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2017 Top 20 Prospects:ボストン・レッドソックス

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本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。 

 

1. ジェイソン・グルーム:LHP
16年ドラフト全体12位指名。ホームシックにかかるメンタルや契約について取りざたされたが、実力は18歳のものとは思えない域に達している。90マイル中盤の速球とクオリティの高いカーブ、チェンジアップの3球種をコントロールよく投げ分ける。デリバリーもシンプルでスタミナも先発として十分。これからさらに成長していけば行く末は、BOSのエースに留まらずアメリカのエースとなれる逸材。 

2. アンドリュー・ベニンテンディ:OF
15年ドラフト全体7位指名。大学の最終シーズンにHRが急増し一気に評価を上げ、 そのHR増がフロックではなかったことをたった2年間のプロ生活で証明した。打撃では隙がなく、高打率、高出塁率で三振は少なく、パワーも申し分ない。平均以上のスピードを生かした守備と走塁でも存在感を放っている。

3. ラファエル・ディバース:3B
柔らかさと力強さを兼ね備えたスイングでハイレベルな打撃を見せるヒッティングプロスペクト。現時点では平均を多少上回る程度のパワーしか試合で発揮できていないが、将来は30本塁打をマークすることも不可能ではないだろう。 守備では好プレーを見せるほど上手くはないが、肩が強く、堅実な守備を見せているため3Bには残れるとの見方が強い。

4. ボビー・ダルベック:3B
16年ドラフト4巡目指名。今年のドラフトクラスの大学生の中では1、2を争うほどのパワーツールに持ち主。大学最終シーズンで不調に陥り評価を落としたが、カレッジワールドシリーズの予選から復調傾向にあり、プロ入り後もA-で34試合に出場し7HRをマークした。変化球に対して脆さを見せており、空振りも多い。大学時代クローザーを務めていたため肩は強いが守備/走塁は平均以下。

5. ジョシュ・オッキミー:1B
流し打ちでスタンドを越す打球が打てるスラッガー。下半身を上手く使い強くボールを弾き返すことができている。昨シーズンまで30%を超えていたK%を低くし、四球を増やすことには成功したが、打率が急激に落ちてしまったため自分に合ったアプローチを見つける必要があるだろう。守備では打球反応が悪いがルーティンプレーならそつなくこなせる。鈍足。

6. ロニエル・ロウズ:RHP
18歳ながらも卓越したピッチングを見せる。速球の最速は90マイル前半だが、今後より速くなっていくだろう。縦に割れるカーブとチェンジアップの評価も高く、空振りを奪えるためアウトピッチとして使える。コントロールがよくマイナー通算のK/BB=5.7。投球前に体をかがめグローブを頭の上に掲げるルーティンがある。 

7. サム・トラビス:1B
ラインドライブの打球を量産するアベレージヒッター。フィールド全体に打ち分ける技術を持っており、アプローチも悪くなく常に平均以上の打率を残せる。内角の速球に弱さを見せている。パワーツールは平均かそれ以下。ポジションが1Bに限られているため、打率が少しでも低くなるとバリューが大幅に落ちる。 

8. マイケル・チャビス:3B
今シーズンは親指の故障で限られた出場試合数となったが、課題だった三振の多さを減らすことに成功。打率も若干上がったが、それでもまだ.237と低水準。パワーポテンシャルは高いと言われているが、まだ試合では満足に発揮できていない。守備では肩の強さが光るが、2B/OFへの転向も考えれている。

9. マイク・シャワリン:RHP
16年ドラフト5巡目指名。メリーランド大学の通算勝利数と通算奪三振数の記録を持っており、アップサイドには欠けるが、現時点での実力は非常に高い。サイド気味のアングルから90マイル前半の沈む速球と、変化量の大きいスライダー、チェンジアップを投じる。コントロールがよく、スタミナもあるため長いイニングを投げることが可能。

10. ジェイク・コザート:RHP
今シーズンからブルペンに専念し、速球の最速が99マイルに跳ね上がった。アームスピードの速さに頼ったメカニクスは余計な力が入っており、コントロールを乱す原因となっている。カーブでタイミングを外し三振を奪うピッチングスタイル。コントロールの悪さをどれだけ抑えることができるかが今後のカギ。兄はジャレッド・コザート(SD)。

11. ブライアン・ジョンソン:LHP
落差の大きいカーブと90マイル前半の速球で緩急をつけて空振りを奪うピッチングスタイル。スリークォーター気味のデリバリーは非常にスムーズで、コマンドのよさにつながっている。今シーズンは不安障害を患い6週間戦列を離れ、成績も落としてしまった。現在は完治しているとのことだが、遅れをとってしまった感は否めない。

12. C.J.チャッサム:SS
どこをとっても可もなく不可もなくといったタイプの選手。スイングは若干遠回りしがちだが、その分パワーを上手く伝えられるようになっており、シーズン2桁本塁打も不可能ではない。コンタクトスキルも悪くなく、極端に低い打率を残すことはないだろう。守備ではスピードが平凡ということもあってレンジが限られているが、反応の速さや肩の強さでカバーしている。 

