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2017 Top 20 Prospects:オークランド・アスレチックス

本ランキングのベースは、現在の活躍と今後のアップサイドによる総合的な評価である。傘下トップ20の素材を簡易のレポートと共に示している。選手名のリンクで表示されるマイナーでのスタッツと併せて参考にして頂ければ幸いだ。
1. フランクリン・バレット:SS
高いヒッティングスキルが魅力。バットスピードが速く、ラインドライブの打球を量産することができる。パワーも平均かそれ以上あり、シーズン15HRをマークすることができるだろう。毎シーズン盗塁数は多いが、スピードは平均レベル。現在はSSを守っているが、レンジが平凡でミスが多いため2B/OFへの転向が考えられている。肩は強いためOFならCF/RFに入ることになるだろう。
2. マット・チャップマン:3B
パワー、肩の強さ、守備の上手さはマイナーでも有数のものだが、コンタクトスキルが異様に低いため評価が打ち止めとなってしまっている。そのため打率は常に低空飛行だが、長打を警戒されるため四球が多く総合的な打力は平均以上。肩はマウンドで98マイルを計測するほど強く、守備はマイナーの3Bで最も上手いとの評価を得ている。どれだけバットにボールを当てられるかが今後のカギ。
3. A.J.パク:LHP
16年ドラフト全体6位指名。90マイル後半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球を内角に投げこむことにためらいがなく、果敢に攻めていくことができる。スライダーの評価は現時点でも高いが、まだ、向上の余地があり絶対的なボールにすることができる。チェンジアップは平均程度のクオリティで試合で使う分には悪くないボール。時折四球を連発してしまうコントロールの悪さは改善する必要があるだろう。
4. ジャレル・コットン:RHP
昨シーズン途中にジョシュ・レディック(HOU)らとのトレードでOAKに移籍後頭角を現した。速球は常時90マイル前半程度だが、多投するチェンジアップのクオリティは非常に高く、メジャーデビュー後も打者をきりきり舞いにしていた。コントロールもよく四球は滅多にださない。球威がなく長打が出やすい点と、小柄なため先発として投げ続けられるかという点が懸念材料。
5. ダニエル・ゴセット:RHP
不調に苦しんだ一昨年から一転、昨シーズンは1年を通して好投を見せた。90マイル前半のよく動く速球、カッター、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。アウトピッチはカーブで速球と緩急をつけて空振りを奪う。四球を出すことが少なく、どの球種もコマンドをつけて投げることができる。細身のため耐久性に疑問符がつく。
6. マット・オルソン:OF/1B
OAKのマイナー屈指のパワーを持ちながらも慎重すぎるアプローチと対左投手への対応の悪さが仇となって満足に発揮できないでいる。それでも平均以上の打力を有しており、レギュラークラスの選手になれるだろう。懸念されていた守備はOF/1Bともにそつなくこなし、1Bについては平均以上との声も。
7. グラント・ホルムズ:RHP
高校時代に速球が100マイルをマークしたことがあるが、プロ入り後は95マイル前後で推移している。それでも速球はよく動くため捉えることは難しく、カーブ、チェンジアップのブレーキングボールは共に平均以上のクオリティのためコンスタントに空振りを奪うことができる。デリバリーに力感はなく、崩れることは少ないが、リリースポイントを見失いコントロールを乱す場面が目立つ。
8. レナト・ヌネス:3B
小柄な体格ながら筋肉が詰まった肉体の持ち主でパワーは平均以上。甘く入った速球を逃すことなくHRにすることができる。何でも打ちに行くアプローチのため三振が多い割に四球が少ない。スピードがなく、守備も現在守っている3Bに留まることが難しいので将来は1Bに転向することになるだろう。
9. ヒース・フィルマイヤー:RHP
