Tag Archives: ヨエニス・セスペデス

Weekly Report:Week-3

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 Photo link https://flic.kr/p/25pntk

 今回から各部員のリレー形式で1週間のメジャーリーグを辿る。Week-3のキーワードは「クリス・セール」「ライアン・ヘルスリー」「ブルペンの不振が目立つブレーブスがキンブレル獲得に及び腰な2つの理由」「マイク・マイナー」「ブラッド・ケラー」「Kデービス契約延長」だ。

 

・クリス・セール

 Written by Yu Kikuchi

 昨年ワールドシリーズ王者のレッドソックスのエース、クリス・セール(LHP)が今シーズンここまで大きく苦しんでいる(ERA:8.50 04/16現在)。セールはオールスター7回、奪三振王2回を獲得するなど名実ともに球界を代表する投手である。今年の3月には5年$145Mで契約延長している。

 ではなぜここまでの不調に苦しんでいるか筆者が分析してみた。

 まずは今シーズンのセールの登板を振り返ろう。以下は今シーズンのGame Logである。

photo by mlb.com

  開幕戦のvsSEA戦では3回7失点と大乱調。次のvsOAK戦では6回1失点とまずまずのピッチングをするも、奪った三振はわずか1つと本来のピッチングとは程遠かった。さらに次の2試合でも試合を作ることができず負け投手となっている。筆者はここまでの不調の原因はフォーシームと考えている。以下のデータを見て頂きたい。


photo by baseball savant

 フォーシームの平均球速は92.4mphと昨年より2.8mphも落ちている。その影響からか被打率は.524とかなり打たれていることがうかがえる。また、フォーシームの威力が落ちたことから伝家の宝刀のスライダーのK %も昨年の半分以下となっている。またWhiff %も軒並み落ちている。

*今シーズンのゲームごとのフォーシームの平均アベレージおよびMAX

3/28 92.3mph /94.5mph max

4/2 81.9mph/92mph max

4/9 91.8mph/94.7mph max

4/16 95.5mph/97.5mph max

 以上のことからフォーシームのスピードダウンが不調の原因と考えた。

 レッドソックスは4/18現在6勝13敗と地区最下位に沈み苦しいシーズンとなっている。先発陣が不調に陥っている(以下参照*)ことが原因と考えられる。同地区のレイズが好調でまた、故障者の多いヤンキースが踏ん張っているだけにこれ以上離されない為にはセールの復調が必要不可欠である。16日のNYY戦では負けはしたものの、平均球速が本来のスピードに近づいており、次回以降の登板に期待がもてそうだ。

*レッドソックスの先発投手陣(4/18現在)

クリス・セール(LHP) 0勝4敗 ERA8.50

デビット・プライス( LHP) 1勝1敗 ERA3.79

リック・ポーセロ(RHP) 0勝3敗 ERA11.12

ネイサン・イオバルディ(RHP) 0勝0敗 ERA6.00

エドゥアルド・ロドリゲス(RHP) 1勝2敗 ERA7.98

 

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毎週月曜日23時~24時にFMおだわら&サイマルラジオで放送されているNO BASEBALL, NO LIFE(supported by Full-Count)で本書を取り上げて頂きました。

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好調メッツを変えた守備の強化とブルペンの強化

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今季のMLBは例年に比べて、春の珍事と呼ばれる開幕直後だけ好調な選手は少ない印象を持ちます。しかしチーム単位で見ると全く異なる景色が見えてきます。アメリカンリーグではレッドソックスが、そしてナショナルリーグではメッツが特に抜きん出た成績を記録しています。

さらにメッツ以外にもナ・リーグからはダイヤモンドバックスなどの名前も挙げるべきでしょう。ただしレッドソックスとダイヤモンドバックスは昨年もPOに進出していて、今季もある程度期待値が高い状態でシーズンに突入しています。その一方でメッツの下馬評は非常に低く、ナ・リーグ東地区はナショナルズの地区優勝で決まりという風潮が開幕前はありました。実際にESPNの識者29人のナ・リーグ東地区の優勝予想は満場一致でナショナルズでした(http://www.espn.com/mlb/story/_/id/22919123/2018-espn-expert-predictions-which-superteam-rule-baseball)

しかしいざ開幕を迎えると、メッツが予想外に好成績を残しています。今回のコラムでは、そのメッツにフォーカスして彼らが好調なスタートを切った背景を見ていきます。

メッツには昨年のシーズン開幕前に大きな期待が寄せられていました。それもそのはずで、ノア・シンダーガードやジェイコブ・デグロームらで構成する若手主体の夢のローテーションがフル稼働すると見られていたからです。しかし現実はそう甘くありませんでした。シンダーガードは僅か7試合投げただけでシーズンを終えて、マット・ハービーも防御率6.70と目を覆いたくなるような不振に陥りました。打線の核であるヨエニス・セスペデスも故障して、ナショナルズのライバルになるどころか勝率5割にすら届きませんでした。そしてシーズン終了後には長期政権となったテリー・コリンズ監督が退任しました。