13. トラビス・レーキンズ:RHP
90マイル中盤の速球と2つのブレーキングボールのコンビネーション。デリバリーは安定しているが、肩に負担がかかるような投げ方なのでリリーフ転向を勧める声もある。速球のムーブメントが少ない点も先発として不安視される一因になっている。

14. カイル・マーティン:RHP
速球の最速は95マイルと平凡だが、マウンドの傾斜を上手く使い6-7たる体格を生かして角度をうけて打ちづらくしている。この速球とサークルチェンジをで緩急をつけるピッチングスタイル。ストライクゾーンに投げこむコントロールを持ち合わせているが、コマンドに欠けるため打者からすると打ちやすくなってしまっている。リリーフだが回跨ぎもこなすタフネスさが魅力。

15. ニック・ロンギ:1B
コンパクトなスイングで広角に打ち分けるヒットメーカー。 アプローチも悪くないが、パワーは平均以下。肩は強いが動きが悪く、1Bしか守れないため現状はサム・トラビスの下位互換でしかない。また、トラビス同様速球に弱さを見せているため、今後クラスが上がるにつれ成績が悪くなる可能性が高い。

16. タイラー・ヒル:OF
小柄な体格だが、筋肉はしっかりとついておりボールを遠くへと飛ばすことができる。20歳と若いが、ただスイングするだけではなく しっかりとボールを見極められている点は評価に値する。スピードもあり2桁盗塁をマークすることも可能。肩が弱くLFしか守れないところがバリューを下げている。

17. キリ・ワシントン:OF
粗さが目立つが、平均以上のパワーポテンシャルが魅力。今シーズンは16HR、9三塁打をマーク。コンタクトスキルに難があり、ブレーキングボールに対応できず空振りを喫する場面が多い。アプローチもそれほどよくなく、パワーツールだけが目立っている。スピードと守備は平凡。

18. トレント・ケンプ:OF
身体能力の高さがウリ。現在は粗さが前に出ているが、それでも今シーズン13HRをマークするなど才能の片鱗は見せた。アプローチは悪くないが三振が非常に多い。スピードは平均以上だが盗塁を積極的に仕掛けるタイプではない。

19. マーク・ブレイクマン:RHP
低いアングルから投げる90マイル前半の速球とチェンジアップのコンビネーション。球速はないが、デセプションに優れたデリバリーでカバーしている。チェンジアップは速球と同じアームスピードで投げられるため打者のタイミングを外すことができる。スライダーも投げるがクオリティはイマイチ。コントロールがよく、先発としても問題なく投げられる。 

20. ショーン・アンダーソン:RHP
90マイル中盤の沈む速球とスライダー、カーブのブレーキングボールのコンビネーション。大学時代はクローザーだったが、大柄な体格とコントロールのよさは先発向き。しかし、昨夏のケープコードリーグでは先発としていい成績を残すことができなかった。リリーフとしてなら早期昇格が望めるが、先発としてなら長い時間が必要となるだろう。 

 

Text by Ookaya Ryota
写真: https://flic.kr/p/HFCLWw

2016 Top 20 Prospects:ボストン・レッドソックス

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本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。

 

 1. ヨアン・モンカダ:2B/3B
インターナショナルアマチュア史上最高額となる$31Mでサイン。ロビンソン・カノー(SEA)の再来とされ、走攻守全てがプレミアム級だ。1Aでは81試合に出場し打率.278、本塁打8、OPS.817、盗塁49と順調なプロデビュー。

2. アンドリュー・べニンテンディ:OF
15年ドラフト全体7位。過去にはブライス・ハーパー(WSH)やクリス・ブライアント(CHC)も受賞した大学野球界のMVPにあたる『ゴールデンスパイク賞』受賞者。大学最高のオールラウンダーの名を引っ提げ、SS&1Aでも11ホーマー&OPS.972と大暴れ。

3. アンダーソン・エスピノーザ:RHP
契約金$1.8MでBOS入りした17歳右腕。6月にプロデビューするとR&1Aで15試合先発して防御率1.23、K/BB=4.64と衝撃的なパフォーマンス。 90マイル後半のストレート&カーブのコンビネーションは支配的の一言に尽きる。6-0/160と小柄な体格がネック。

4. ラファエル・ディバース:3B
彼のスイングをひとたび見たスカウトは心を奪われてしまうという魅惑のスラッガー。 抜群のパワーポテンシャルに加え、ヒッティングセンスやゾーンへの理解も卓越。3B守備は評価が分かれ、最終的に1BやOFに移ることになるだろうという見方が強い。

5. マイケル・コペック:RHP
14年ドラフト全体33位。高校時に最速97マイルだった球速は、今年に入り100マイルを連発。一躍スカウトたちから注目を集めた。ところが7月に薬物使用が発覚し50試合の出場停止に。フルシーズン1年目は16登板(15先発)して防御率2.63、K/9=9.69。