大学時代に投手に転向したため投手としての経験は実質3年程度。それでもプロ入り後高い能力を見せ短期間でAAにまで到達した。90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。アウトピッチはカーブでスピンが利いており空振りを奪うことができる。チェンジアップの評価も悪くない。一昨年はコントロールを乱すことが多かったが、昨シーズンは四球を出すことが少なかった。この傾向が続けば今シーズン中のメジャー昇格も有り得る。
10. ドルトン・ジェフェリーズ:RHP
16年ドラフト全体37位指名。ソニー・グレイ(OAK)と比較されていることから分かるように小柄な体格。90マイル前半の沈む速球とカーブ、スライダー、チェンジアップのコンビネーション。スライダーはカウント球としてしか使わないが、カーブ、チェンジアップはアウトピッチとして優秀なボール。デリバリーは力感がなく、コントロールもいい。肩を故障して同期のパク、ローガン・ショアに出遅れたが実力は負けるとも劣らず。
11. ラウル・アルカンタラ:RHP
14年から2年間故障に悩まされていたが、昨シーズンは1年健康に過ごしメジャーデビューも果たした。90マイル前半の速球とチェンジアップ、カーブ、スライダーのコンビネーション。チェンジアップの評価が高く、速球と緩急をつけることができる。ストライクスロワーで四球を出すことは滅多にないが、メジャーではそれが仇となってかHRを打たれる場面が目立った。
12. ブルース・マックスウェル:C
プロ入り後打撃で苦戦していたが、昨シーズンは大学時代の打撃を取り戻し、メジャーデビューも果たした。打席では柔軟なスイングで広角に打ち分けることができている。パワーも平均かそれ以上はあるためCとしては優秀な打力の持ち主。守備ではパスボールなどのミスが少ない上にフレーミングの数字もよく、盗塁阻止率も常に高い数字をマークしている。
13. ローガン・ショア:RHP
16年ドラフト2巡目指名。大学時代はパクを抑えてエースとしての扱いを受けていた技巧派投手。速球の球速は最速でも90マイル前半だが、卓越したコマンドと昨年のドラフトクラスの投手で最高級と言われたチェンジアップを駆使し打者を打ち取っていく。ブルドックのようだと形容される闘争心の高さもウリで、プレーオフに投げさせたい投手とも言われている。
14. マックス・シュロック:2B
高いヒッティングスキルが武器の小兵。当てるだけのスイングではなく、しっかりと振りぬくためそこそこ長打を打つことができる。アプローチは悪くなく、大量に四球を選ぶわけではないが滅多に三振をしない。守備は平凡で2Bを守らせておく分には問題はない。スピードも平均レベル。将来像はIF版青木宣親(HOU)。
15. ノルヘ・ルイズ:RHP
昨年の12月にインターナショナルFAで加入したキューバ人。90マイル前半のよく動く速球とスライダー、チェンジアップ、スプリッターのコンビネーション。変化球はいずれも平均かそれ以上の評価を受けており、アクションも大きく申し分ない。13年にはアレックス・ブレグマン(HOU)、カイル・シュワバー(CHC)らなど現在メジャーの一線級で活躍する選手がいたアメリカ大学代表チームを相手に11奪三振1失点の投球を披露したこともある。
16. フランキー・モンタス:RHP
最速102マイルの速球が最大の武器であるリリーフプロスペクト。この速球にキレのあるカッターのようなスライダーを交えて三振の山を築く。一昨年までは先発として投げることがほとんどだったが、昨シーズンは故障もあってリリーフに回る機会が増えた。コントロールに難があるため、今後もリリーフとして使う方が無難だろう。
17. チャド・ピンダー:SS/2B
無駄の少ないスイングで引っ張った時のパワーは目も見張るものがある。コンタクトスキルは平凡だが、何でも打ちに行くアプローチのため四球が少なく、その割には三振が多いため打率が上がらない。肩は非常に強く、膝をついたまま1Bへ正確な送球が投げられるが、レンジやハンドリングは平均かそれ以下。将来は代打もこなすユーティリティーか。
18. ラザロ・アーメンタロス:OF
昨年の7月にインターナショナルFAで加入。キューバのブライス・ハーパー(WSH)と形容されるように素晴らしい肉体と型外れなスイングから生み出される規格外のパワーが持ち味。身体能力が非常に高く、スピードや肩の強さも一級品。キューバではRF/LFを守っていたがCFを守ることもできるだろう。まだ、投球に対する理解などは浅く、育成に時間はかかるが上手くいけばメジャーを代表する選手の1人になるだろう。
