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Weekly Report:Week-3

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今回から各部員のリレー形式で1週間のメジャーリーグを辿る。Week-3のキーワードは「クリス・セール」「ライアン・ヘルスリー」「ブルペンの不振が目立つブレーブスがキンブレル獲得に及び腰な2つの理由」「マイク・マイナー」「ブラッド・ケラー」「Kデービス契約延長」だ。
・クリス・セール
Written by Yu Kikuchi
昨年ワールドシリーズ王者のレッドソックスのエース、クリス・セール(LHP)が今シーズンここまで大きく苦しんでいる(ERA:8.50 04/16現在)。セールはオールスター7回、奪三振王2回を獲得するなど名実ともに球界を代表する投手である。今年の3月には5年$145Mで契約延長している。
ではなぜここまでの不調に苦しんでいるか筆者が分析してみた。
まずは今シーズンのセールの登板を振り返ろう。以下は今シーズンのGame Logである。
photo by mlb.com
開幕戦のvsSEA戦では3回7失点と大乱調。次のvsOAK戦では6回1失点とまずまずのピッチングをするも、奪った三振はわずか1つと本来のピッチングとは程遠かった。さらに次の2試合でも試合を作ることができず負け投手となっている。筆者はここまでの不調の原因はフォーシームと考えている。以下のデータを見て頂きたい。
フォーシームの平均球速は92.4mphと昨年より2.8mphも落ちている。その影響からか被打率は.524とかなり打たれていることがうかがえる。また、フォーシームの威力が落ちたことから伝家の宝刀のスライダーのK %も昨年の半分以下となっている。またWhiff %も軒並み落ちている。
*今シーズンのゲームごとのフォーシームの平均アベレージおよびMAX
3/28 92.3mph /94.5mph max
4/2 81.9mph/92mph max
4/9 91.8mph/94.7mph max
4/16 95.5mph/97.5mph max
以上のことからフォーシームのスピードダウンが不調の原因と考えた。
レッドソックスは4/18現在6勝13敗と地区最下位に沈み苦しいシーズンとなっている。先発陣が不調に陥っている(以下参照*)ことが原因と考えられる。同地区のレイズが好調でまた、故障者の多いヤンキースが踏ん張っているだけにこれ以上離されない為にはセールの復調が必要不可欠である。16日のNYY戦では負けはしたものの、平均球速が本来のスピードに近づいており、次回以降の登板に期待がもてそうだ。
*レッドソックスの先発投手陣(4/18現在)
クリス・セール(LHP) 0勝4敗 ERA8.50
デビット・プライス( LHP) 1勝1敗 ERA3.79
リック・ポーセロ(RHP) 0勝3敗 ERA11.12
ネイサン・イオバルディ(RHP) 0勝0敗 ERA6.00
エドゥアルド・ロドリゲス(RHP) 1勝2敗 ERA7.98
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2018 NLDS Review : MIL vs COL

NLDS : MIL 3-0 COL
*Game部のリンクでゲームのRecapをチェック可。
Game 1 COL 2-3 MIL
勝:ホアキム・ソリア(1-0) 負:アダム・オッタビーノ(0-1)
Game 2 COL 0-4 MIL
勝:ヨーリス・チャシン(1-0) 負: タイラー・アンダーソン(0-1)
Game 3 MIL 6-0 COL
勝:コービン・バーンズ(1-0) 負:ヘルマン・マーケス(0-1)
162試合では決着が付かず、コロラド・ロッキーズはロサンゼルス・ドジャースと163試合目を戦い敗北し、WCからPO進出をすることになった。一方、同じく決着が付かず163試合目を戦い勝利したミルウォーキー・ブリュワーズは、2011年以来となる地区優勝を果たした。対照的な両チームの対決は、ブリュワーズがロッキーズをスウィープするという衝撃的な幕切れであった。
ここからはこのシリーズの注目点とシリーズを通して活躍した選手をピックアップしていく。
注目点1→打線
