Tag Archives: ホルヘ・ソレアー

World Series Review:Game-3

29652237634_bba14b9c6a_z

 

 

 

 

 

 

 

*Game部のリンクでゲームのRecapをチェック可

Game3:CLE
勝:アンドリュー・ミラー(1-0) 負:カール・エドワーズjr(0-1) S:コディ・アレン(1)

クリーブランドで1勝1敗と勝ち星を分け合い、1日置いた後に迎えたリグレーフィールドでの第3戦。DH制がなくなったことで両チームともラインアップを変えることを余儀なくされた。インディアンスはポストシーズンでの好投があったジョシュ・トムリンを、カブスはシーズンメジャー最優秀防御率をマークしたカイル・ヘンドリクスを先発に立てた。

試合は初回から動いた。1回表、1アウトからジェイソン・キプニス、フランシスコ・リンドーアの連打で1、3塁。ヘンドリクスはいきなりピンチを背負うことになったが慌てなかった。リードが大きい1塁のリンドーアに牽制を投げると際どいタイミングに。一度はセーフコールがなされたがチャレンジの結果アウトへと判定が覆った。

第1戦でリンドーアにかく乱され初回から失点を許したジョン・レスターの二の舞にはならないよう、しっかりとインディアンスの機動力の要であるリンドーアの足を封じこめたヘンドリクスは初回を無失点で切り抜けた。その後もヘンドリクスは低めへのコマンドとチェンジアップが冴え、毎回ランナーを背負いつつも4回まで失点なく投げ進んだ。

一方のトムリンはそれまでのポストシーズンで見せたような好投をこの試合でも披露。落差のあるカーブとヘンドリクスに負けないほどのコマンドでカブス打線を翻弄。こちらも4回まで2塁を踏ませない素晴らしい投球を見せる。

試合が大きく動いたのは5回だった。5回表、インディアンス先頭打者のタイラー・ネークインがシングルヒットで出塁。その後送りバントで1アウトとなった後、四球と死球で満塁のチャンスを作る。ここで打席に入るのはここまで2安打と当たっているリンドーア。ここでカブスはヘンドリクスを諦め、ジャスティン・グリムを投入。

カブスファンも思わず目を逸らしてしまうような場面。フルカウントとなった後、リンドーアが放った打球は2Bを守るハビアー・バエズの正面へ。SSのアディソン・ラッセルと目にもとまらぬ速さでダブルプレーを完成させ、この大ピンチを切り抜けた。

そして5回裏、今度はカブスの先頭打者ホルヘ・ソレアーが同じくシングルヒットで出塁。その後内野ゴロの間に進塁し、2アウト2塁。ここでグリムの打順となりミゲル・モンテロが代打で送り出されたところでインディアンスも投手交代を告げる。インディアンスは第1戦での気迫の投球が記憶に新しいアンドリュー・ミラーをこの場面で投入した。

モンテロも対戦する投手が変わったことに合わせてバットを変えてミラーに臨んだ。追い込まれた後、モンテロが内角の速球をはじき返すとライトに鋭いライナーが飛んだが打球はグラウンドに落ちることはなくRFを守るロニー・チゼンホールのグローブの中へ。またしてもミラーは無失点で切り抜けポストシーズン連続無失点のイニングを延ばした。

6回は両チームのリリーフが三者凡退に抑え事なく終わったが、7回に再び試合が動いた。6回から投げていたカブスのカール・エドワーズjrから先頭のロベルト・ペレスがヒットを打ち出塁。送りバントで2塁に進むと、さらにワイルドピッチで3塁に到達。打席に入っていたラジャイ・デービスが四球で歩くと、ミラーの打順で代打ココ・クリスプがコールされる。

両打ちのクリスプということもあり、カブスベンチの判断はエドワーズjr続投。手に汗握る展開は一瞬で決着がついた。クリスプが初球の速球を詰まりながらもライト前に運び、タイムリーに。遂に待ちわびていた先制点がインディアンスに入った。カブスもソレアーの強肩で3塁に進塁しようとしたデービスを刺し、好プレーで3アウト目を取り追加点を許さず踏ん張ったが、この日はこの1点が全てだった。

7回裏、カブスは2アウト後、ソレアーが打ったライトのファールゾーンぎりぎりのフライをチゼンホールが落球し3塁まで進んだが後が続かず得点とはならなかった。その後もカブスはランナーを出すものの得点は奪えず、9回には2アウト2、3塁のチャンスを作るがインディアンスのクローザー、コディ・アレンが立ちふさがり最後までホームを踏めず試合終了となった。

カブスが最後まで得点できなかった理由をバエズは「自分達は今日の試合、物事を速く進めようとしすぎていた。自分達のペースで1打席1打席、1球1球プレーしなければならない」と話した。確かにこの試合はレギュラーシーズン中メジャー1位の四球数をマークしたカブス打線にしては早打ちでボール球に手を出すシーンが多かった。もう一度自分達のプレースタイルを思い出す必要があるだろう。