そのコリンズの後にミッキー・キャラウェイが新監督として就任しました。キャラウェイはインディアンスの投手コーチをしていた人物で、その手腕は確かなものがあります。しかしメッツが昨年の不振からV字回復を遂げたのはキャラウェイ就任以上に大きな要因があります。

Weekly Report : Week-1,2

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3つのハイライトで1週間のメジャーリーグを辿る。Week-1,2のキーワードは「開幕」「大谷翔平」「二刀流」だ。

開幕

よいよメジャーリーグが開幕した。昨シーズンはヒューストン・アストロズがワールドチャンピョンに輝いたが、今シーズンはどこが頂点に輝くのか今から楽しみが募るばかりだ。ここでは今シーズンの注目ポイントを紹介していく。まずは「補強」だ。ボストン・レッドソックス、ロサンゼルス・エンゼルスなどオフには多くのチームが大補強を行い、今シーズンは勝負をかけるチームと再建を進めるチームがはっきりしている印象を受ける。中でもニューヨーク・ヤンキースは昨シーズンのポストシーズンでアストロズを追い込んだ戦力を保有するチームだが、そこにナリーグ本塁打王のジャンカルロ・スタントン、ナリーグ7位となる37二塁打を記録したブランドン・ドルーリー、14年にはシルバースラッガー賞に輝いたニール・ウォーカーを加え、超強力打線を作り上げた。投手陣もエースのルイス・セベリーノを中心に先発は数が揃っており、リリーフもメジャーNo.1クラスと今シーズンのワールドチャンピョン候補No.1といっても過言ではないだろう。ニューヨークと言えばメッツも忘れてはいけない。オフにはジェイ・ブルース、トッド・フレイジャー、エイドリアン・ゴンザレスなどを加える補強を敢行。マイケル・コンフォートやヨエニス・セスペデスら実力者も多く、アメッド・ロサリオ、ブランドン・ニモといった若手選手もいるなどバランスが良く、更に毎年誰かが故障に苦しみ揃うことのない先発陣が今シーズンは無事に開幕を迎えるなど今シーズンに掛かる期待は大きい。実際に開幕は好スタートを切っており、ワイルドカード、さらには地区優勝の可能性も0とは言えない。

次に「プロスペクト」にも注目して欲しい。次のキーワードでも取り上げる大谷翔平を中心にアトランタ・ブレーブスのロナルド・アクーニャ、ヤンキースのグレイバー・トーレス、ワシントン・ナショナルズのビクター・ロブレスなどトッププロスペクトが今シーズン中のメジャー定着が予想されており、彼らの活躍次第ではチームのシーズン成績にも影響してくるだろう。Far East Divisionでは彼らのようなプロスペクトを各チーム15人ずつ掲載した「Far East Division Prospect Handbook 2018」を発売している。今シーズン以降のメジャーリーグを楽しむための一冊となっているため是非とも手に取って見てみてください。

リンク→https://fedbook2018.thebase.in/items/10563612

2017 Team Preview:ニューヨーク・メッツ

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*40人ロースターはリンクより参照

 

*SP横*マークはローテーション候補の意を示す

 

 本拠地:シティー・フィールド

他の野球場と大きさを比較する→http://yakyujo.com/ml20/

 

広さ
レフト 102.1m
センター 124.4m
ライト 100.6m
フェンス高さ 2.4m
パークファクター平均*100
安打 88.7
ツーベース 83.8
スリーベース 45.5
HR 109.0
得点 98.8

 

・予想オーダー

 

1. ホセ・レイエス:3B

オールスタ−4度、通算488盗塁の俊足スイッチヒッターも、33歳になり全盛期のスピードやパワーはなくなった。それでも昨季は慣れ親しんだ古巣NYMに復帰するとまだまだ戦力になれることを示した。開幕はデビット・ライトの故障で空いた3Bのポジションで。

 

2. カーティス・グランダーソン:CF

昨季は30HRを記録したものの、打点が59止まり。30HRを放った選手の中でMLB史上最も少ない打点という不名誉な記録を、ジェド・ジョーコ(STL)とともに達成した。昨季.152だった得点圏での打率の向上に期待。

 

3. ヨエニス・セスペデス:LF

オフにFAとなるも4年1億1000万ドルの大型契約で再契約したキューバ出身の主砲。MLBデビューから5年連続20HR以上、特にここ2年はOPS.870&31HR以上と安定した活躍が期待できる点も魅力。球界屈指の強肩で守備でも魅せる。WBC終了後には元同僚イアン・キンズラー(DET)のアメリカとラテンの試合中の感情表現についての意見に反論し話題になった。

 