ロッキーズはリーグトップクラスの打線を誇るチームである。ホーム球場であるクアーズ・フィールドは打者天国として有名ではある。しかしながら、アウェーであってもロッキーズ打線は長打力を遺憾無く発揮してきた。その打線を牽引するのは、38本塁打をマークしたノーラン・アレナド(3B)と、37本塁打27盗塁をマークしたトレバー・ストーリー(SS)だ。だが、シーズンOPS.935をマークしたアレナドはOPS.354、シーズンOPS.914をマークしたストーリーはOPS.667とそれぞれ不振を極めた。ロッキーズに戻ってきたマット・ホリデイ(LF)はOPS.708と最低限の成績を収めたが、ロッキーズ打線は3戦で2得点と封じ込められた。
一方、ブリュワーズは、オフシーズンに獲得したロレンゾ・ケイン(CF)とクリスチャン・イエリッチ(LF)が地区優勝の原動力となった。イエリッチ(LF)はシーズンOPS1.000の勢いそのままにOPS1.196と活躍してみせた。また、シーズン途中に獲得したマイク・ムスタカス(3B)はOPS.916とシーズン中以上の活躍を見せた。それから、ベテランのエリック・クラッツ(C)が打撃でもチームに貢献を果たし、ケインはOPS.298と不調だったが、キーオン・ブロクストン(CF)が充分過ぎる穴埋めをする活躍で、層の厚さが際立った。
注目点2→投手陣
Game1において、ロッキーズの先発であるアントニオ・センザテラ(RHP)は5回を投げた。一方、ブリュワーズの先発であるブランドン・ウッドルフ(RHP)は、無安打1与四球にも関わらず3回を投げ切ってマウンドを降りた。そのような先発投手の起用はシリーズ一貫して行われ、3戦で13得点2失点と終始優位な状況をキープしたものの、ブリュワーズの先発が6回を投げきることは1度もなかった。(NLDSでの最長は5回だった)
可能にしたのは、ブリュワーズの投手陣の層の厚さと、クレイグ・カウンセル監督による(リリーフ投手の酷使と言えなくもないが)時代や試合状況に応じた柔軟なプルペン運用だろう。ブリュワーズは4人のリリーフに3連投させた。シーズン55登板81.1回のジョシュ・ヘイダー(LHP)は、3登板し7人の打者と対決。1人として出塁を許さず無失点で抑えた。4人の投手に回跨ぎさせたりワンポイントリリーフとして起用し、ロッキーズ打線を沈黙させることに成功した。
8月のトレード補強を振り返る

7月31日は、「トレードデッドライン」である。だが、MLBではウェイバーを通過する、もしくはクレームされることで8月31日までトレードを行うことが出来る。基本的に強豪チームが目当ての選手を獲得することは難しいが、シカゴ・カブスがダニエル・マーフィー(2B)を獲得したように、タイミングさえ良ければPO直前に大きな補強を行うことが出来る。さて、8月はメジャー全体で39件のトレードが行われた。そこでカブスのように、PO直前に補強に成功したチームを振り返りたい。
ニューヨーク・ヤンキース
7月、投手を重点的に補強していたヤンキースは、アデイニー・エチャバリア(SS)とアンドリュー・マッカッチェン(RF)を獲得。ディディ・グレゴリウス(SS)が復帰間近とは言えDL入りしており、SSの強化に成功した。また、エチャバリアは守備に定評があるため、グレゴリウス復帰後は控えとしてチームに貢献することが出来るだろう。外野手はアーロン・ジャッジ(RF)がDL入りしており、手薄となっていた。ジャッジ復帰後はアーロン・ヒックス(CF)やブレット・ガードナー(LF)と併用すると見られている。クリント・フレイジャー(LF)もリハビリ中であるため、第四の外野手をアップグレードすることが出来たのはPOでは大きな強みである。尚、マッカッチェンは2012年から始まった長期契約の最終年でありオフにFAとなる。おそらく来季はピンストライプではないユニフォームに袖を通していると思われるが、ヤンキースでの活躍に期待したい。
クリーブランド・インディアンス
ジョシュ・ドナルドソン(3B)を獲得。今季は故障によりシーズンの大半をDLで過ごしているものの、インディアンスの地区優勝は安泰であるため、急いで復帰する必要はなさそうだ。エースのトレバー・バウアー(RHP)等がDL入りしているものの、投手陣には手を付けなかった。7月はブラッド・ハンド(LHP)とアダム・シンバー(RHP)を獲得している。
オークランド・アスレチックス
ショーン・ケリー(RHP)やフェルナンド・ロドニー(RHP)、コーリー・ギアリン(RHP)、そしてマイク・ファイヤーズ(RHP)を獲得。1人1人はスター級ではないものの、確実にブルペンをアップグレードし、PO進出有力候補になることが出来た。
