Tag Archives: ノア・シンダーガード

2016 NLWC Review

29544375143_251de4e62a_z

 

 

 

 

 

 

 

現地時間105日。アメリカンリーグに続いてナショナルリーグでもプレーオフの幕が開けた。ナ・リーグワイルドカードゲームの対戦カードはニューヨーク・メッツ対サンフランシスコ・ジャイアンツだ。シーズン最終盤まで繰り広げられた三つ巴のワイルドカード争いを制した2チームによるディビジョンシリーズを賭けた一戦であるため熱戦が予想された。それでは試合を振り返る前にメッツとジャイアンツがどのようなチームであったかをおさらいしておきたい。

 

  • ニューヨーク・メッツ

メッツの強みは投手陣にあると言えるだろう。先発陣、救援陣ともにリーグ3位のチーム防御率を記録(それぞれ3.613.53)。先発陣に関しては開幕当初にローテーションの柱として期待されたマット・ハービー、ジェイコブ・デグロムをはじめとしてスティーブン・マッツ、ザック・ウィーラーが離脱したもののマイナーから昇格してきたセス・ルーゴ(8先発で防御率2.68)、ロバート・グセルマン(7先発で防御率2.63)といった新人の奮闘やバートロ・コローン、ノア・シンダーガードが昨年以上の活躍を見せ高い水準を維持していた。

リリーフ陣はジェリース・ファミリアが51セーブ(セーブ成功率91.1)と守護神の役割を果たすと、アディソン・リードは80試合で防御率1.97、フェルナンド・サラスは移籍後17試合で2.08、他にも左殺しのジェリー・ブレビンスやハンセル・ロブレスらを揃え強力なリリーフ陣を形成していた。

野手陣はホームラン数がリーグ2位でヨエニス・セスペデスとカーティス・グランダーソンが30本塁打に到達したが、盗塁数42は同14位で機動力は使えず、出塁率.316は同12位、671得点は同11位と粗い打線であったことは否めない。

また、野手陣にも怪我人が続出した。正二塁手として23本塁打を放ったニール・ウォーカーのみならずデビッド・ライト、ルーカス・デューダ、トラビス・ダーノウ、ウィルマー・フローレスらが離脱。彼らはワイルドカードゲームの舞台に立つことができなかった。その上、今季途中に移籍してきたジェイ・ブルースはメッツ移籍後に極度の不振に陥った。T.J.とレネの2人のリベラやホセ・レイエスらが代役として奮闘したものの戦力ダウンとなってしまったのは仕方のないことだろう。

 

  • サンフランシスコ・ジャイアンツ

ジャイアンツの最大の強みは何といってもポストシーズンでの経験値の豊富さだ。レギュラーシーズンで好成績を残していてもポストシーズンでは力を発揮できないというのは決して珍しいことではない。メッツは昨シーズンのリーグ覇者とはいえ経験値の面では過去6年でワールドチャンピオン3回のジャイアンツに軍配が上がるだろう。

特にエースのマディソン・バムガーナーは2年前のワイルドカードゲームにおいて敵地で4安打完封勝利を挙げており今回もその再現が期待された。野手陣に目を向けても過去3度のポストシーズンで全試合スタメンマスクをかぶっているチームリーダーのバスター・ポージー、2年前のワイルドカードゲームで先制のグランドスラムを放っているブランドン・クロフォードら経験豊富な選手が多い。

また、ジャイアンツはチーム防御率がリーグ4位とメッツ投手陣にも引けを取らない成績を残している。先発陣は先ほど述べたバムガーナー、昨シーズン、カンザスシティ・ロイヤルズで世界一を経験し、自身もワールドシリーズで完投勝利を挙げたジョニー・クエト、ジェフ・サマージャの三本柱は強力だ。救援陣は、レギュラーシーズンでは9度のセーブ失敗を数え不安定だったもののポストシーズン通算防御率0.95とポストシーズンで抜群の安定感を見せるサンティアゴ・カシーヤをはじめセルジオ・ロモや左殺しのハビアー・ロペス、ハンター・ストリックランド、新人のデレク・ロウ、ジャイアンツ移籍後に防御率2.95と好投を見せるウィル・スミスとこちらも役者は揃っている。

打線はブランドン・ベルトがキャリアハイとなる成績を残すとクロフォードはナリーグのショートとして2位となる打点84を挙げ、ポージーはOPS.796を記録したが、長打率リーグ10位と迫力に欠ける。得点力は決して突出しているとは言えないが、出塁率.329はリーグ4位と打線はつながりメッツよりも多くの得点を記録した。

 

Weekly Report:Week-5

16438046603_bb18a74c65_z

 

 

 

 

 

 

 

3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-5のキーワードは「ホセ・ベリオス」「バートロ・コローン」「シカゴ」だ。

 

  • ホセ・べリオス

界を代表するトップ・プロスペクトがまたスター街道を歩み始めたのかもしれない。

米国時間5月2日、ミネソタ・ツインズのルーキーであるホセ・ベリオスがキャリア初勝利を挙げた。
この日、敵地でのヒューストン・アストロズ戦に登板したベリオスは、2回にプレストン・タッカーに一発を浴び先制されると、続く3回も2四球で一死一・二塁のピンチを招く。しかしここはエバン・ギャティスをダブルプレーに打ち取り切り抜けることに成功。