6. ブライアン・ジョンソン:LHP
メジャーで投げる準備は整っている。3Aでは18先発して防御率2.53をマークし、9月にはメジャーデビューも果たした。 ストレート&カーブ&カッター&チェンジアップを自在に操り、コマンドも優秀。ローテーション3番手クラスの実力派だ。

7. サム・トラビス:1B
ヒッティングセンスに優れ、パワーとアベレージを両立できる中距離ヒッター。特にバットコントロールと選球眼がピカイチでA+&2Aで131試合に出場し、打率.307、本塁打9、OPS.833、77K/59BBたる安定した打撃内容。

8. マイケル・チャビス:3B
 アレックス・ジャクソン(SEA)らを下しパーフェクトゲームのホームランダービーで優勝した2014ドラフト随一のヒッティングプロスペクト。1Aでは109試合に出場して16ホーマーも、打率.223&144K/29BBとコンタクト面に課題。

9. タイ・バッテリー:RHP 
6-6/235の長身から投げ下ろされる96マイルの速球は角度があり、打者に自分のスイングを許さない。セカンドピッチのナックルカーブも空振りを奪うのに有効だ。今季は制球面で向上を辿り、1A&A+で25先発して防御率3.92。ブレーク目前だ。 

10. デビン・マレーロ:SS/2B
ドラフト時は「最もメジャーに近い大学No.1SS」たる評価もプロでは伸び悩み。入団4年目にしてメジャーデビューもOPS.551と物足りないシーズンに終わった。優れたディフェンダーで、平均以上の守備範囲に素晴らしいハンドリングと強肩を備える。 

11. ルイス・アレクサンダー・バサベ:OF
ファイブツール候補。16歳の時にBOSと契約。3年目の今季は初めてフルシーズンをアメリカ国内で過ごした。A-では56試合で打率.243、本塁打7、OPS.741、盗塁15とまずまずの成績。パワー&スピード&肩はいずれも平均以上。

12. マルコ・ヘルナンデス:SS
17歳の時にCHCと契約、その後フェリックス・ドゥブロント(現OAK)とのトレードでBOS入り。SSとして十分な守備範囲と肩を持ち併せており、2B&3Bもこなすユーティリティー性も披露。2A&3Aで四球率3.5%とフリースインガーながら打率.305&OPS.783をマーク。 

13. ウェンデル・リホ:2B
20歳たる年齢に比して非常に磨かれたプレーヤー。 2桁ホームランを放ちうるパワーを秘め、アプローチも優秀。2Bの守備ではインスティンクトに優れるが、アームの弱さがネックに。

14. マウリシオ・ドゥボン:SS/2B
ピュアヒッター。ヒットセンスに優れ、高校時代から高く才能を買われていた素材。今年はアプローチ面で向上を辿りBB%は3.2%→7.7%に上昇。SSの守備でも平均レベルの動きを見せている。将来像は攻撃型のユーティリティープレーヤーか。

15. トレイ・ボール:LHP
アスレチック&6-6/185のフレームから 先発ローテーション2~3番手級の高いアップサイドを秘める。 90マイル前半のストレート&アウトピッチになりうるカーブのコンビネーションに加え、チェンジアップも向上を辿った。A+では25先発して防御率4.73。

16. ニック・ロンギ:OF/1B
13年ドラフト30巡目指名も割高な契約金で合意。 ヒットツールの評価が高く、広角に打ち分ける技術も併せ持つ。パワーもじきに伸びると見られている。1Aで115試合出場して打率.281、本塁打7。足が遅く守備は平凡。

17. ヨアン・アイバー:OF
18歳ながらその美しいスイングはスカウト達から絶賛の嵐。RではOPS.635も、高い身体能力と6-2/165たる体格から将来を有望視されている。スピード&肩はいずれもプラス評価を得ており、平均以上のRFになれるだろう。BOS契約前は投手としても高い評価を得ていた。

18. パット・ライト:RHP
今季よりリリーフ転向。97マイルのストレート&スプリッターが武器の豪腕。2A&3Aでは47試合に登板し防御率3.88、K/9=9.6。コマンド&セカンドピッチを磨くことができればメジャーデビューも近い。

19. オースティン・ライ:C
2015年ドラフトクラス有数の好捕手で上質なディフェンス面で高い評価を受ける。平均的な捕手よりも高い打撃&走塁センスを示しており、レギュラー捕手として将来有望だ。大学3年時に打撃開花も、プロ1年目は打率.179と不発。  

20. ウィリアムズ・ヘレズ:LHP 
ドラフトから3年はCFとしてプレーも、14年から投手転向。転向2年目の今季は、開幕から好投を続け1A&A+&2Aで41試合リリーフ登板。防御率3.35、K/9=8.7をマーク。すでにストレートは最速97マイルまで計測。 

Plus One Prospect
オースティン・グロリウス:RHP
15年ドラフト外でBOS入り。フロリダ州の大学リーグのオールスターゲームでは98マイルを計測。A-ではコンスタントに92-96マイルを計測。26.2回投げて防御率2.70、K/9=12.2、BB/9=4.4。

 

Text by Haruki SAKURAI
写真: https://flic.kr/p/nhLe9S