※アスレチックスのリリーバーの成績()内はAL内の順位
防御率3.29(3位)
勝利数35(2位)
投球回506.1(3位)
(9/2時点)
ブルペンはALトップクラスであり、今季のアスレチックスの好調を支える鍵と言えるだろう。ファイヤーズは移籍後もスターターとして起用されている。5先発し、27.2回3与四球30奪三振で3勝をマーク。ヒューストン・アストロズと地区優勝争いをしているチームに大きな貢献をしており、トレードは大成功と言えるだろう。尚、ファイヤーズは来季以降も保有することが出来る。地味な補強ながら後半戦も好調をキープしているアスレチックスから目が離せない。尚、、7月は僅か1度しかトレードを行なっておらず、そのトレードではジュウリス・ファミリア(RHP)を獲得している。
2017 Team Preview:カンザスシティ・ロイヤルズ

*40人ロースターはリンクより参照
*SP横*マークはローテーション候補の意味を示す。
- 本拠地:カウフマン・スタジアム
レフト | 100.6M |
センター |
125M |
ライト | 100.6M |
フェンス高さ | 2.4M |
安打 | 109.2 |
ツーベース | 125.6 |
スリーベース | 157.1 |
HR | 78.3 |
得点 | 117.1 |
・予想オーダー
1.アレックス・ゴードン:LF
4年 7200M の大型契約を結んで迎えた昨シーズンは打率.220、OPS.692 と大不振。近年はかつて名手と呼ばれ、ゴールドグラブ賞を4度受賞した程の外野守備能力に関しても低下が心配されており、今シーズンは打撃、守備共に復活の年にしたい。
2.マイク・ムスタカス:3B
昨シーズンは 4 月だけで 7 本塁打を記録するなど好調なスタートを切ったが、5月下旬、守備の際にゴードンと交錯、右膝を故障しそのままシーズンアウトと不本意なシーズンとなった。15年以降打撃は好成績が続いているため今シーズンの復活に期待が高まる。
3.ロレンゾ・ケイン:CF
故障の影響もあり、打率3割を残した 14,15 年からは少し成績は落としたが、まずまずの成績。左投手を得意としており、昨シーズンは打率.371 と打ちまくった。今シーズンは 2年契約の最終年であり成績を残してアピールしたいところ。
4.エリック・ホズマー:1B
本塁打、打点はキャリアベスト、オールスターに初出場し MVP 獲得、さらには WBC アメリカ代表として優勝を経験と最高の年を送った。しかし、一塁守備で DRS-6 を記録した影響もあり、WAR はマイナスだった。
5.サルバドール・ペレス:C
昨シーズンは 4 年連続のオールスター出場、ゴールドグラブ獲得、更に 2 年連続で 20 本塁打を記録するなど例年通りの活躍。しかし四球を選ばないのも例年通りで出塁率は三年連続で 2 割だとかなり低め。オフには WBC にベネズエラ代表として出場したが怪我で途中離脱。
6.ブランドン・モス:DH
2 年 1200Mで加入した左の大砲。 昨シーズンの打率.225、出塁率.300 はキャリアワーストクラスだったが、28 本塁打を放つなどまずまずの成績。右投手に対して圧倒的な長打力を発揮し、キャリアで放った 138 本の本塁打の内、119 本は右投手から。
7.アルシデス・エスコバー:SS
7 年連続で 145 試合以上に出場しており、昨シーズン全試合出場は彼以外に 2 人だけ。しかし、ここ 2 年連続で出塁率 3 割以下、盗塁も 20 を下回るなどリードオフマンとしては不満の残る成績。
8.ウィット・メリフィールド:RF
昨シーズンメジャーデビューを果たした 28 歳。打撃では打率.283 と奮闘したが三振の多さが気になるところ。守備では内外野5つのポジションを守るなど器用さを見せた。マイナーでは 30 盗塁以上を記録した年もあり、足でもアピールしたい。
9.ラウル・モンデシ:2B
15 年のワールドシリーズでメジャーデビューを果たしたロイヤルズ期待のプロスペクト。高い身体能力と強肩を武器とした守備は一級品だが、打撃は課題が山積み。しかしまだ 21歳と若いためこれからの改善に期待したいところ。
2016 Team Preview:カンザスシティ・ロイヤルズ

*40人ロースターはリンクより参照
*SP横*マークはローテーション候補の意味を示す。
- 本拠地:カウフマン・スタジアム
レフト | 100.6M |
センター |
125M |
ライト | 100.6M |
フェンス高さ | 2.4M |
安打 | 99.5 |