するとこの粘りのピッチングに打線が応えて3点を取り逆転に成功する。この日のベリオスは2被本塁打、5四球と不安定さをのぞかせるものの毎回の8奪三振(うち7つが空振り三振)を奪うなど5.1回2失点と粘りのピッチングを見せ中継ぎにバトンタッチ。その後、中継ぎ陣は零封リレーでツインズは6-2で勝利。ベリオスは見事に初勝利を挙げたのだった。昨シーズンのサイヤング賞投手であるダラス・カイケルに投げ勝ったことは彼にとっても大きな自信となったことだろう。

 

 

ここで彼の経歴を振り返っていきたい。彼は1994年生まれの21歳(5月27日に誕生日を迎え22歳に)。2012年のドラフトでプエルトリコ出身の投手としては史上最高となる1巡目、全体32位でツインズに入団。13年の第3回WBCではチーム最年少でプエルトリコ代表入り。また14、15年と2年連続でフューチャーズゲームのスターターを務めあげ、マイナーで2年連続2桁勝利、防御率2点台の好成績を残すなど輝かしい実績を残してきた。今シーズンは新人王候補に挙げられるも、デビュー戦のクリーブランド・インディアンズ戦は4回5失点で敗戦。今回、見事に前回登板の雪辱を果たす勝利となったわけだ。

彼は常時90マイル半ばを計測するフォーシーム、カーブ、チェンジアップのコンビネーションで打者を抑える術を心得ている。そして2年連続でBB/9が2.5を切るなど本来は非常に優れたコントロールも兼ね備えている。

昨年、地区2位と健闘し、今季の躍進が期待されるも5月8日現在で地区最下位に沈むツインズ。そんなチームを救うには、この男のさらなる成長が不可欠だ。

 

2015 Team Preview:ニューヨーク・メッツ

22874487656_f3c7f64f9d_z

 

 

 

 

 

 

 

*40人ロースターはリンクより参照
*SP横*マークはローテーション候補の意を示す

  •  本拠地:シティ・フィールド
他の野球場と大きさを比較する→http://yakyujo.com/ml20/

 

広さ
レフト 102.1m
センター 124.4m
ライト 100.6m
フェンスの高さ 2.4m
パークファクター*平均100
安打 91.2
ツーベース 93.4
スリーベース 90.5
HR 99.4
得点 87.0
  • 予想オーダー 

1. カーティス・グランダーソン:RF
リーグ優勝も経験し充実のシーズンに。26ホーマー&OPS.821&盗塁11とリードオフとして素晴らしい成績を収めた。じっくりとボールを見極める打撃スタイルで元々四球は多かったが、昨年はキャリアハイとなる四球率13.3%をマークした。守備ではRFとしてDRS+12をマーク。チャリティー精神の強い選手で、母校へ多額の寄付をしたり、日本&韓国&ニュージーランドで野球教室を行なったりしている。 

2. デビッド・ライト:3B
「キャプテン・アメリカ」。ニューヨーク生まれのニューヨーク育ちで小さい頃からのメッツファン。そんなメッツ一筋のチームリーダーだが、昨季は故障で38出場のみとチームの躍進に貢献できなかった。 今季はここまで順調な仕上がりを見せているが、チームは健康面を考慮して130試合程度の出場に抑えるつもりだ。元々はエンジニアになるつもりだった。好きな食べ物は寿司。

3. マイケル・コンフォート:LF
ドラフトからわずか1年ほどで異例のスピード昇格となったが、56試合でOPS.841&本塁打9の活躍でチームの優勝に貢献。ベテラン選手のような高い打撃技術を持っており、弱点の少ない好打者だ。守備走塁は得意な方ではないが、それでもDRS+9と健闘した。フアン・ラガレスとの併用が予想される。

4. ヨエニス・セスペデス:CF
昨シーズンのデッドラインディールでNYMに加入すると、わずか57試合で17ホーマーを放つなど打ちに打ちまくり、チームのリーグ優勝に大きく貢献。35本塁打&105打点&OPS.870&長打率.542はキャリアハイ。ようやく本領発揮といったところか。また守備でも強肩を武器にDRS+11、UZR+15.6をマークし、初のゴールドグラブ受賞。春季キャンプでは日替わりで高級車に乗って登場し、周囲を驚かせた。 

5. ルーカス・デューダ:1B
速球を豪快にライトスタンドにぶち込む迫力満点のパワーがウリ。昨季は故障もあり、135試合の出場にとどまったが、27ホーマー&OPS.838は高水準。健康に過ごせれば30ホーマー、100打点は自然とクリアできるだろう。選球眼もよく、12年以降はいずれのシーズンも四球率11.%以上。14年冬に日米野球で来日時には打率.400をマークし、メジャーリーガーとしての意地を見せた。 

