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2016 Top 20 Prospects:ニューヨーク・メッツ

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本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。

 

 

1. スティーブン・マッツ:LHP
デビット・プライス(BOS)と比較されるトータルパッケージ。マイナーで好投を続け、メジャーでも6先発して4勝0敗、防御率2.27。ポストシーズンでも先発の大役を任された。90マイル中盤のシンカー&大きく割れるカーブ&チェンジアップはいずれも完成度が高い。

2. ドミニック・スミス:1B
パワーとアベレージを両立したヒッティングプロスペクト。パワー面ではまだポテンシャルを発揮できていないが、A+では打率.305、本塁打6、OPS.771。20歳にして素晴らしいヒットセンスとアプローチを披露している。守備でもアスレチックな動きを見せており上質な1Bディフェンダーになり得る。 

3. アメド・ロザリオ:SS
ポテンシャルでは傘下トップとの声も。力強いアーム&柔らかなグラブ使い&平均以上の守備範囲を備え、優れたSSディフェンダーになり得る。打撃では逆方向へのライナーが多く、パワーも体格の成長に伴い向上が見込める。ゾーン理解を磨いて出塁率を上げていきたい。 

4. ギャビン・チェッキーニ:SS/2B
2Aでは109試合/55K/42BB とゾーン理解に富んでおり、打率.317、本塁打7、OPS.819と自身最高のシーズンを送った。パワーは年々向上を辿っており、特に後半戦は打率.365とよく打った。一方アスレチックさで売っていたSS守備では評価を落としており、2Bに回ることになりそうだ。

5. ブランドン・ニモ:OF
11年ドラフト全体13位。じっくりとボールを見極めるバッティングスタイルでマイナー5年で出塁率.381を記録している。今季フューチャーズゲーム出場を果たした有望株だが、パワー面で伸び悩んでおりISO.103は平凡。守備では平均的なスピードからCFよりもコーナー向きとされる。 

6. マーカス・モリーナ:RHP
アスリート。96マイルのストレート&平均以上のスライダーを主体にパワフルなピッチング。チェンジアップも効果的に扱うことができる。今季は故障に悩まされ9登板(8先発)して防御率4.26に終わったが、ポテンシャルの高さは傘下随一。デリバリーも安定している。

7. ウィルマー・ブセラ:OF
RA.ディッキーとのトレードでTOR→NYM。粗削りながら傑出したパワー&スピードを秘める。1Aでは打率.290、本塁打9、OPS.765、盗塁16。コンタクトに不安を抱えており、リスキーな素材だがアップサイドは高い。肩に優れる守備はRFにふさわしい。

8. デズモンド・リンジー:OF
15年ドラフト全体53位。スピード&パワーを兼ね備える。リードオフを担えるだけのスピードに、ギャップを抜くスイングスピードを両立したダイナミックな5ツール型。高校では3Bも、プロでは身体能力を生かすべくCFコンバート。RではOPS.750も、三振率29.8%。 

9. ルイス・カーピオ:SS
ベネズエラ出身の18歳。攻守にオールラウンドだが、特にディフェンスが群を抜いている。素晴らしいハンドリングとプラスの強肩を兼ね備え、フットワークも機敏。SSに止まれるだけの素質を示している。打撃では非力ながらもゾーン理解に優れ打率.304&出塁率.372。 

10. アキール・モリス:RHP
野球歴は浅いが、22歳にしてメジャー昇格も果たしたリリーフ右腕。94マイルのストレート&プラスのチェンジアップを真上から投げ下ろし、打者のスイングを崩す。A+&2Aでは63.1回投げて防御率2.05&K/9=11.9&被打率.137。目一杯力の入ったメカニクスのためBB/9=4.9とコマンドが不安定。 