ツーベース | 122.1 |
スリーベース | 145.5 |
HR | 79.3 |
得点 | 101.9 |
- 予想オーダー
1.アルシデス・エスコバー:SS
ベネズエラ出身のSS。昨シーズンはALCSでMVP、ワールドシリーズで先頭打者初球ランニングホームランを放つなどポストシーズンでOPS.861とワールドチャンピオンになったチームの中で印象的な活躍をした。一方シーズンではリーグワーストのOPS.614と不振。早打ちでOBP.293と1番打者として物足りない成績だった。守備ではDRSは-1だったがUZRは+7.1をマーク、自身初となるゴールドグラブ賞を受賞した。
2.マイク・ムスタカス:3B
07年にドラフト全体2位指名での入団もなかなか結果が出なかったが、起用し続けると14年のポストシーズンに15試合で5ホームランと開花の兆しを見せた。迎えた15年は.284/.348/.470&22HRと軒並み自己ベストの成績を叩き出し、オールスターにも初選出される1年となった。1番の成長は対左投手への成績で、OPS.554だった苦手だった14年から一転OPS.823と完全に克服した。3Bの守備は本来上手いが、昨シーズンはDRS+4と彼にしてはやや物足りない数字だった。
3.ロレンゾ・ケイン:CF
メジャー有数のCFへ成長した走攻守全てでチームを引っ張る存在。昨シーズンは打での成長を見せ、14年の5HR→16HRとパワーアップ。.307/.361/.477と全て自己最高の成績だった。リーグ2位の28盗塁、DRS+18、UZR+14.3と走、守は変わらず高いレベルにあり、MVP投票では3位に入る活躍だった。今年29歳だが本格的に野球を始めたのは高校2年の時であり、まだまだ伸びしろはありそう。
4.エリック・ホズマー:1B
勝負強さが光るKCの4番。昨シーズンはともに自己最多となるOPS.822&93打点と4番として活躍。右投手に対してOPS.885と相性が良いが、対左でもOPS.730と苦手というほどでもない。26歳にしてゴールドグラブ賞3回の1B守備も評価が高い。唯一物足りないのは過去1度も20HR以上をマークしたことのない長打力だろう。今年は20HR以上をクリアしたい。
5.ケンドリス・モラレス:DH
キューバ出身のチャンスに強い両打ちのスラッガー。ビリー・バトラー(OAK)が3年30MでOAKに移籍し、その穴埋めとして2年17Mで獲得すると、主にDHとして出場し.290/.362/.485&22HR。シルバースラッガー賞&エドガーマルティネス賞を獲得した。当初は14年の不振からモラレスの契約に疑問視する声もあったがバトラーのOAKでの成績を見ても、今となってはモラレスと契約したことは成功だったと言わざるを得ない。
6.アレックス・ゴードン::LF
KC生え抜きでチームの中心選手。オフにFAとなり流出かと思われたが、4年72Mで残留を決めた。球団史上最高額の契約ではあるが、近年の高騰を考えれば契約自体はかなりお買い得。昨シーズンは怪我の影響で104試合の出場にとどまり、オールスターも辞退。4年連続で獲得していたゴールドグラブも逃してしまった。しかし打撃は.271/.377/.432&13HR、DRS+7、UZR+6.9と成績自体は例年通り。怪我さえなければ心配なさそうだ。
7.サルバドール・ペレス:C
昨シーズンのワールドシリーズMVP。KCを引っ張る25歳の若き司令塔。3年連続のゴールドグラブ、自己最多の21HRと攻守両面で存在感を示し、リーグ屈指のCへと成長した。欠点は四球を選べないことで、142試合でわずか13四球と相変わらずのフリースインガーっぷりだった。オフには5年52.5Mで契約延長。
8.レイモンド・フエンテス:RF
25歳、メジャーでは13年に23試合に出場しただけだが、スプリングトレーニングでは絶好調。26試合に出場し.386/.453/.632&3HRと、マイナー通算216盗塁の武器の俊足に加えて打撃でも結果を残し開幕25人枠入りを果たした。
9.オマー・インファンテ:2B
安定した成績を残してきた2Bだったが昨シーズンは.220/.234/.318&2HRと大不振。シーズン後半には移籍してきたゾブリストが2Bを守り、ポストシーズンのロースターからも外され、世界一となったロイヤルズで1人蚊帳の外となってしまった。14年には33四球&68三振だったのが15年には9四球&69三振。2年16Mの契約が残るが、昨シーズンのような体たらくならクリスチャン・コローンにポジションを奪われるかもしれない。