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2016 ALWC Review

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現地時間10月4日。とうとうプレーオフが始まった。初戦はトロント・ブルージェイズ対ボルティモア・オリオールズの1ゲームワイルドカードだ。両者ともこのレギュラーシーズン最終試合までプレーオフに進出できるかどうかが分からないという状況で戦っていたためモチベーションは十分。逆に言えば、最後まで本気だったので共に最終試合でエースである投手を先発させてしまい、共に負ければ今シーズン終了となる試合で2番手以降の投手を使わなければならないといった状況にあった。同地区のライバル同士の争いにファンのボルテージも最高潮に達する1戦となった。

試合を振り返る前に、この2チームがどんなシーズンを送ったのかを簡潔にまとめてみよう。

 

  • トロント・ブルージェイズ

昨シーズン実に22年ぶりの地区優勝を果たしプレーオフにも進出したブルージェイズは、課題であった投手陣にテコ入れするためオフにはFAでJ.A.ハップをトレードでドリュー・ストーレンなどを獲得。リーグ1位の得点をマークした打撃陣を擁しシーズンへと向かって行った。

トレードで獲得したストーレンを中心にリリーフ投手が試合を台無しにすることが多かったが、先発陣と打撃陣が奮闘し何とか勝ち越して夏場を迎えると、シーズン中のトレードでは昨シーズンのような派手なトレードはしなかったがホアキン・ベノワやジェイソン・グリリなど要所を抑えた選手獲得に成功。夏場以降一時期は首位に立ったもののボストン・レッドソックスの勢いに追いつくことができず最終戦にまでもつれこんだプレーオフ進出をかけた戦いを制しこの日を迎えた。

今シーズンのブルージェイズは先発投手が予想以上の働きを見せた。最優秀防御率のタイトルを獲得した若きエース、アーロン・サンチェスを筆頭にJ.A.ハップ、マルコ・エストラーダ、マーカス・ストローマンらが奮闘しリーグ1位の防御率をマークすることができた。イニング制限のため何試合か先発をスキップしたサンチェスだったが、最速98マイルのツーシームとキレのあるカーブで相手を圧倒する姿はまさしくエースと呼ぶにふさわしく、自慢のゴロを打たせて取るピッチングも健在だった。

シーズン途中で加入した投手も素晴らしい活躍を見せた。ホワキン・ベノワは7月後半からの加入となったが、移籍後は25試合で防御率0.38とブルペンに不安を抱えるブルージェイズの救世主となった。また、8月1日に加入したフランシスコ・リリアーノも8試合に先発し防御率2.66とピッツバーグ・パイレーツでは防御率5点台だった投手とは思えないピッチングを披露した。

打撃陣は昨シーズンよりも成績を落とす選手が多かったがそれでも20本塁打以上が6人を擁し、リーグ5位の得点をマークするなどなかなかの活躍。主砲のホセ・バティスタが不調や故障で離脱し満足に実力を発揮できない中でエドウィン・エンカーナシオンとジョシュ・ドナルドソンの2人が共に35本塁打以上、OPS.880以上と奮闘した。シーズン当初から弱点となっていた2Bも昨シーズンの故障から復帰となったデボン・トラビスが故障前と変わらない打撃を披露し弱点どころか強みとなった。昨シーズンと比べると若干スケールダウンとなったがそれでもどこからでも本塁打が出る恐るべき打線であることには間違いない。

 

ボルティモア・オリオールズ

オリオールズはブルージェイズを上回る本塁打数をマーク。チームの本塁打数はリーグ1位の253本塁打だった。47本塁打を放ち、本塁打王に輝いたマーク・トランボを始めとする打撃陣は圧巻。ブルージェイズと同じく20本塁打以上をマークした選手が6人した。しかし、本塁打数はリーグ1位だったが得点はそれほど伸びず、得点は同7位。

あまりにも本塁打に頼り過ぎた攻撃とリーグ10位の出塁率が響いた結果となった。早打ちな選手が非常に多くそれでハイアベレージを残せていれば問題ないのだが300打席以上をクリアした選手で打率.280をクリアしたのはキム・ヒョンスとマニー・マチャドだけ。出塁率.350以上になるとキム・ヒョンス1人だけだった。本塁打を多く打てるという特徴をイマイチ生かしきれなかった打撃陣と言うことができる。

投手陣は先発投手が防御率リーグワースト3位と崩壊気味な中でリリーフが健闘。リリーフはリーグ1位の防御率をたたき出し、脆弱な先発ローテーションを支えた。クローザーのザック・ブリットンは47SVをマークし失敗は0、防御率0.54と圧倒的な数字をマークし、今シーズンのアメリカン・リーグのサイヤング賞候補にも挙げられている。ブリットンの陰に隠れて名前が出てこないことが多いがブラッド・ブロックも71試合に登板し回跨ぎなどもこなしつつ防御率2.05とブリットンがいなければクローザーを任されていてもおかしくない成績を残した。その他マイケル・ギブンズやダレン・オデイ、ドニー・ハートらも好成績を収め先行逃げ切りという勝利の方程式を形作っていた。

 

2016 Team Preview:トロント・ブルージェイズ

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*40人ロースターはリンクより参照 
*SP横*マークはローテーション候補の意味を示す

  • 本拠地:ロジャース・センター

他の野球場と比較する→http://yakyujo.com/ml19/

 

広さ
レフト 100M
センター 121.9M
ライト 100M
フェンス高さ 3M
パークファクター*平均100
安打 92.6 
ツーベース 107.6
スリーベース 95.8
HR 100.5
得点 90.6

 