勝利したインディアンスは勝利した第1戦のように継投策がハマっただけでなく、普段はあまり行わない代打策まで当たりとなった。代走や守備交代も多く行い、ベンチ入りしている13人の野手を全て使い切っての勝利だった。フランコーナ監督が試合後に「とても忙しい試合だった」と振り返ったのも納得である。

両チームとも守備で好プレーがあり息詰まる投手戦が一層見応えのある試合になった。言葉通り世界一のチームを決めるのにふさわしい両チームであることをファンは思い知らされただろう。

 

Text by Ookaya Ryota
写真: https://flic.kr/p/Mbgtbs

2016 World Series Review:Game-2

30478244961_45ca4284d8_z

 

 

 

 

 

 

 

*Game部のリンクでゲームのRecapをチェック可

Game2:CHC5-1CLE
勝:ジェイク・アリエッタ(1-0) 負:トレバー・バウアー(0-1)

ンディアンスの1勝で迎えた第2戦。カブスはシーズン18勝を挙げたジェイク・アリエッタ、対するインディアンスはリーグチャンピオンシップシリーズでドローンの修理で負った怪我によりわずか0.2イニングで降板したトレバー・バウアーの両先発で始まった。

試合は初回から動く。カブスは1アウトからクリス・ブライアントがセンター前ヒットで出塁すると、続くアンソニー・リゾがライト線へタイムリー2ベースを放ち、カブスが早々と1点を先制する。バウアーは続くベン・ゾブリスト、カイル・シュワーバーを三振に打ち取り、1失点に留める。

対するアリエッタは初回、簡単に2アウトを取るものの、フランシスコ・リンドーア、マイク・ナポリに四球を与え、ピンチを迎える。しかし、続くホセ・ラミレスを打ち取り、初回を0に抑えた。

3回表、カブスは2アウトからリゾが四球を選ぶと、ゾブリストがセンター前ヒット。2アウトからチャンスを作る。打席に入るは先ほどチャンスで凡退したシュワーバー。バウアーは制球に苦しみ、3ボールとしてしまう。4球目、真ん中高めの甘いストレートをセンター前に弾き返し、カブスが追加点を取った。

続く4回、バウアーは先頭のウィルソン・コントレラスに四球を与えるも、続くホルヘ・ソレアーを併殺に打ち取る。しかし、続くアディソン・ラッセルにセンター前ヒットを許したところで降板となった。内容も芳しくなく、すでに87球を投げていたことから妥当な決断と思われる。後を継いだザック・マカリスターは、この回は抑えるものの続く5回、1アウトからリゾに四球を与える。

続くゾブリストにライト線へ弾き返されリゾがホームイン。ライトのロニー・チゼンホールが足を滑らせたのもあり、ゾブリストは3塁まで進む。ここでマカリスターは降板し、ブライアン・ショウがマウンドに上がるもシュワーバーに今日2本目のタイムリーヒットを許し4-0となる。

このあと2アウト2塁となり、コントレラスの放った打球はセカンド正面のゴロ。3アウトチェンジかと思われたがセカンドのジェイソン・キプニスがこれを痛恨のエラー。2アウト1,3塁となる。ここからショウはソレアー、ラッセルに連続四球。ラッセルへの押し出し四球でカブスが1点を追加する。続くデクスター・ファウラーは抑えるも、この回を終えて5-0と大きく点差が開いた。

対するアリエッタは完璧な投球を見せる。初回以降は1四球を与えるのみでヒットも許さないパーフェクトピッチング。5回までノーヒッターを続ける。なんとかアリエッタの牙城を崩したいインディアンスは6回、1アウトからキプニスがセンター前に弾き返し、インディアンス初ヒットとなる二塁打となった。

次打者が進塁打を放ち、2アウト3塁。打者ナポリのところでアリエッタがワイルドピッチを犯してしまい、インディアンスが1点を返す。そしてナポリにレフト前ヒットを許したところでアリエッタは降板。5.2イニング98球、被安打2失点1と上々の投球内容だった。

インディアンスはオテロ、マイク・クレベンジャーが8,9回を3人で抑え追加点を許さない。対するカブスは8回、モンゴメリーが2アウトを取った後、ナポリにヒットを許したところでアロルディス・チャップマンを投入。続くラミレスを103マイルのストレートで三振に打ち取る。9回も当然チャップマンが続投。最後はペレスをショートゴロに打ち取り、ゲームセット。5-1でカブスが勝利し、対戦成績を1勝1敗として本拠地リグレー・フィールドへ戻ることとなった。

この試合のヒーローはやはり投のアリエッタと打のシュワーバーだろう。アリエッタの初回から5.2イニングをノーヒッターに抑えたのは1969年のジェリー・クーズマンが6イニングをノーヒッターに抑えた以来の最長記録である。アリエッタは試合後、「やるべきことをやろうと思った。ストライクゾーンの低めへ投げ込めたことが好投につながったと思う。」とコメントした。

