Tag Archives: ブライアン・ドージャー

後半戦展望:ミネソタ・ツインズ

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 AL中地区の前半戦は予想を裏切るものであった。クリーブランド・インディアンスが勝率.500を下回り、ミネソタ・ツインズが地区首位に立つこともあった。しかし、気付けばツインズとのゲーム差は11.0に広がっている。
 さて、ツインズのトレードは計6件行われた。したがって、今回は時系列順に振り返りたい。

 7月19日にタンパベイ・レイズから、金銭を見返りにジェレミー・ヘイゼルベイカー(OF)を獲得。現在30歳であり18年はメジャーでプレーしていない。また、ツインズのOFは層が薄いというわけではないため、戦力アップ(PO進出は絶望的であるが)や再建のためのトレードとして評価することは出来ない。

 7月27日にヒューストン・アストロズから、ライアン・プレスリー(RHP)を見返りに2人のプロスペクトを獲得。3年連続55登板を達成した優秀なリリーバーだが、年俸高騰のリスクは小さいとは言え2020年にはFAとなる予定だった。

1. ホルヘ・アルカラ(RHP)
  MLB公式チーム内10位のプロスペクト。コントロールは改善の余地があるが、三振を奪う投球が魅力的な23歳。
2. ギルバート・セレスティーノ(CF)
  MLB公式チーム内15位のプロスペクト。国際大会の経験が豊富であり、守備の評価が特に高い19歳。
 プレスリーを無理に放出する必要はなかったと言えるが、15位以内のプロスペクトを2人獲得出来たのは上出来だろう。

 同日、アリゾナ・ダイヤモンドバックスにエデュアルド・エスコバー(SS/3B)を放出し、見返りに3人の選手を獲得。今季、2年連続となる20本塁打の達成が見込まれるもののオフにはFAとなる予定であった。

1. ガブリエル・マシエル(CF)
  MLB公式チーム内11位のプロスペクト。パワーレスながらスピードとコンタクトスキルは高い。現在19歳であり、Aでプレー。
2. ホアン・デュラン(RHP)
  MLB公式チーム内19位のプロスペクト。速球は94-96マイルながら今の所成績は今一つ。
3. アーニー・デラトリニダード(OF)
  17年に19巡目でダイヤモンドバックスに入団。コンタクト・パワー・アプローチが良く、今季はAでOPS.845。現在22歳。
 SSはロイス・ルイス(MIN1位)を筆頭にプロスペクトがひしめいている為、OFを重点的に補強する方針であることが窺い知れる。先の通りOFの層は薄くないものの、後でトレード要員にすることも出来るため多くて困ることはないだろう。

後半戦展望: ロサンゼルス・ドジャース

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 今年のナショナル・リーグは、現地時間08/05全試合終了時点で3地区共に首位と2位のゲーム差が1.5を切っている接戦の年である。(前年は08/05全試合終了時点で中部地区を除き10ゲーム以上の差が開いていた。)さて、今回は西部地区の首位であるロサンゼルス・ドジャースのトレードを振り返りたい。

 

 ドジャースは現在、アリゾナ・ダイヤモンドバックスとコロラド・ロッキーズとの三つ巴状態であり、また、地区優勝をしないとプレーオフの進出は難しい立場にある。

 NL2位の534得点を記録している野手陣の補強を重点的に行なった。コーリー・シーガー(SS)が今季絶望であることを除けば、故障している主力野手は既に復帰済みである。
 ボルチモア・オリオールズからマニー・マチャド(3B/SS)を獲得。マチャドはドジャースでも引き続き遊撃手としてプレー。DRSとUZRは大きなマイナスをマークしているが4年連続30本塁打を視野に入れている。オリオールズの得点数はAL13位だったため、移籍によって負担が減り打撃成績が更に良くなるのが理想的だ。
 放出したプロスペクトは以下の通り。
1. MLB公式全体84位のユスニエル・ディアス(OF)
  強肩強打が売りであり、将来は右翼手が適任という評価。
2. MLB公式チーム27位のライアン・バノン(3B)
  守備とアプローチが優れている三塁手。
3. 同28位のディーン・クレマー(RHP)
  91-94マイルの速球が売りであり、スターター適性があるとされている。
4. ランク外のザック・ポップ(RHP)
  94-97マイルのシンカーが売りであり、奪三振能力は低いがA+で27回を投げ防御率0.33をマーク。移籍後は2Aでプレー。
5. ブレビック・バレラ(IF)
  現在26歳であり、今季はドジャースで20試合に出場しOPS.445。
 ミネソタ・ツインズからは、ブライアン・ドージャー(2B)を獲得。5年連続20本塁打は達成間近とは言え、ドジャースが求めているのは2016-17年頃のドージャーだろう。

 