4. ジェイ・ブルース:RF

昨季途中にCINから移籍。移籍前は97試合でOPS.875&25HR&80打点で打点王と、自己最高ペースの好成績を残していたものの、移籍後は嘘のように不振に。50試合でOPS.685&8HR&19打点とチームに勢いをつける補強のはずが逆に足を引っ張ってしまった。打撃では左投手が苦手で、守備でもあまり貢献できないが、4番の働きができるか。

 

5. ニール・ウォーカー:2B

FAとなるもクオリファイング・オファーを受け入れ1年1720万ドルで残留。OPS.823&23HRと好成績。スイッチヒッターで右打席の方が好成績だが左打席でも十分な成績を残す。怪我さえなければ安定した成績を残せる好選手。

 

6. アズドルバル・カブレラ:SS

二遊間を組む5番のウォーカーと同じくスイッチヒッターのベネズエラ出身SS。昨季はNYM1年目だったが自己最高クラスの打撃成績を残した。左右どちらも苦にはしないが、左打席はパワー、右打席は確実性を重視したスタイル。

 

7. ルーカス・デューダ:1B

パワーと、打率より1割ほど高い数値を記録する出塁率が売りの長距離砲。昨季は怪我に苦しみ満足にプレーできなかった。ドラフト時からNYM一筋。怪我に気をつけ、ホームランの量産を求められる。

 

8. トラビス・ダーノー:C

正捕手の素質は十分ながら、正捕手の座を掴みかけるたびに故障に邪魔される。MLBで4年を過ごすがフルシーズンで出場したことはない。もう28歳と若くはなく、そろそろ1年健康に出場して実力があることを示したい。ルックスも性格も良く、信頼される選手であるという点では、同じく常に故障に悩むNYMの顔デビット・ライトと被る。

 

9. 投手

 

MLBオールスター大予想。FEDライターが決める球界のスターは誰?

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現地時間7月12日、メジャーリーグで活躍する選ばれたスターたちが集結する祭典が行われる。「All Star Game」と題されるその試合は、野球選手にとって特別な舞台であり、そこへ選出されることは大きな意味を持ち合わせているのだ。

我らがFar East Divisionでは、「そのお祭りに選ばれるべき『球界を代表するスター』は誰なのか?という疑問に対し、アメリカン・リーグ8名、ナショナル・リーグ9名のライターにアンケートを実施。「FEDが決めるオールスター」を決定した。

 

  • アメリカン・リーグ

 

今回の企画で両リーグ通じて最多の8票を集めたのは、マニー・マチャド(BAL)。今シーズンは昨シーズンを上回るペースである好調な打撃に加え、3B/SSの2つのポジションを守っていることから、3Bとして6票、SSとしても2票が入ったことが多くの得票を集めた理由となった。

そのマチャドが選ばれた3Bでは他には今シーズン打撃が開花したニック・カステヤノス(DET)、レイズの主砲エバン・ロンゴリア(TB)がそれぞれ1票を集めた。

SSでは8票のうち2票はマチャドだったが、残りの6票は全てザンダー・ボガーツ(BOS)に集まった。首位打者を争うほどのハイアベレージを残し、強力レッドソックス打線を引っ張る23歳はオールスターに相応しい選手だろう。

この他に1人が多くの支持を集めたポジションは、Cだ。昨シーズンのワールドチャンピオン、ロイヤルズの正捕手サルバドール・ペレス(KC)が7票を獲得。マット・ウィータース(BAL)に1票入った以外は全員がペレスを支持する結果となった。

1Bではミゲル・カブレラ(DET)とエリック・ホズマー(KC)、2Bではロビンソン・カノー(SEA)とホセ・アルトゥーベと、どちらも実力者同士の一騎打ちとなったが、それぞれ1Bはカブレラ(DET)、2Bはカノー(SEA)が選ばれた。

ア・リーグで混戦を極めたのがOFの外野3枠の争いだ。4年連続オールスターに出場し、今シーズンも安定してハイレベルな成績を残すマイク・トラウト(LAA)が7票を獲得して1枠は決まったものの、残り2枠を巡って3人が5票で並ぶ波乱の結果となった。

その3人のうち2人はレッドソックス所属で、切り込み隊長ムーキー・ベッツ(BOS)と、課題の打撃が急成長し29試合連続安打など印象にも残ったジャッキー・ブラッドリーJr(BOS)。もう1人は開幕から好調をキープし、キャリアハイペースでホームランを量産し続けているマーク・トランボ(BAL)だった。

他には遂に打撃覚醒の兆しを見せるマイケル・ソーンダース(TOR)や、西地区首位を独走するレンジャーズで躍動するルーキーのノマー・マザーラ(TEX)などが少ないながらも票を集めた。

DH制のあるア・リーグ。言わずもがな、ラストイヤーとなるビッグ・パピことデビット・オルティズ(BOS)が選ばれた。もちろん人気や最後だからという理由だけで選ばれているわけではなく、今季で引退する40歳とは思えない程の成績を残している。ビクター・マルティネス(DET)にも票が入ったが、今シーズンはオルティズで文句はないだろう。