19. ジェイコブ・ブラグマン:OF
走攻守全てをそつなくこなすことができるハイフロアーなタレント。打撃では広角に打ち分けることができ、低打率に陥ることは少ない。パワーも平均程度にはある。スピード、肩も平均レベルで守備はOF3ポジション全てに入ることが可能。第4のOFとしては優秀な部類になるだろう。
20. ダコタ・チャルマーズ:RHP
90マイル後半をたたき出すこともある速球が武器のハイシーリングなタレント。アウトピッチのカーブ、スライダーも評価が高く、三振を簡単に奪うことができる。身長の割りに体重がついておらず、デリバリーが不安定となりコントロールを乱す原因となっている。
Text By Ookaya Ryota
写真:https://flic.kr/p/Lf7E7L
2016 Draft Review : アメリカン・リーグ西地区

◎ヒューストン・アストロズ 2016年ドラフトまとめ
◎ロサンゼルス・エンゼルス 2016年ドラフトまとめ
◎オークランド・アスレチックス 2016年ドラフトまとめ
◎シアトル・マリナーズ 2016年ドラフトまとめ
◎テキサス・レンジャーズ 2016年ドラフトまとめ
*順位:選手名:出身校:ポジション:身長/体重
- ヒューストン・アストロズ
17:フォレスト・ウィットリー:アラモ・ハイツ高校:RHP:200cm/108kg
常時90マイル中盤のカッター気味に曲がる速球を投げるエースポテンシャルの剛腕。強靭な下半身に支えらたデリバリーは力感が少なく、試合終盤になってもくずれることはない。カーブは打者のひざ元によく決まるパワーカーブで平均以上のクオリティ。チェンジアップもスプリッターのように変化しカーブと共にアウトピッチとして使っている。チェンジアップは空振りを奪えるだけでなくゴロを打たせるのにも有効なボール。細かいコマンドには欠けるがストライクゾーンに集めるコントロールは有している。
61:ロニー・ドーソン:オハイオ州立大学:OF:187cm/102kg
身体能力の高さが光るハイシーリングなタレント。バットスピードは非常に速く、パワーポテンシャルはシーズン30本塁打も夢ではないほど。難があると言われていたコンタクトスキルも改善傾向にあるが、なんでも振りに行こうとして体が動いてしまう点は要改善。スピードツールは平均以上だが、体重をつけすぎたことと膝を手術したことを考えるとそれほど期待はできないか。守備の評価はそれほど芳しくなくルート取りの正確さについては意見が分かれている。肩は弱くプロではLFしか守れないだろう。
97:ジェイク・ロジャーズ:テュレーン大学:C:185cm/86kg
今ドラフトで最高クラスのディフェンスツールを持つC。キャッチング、ブロッキング、スローイング全てにおいて平均を大きく上回っている。特に盗塁阻止に関しては逸材揃いのケープコードリーグで盗塁阻止率71.4%をマークするほど。メークアップにも優れており守備に関しては文句なしと言える。しかし、打撃となると全てにおいて平均以下でアップサイドにも期待はできない。将来はバックアップか。
2016 Draft Quick Look

メジャーリーグでは現地9日より2016年ドラフトがスタートし、同日には計77人が指名を受けた。以下にはその結果をリスト形式で整理する。選手横の#数字は当サイトのモック順位を表す。
順位 | チーム | 選手名 | ポジション | 出身校 | |
1 | PHI | ミッキー・モニアック #11 | OF | ラコスタキャニオン高 | |
2 | CIN | ニック・センゼル #6 | 3B/2B | テネシー大 | |
3 | ATL | イアン・アンダーソン #20 | RHP | シェネンデホワ高 | |
4 | COL | ライリー・パイント #7 | RHP | セント・トマス・アキナス高 | |
5 | MIL | コリー・レイ #3 | OF | ルイスビル大 | |
6 | OAK | A.J.パク #4 | LHP | マイアミ大 | |
7 | MIA | ブラクストン・ギャレット #24 | LHP | フローレンス高 | |
8 | SD | カル・クオントリル #21 | RHP | スタンフォード大 | |