 NL1位の防御率3.54をマークしている投手陣の補強は最低限に留めた。現在10人の投手がDL入りしているものの、アレックス・ウッド(LHP)とロス・ストリップリング(RHP)が8月中に10日間DLから復帰予定ではある。
 トロント・ブルージェイズからジョン・アックスフォード(RHP)を獲得。今季、マイナー契約で25人枠入りを争うところからスタートした35歳のベテランリリーバーがPO進出を狙う球団への移籍を果たした。
 シンシナティ・レッズからはディラン・フローヨ(RHP)とザック・ニール(RHP)を獲得。本命であるフローヨはセットアッパーとしても申し分ない成績を残しており、放出したのがコントロールに問題を抱えるマイナーリーガーであることを考えれば上出来のトレードと言えるだろう。

 

 同率首位のアリゾナ・ダイヤモンドバックスは、ドジャース同様に強力な投手陣を更に強化したため、野手陣を補強したドジャースとは対照的だ。アトランタ・ブレーブスやミルウォーキー・ブルワーズも終盤戦に向けて補強してきたため、油断は禁物である。

 

Text by Tsubasa Komiyama

Photo link is https://flic.kr/p/GxNTct

Weekly Report : Week 19

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3つのハイライトでメジャーリーグの1週間を辿る。Weekly-19のキーワードは「終盤戦」「アスレチックス」「86球」だ。

 

・終盤戦

8月に入りシーズンもいよいよ終盤戦に入ってきた。そんな、Week19にはプレーオフの行方を左右するような好カードひしめいた。まずはア・リーグ西地区首位のヒューストン・アストロズとナ・リーグ西地区で首位争いを展開しているロサンゼルス・ドジャースという昨年のワールドシリーズと同じ組み合わせ。優勝争いに向け負けられない両者の戦い、初戦は投手戦となった。アストロズがエースのジャスティン・バーランダー、ドジャースがアレックス・ウッドの投げ合いとなったこの試合は初回にドジャースが先制すると2回にエラーも絡み、アストロズが逆転。その後はバーランダーが8回途中まで1失点14奪三振の好投を見せ、2-1でアストロズが勝利を収めた。初戦の勝利で勢いに乗ったアストロズは2戦では打線が爆発。投手陣もドジャース打線を封じ込め14-0で連勝を飾った。スウィープを狙ったアストロズだが3戦ではゲリット・コールがデッドライン移籍組のマニー・マチャド、ブライアン・ドージャーらに捉えられ3失点し、3-2で敗れた。しかし、2勝1敗と勝ち越しでこのシリーズを終えたアストロズはポストシーズンに向けて自信となるシリーズになっただろう。

 続いて取り上げるのはア・リーグ東地区の首位決戦であるボストン・レッドソックスとニューヨーク・ヤンキースの4連戦。優勝争いに大きく影響するこのシリーズはレッドソックスが4連勝でヤンキースを圧倒した。乱打戦の初戦を取って勢いに乗ると、リック・ポーセロ、ネイサン・イオバルディの好投で2,3戦も勝利、4戦目は9回に3点差を追いつき10回にアンドリュー・ベニンテンディがサヨナラ安打を放つ劇的な展開でスウィープを飾った。この結果を経て、両チームのゲーム差は9.5と広がり、レッドソックスは地区優勝へ大きく近づいた。一方のヤンキースはこれで5連敗となり、ワイルドカードのホームコートアドバンテージを争うアスレチックスとのゲーム差は2.5ゲームにまで縮まってきた。主力のアーロン・ジャッジを怪我で欠くヤンキースだが、ここからの終盤戦、ポストシーズンに向けて厳しい戦いが続くこととなるかもしれない。

2017 Team Preview:ミネソタ・ツインズ

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*40人ロースターはリンクより参照
*SP横*マークはローテーション候補の意味を示す。

  • 本拠地:ターゲット・フィールド
 
他の野球場と大きさを比較する→http://yakyujo.com/ml25/ 

 

広さ
レフト 103.3M
センター 123.1M
ライト 100M
フェンス高さ 2.4~7M
パークファクター平均*100
安打 106.4
ツーベース 108.1
スリーベース 103.1
HR 101.4
得点 104.4
  • 予想オーダー

1.ブライアン・ドージャー:2B

昨年大ブレークした二塁手。ア・リーグの二塁手としてはシーズン最多本塁打の42本をマークした。本塁打以外のスタッツもOPS.886、18盗塁をマークし、チームの中心的な役割を担った。2018年までの4年20M$の格安の契約から、トレードの噂も絶えず、オフシーズンにはドジャースとのトレードが成立間近との報道もあったが、条件面で合意出来ず破談となった。

2.ホルヘ・ポランコ:SS

2009年にインターナショナルFAでツインズに入団。着々とマイナーの階段を上っていき、2014年にメジャーデビュー。2014年、2015年はそれぞれ5試合、4試合の出場にとどまったが、昨シーズンは8月からショートのレギュラーに定着、69試合に出場し打率.282、OPS.757という成績を残した。最大の魅力は攻撃面で将来的には20盗塁&20ホーマーも可能との評価もある。

3.ジョー・マウアー:1B

MVP1回、シルバースラッガー5回受賞、オールスター6回選出と輝かしい成績を残したが、ここ数年は怪我の影響もあり不調に陥っている地元出身のスター。2013年までのポジションは主にキャッチャーであったが、やはりこれも怪我に影響もあり、2015年からはファーストに専念している。33歳と老け込むにはまだ早く、完全復活に期待がかかる。