6. ニール・ウォーカー:2B
ローテーション投手だったジョン・ニースと1対1のトレードでPITから加入。リーグ屈指の強打の二塁手として知られており、昨シーズンは二塁手としてはリーグ最多の16ホーマー、リーグ2位の打点71&長打率.427をマーク。通算DRS-10、UZR-31.6と守備は決してうまい部類ではないが、前任者のダニエル・マーフィー(WSH)よりは優秀だろう。姉はプロバスケットボール選手。 

7. アズドゥルバル・カブレラ:SS
2年$18.5MでNYM入り。ウォーカー同様に強打の内野手として知られており、メジャー通算102ホーマーの実績を持つ。特に昨シーズンは後半57試合で打率.328、本塁打10、OPS.916と絶好調だった。また、11年以降はいずれのシーズンも143試合以上出場しており、怪我に強いのも魅力の1つ。通算DRS-29、UZR-55.5と守備は不得意。 

8. トラビス・ダーノウ:C
ロイ・ハラデイ(元PHI他)、R.A.ディッキー(TOR)と2人のサイヤング投手とトレードされたことがある異色の経歴の持ち主。ブレーク間近の若手捕手で、昨季は故障の影響で67試合の出場にとどまったが、12ホーマー&OPS.825とパワフルな内容。 盗塁阻止能力もブロッキング能力もメジャー平均以下だが、フレーミング能力はメジャー屈指のモノ。兄はパイレーツ傘下でプレー。

9. 投

 

2015 Rookie Review:ナショナル・リーグ東地区

22807999326_f0e29726bc_z

 

 

 

 

 

 

 

2015年のMLBを彩ったルーキーたちをレビューする。今回はナ・リーグ東地区だ。
アトランタ・ブレーブス/マイアミ・マーリンズ/ニューヨーク・メッツ/フィラデルフィア・フィリーズ/ワシントン・ナショナルズ

  • アトランタ・ブレーブス

ジェイス・ピーターソン:2B

ーターソンは2011年にパドレスから指名された2B。去年トレードでブレーブスに移籍してきた。バットスピードが速いわけでもなく、パワーも平均以下だが、打撃のメカニクスは理想的と言われている。アプローチに優れており、左打者だが左投手相手にも変わらないアプローチで対戦することができる。大学時代に守っていたSSから転向した2Bの守備はまずまず。目立ったセールスポイントはないが弱点もないという評価だった。去年、パドレスでメジャーデビューを果たしている。

 

 

開幕から2Bのレギュラーとして出場すると1年間ケガなくすごし、チーム2位の152試合に出場。5月は月間打率.282、3三塁打、1本塁打を記録したが、それ以外の月では打率が.250を上回ったのは1回だけとなり最終的なスタッツは.239/.314/.335となった。

パワーツールは低評価だったが、フルシーズン1年目から6本塁打をマークしたのは合格点だろう。持ち味のアプローチでBB%=9.4%と上々。ただ、大振りしているわけでもないのにK%=20.1%は少し高い数字だった。コンタクト能力は平均以上のものを持っているだけに、K%をより低くすることは可能だろう。12盗塁を決めたが失敗も10個となり盗塁成功率は54.5%。

打撃での貢献は限られているだけにせめて成功率は70%以上を保ち20盗塁はマークする必要がある。2Bの守備ではメジャー全体で4位のダブルプレー成功数の101個をマークしたがDRSは-1とまずまずだった。

 

2015 NLCS Review:NYM vs CHC

21769860303_96f9f5ccef_z

 

 

 

 

 

 

 

2015 NLCS Review:NYM vs CHC

NLCA:NYM 4-0 CHC

*Game部のリンクでゲームのRecapをチェック可。 

Game1: NYM 4-2 CHC
勝:ハービー(1-0) 負:レスター(0-1) SV:ファミリア(1)

Game2: NYM 4-1 CHC
勝:シンダーガード(1-0) 負:アリエッタ(0-1) SV:ファミリア(2)

Game3: NYM 5-2 CHC
勝:デグローム(1-0) 負:ケーヒル(0-1) SV:ファミリア(3)

Game4: NYM 8-3 CHC
勝:コローン(1-0) 負:ハメル(0-1)

ューヨーク・メッツが圧巻の4連勝で2000年以来15年ぶり5回目のワールドシリーズ進出を決めた。全4戦で一度もシカゴ・カブスにリードを奪わせない素晴らしい試合運びを見せてくれた。対するカブスは、Back To The Future 2の予言で注目された2015年、惜しくもその予言は外れることとなった。

ヤギの呪い。そんなものが本当に実在するのだろうか。そう思ってしまうほどの活躍だった。1945年、カブスの本拠地リグリー・フィールドで行われたワールドシリーズ第4戦。いつもヤギを連れてきていた男性がその日初めてヤギの入場を拒否されてしまう。それに怒った男性は「二度とここでワールドシリーズがプレーされることはないだろう」と言い放ち帰ってしまった。

カブスはその年のワールドチャンピオンを逃し、以降ワールドシリーズに進出できていない。これがヤギの呪いである。そして、そのヤギの名前を「マーフィー」と言った。この「マーフィー」に今回カブスは屈したのである。

ダニエル・マーフィー。偶然にもこのヤギと同じ名前の選手こそ、このシリーズのキーマンであった。