9 | DET | マット・マニング #27 | RHP | シェルダン高 | |
10 | CHW | ザック・コリンズ #13 | C | フロリダ大 | |
11 | SEA | カイル・ルイス #8 | OF | マーサー大 | |
12 | BOS | ジェイソン・グルーム #1 | LHP | バーニガット高 | |
13 | TB | ジョシュ・ロウ #14 | 3B/RHP | ポープ高 | |
14 | CLE | ウィル・ベンソン | OF | ウェストミンスター高 | |
15 | MIN | アレックス・キリロフ #19 | OF | プラム高 | |
16 | LAA | マット・サイス #40 | C | バージニア大 | |
17 | HOU | フォレスト・ウィットリー #17 | RHP | アラモ・ハイツ高 | |
18 | NYY | ブレイク・ラザフォード #5 | OF | チャミナンデ大付属高 | |
19 | NYM | ジャスティン・ダン | RHP | ボストン大 | |
20 | LAD | ギャビン・ラックス | SS | インディアン・トレイルアカデミー | |
21 | TOR | T.J.ズーク #30 | RHP | ピッツバーグ大 | |
22 | PIT | ウィル・クレイグ #23 | RHP | ウェークフォレスト大 | |
23 | STL | デルビン・ペレス #2 | SS | インターナショナルベースボールアカデミー | |
24 | SD | ハドソン・サンチェス | 3B | キャロル高 | |
25 | SD | エリック・ラウアー #18 | LHP | ケント大 | |
26 | CHW | ザック・バーディ #35 | RHP | ルイスビル大 | |
27 | BAL | コディ・セドロック #33 | RHP | イリノイ大 | |
28 | WSH | カーター・キーブーム | 3B/2B | ウォルトン高 | |
29 | WSH | デーン・ダニング | RHP | フロリダ大 | |
30 | TEX | コール・レーゲンズ | LHP | ノース・フロリダ・クリスチャン高 | |
31 | NYM | アンソニー・ケイ | LHP | コネチカット大 | |
32 | LAD | ウィル・スミス | C | ルイスビル大 | |
33 | STL | ディラン・カールソン | OF | エルクグローブ高 | |
34 | STL | ダコタ・ハドソン #9 | RHP | ミシシッピ州立大 | |
35 | CIN | テイラー・トラメル | OF | マウント・パラン・クリスチャン高 | |
36 | LAD | ジョーダン・シェフィールド | RHP | バンダービルト大 | |
37 | OAK | ドルトン・ジェフェリーズ #16 | RHP | カリフォルニア大 | |
38 | COL | ロバート・タイラー | RHP | ジョージア大 | |
39 | ARI | アンファニー・グリアー | OF | アーバーン大 | |
40 | ATL | ジョーイ・ウェンツ #12 | LHP | ショウニー・ミッション・イースト高 | |
41 | PIT | ニック・ラドロ | LHP | ダミアン高 | |
42 | PHI | ケビン・ゴウディ | RHP | サンタバーバラ高 | |
43 | CIN | クリス・オーキー #26 | C | クレムゾン大 | |
44 | ATL | カイル・マラー #34 | LHP | シーサイット・ダラス高 | |
45 | COL | ベン・ボウデン | LHP | バンダービルト大 | |
46 | MIL | ルーカス・アーシズ | 3B | メンロ大 | |
47 | OAK | ローガン・ショア #15 | RHP | フロリダ大 | |
48 | SD | バディー・リード #22 | OF | フロリダ大 | |
49 | CHW | アレク・ハンセン | RHP | オクラホマ大 | |
50 | SEA | ジョー・リゾー | 3B | オークトン高 | |
51 | BOS | CJ.キャッサム | SS | フロリダ・アトランティック大 | |
52 | ARI | アンディ・ヤージー | C | ヨーク・ミルズ大付属高 | |
