIT |
10 | ジョシュ・ロウ | TB |
- SS
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | ブレンダン・ロジャース | COL |
2 | フランクリン・バレット | OAK |
3 | ダンズビー・スワンソン | ATL |
4 | ウィリー・アダムス | TB |
5 | アメド・ロサリオ | NYM |
6 | グレイバー・トーレス | NYY |
7 | イーサン・ディアズ | MIL |
8 | ケビン・マイタン | ATL |
9 | J.P.クロフォード | PHI |
10 | フェルナンド・タティスJr | SD |
- OF
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | アンドリュー・ベニンテンディ | BOS |
2 | イアン・ハップ | CHC |
3 | エロイ・ヒメネス | CHC |
4 | ルイス・ブリンソン | MIL |
5 | クリント・フレイジャー | NYY |
6 | ビクター・ロブレス | WSH |
7 | ハンター・レンフロー | SD |
8 | アレックス・バードューゴ | LAD |
9 | オースティン・メドウズ | PIT |
10 | カイル・ルイス | SEA |
- RHP
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | ルーカス・ジオリト | RHP |
2 | ブレント・ハニーウェル | TB |
3 | フランシス・マーテス | HOU |
4 | アレックス・レイエス | STL |
5 | ホセ・デレオン | TB |
6 | エリック・フェッディ | WSH |
7 | タイラー・グラスノー | PIT |
8 | レイナルド・ロペス | CHW |
9 | ジェフ・ホフマン | COL |
10 | ヤディアー・アルバレス | LAD |
- LHP
ランク | 選手名 | チーム名 |
1 | ジェイソン・グルーム | BOS |
2 | ジョシュ・ヘイダー | MIL |
3 | コルビー・アラード | ATL |
4 | A.J.パク | OAK |
5 | ヨハンダー・メンデス | TEX |
6 | スティーブン・ゴンザルベス | MIN |
7 | アミーア・ギャレット | CIN |
8 | ショーン・ニューカム | ATL |
9 | マット・ストラム | KC |
10 | トーマス・サプーキ | NYM |
Text by Ookaya Ryota
写真: https://flic.kr/p/FBaU79
2017 Top 20 Prospects:シンシナティ・レッズ

本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。
1. ニック・センゼル:3B
16年ドラフト全体2位指名。バットスピードの速さとバットコントロールのよさを兼ね備えており、ハイアベレージを残しつつ、長打をコンスタントに打つことができる。アプローチも卓越しており、三振数を抑えつつ四球を多く選んでいる。問題は守備で、大学時代はポジションを転々としていた。現在は3Bで落ち着いており、平均レベルにまで上達するのではないかと見られている。
2. アミーア・ギャレット:LHP
12-13年は大学のバスケットボールとマイナーでの野球を兼任していた身体能力の高いタレント。野球に専念しはじめたのは14年からだがわずか2年でAAAにまで昇格を果たし能力の高さを見せている。最速96マイルの速球はコマンドよく投げることができる。スライダー、チェンジアップ、カーブといったブレーキングボールの評価はあまり高くないが、最低でも平均レベルにはなる見込み。
3. アリスティーディス・アキーノ:OF
大柄な体格から生み出されるパワーが魅力。パワーポテンシャルはCINのマイナーの中でもトップクラスで、将来はメジャーで30HRをマークすることもできるだろう。 足を上げるスタンスのためタイミングが合わない時がしばしばあり、三振が多い原因となっている。早打ちのため四球が少ない点も気になるところ。肩は強いが、スピードは平凡なためRFを守っている。
4. ロバート・スティーブンソン:RHP
ノビのある速球とストレートチェンジで三振を大量に奪うピッチングスタイル。時折投げるカーブは甘く入ることが多く、クオリティは高くない。コントロールが悪く、現在の状態だと先発として投げ続けられるかは微妙なところ。ブルペンに回ったとしてもセットアッパー/クローザーレベルの投手になれるだろう。
5. ジェシー・ウィンカー:OF
コンタクトすることを重点に置いたスイングでヒットを量産する。ストライクゾーンの見極め、ボールに対する反応、バットコントロール、タイミングの取り方などは非常に優秀で将来首位打者争いに加わる可能性もあるだろう。パワーは平均以下でシーズン2桁HRをマークすればいい方だろう。スピードや守備に置いては平均以下で打席での結果が重要となる。
6. シェドリック・ロング:2B
平均以上のパワーポテンシャルが魅力のハイシーリングなタレント。バットスピードが非常に速く、極端なアッパースイングのため小柄な体格ながら打球を軽々とスタンドへと打ち込むことができる。その分三振が多く、上のクラスでは高打率を残すのは難しいかもしれない。2Bには2年前にCからコンバートされたばかりだが、持前の身体能力の高さから既に適応しつつある。スピードも平均以上で将来は20-20もマークできるだろう。
7. サル・ロマノ:RHP
90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。一昨年までコントロールに問題があったが、昨シーズンは改善され四球を大幅に減らすことに成功した。アグレッシブなデリバリーで、先発として長い回を投げれるかは微妙なところ。また、スライダーに続く変化球であるチェンジアップも心許ないため、ブルペン転向を勧める声もある。
