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2016 Draft Review:ナショナル・リーグ西地区

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アリゾナ・ダイヤモンドバックス 2016ドラフトまとめ
コロラド・ロッキーズ 2016ドラフトまとめ 
ロサンゼルス・ドジャース 2016ドラフトまとめ
サンディエゴ・パドレス 2016ドラフトまとめ
サンフランシスコ・ジャイアンツ 2016ドラフトまとめ

 

*順位:選手名:出身校:ポジション:身長/体重

  • アリゾナ・ダイヤモンドバックス

39:アンファニー・グリアー:アーバーン大学:OF:185cm/81kg

20~80スケールで60の評価を受けるスピードがウリの外野手。盗塁成功率も年を経るにつれ上がってきており、今シーズンは24回走って19回成功した。守備はおもにセンターを守り、その俊足を生かした広い守備範囲も魅力だが、いかんせん肩が弱い。ただ、送球は正確である。打撃面では、一昨年、昨年と1本だったホームランが今年は12本と大幅に増加。パワーポテンシャルがあることを示した。しかし、そのスイングは大振りであり、速球・変化球双方へのアプローチに悪影響を及ぼしている。プロレベルではスイングの改善が必要になってくるだろう。

52:アンディ・ヤージー:ヨーク・ミルズ大付属高:C :190cm/97kg

パワーに定評のあるトロント出身の捕手。昨夏シンシナティで行われたHigh School Select home run derbyでは決勝に進出するなど、そのパワーをスカウトたちに見せつけた。ただ、ヒッティングツールは平均以下で、ハイアベレージを残せるタイプの選手ではない。守備面では、アームは平均レベルだが、フットワークは向上させる必要がある。捕球面などは問題なく、いずれは捕手としては十分な守備力を持つ選手になりうるだろう。

89:ジョン・デュプランテイアー:ライス大学:RHP:193cm/102kg

昨年肩の故障で全休し、今年復帰。肩の手術は行わなかったものの回復している。今シーズンは17試合の登板し、K/9=12.00、BB/9=3.81の成績を残した。ストレートは90マイル前半から中盤で、試合終盤でも球速が落ちない。沈むようなアクションを見せる点も魅力。カーブも平均以上で、チェンジアップも平均レベルの評価を受ける。平均以上のスターターになりうる素材であるが、肩の耐久性が唯一の懸念材料。

 

2016 Draft Quick Look

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メジャーリーグでは現地9日より2016年ドラフトがスタートし、同日には計77人が指名を受けた。以下にはその結果をリスト形式で整理する。選手横の#数字は当サイトのモック順位を表す。