53 | TB | ライアン・ボルト | OF | ネブラスカ大 | |
54 | BAL | キーガン・エイケン | LHP | ウェストミシガン大 | |
55 | CLE | ノーラン・ジョーンズ #32 | 3B/SS | ホーリー・ゴースト高 | |
56 | MIN | ベン・ローベット | C | ベローナエリア高 | |
57 | TOR | J.B.ウッドマン | OF | ミシシッピ大 | |
58 | WSH | シェルダン・ノイズ | SS | オクラホマ大 | |
59 | SF | ブライアン・レイノルズ #25 | OF | バンダービルト大 | |
60 | LAA | ブレンダン・マーシュ | OF | バフォード高 | |
61 | HOU | ロニー・ドーソン | OF | オハイオ州立大 | |
62 | NYY | ニック・ソラク | 2B | ルイスビル大 | |
63 | TEX | アレックス・スピース #31 | RHP | マッキーチャン高 | |
64 | NYM | ピート・アロンゾ | 1B | フロリダ大 | |
65 | LAD | ホワイト・ミッチェル | RHP | サンタクララ大 | |
66 | TOR | ボー・ビシェッテ | 2B/3B | レイクウッド高 | |
67 | KC | AJ.パケット | RHP | ペッパーダイン大 | |
68 | PIT | トラビス・マクレガー | RHP | イーストレイク高 | |
69 | BAL | マシアス・ディーツ | RHP | ジョン.A.ローガン大 | |
70 | STL | コナー・ジョーンズ | RHP | バージニア大 | |
71 | SD | レジー・ローソン | RHP | ビクター・バレー・シニア高 | |
72 | CLE | ローガン・アイス | C | オレゴン州立大 | |
73 | MIN | ホセ・ミランダ | SS | リーダーシップ・クリスチャン・アカデミー | |
74 | MIN | アキ・バドゥー | OF | セイラム高 | |
75 | MIL | マリオ・フェリシアーノ | C | カルロス・ベルトラン・ベースボールアカデミー | |
76 | ATL | ブレット・カンバーランド | C | カリフォルニア大 | |
77 | TB | ジェイク・フレリー | OF | ルイジアナ州立大 |
次ページでドラフト1日目の総評を行う。
2016 Mock Draft:1~20

*1~20位は1巡目指名
1.フィラデルフィア・フィリーズ
ジェイソン・グルーム:LHP バーニガット高校
全体1位指名が予想される高校生左腕。6フィート6(198cm)の恵まれた体格から90マイル中盤のストレート、カーブ、チェンジアップを繰り出す、カーショウ(LAD)とも比較される逸材。フロリダのIMGアカデミーに入学するも、ホームシックになってしまった過去がある。 今シーズン、4月には打者21人に対し19個の三振を奪いノーヒッターを達成するなど、圧巻のピッチングを見せた。地元から近いフィリーズからの1位指名が有力か。
2.シンシナティ・レッズ
デルビン・ペレス:SS インターナショナル・ベースボール・アカデミー
今ドラフト最高クラスのディフェンダーとも言われるプエルトリカン。並外れたスピード、打球反応から守備範囲は非常に広く、93マイルを計測したこともある強肩も持ち合わせており、長くショートに留まることができると言われている。打撃面では、パワーツールが乏しいが、それは6フィート3(193cm)ながら165ポンド(75kg)の細身によるもの。速いバットスピードと優れたコンタクト能力から、ポテンシャルは十分にある。
3.アトランタ・ブレーブス
コリー・レイ:OF ルイスビル大学
今ドラフトナンバーワンの5ツール外野手。今シーズンはここまで49試合に出場し、.325/.395/.593のスラッシュラインを記録。着実にレベルアップを果たしており、ホームランもすでに昨年の11本を抜く13本を放っている。スピードツールも素晴らしく、ここまで35盗塁を決め成功率は100%。大学では主にライトを守っているが、センターを守れる能力も十分ある。
2016 MLB Draft Pre-Ranking 31~50