4.ミゲル・サノー:3B

2015年にメジャーデビューしたチーム期待の有望株。デビューした年は、18本塁打、OPS.916と好成績を残した。昨年は本塁打数こと25本と増えたものも、打率は.269から.236へ、三振数は119から178と大幅に悪化してしまった。クリス・カーターのような大型扇風機のようになるか、リーグ屈指のパワーヒッターになるか、分かれ目の年になりそうだ。

5.マックス・ケプラー:RF

数少ないドイツ出身のメジャーリーガー。2014年まではAクラスで打率.264となかなか芽が出なかったが、2015年シーズンにAAクラスで打率.322とブレーク、メジャーの切符をつかんだ。2013年からマイナー通算本塁打数が24本であったが、昨年は113試合の出場にとどまりながら17本塁打とパワーが開花。左投手が極端に苦手で、対右投手のOPSが.792に対し、対左投手は.595。左投手の攻略が今後の躍進のカギになる。

6.ケニース・バルガス:1B

昨年の開幕時はマイナースタートだったものも、マイナーで打席でのアプローチに取り組んだことからメジャー昇格の切符をつかんだ。50試合前後の少ないサンプルではあるが、出塁率は.277から.333へと改善。スイッチヒッターではあるが、対左投手はなんとOPS1.262をマークした。初めてメジャーでフルシーズンを過ごすと思われる今シーズンどこまで成績を残せるか注目である。

7.ジェイソン・カストロ:C

FAでヒューストン・アストロズから3年24.5M$で加入。2013年に打率.276、OPS.835をマークしオールスターに選出されたがそれ以降は打撃は低迷、3年連続で打率.230を切っている。打撃では貢献できなくても守備には定評があり、新天地で元ドラフト1巡目指名の価値を発揮できるか。

8.エディー・ロサリオ:LF

2015年にメジャーデビューし、122試合に出場、打率.267、OPS.748という成績を残して昨シーズンはブレークの年かと思われたが、不調に陥り、2015年シーズンよりも30試合少ない92試合の出場にとどまった。超積極的打法で、2年間214試合に出場し、なんと四球数はわずか27。アプローチの改善ができればもう少し成績が伸びるかもしれない。

9.バイロン・バクストン:CF

2012年ドラフト全体2位指名の期待の有望株。5ツールが揃っているプレーヤーで、将来の球界を担っていく逸材との評価もある。298打席で118三振と打撃の粗さは気になるが、昨年から出場試合数は46試合から92試合へと倍増し、今年は飛躍の年になるかもしれない。

Weekly Report:Week-23

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3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-23のキーワードは「トレイ・ターナー」「ブライアン・ドージャー」「リッチ・ヒル」だ。

  •  ターナー

本では広島カープが25年ぶりとなるリーグ優勝を決めた。その原動力となったのが、 緒方孝市監督に「神っている」と言わしめた鈴木誠也だ。鈴木は走攻守3拍子揃った選手で、ここまで打率.333、本塁打26、盗塁16と素晴らしい活躍を披露している。

今、海を越えたメジャーリーグで「神っている」と形容するにふさわしいのは、トレイ・ターナー(WSH)しかいないだろう。

ターナーは鈴木と同じくプロ入り時には遊撃を守っていたが、現在は外野に回ってブレークイヤーを辿っている。また、赤いユニフォームのチームでプレーする右投げ右打ちの若手選手という共通点も興味深い。

ターナーは「スピードレーサー」との異名を持つ俊足が武器の選手で、シュアな打撃と合わせて大学時代から有望視されていた。14年のドラフトで1巡目指名を受けると、以降マイナーでは4年連続で打率3割をクリアしている。今季は3Aで81試合に出場し、打率.302&盗塁25の活躍でメジャー昇格を果たすと、不調のベン・リビアに代わって「1番センター」のレギュラーを奪い取った。

特に8月は打率.357、OPS.937、盗塁11と素晴らしい成績を残し、月間最優秀新人にも選ばれた。シーズンでも52試合に出場して打率.345、本塁打8、盗塁21、OPS.925とマイナー時代を上回る活躍を見せている。ちなみに160試合に換算すると本塁打24、盗塁64、安打236というMVPも狙えるペースだ。

連日「神っている」活躍を見せているターナーだが、中でも現地9月9日の試合はターナーの独壇場となった。1点リードで迎えた7回にツーランホームランを放つと、その後同点に追い付かれて迎えた9回にはセンターにサヨナラホームラン。地区優勝へのマジックを14に減らした。この試合で自身初となるマルチホームランをマークするなどパワー面で成長を見せているターナー。「僕はホームランバッターではないけど、パワーが増しているのを実感しているよ。これは打撃フォームのおかげだね。スイングがよくなってボールを飛ばす力が増したんだ」と自己分析している。

前半戦は1番バッター&センターのOPSがいずれも両リーグワースト2位と悩まされてきたナショナルズだが、ターナーの台頭により「1番センター」の座は埋まった。一足先に優勝を決めた広島カープを追いかけて、トレイ・ターナーの全力疾走は止まらない。