  • 予想オーダー

1.マイケル・ソーンダース:LF
昨シーズン、トレードで地元カナダのチームに移籍し外野の一角として期待されたが、開幕前にスプリンクラーを踏んで膝を故障するアクシデントに見舞われシーズンのほとんどを棒に振った。健康ならパワーとスピードを兼ね備えた優秀な選手。四球をよく選ぶので出塁率も高くリードオフ向き。オフには三角トレードで放出がほぼ決まったかのように思われたが成立せずに終わった。今シーズンはケビン・ピラーとのリードオフマンの座を争う。

2.ジョシュ・ドナルドソン:3B
現在メジャーで最も価値のある選手の1人。移籍1年目となった昨シーズンは球場が打者有利になったことに加え、マークが自分1人に集中しなくなったこともあり打撃成績が軒並み上昇。出塁率を除く全ての打撃成績でキャリアハイをマークした。 守備でもDRS、UZRでともにプラスの成績を残し、MVPに輝いた。クラブハウス内ではチームリーダーとしてまとめ役となっている。5ツールと同程度に大事なツールの1つとして毎日試合に出ることをあげている。最もタフな対戦相手はウェイド・デービス(KC)とのこと。

3.ホゼ・バティスタ:RF
4年ぶりに40本塁打をマークした主砲。 昨シーズンはコンスタントにホームランを打ち続け、月間本塁打が5本を下回ったのは5月の1回だけだった。打率は.250とイマイチだったが、K%=15.9%とそれほど高くなく、BABIP.237と低かったため今シーズンは平均以上の打率を残せる可能性が高い。オフには契約延長の金額については交渉の余地はないと発言し、5年150M以上の契約を求めているとの報道もあった。スプリングトレーニングでは打撃練習中に左打席に入り柵越えの打球を放っている。

4.エドウィン・エンカーナシオン:DH
ドナルドソン、バティスタと共にチームのメジャー最多得点に貢献にしたスラッガー。生粋のプルヒッターで打球の半分は引っ張り方向。39本塁打中逆方向への本塁打は3本だけだった。守備につく機会が年々減っているがどこを守らせても平均以下なので仕方がない。今シーズン終了後にFAとなり、本人はブルージェイズでキャリアを終えたいと語っている。しかし、ペイロールに余裕がないブルージェイズが今年で34歳になる自分と契約する可能性は低いと悟ったようなコメントもしている。

5.トロイ・トゥロウィツキ:SS
昨シーズンのトレードデッドラインで移籍してきたスター選手。故障が多い選手として知られているが昨シーズンはなんとかDL入りせずシーズンを終えることができた。SSとしてはパワーに優れており、100試合近く出場できれば18~20本塁打は計算できる。ブルージェイズ移籍後は不振に陥ったが、長年在籍したコロラド・ロッキーズから放出されたことによるショックが影響していた可能性もあり、その影響がなくなった今シーズンは以前のような打撃が見れるかもしれない。トレードされたことについてまだ恨みを持っており、二度とCOLのフロントとは口を利かないと堂々と発言している。

6.クリス・コラベロ:1B
 昨シーズン32歳にしてブレイクを果たした長距離砲。ウェーバーでTORに拾われ1Bデプスの最後方に位置していたが、AAAでの好調が認められ昇格。昇格後も好調を維持し、101試合の出場で.321/.367/.520、15本塁打をマーク。それまで1Bのレギュラーだったジャスティン・スモークをベンチへと追いやった。アプローチが雑でBB%=6.1%に対しK%=26.7%。高打率だったのは.411だったBABIPによるところも多く今シーズンは打率が下がることが予測される。守備は驚くほど下手で、特に外野を守らせると普通のフライでも捕れるかハラハラさせられる。

7.ラッセル・マーティン:C
 5年82Mの契約1年目の昨シーズンはレギュラー捕手としてチームをプレーオフに導き、期待に応えることができた。守備ではア・リーグワーストのパスボールを出したが、ナックルボーラーのR.A.ディッキーと組むことが多かったのでしかたないことだろう。盗塁阻止率では44.4%をマークし、こちらはア・リーグベストの数字。打撃では低打率ながらもキャリアハイとなる23本塁打をマーク。地元カナダで素晴らしいシーズンを過ごした。投手とのコミュニケーションを何よりも大事にしており、今オフに新加入した投手に多くの時間を割いている。

8.ライアン・ゴインズ:2B
昨シーズン、レギュラーに定着したディフェンシブな選手。デボン・トラビスが故障で離脱する前はSS、離脱後トゥロウィツキが加入すると2Bに回ったがどちらでも平均以上の守備を見せた。打撃では5本塁打と4三塁打をマークするなど決して非力ではなく、BB%=9%と四球も選べるが打率が上がらず、全体としては平均以下。スプリングトレーニングでは打撃改善に取り組み、7箇所ほどスイングのメカニクスを変えたとコメントし自分は.250の打率で終わる打者ではないと意気込みは十分。トラビス復帰後の処遇は打撃次第となる。

9.ケビン・ピラー:CF 
メジャー定着となった昨シーズンは走攻守で大活躍だった。特に守備では、ロジャース・センターの高いレフトの壁をよじ登ってのホームランスティールをはじめとするスーパープレーを連発しDRSでは+22をマーク。ゴールドグラブを受賞できなかったのが不思議なほどだった。打撃でもOPS.713、12本塁打をマーク。走塁では25盗塁を決め失敗は4個のみだった。長打力もあり、コンタクトに優れ、盗塁も上手いためリードオフ向きに見えるが出塁率が悪いためソーンダースがいる限りは下位に置くのが無難か。ただ、ソーンダースは故障が多いため夏場にはリードオフマンの役割を与えられる可能性が高い。