2016年度のMLBドラフト候補生を評価することが、本ランキングの目的である。計50名のドラフト候補生を簡易なレポートと共に読み解いていこう。
31. ケビン・ゴウディ:RHP サンタバーバラ高校 コミットメント:カリフォルニア大学
高校生投手の中ではかなりレベルの高いコマンドを持つタレント。速球は90マイル前半程度だがスライダー、チェンジアップのブレーキングボールの評価は高く、特にチェンジアップは高校生投手の中でも随一とも。6フィート4たるフレームで、アップサイドも十分。
32. マット・サイス:C バージニア大学
ブライアン・マッキャン(NYY)とも比較される左打ちのC。身長はマッキャンに比べると5フィート11とかなり小柄だが、パワーポテンシャルは平均以上で見た目以上にパンチ力がある。アプローチにも優れており、四球数の方が三振数よりも多い。守備は特別上手いというわけではないが下手でもない。
33. カイル・ファンクハウザー:RHP ルイスビル大学
今年ロサンゼルス・ドジャースに指名されたものの、契約金などで折り合いがつかず大学に残ることとなった。契約には至らなかったが実力は十分で、常時90マイル中盤の速球とスライダーで三振の山を築くピッチングスタイル。コントロールの悪さとアップサイドの乏しさがネックか。
34. エリック・ラウアー:LHP ケント州立大学
コントロールのよさがウリのハイフロアーなサウスポー。速球は90マイル前半が最速だが、スライダー、チェンジアップ、カーブのクオリティはどれも高く、しっかりとストライクゾーンに投げこむことができる。故障のリスクが低いところも評価に値するポイント。
35. ブラクストン・ギャレット:LHP フローレンス高校 コミットメント:バンダービルト大学
ハイシーリングなサウスポーで、速球は90マイル前半だがこれからより速くなることが期待される。今年の夏に行われたU-18の大会で日本代表をきりきり舞いにさせていたカーブは非常に高い評価を得ており現時点でもかなりレベルの高い代物。クリーンでボールの出どころを見えづらくさせているデリバリーも高評価。
36. クリス・オーケイ:C クレムゾン大学
ソリッドな守備とパンチ力のある打撃がウリのC。長打力はCにしては平均以上だが、コンタクト能力はイマイチで打率はそれほど伸びないとも。肩は強く、キャッチングとスローイングもまずまず。スピードはないが、Cというポジションなので大きなマイナスにはならない。シーリングはレギュラークラスとの見込み。
37. マット・クロハン:LHP ウィンスロップ大学
最速97マイルの速球が武器の大型サウスポー。80マイル前半のスライダーとチェンジアップのコンビネーションは同じく無名大学出身のショーン・ニューカム(ATL)とも比較される。コマンドも悪くなく、がっしりとしたフレームで、メジャーでも長くローテーションを守ることが可能。
38. アレックス・スピアーズ:RHP マキーチャン高校 コミットメント:アーバーン大学
トゥキ・トゥサント(ATL)とも比較されるハイシーリングなタレント。既に速球は最速97マイルを計測しており、190ポンドの体重をより増やせば、今以上の速さを計測するだろう。変化球はカーブに高い評価を得ているがそのあとに続く変化球がない。コントロールもいいとは言えず、上手く成長すればエース級の逸材だが、リリーバーに収まる可能性も。
39. ザック・リンギンフェルター:RHP セビアーカウンティ高校 コミットメント:テネシー大学
6フィート5、225ポンドのフレームの持ち主。90マイル前半の非常にノビのあるフォーシームとツーシーム、80マイル前半のハードスライダーのコンビネーションで打者を打ち取る。デリバリーもクリーンでストライクを取ることに苦労しない。先発としてはスタミナ不足なところが懸念材料。
40. ブランドン・マキルウェイン:OF カウンシルロックノース高校 コミットメント:サウスカロライナ大学
以前はアメリカンフットボールに専念していたが、今年の夏に自信に野球の才能があることを知り2足のわらじを履くことにしたアスリート。5フィート11ながらもスピードとパワーは平均以上。守備でも野球経験の浅さを感じさせない動きをCFで見せていた。アメリカンフットボールか野球かどちらを続けるかはまだ決めておらず、大学に進学する可能性は高い。