8. ルイス・カスティーヨ:RHP
ダン・ストレイリー(MIA)のトレードで加入。最速100マイルを計測する速球が最大の武器。この速球にスライダー、チェンジアップを組み合わせる。プロ入り後3年間はリリーフだったが、昨シーズンから先発に転向。奪三振は減ったが、コントロールを意識したため四球が減った。
9. ルーキー・デービス:RHP
90マイル前半の速球は状況に応じて95-96マイルまで球速を上げることができる。カーブの評価も高いが、一昨年あたりから速球と同じアームスピードで投げられなくなったため奪三振が減ってしまった。それでもコントロールのよさで何とか成績を維持している。長い回を投げられる点と、故障が少ない点は先発として投げるうえでは大きなアドバンテージ。
10. タイラー・マーレ:RHP
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。カーブ、チェンジアップの評価は高いが、速球の球威がないためAAでは打ち込まれてしまった。現時点でコントロールは悪くなく、むしろいい方だが、速球の球速上昇が望めない分よりピンポイントのコマンドを意識して投げる必要があるだろう。ここまで大きな故障なく投げられている点は評価に値する。
11. T.J.フリードル:OF
小柄な体格ながらもしっかりと振りぬくスイングをするためラインドライブの打球を量産する。ストライクゾーンの見極めにも長けており、高打率、高出塁率を期待できる。パワーは平均程度でHRよりもギャップを抜いた二塁打や三塁打が長打のメインになりそう。スピードはずば抜けておりシーズン30盗塁も可能。このスピードを生かしたCF守備も上手い。昨年がドラフトイヤーだったが、本人が今年がドラフトイヤーだと勘違いし、スカウトもそれを信じたためドラフトにはかからずドラフト外からの入団となった。
12. クリス・オーキー:C
16年ドラフト2巡目指名。何かに突出しているわけではないが、その分何かに欠けているわけでもない。打撃ではCとしては平均以上のパワーが魅力。シーズン15HRをマークすることもできるだろう。三振が多いため高打率は残せないが、四球を選べるためそこそこの出塁率を期待できる。守備は盗塁阻止、キャッチングなどをそつなくこなすことができる。スピードは皆無。
13. テイラー・トラメル:OF
アメフトの選手としても鳴らしていた身体能力の高いハイシーリングなタレント。バットスピードが速く、パワーは平均かそれ以上。コンタクトスキルに難があり、多すぎる三振を減らすことが今後の課題。ストライクゾーンの見極めは悪くなく、出塁率は高い。素晴らしいスピードツールの持ち主で昨シーズンは61試合で24盗塁をマーク。守備はもう少し洗練されればCFとしてプレーできるようになるだろう。
14. タイラー・スティーブンソン:C
脳震盪や手首の故障もあって昨シーズンは出番が少なかった。20歳にして既に6-4/225たる体格の持ち主でパワーポテンシャルは十分にあるが、ボールがバットに当たらず満足に生かし切れていない。守備では鉄砲肩だけが現在の取り柄で、その他の面では未熟さが隠しきれていない。まだ、Cとしての経験が浅く、今後のアップサイドは大きいため上手くいけば盗塁阻止に秀でたレギュラーCになれる可能性はある。
15. ケウリー・メラ:RHP
最速98マイルの速球が武器。これにカーブとチェンジアップを交えて緩急をつけるピッチングスタイル。デリバリーは無駄な動きが多く、試合中によく崩れるためコントロールが不安定になる原因となっている。昨シーズン、奪三振が減った点が気がかりなところ。
16. アントニオ・サンティラン:RHP
常時90マイル後半の速球を投げ込む剛腕。この速球を高めに投げて空振りを奪うことができる。アウトピッチのスライダーの評価も悪くなく、速球と緩急をつけピッチングが単調にならないようにしている。デリバリーはスムーズだが、コントロールは非常に悪く四球で自滅する場面が目立つ。コントロールを少しでも改善できれば今後も先発として投げ続けることができるだろう。
17. ブラディミール・グティエレス:RHP
昨年インターナショナルFAで加入。90マイル中盤の速球と大きく曲がるカーブのコンビネーション。チェンジアップも投げるが、あまり試合で使わずクオリティもイマイチ。デリバリーが安定せず、アームアクションが定まらないこともしばしば。この点を修正することができるかがカギ。
18. イアン・カハロア:RHP
素材は一級品のハワイアン。最速96マイルのノビのある速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。ブレーキングボールは徐々によくなっており、三振を奪うのには苦労していない。細かいコマンドという点ではまだまだだが、四球を出すことは少ない。最大の問題は精神面での未熟さで、味方のエラーにイライラしたりとプロ意識が低い。
19. フィル・アービン:OF
大きなフォロースルーが特徴的なスイングで打球を遠くまで飛ばすことができる。ブレーキングボールに対する脆さが仇となって打率は常に低空飛行となっている。四球を多く選んでいるため出塁率は悪くない。マイナーで3年連続30盗塁をマークしているスピードがあるためCFを守ることもあるが、上手いとは言えずRF/LFが定位置となるだろう。
20. ブランドン・ディクソン:2B
パワーツールだけが取り柄の全体的に粗っぽいタレント。スイングが大きく、三振が非常に多い。また、何でも打ちに行くアプローチのため四球が少ない。スピードは平均以上だが、IF守備ではどこを守らせてもお粗末なためポジションを転々としている。
Text by Ookaya Ryota
写真: https://flic.kr/p/xHp3Bf