11. アリ・サンチェス:C
ベネズエラ出身の18歳。守備面の評価が高いアスレチックなCタレント。素早いリリース動作で盗塁阻止率49%をマークし、発達したブロッキングスキル&フィールディングを示す。打撃はパワーの向上がカギを握っている。Rでは打率.272、本塁打0。 

12. マット・レイノルズ:SS
 コンパクトなストロークでギャップを抜くバッティング。プレーオフでは故障したルービン・テハダに代わり、メジャー未デビューでのロースター入りも果たした。守備範囲に欠けるが、堅実なグラブ捌きは2B向き。マーク・ロレッタ(元SD他)やマーク・エリス(元LAD他)と比較される。

13. ロベルト・グセルマン:RHP
ストライクスロワー。優れたコマンドに支えられたクレバーなピッチングが光る。90マイル前半のストレートを両コーナーに投げ分け、スライダー&チェンジアップを織り交ぜる。A+&2Aで24先発して防御率2.89、K/9=5.4、BB/9=2.3。ゴロアウトが多く、キャリアでHR/9=0.3。 

14. ガブリエル・イノア:RHP
ハイレベルなピッチングセンス&コマンドに支えられたピッチング。キャリアBB/9=1.3と傘下No.1のコマンダー。常時93マイルのストレート&チェンジアップ&カーブのコンビネーション。スタミナも豊富でイニングイーターにふさわしい。2Aでは152.1回投げて防御率3.90。

15. ヒュードア・ガルシア:3B
左のパワーバット。プラスのパワーの持ち主で、今季は1Aで打率.296、本塁打9、OPS.783とブレークの兆し。95K/22BBとボールの見極めにも不安を抱えており、左投手への対応も課題。守備でも向上の余地を残しており、3Bとしては肩の弱さもネック。 

16. ミルトン・ラモス:SS
生まれはコロンビアも、6歳の時にアメリカへ移住。打撃は平均以下だが、14年ドラフト内で最高のSSディフェンダーとされる。打球反応がズバ抜けており、スローイングも正確。Rでは54試合で打率.295をマークしたが、39K/8BBたる雑なアプローチから通用しているとは言い難い。

17. ホアン・ウレーニャ:3B
6-1/200と大柄なスイッチヒッター。驚異的なパワーを秘めており、コンタクトツールも上々だが、アプローチを磨いていく必要がある。A+では打率.214、本塁打0と全くいいところがなかった。不安視されていた3B守備は飛躍的に向上を見せた。肩が強い。 

18. ダリオ・アルバレス:LHP
09年にはPHIから解雇も、その後NYMに拾われ、今季はメジャーデビューも果たした。2A&3Aでは48試合にリリーフして防御率3.00、K/9=13.3をマーク。ストレートは93マイル止まりだが、プラスのスライダーで打者を欺き、特に左バッター相手には被OPS.495と圧倒的だった。 

19. ルイス・ギローム:SS
生まれはベネズエラもアメリカの高校を経てプロ入り。高い守備能力を買われており、素晴らしい守備範囲と巧みなハンドリングを兼ね備える。打撃ではパワーレスながらコンタクトツールに秀でる。1Aでは打率.318、本塁打0、盗塁18、出塁率.391。 

20. マックス・ウォテル:LHP
高校では数々のアワードを受賞し、U-18代表にも選ばれた19歳。リリースポイントの低い独特のフォームで打者を惑わしRではK/9=13.5を記録。6-3/180たる投手として理想的な体格から最速93マイルのストレート&カーブ。独特のメカニクスをキープできるかが課題。
 

Plus One Prospect
 コリー・オズワルト:RHP
1Aでは23先発して11勝&防御率3.36&K/BB=4.30。コマンドよく3球種を集めるローテーション下位タイプ。キャリア4年でBB/9=1.6と抜群の安定感を誇る。6-4/200と体格にも恵まれており、メジャークラスのスターターへと成長する可能性は十分ある。 

 

 Text by Haruki SAKURAI
写真:https://flic.kr/p/AgKvWx