41. ライアン・ボルト:OF ネブラスカ大学
広角にラインドライブを放つアベレージヒッター。ブライアン・レイノルズとヒッティングでは甲乙つけがたいがパワーで劣る。しかし、212ポンドと体格は大柄で、今年ボストン・レッドソックスに指名されたアンドリュー・ベニンテンディのように、来年突如としてパワーポテンシャルが開花するのではと期待する声もある。守備はレンジは広いが肩は弱くLF向き。
42. マット・マニング:RHP シェルダン高校 コミットメント:ロヨラメリウーマウント大学
元NBAプレイヤーを父親に持つ6フィート7のアスリート。スリークォーターのアングルから90マイル前半の沈む速球が最大の武器。高校生ながらこの速球を低めのストライクゾーンに集めるコントロールも持ち合わせている。使える変化球がカーブしかないところが玉に瑕。
43. ザック・バーディ:RHP ルイスビル大学
ニック・バーディ(MIN)の弟で兄と同じくスピードボーラー。ニックほど頻繁にではないが100マイル以上を計測することもある速球とスライダーのコンビネーションのレベルは高い。デリバリーもクリーンでコントロールも悪くない。今年まで兄と同じリリーバーだったが、来年からは先発に挑戦する。上手くいけば全体20位以内に指名される可能性もある。
44. ボー・ビシェット:2B /3B レイクウッド高校 コミットメント:アリゾナ州立大学
引退した元メジャーリーガーのダンテ・ビシェットの息子。父親と同じくバットを高く構えるのが特徴で、一見すると奇妙な構えに見えるがバットスピードは速く、ヒッティングもパワーも平均以上。フィールド全体に打ち分けたり、じっくりとボールを選んだりと高校生離れしたアプローチも魅力。元々守っていたSSから2B、3Bに転向したが動きは悪くなく肩も強い。
45. レジー・ローソン:RHP ビクターバレー高校 コミットメント:アリゾナ州立大学
6フィート4たるフレームを持つハイシーリングなアスリート。90マイル前半の速球は今後より早くなることが見込まれており、滑り落ちるカーブも高評価。デリバリーにも余計な力が入っておらず、矯正の必要はない。コントロールも向上の一途をたどっている。
46. ロバート・タイラー:RHP ジョージア大学
最速100マイルも計測した威力のある動く速球が最大の武器の大型投手。チェンジアップで緩急をつけて打者から空振りを奪うことも容易にしてみせる。デリバリーが不安定でコントロールが安定しないところと毎年どこかを痛めてシーズンを通して活躍できていないことから将来はリリーバー転向が濃厚。
47. シェーン・マーフィー:C ライト州立大学
6フィート3、215ポンドと非常に大柄な体格ながらも動きは俊敏でブロッキングの能力も高い。肩も強く、送球までの早さも長くCとして守るには十分。守備ではクリス・オーケイやマット・サイスよりもレベルは上。打撃では2人にパワーで劣るもののヒッティングツールはレギュラーとしてやっていくには十分。アプローチも悪くない。
48. アレックス・キリロフ:1B/OF
シンプルなメカニクスからずば抜けたバットスピードを生み出すヒッティングプロスペクト。今年の夏に行われたパーフェクトゲームのホームランダービーで優勝したパワーも魅力。打席で非常にリラックスして自分の打ちたいボールを待てるメンタルを有している。スピードと肩は平均以上でそれまで守っていた1BからOFに転向する予定。
49. ダコタ・ハドソン:RHP ミシシッピ州立大学
今年の夏のケープコードリーグで評価を上げた6フィート5たるフレームを持つ先発投手。90マイル中盤の速球と90マイル前半のカットボールにブレーキングボールを交えて三振を奪うピッチングスタイル。長くコントロールに苦しんでいたがそれも改善傾向にあり、この傾向が続けばローテーション3番手クラスか。
50. ローガン・ショア:RHP フロリダ大学
速球は90マイル前半程度だが卓越したコマンドでそれをカバーする技巧派。チェンジアップは高い評価を得ており、”アンヒッタブル”と称する声も。ただ、K/9の数値は低く、支配的なピッチングをすることはできない。チェンジアップ以外の変化球がイマイチなのもマインスポイント。
Text by Ryota Ookaya
写真 : https://flic.kr/p/a5jjLX