2016ドラフト:1~77位指名
順位 チーム 選手名   ポジション 出身校
1 PHI ミッキー・モニアック #11   OF ラコスタキャニオン高
2 CIN ニック・センゼル #6   3B/2B テネシー大
3 ATL イアン・アンダーソン #20   RHP シェネンデホワ高
4 COL ライリー・パイント #7   RHP セント・トマス・アキナス高
5 MIL コリー・レイ #3   OF ルイスビル大
6 OAK A.J.パク #4   LHP マイアミ大
7 MIA ブラクストン・ギャレット #24   LHP フローレンス高
8 SD カル・クオントリル #21   RHP スタンフォード大
9 DET マット・マニング #27   RHP シェルダン高
10 CHW ザック・コリンズ #13   C フロリダ大
11 SEA カイル・ルイス #8   OF マーサー大
12 BOS ジェイソン・グルーム #1   LHP バーニガット高
13 TB ジョシュ・ロウ #14   3B/RHP ポープ高
14 CLE ウィル・ベンソン    OF ウェストミンスター高
15 MIN アレックス・キリロフ #19   OF プラム高
16 LAA マット・サイス #40   C バージニア大
17 HOU フォレスト・ウィットリー #17   RHP アラモ・ハイツ高
18 NYY ブレイク・ラザフォード #5   OF チャミナンデ大付属高
19 NYM ジャスティン・ダン    RHP ボストン大
20 LAD ギャビン・ラックス   SS インディアン・トレイルアカデミー
21 TOR T.J.ズーク #30   RHP ピッツバーグ大
22 PIT ウィル・クレイグ #23   RHP ウェークフォレスト大
23 STL デルビン・ペレス #2   SS インターナショナルベースボールアカデミー
24 SD ハドソン・サンチェス    3B キャロル高
25 SD エリック・ラウアー #18   LHP ケント大
26 CHW ザック・バーディ #35   RHP ルイスビル大
27 BAL コディ・セドロック #33   RHP イリノイ大
28 WSH カーター・キーブーム    3B/2B ウォルトン高
29 WSH デーン・ダニング   RHP フロリダ大
30 TEX コール・レーゲンズ   LHP ノース・フロリダ・クリスチャン高
31 NYM アンソニー・ケイ   LHP コネチカット大
32 LAD ウィル・スミス   C ルイスビル大
33 STL ディラン・カールソン   OF エルクグローブ高
34 STL ダコタ・ハドソン #9   RHP ミシシッピ州立大
35 CIN テイラー・トラメル   OF マウント・パラン・クリスチャン高
36 LAD ジョーダン・シェフィールド   RHP バンダービルト大
37 OAK ドルトン・ジェフェリーズ #16   RHP カリフォルニア大
38 COL ロバート・タイラー    RHP ジョージア大
39 ARI アンファニー・グリアー    OF アーバーン大
40 ATL ジョーイ・ウェンツ #12   LHP ショウニー・ミッション・イースト高
41 PIT ニック・ラドロ   LHP ダミアン高
42 PHI ケビン・ゴウディ    RHP サンタバーバラ高
43 CIN クリス・オーキー #26   C クレムゾン大
44 ATL カイル・マラー #34   LHP シーサイット・ダラス高
45 COL ベン・ボウデン    LHP バンダービルト大
46 MIL ルーカス・アーシズ   3B メンロ大
47 OAK ローガン・ショア #15   RHP フロリダ大
48 SD バディー・リード #22   OF フロリダ大
49 CHW アレク・ハンセン   RHP オクラホマ大
50 SEA ジョー・リゾー    3B オークトン高
51 BOS CJ.キャッサム   SS フロリダ・アトランティック大
52 ARI アンディ・ヤージー   C ヨーク・ミルズ大付属高
53 TB ライアン・ボルト   OF ネブラスカ大
54 BAL キーガン・エイケン   LHP ウェストミシガン大
55 CLE ノーラン・ジョーンズ #32   3B/SS ホーリー・ゴースト高
56 MIN ベン・ローベット   C ベローナエリア高
57 TOR J.B.ウッドマン   OF ミシシッピ大
58 WSH シェルダン・ノイズ   SS オクラホマ大
59 SF ブライアン・レイノルズ #25   OF バンダービルト大
60 LAA ブレンダン・マーシュ   OF バフォード高
61 HOU  ロニー・ドーソン    OF  オハイオ州立大
62 NYY  ニック・ソラク    2B  ルイスビル大
63 TEX  アレックス・スピース #31    RHP  マッキーチャン高
64 NYM  ピート・アロンゾ    1B  フロリダ大
65 LAD  ホワイト・ミッチェル    RHP  サンタクララ大
66 TOR  ボー・ビシェッテ    2B/3B  レイクウッド高
67 KC  AJ.パケット    RHP  ペッパーダイン大
68 PIT  トラビス・マクレガー    RHP  イーストレイク高
69 BAL  マシアス・ディーツ    RHP  ジョン.A.ローガン大
70 STL  コナー・ジョーンズ    RHP  バージニア大
71 SD  レジー・ローソン    RHP  ビクター・バレー・シニア高
72 CLE  ローガン・アイス    C  オレゴン州立大
73 MIN  ホセ・ミランダ    SS  リーダーシップ・クリスチャン・アカデミー
74 MIN  アキ・バドゥー    OF  セイラム高
75 MIL  マリオ・フェリシアーノ    C  カルロス・ベルトラン・ベースボールアカデミー
76 ATL  ブレット・カンバーランド    C  カリフォルニア大
77 TB  ジェイク・フレリー    OF  ルイジアナ州立大

 次ページでドラフト1日目の総評を行う。

2016 MLB Draft Pre-Ranking 31~50

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2016年度のMLBドラフト候補生を評価することが、本ランキングの目的である。計50名のドラフト候補生を簡易なレポートと共に読み解いていこう。

