Tag Archives: ホルヘ・デラロサ
Weekly Report:Week-12

3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-12のキーワードは「ソロホームラン」「ジョージ・スプリンガー」「クリーブランド・インディアンズ」だ。
- ソロホームラン
多くの観客を魅了するホームラン―
そのホームランを1試合で8本も見ることができたなら観客、特に勝利チームのファンは大満足だろう。
現地6月20日、マーリンズ・パークでのコロラド・ロッキーズ対マイアミ・マーリンズの1戦ではなんと8本のホームランが飛び交った。しかも、メジャー史上初の両チームの得点すべてがソロアーチというおまけつきだ。また、両軍合計8本のソロホームランが出るというのはナ・リーグ記録である。(メジャー記録は10本)
では試合を振り返ってみよう。
まずは1回裏。ロッキーズ先発のホルヘ・デラロサは2アウトを取り3番のマーセル・オズーナを迎える。1ボール2ストライクと追い込んでからの4球目。スプリットが真ん中に入ったのをオズーナが捉えて先制ホームランを放つ。すると今季不調の4番ジャンカルロ・スタントンも低めの速球を逃さず2者連続ホームラン。マーリンズは2点を先制する。
続く2回表。この回先頭のロッキーズの期待のルーキーであるトレバー・ストーリーがルーキーの中でトップとなる18号ホームランをレフトスタンドに叩き込み、1点差に迫ると、さらに1アウトを取ったあとマーク・レイノルズとニック・ハンドリーの2者連続アーチが飛び出し、一気に逆転に成功する。
マーリンズ打線に元気がなくなってきたと思った矢先の4回裏。1点を追うマーリンズはこの回先頭の3番オズーナの2打席連続ホームランで同点に追いつく。
すると6回表マーリンズ2番手ブライアン・エリントンが簡単に2アウトとし、迎えるバッターはこの日すでにホームランを放っているレイノルズ。1ボール1ストライクからの3球目のカーブをスタンドに放り込み勝ち越しに成功。
さらに9回表にもチャーリー・ブラックモンがアーチを描きロッキーズが点差を2点とするとその裏、ロッキーズのクローザーであるカルロス・エステベスが締め試合終了となった。
ピッチャーズパークのマーリンズ・パークでのこの珍記録と5本のホームランを放ったロッキーズ打線の破壊力には驚きを禁じ得ない。この試合を生で見ていた観客にとっては印象に残る試合となったに違いない。
2016 Team Preview:コロラド・ロッキーズ

*40人ロースターはリンクより参照
*SP横*マークはローテーション候補の意味を示す
- 本拠地:クアーズ・フィールド
レフト | 105.8M |
センター | 126.5M |
ライト | 106.7M |
フェンス高さ | 2.4~4.2M |
安打 | 130.1 |
ツーベース | 123.5 |
スリーベース | 200 |
HR | 121 |
得点 | 143.6 |
- 予想オーダー
1.チャーリー・ブラックモン:CF
ここ2年で.287/.341/.445と安定した成績を残す俊足外野手。本塁打も2年で計36本マークしており当てるだけではなく、長打も打つことができる。43盗塁もマークしリードオフマンにうってつけのように見えるが、四球をあまり選ばないため出塁率は伸び悩んでいる。それでも徐々にBB%は高くなっているので、今後もこの傾向が続けば平均レベルにまで四球を選べるようになるだろう。左打者だがそれほど左投手を苦にしていない。クアーズ・フィールドの恩恵を多大に受けているタイプでアウェイでは通算OPS.653。オフにはNBAのハーフタイムショーで、コートの真ん中でゴールに背を向けながらボールを投げ一発で決めるミラクルシュートを披露した。
2.DJラメイヒュー:2B
昨シーズンキャリア初となる打率.300以上と20盗塁以上をマークした。メジャーリーガーの中でも大きな体格の持ち主だが長打が少なく本塁打は2桁を超えたことがない。逆方向への意識と、足を生かそうとするあまり打球をゴロにしようとする意識が強すぎることが原因だろう。ホームであるクアーズ・フィールドの特徴を生かすなら打球を打ち上げる方が効果的なので一度モデルチェンジを計ってみるのもいいかもしれない。守備が上手く2014年にはゴールドグラブを受賞。
3.カルロス・ゴンザレス:RF
故障続きだった2年間の鬱憤を晴らすかのように打ちまくった30歳にしてチーム最古参のスター選手。昨シーズンの153試合出場と40本塁打はキャリアハイで2010年以来となるシルバースラッガーも受賞した。 ホームでの方が打撃成績がいいがアウェイでは全く打てないというタイプではなく、昨シーズンはアウェイでも16本塁打をマークしている。本塁打でキャリアハイをマークした一方で盗塁はメジャーデビューして以降最低の2個に留まった。トロイ・トゥロウィツキ(TOR)と異なりいつトレードされても動じない心を持っている。
4.ノーラン・アレナド:3B
昨シーズン42本塁打をマークし一躍メジャーを代表する選手になった。ホームよりもアウェイでの本塁打の方が多くクアーズ・フィールドの外でも打てるということを証明した。守備でもレンジの広さと肩の強さを生かし3年連続でゴールドグラブを受賞している。MVP投票では8位に終わったがチームが最下位でなければもっと票を稼ぐことができただろう。 ラメイヒューとは全く逆のアプローチで、引っ張る打球が多くフライを打ち上げるようにしている。そのため昨シーズンの犠牲フライはメジャートップの数字。
5.ヘラルド・パーラ:LF
今オフに3年27.5Mの契約で加入した年々守備指標が悪化している外野手。2013年をピークにその後は2年連続でDRSはマイナスをマークしている。その分昨シーズンは打撃が好調で、キャリアハイとなる14本塁打、OPS.780をマークした。ただ、シーズン途中で移籍したBALでは.236/.268/.357たるスラッシュラインに終始しており今シーズンに若干の不安を残す。ゴンザレスとはWBCのベネズエラ代表でもチームメイトだった。
6.ベン・ポールセン:1B
昨シーズンはルーキーながらも11本塁打をマークした。OPS.787も悪くない数字だが打者有利のホームを主戦場としている1Bならもっと打ってほしいところ。左打者で左投手との相性が悪いため今シーズンはマーク・レイノルズとプラトーンを組むことになる。外野も平均程度にこなすことができ、使い勝手は悪くない。
7.ニック・ハンドリー:C
昨シーズンは32歳ながらもキャリアハイとなる打撃成績をマークしたベテラン。OPS.807は2012年以降で最も高い数字だった。守備は平均程度だが、前任者がウィリン・ロサリオ(現KBO)だったためそれに比べるとはるかによく見えるだろう。チームの中で最もクアーズ・フィールドの恩恵を受けており、レギュラーの野手の中ではホームとアウェイの成績が一番かけ離れていた。
8.トレバー・ストーリー:SS
今シーズン、開幕メジャースタメンが予想されるトッププロスペクト。 昨シーズン、チームがトゥロウィツキを放出しホセ・レイエスを獲得した際は、レイエスをすぐにトレードしストーリーを昇格させるのではないかという憶測があったが実現には至らなかった。しかし、オフにレイエスがDVで逮捕されたこともあり、ストーリーに開幕メジャーの座が回ってくることとなった。昨シーズンは2A&3Aで20本塁打、OPS.863をマークしており準備は万端。守備の評価も悪くなく、開幕ダッシュに成功すればレイエスをトレードに追いやることになるかもしれない。
9.投手