怪我のためワールドシリーズからロースターに加わったシュワーバーだが、昨日は1安打2四球、今日は2安打2打点1四球と、今のカブスについて欠かせない戦力となっている。シュワーバーは「この瞬間は僕たちが子供の頃から夢見てきた瞬間だ。ワールドシリーズに出場し、そして勝利するというね。今日はまだ小さなステップに過ぎない。まだまだ道のりは長いよ。」と第3戦以降への意欲を見せていた。

1日おいてカブスの本拠地リグレー・フィールドで行われる第3戦。先発はジョシュ・トムリンとカイル・ヘンドリクスの両右腕だ。五分で迎えるこの対決はいったいどのような様相を見せてくれるのか楽しみである。

Text by Mizoguchi Masaaki
写真:https://flic.kr/p/NrfYo6

 

2016 Playoff Preview:シカゴ・カブス

28366524221_f8702852e2_z

 

 

 

 

 

 

レギュラーシーズンは終わりを迎え、熱いポストシーズンが始まろうとしている。今回は108年ぶりの悲願のワールドチャンピオンを目指すシカゴ・カブスの注目すべき点をピックアップしよう。

 

  • 最大の武器…鉄壁の守備と安定した投手陣

今シーズン103勝を挙げナショナル・リーグ中地区を制したシカゴ・カブスだが、それを支えたのは強固な守備陣に支えられた安定した投手陣の存在が大きい。チーム全体でのDRSは+82、UZRは+73.7と30球団で断トツの数字を記録した。その守備に支えられチーム防御率3.15はMLB全30球団で最高で、2位のワシントン・ナショナルズですらチーム防御率3.51と大きく差をつけていることからも今シーズンのカブスの投手陣がいかに強力なものだったかが伺える。

先発投手のみに限って見ると、防御率2.96と更に優秀な数字を残している。これは、ジョン・レスター、カイル・ヘンドリクス、ジェイク・アリエタ、ジョン・ラッキー、ジェイソン・ハメルといった5人の先発投手が大きな離脱もなくローテーションを守ってくれたからだ。

結果的にシーズン162試合中この5人以外が先発した試合はわずか10試合、5人全員が2桁勝利を記録し、5人の勝敗を合計すると81勝39敗という強力な先発陣を形成した。防御率ランキングも両リーグ1位、2位がヘンドリクスとレスターのワンツーフィニッシュを飾った。

一方で先発陣に比べると、リリーフ陣には大きな問題はなくとも多少の不安は残る。シーズン途中で獲得したクローザーのアロルディス・チャップマンに関しては問題ないものの、チャップマンの前を担うセットアッパーであるヘクター・ロンドン、ペドロ・ストロップには不安が残る。

ロンドンは前半戦はクローザーとして絶好調、セーブ機会が少なくセーブ数こそ少なかったもののオールスター前は防御率1点台と抜群の安定感を誇っていた。ところがチャップマンを獲得して役割がセットアッパーへ変更、同じタイミングで怪我により離脱し、復帰後の9月は8試合で防御率8.53と失点する機会が増えてしまった。怪我の影響か、それとも役割変更が合わなかったのか、ポストシーズンでの復調を願うばかりだ。ストロップに関しては怪我により8月10日〜9月23日まで登板がなかったことが不安材料だ。ただし復帰後は4試合に投げ1失点したものの影響は少なそうにも見える。

 

 

  • もうひとつの武器…高い出塁率

今シーズンのカブスは打撃面でも30球団中3位の808得点を記録する高い得点能力を誇った。しかしチーム打率は30球団中14位タイの.256、チーム本塁打数も13位の199本と決して優れたものではなかった。その中で高い得点能力を維持できたのは、高い出塁能力が武器となったのは間違い無いだろう。

チーム全体で選んだ四球の数は656個に上り、全30球団中1位だ。チーム出塁率も.343で強打のレッドソックスに次ぐ2位。ヒットもホームランも決して多いわけでは無いが、じっくりと出塁し得点を積み重ねていく野球が出来た結果だ。

チームトップの出塁率を記録したのがデクスター・ファウラーの出塁率.393。その次にベン・ゾブリストの.386、MVP級の成績を残したクリス・ブライアントとアンソニー・リゾーが揃って.385と高い出塁率を残した。ここで注目したいのが、この4人が主に1番〜4番の上位打線を担っていたことだ。

打力のあるこの4人が警戒され塁を埋めていくという状況が作り出される。そこで重要になるのが、彼らの後を打つ選手だ。今シーズンのカブスではその役割をアディソン・ラッセルが担っていたことは成績を見ると明らかだ。今シーズンのラッセルは.238/.321/.417、OPS.738で21HRとHR数以外は平凡な成績である。

しかし、打点数は95とかなり多い。95打点といえば、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの主砲のポール・ゴールドシュミットが、ラッセルよりも50打席以上多く打席に立って記録した打点数と全く同じ数字なのである。

ラッセルは決して得点圏に強い訳でもなく、得点圏打率は.251、OPSも.786である。それでもこれだけの打点を稼げるのは、前を打つ選手たちがいかに多くのチャンスを作り出しているかを表しているだろう。ポストシーズンでもいかに多く出塁しチャンスを生み出せるかが鍵になりそうだ。