1~10/11~30/31~50

31. ケビン・ゴウディ:RHP サンタバーバラ高校 コミットメント:カリフォルニア大学

高校生投手の中ではかなりレベルの高いコマンドを持つタレント。速球は90マイル前半程度だがスライダー、チェンジアップのブレーキングボールの評価は高く、特にチェンジアップは高校生投手の中でも随一とも。6フィート4たるフレームで、アップサイドも十分。

32. マット・サイス:C  バージニア大学

ブライアン・マッキャン(NYY)とも比較される左打ちのC。身長はマッキャンに比べると5フィート11とかなり小柄だが、パワーポテンシャルは平均以上で見た目以上にパンチ力がある。アプローチにも優れており、四球数の方が三振数よりも多い。守備は特別上手いというわけではないが下手でもない。

33. カイル・ファンクハウザー:RHP ルイスビル大学

今年ロサンゼルス・ドジャースに指名されたものの、契約金などで折り合いがつかず大学に残ることとなった。契約には至らなかったが実力は十分で、常時90マイル中盤の速球とスライダーで三振の山を築くピッチングスタイル。コントロールの悪さとアップサイドの乏しさがネックか。

34. エリック・ラウアー:LHP ケント州立大学

コントロールのよさがウリのハイフロアーなサウスポー。速球は90マイル前半が最速だが、スライダー、チェンジアップ、カーブのクオリティはどれも高く、しっかりとストライクゾーンに投げこむことができる。故障のリスクが低いところも評価に値するポイント。

35. ブラクストン・ギャレット:LHP フローレンス高校 コミットメント:バンダービルト大学

ハイシーリングなサウスポーで、速球は90マイル前半だがこれからより速くなることが期待される。今年の夏に行われたU-18の大会で日本代表をきりきり舞いにさせていたカーブは非常に高い評価を得ており現時点でもかなりレベルの高い代物。クリーンでボールの出どころを見えづらくさせているデリバリーも高評価。

36. クリス・オーケイ:C クレムゾン大学

ソリッドな守備とパンチ力のある打撃がウリのC。長打力はCにしては平均以上だが、コンタクト能力はイマイチで打率はそれほど伸びないとも。肩は強く、キャッチングとスローイングもまずまず。スピードはないが、Cというポジションなので大きなマイナスにはならない。シーリングはレギュラークラスとの見込み。

37. マット・クロハン:LHP ウィンスロップ大学

最速97マイルの速球が武器の大型サウスポー。80マイル前半のスライダーとチェンジアップのコンビネーションは同じく無名大学出身のショーン・ニューカム(ATL)とも比較される。コマンドも悪くなく、がっしりとしたフレームで、メジャーでも長くローテーションを守ることが可能。

38. アレックス・スピアーズ:RHP マキーチャン高校 コミットメント:アーバーン大学

トゥキ・トゥサント(ATL)とも比較されるハイシーリングなタレント。既に速球は最速97マイルを計測しており、190ポンドの体重をより増やせば、今以上の速さを計測するだろう。変化球はカーブに高い評価を得ているがそのあとに続く変化球がない。コントロールもいいとは言えず、上手く成長すればエース級の逸材だが、リリーバーに収まる可能性も。

39. ザック・リンギンフェルター:RHP セビアーカウンティ高校 コミットメント:テネシー大学

6フィート5、225ポンドのフレームの持ち主。90マイル前半の非常にノビのあるフォーシームとツーシーム、80マイル前半のハードスライダーのコンビネーションで打者を打ち取る。デリバリーもクリーンでストライクを取ることに苦労しない。先発としてはスタミナ不足なところが懸念材料。

40. ブランドン・マキルウェイン:OF カウンシルロックノース高校 コミットメント:サウスカロライナ大学

以前はアメリカンフットボールに専念していたが、今年の夏に自信に野球の才能があることを知り2足のわらじを履くことにしたアスリート。5フィート11ながらもスピードとパワーは平均以上。守備でも野球経験の浅さを感じさせない動きをCFで見せていた。アメリカンフットボールか野球かどちらを続けるかはまだ決めておらず、大学に進学する可能性は高い。

41. ライアン・ボルト:OF ネブラスカ大学

広角にラインドライブを放つアベレージヒッター。ブライアン・レイノルズとヒッティングでは甲乙つけがたいがパワーで劣る。しかし、212ポンドと体格は大柄で、今年ボストン・レッドソックスに指名されたアンドリュー・ベニンテンディのように、来年突如としてパワーポテンシャルが開花するのではと期待する声もある。守備はレンジは広いが肩は弱くLF向き。

42. マット・マニング:RHP シェルダン高校 コミットメント:ロヨラメリウーマウント大学

元NBAプレイヤーを父親に持つ6フィート7のアスリート。スリークォーターのアングルから90マイル前半の沈む速球が最大の武器。高校生ながらこの速球を低めのストライクゾーンに集めるコントロールも持ち合わせている。使える変化球がカーブしかないところが玉に瑕。

43. ザック・バーディ:RHP ルイスビル大学

ニック・バーディ(MIN)の弟で兄と同じくスピードボーラー。ニックほど頻繁にではないが100マイル以上を計測することもある速球とスライダーのコンビネーションのレベルは高い。デリバリーもクリーンでコントロールも悪くない。今年まで兄と同じリリーバーだったが、来年からは先発に挑戦する。上手くいけば全体20位以内に指名される可能性もある。

44. ボー・ビシェット:2B /3B  レイクウッド高校 コミットメント:アリゾナ州立大学

引退した元メジャーリーガーのダンテ・ビシェットの息子。父親と同じくバットを高く構えるのが特徴で、一見すると奇妙な構えに見えるがバットスピードは速く、ヒッティングもパワーも平均以上。フィールド全体に打ち分けたり、じっくりとボールを選んだりと高校生離れしたアプローチも魅力。元々守っていたSSから2B、3Bに転向したが動きは悪くなく肩も強い。

45. レジー・ローソン:RHP ビクターバレー高校 コミットメント:アリゾナ州立大学

6フィート4たるフレームを持つハイシーリングなアスリート。90マイル前半の速球は今後より早くなることが見込まれており、滑り落ちるカーブも高評価。デリバリーにも余計な力が入っておらず、矯正の必要はない。コントロールも向上の一途をたどっている。

46. ロバート・タイラー:RHP ジョージア大学

最速100マイルも計測した威力のある動く速球が最大の武器の大型投手。チェンジアップで緩急をつけて打者から空振りを奪うことも容易にしてみせる。デリバリーが不安定でコントロールが安定しないところと毎年どこかを痛めてシーズンを通して活躍できていないことから将来はリリーバー転向が濃厚。

47. シェーン・マーフィー:C ライト州立大学

6フィート3、215ポンドと非常に大柄な体格ながらも動きは俊敏でブロッキングの能力も高い。肩も強く、送球までの早さも長くCとして守るには十分。守備ではクリス・オーケイやマット・サイスよりもレベルは上。打撃では2人にパワーで劣るもののヒッティングツールはレギュラーとしてやっていくには十分。アプローチも悪くない。

48. アレックス・キリロフ:1B/OF

シンプルなメカニクスからずば抜けたバットスピードを生み出すヒッティングプロスペクト。今年の夏に行われたパーフェクトゲームのホームランダービーで優勝したパワーも魅力。打席で非常にリラックスして自分の打ちたいボールを待てるメンタルを有している。スピードと肩は平均以上でそれまで守っていた1BからOFに転向する予定。

49. ダコタ・ハドソン:RHP ミシシッピ州立大学

今年の夏のケープコードリーグで評価を上げた6フィート5たるフレームを持つ先発投手。90マイル中盤の速球と90マイル前半のカットボールにブレーキングボールを交えて三振を奪うピッチングスタイル。長くコントロールに苦しんでいたがそれも改善傾向にあり、この傾向が続けばローテーション3番手クラスか。

50. ローガン・ショア:RHP フロリダ大学

速球は90マイル前半程度だが卓越したコマンドでそれをカバーする技巧派。チェンジアップは高い評価を得ており、”アンヒッタブル”と称する声も。ただ、K/9の数値は低く、支配的なピッチングをすることはできない。チェンジアップ以外の変化球がイマイチなのもマインスポイント。

 

Text by Ryota Ookaya
写真 : https://flic.kr/p/a5jjLX